4: 2020/09/06(日) 17:58:00 ID:nWNObmw7d.net
ヨーロッパのある観光地 スキー場
女の子「わーい」
爺「ほっほ、女の子は元気じゃのう」
女の子「おじいちゃん、私あっちのほうで滑ってくるね」スイーッ
爺「こらこらまたんか!」
爺「まったく、片時も目を離せんのう」
女の子「わーい」
爺「ほっほ、女の子は元気じゃのう」
女の子「おじいちゃん、私あっちのほうで滑ってくるね」スイーッ
爺「こらこらまたんか!」
爺「まったく、片時も目を離せんのう」
6: 2020/09/06(日) 18:03:46 ID:nWNObmw7d.net
カフェ
ラジオのニュース「今晩は〇〇地方は大雪の天候になることが・・・」
ビジネスマン「まったく。クライアントもなぜこんなところで契約を・・・」ブツブツ
ビジネスマン(ん?あっちの若いカップル、やかましいな。まあ私には関係ないが)
若い男「君がスキーに来たいって言ったんだろ!」ドン!
若い女「でも明日大雪だなんて聞いてないわ!少し調べれば予定を変えられたでしょ?せっかくの新婚旅行なのよ!」
若い男「おいおい、ぼくのせいか?」
ビジネスマン(うるさいなあ。さっさと出て今夜の宿を確保するとするか)グビッ パサパサ
ラジオのニュース「今晩は〇〇地方は大雪の天候になることが・・・」
ビジネスマン「まったく。クライアントもなぜこんなところで契約を・・・」ブツブツ
ビジネスマン(ん?あっちの若いカップル、やかましいな。まあ私には関係ないが)
若い男「君がスキーに来たいって言ったんだろ!」ドン!
若い女「でも明日大雪だなんて聞いてないわ!少し調べれば予定を変えられたでしょ?せっかくの新婚旅行なのよ!」
若い男「おいおい、ぼくのせいか?」
ビジネスマン(うるさいなあ。さっさと出て今夜の宿を確保するとするか)グビッ パサパサ
7: 2020/09/06(日) 18:09:01 ID:nWNObmw7d.net
夜 観光地から少し離れたレストラン
女の子「美味しかったね、おじいちゃん」
爺「ほっほ、そうじゃのう」
店主「お皿おさげします」
女の子「ありがとう」
爺「お前さん、一人でこのレストランを切り盛りしてるのかね?」
店主「ええ、まあ。家内が氏んでからはずっとそうです」
爺「お、おっと・・・すまん」
店主「?いえ、お気になさらず」
カチャカチャ
チリンチリン
若い男「予約なしだけど大丈夫かな?」
店主「ええ、もちろん」
若い女「・・・」ブスッ
ビジネスマン(げっ、またあいつらとかち合った)
店主「そちらは本当にサンドイッチとコーヒーだけでよろしいので?」
ビジネスマン「ええ、このあと仕事でしてね、軽くすませるだけにしとこうと思いまして」
店主「そうですか」
カチャリ
女の子「美味しかったね、おじいちゃん」
爺「ほっほ、そうじゃのう」
店主「お皿おさげします」
女の子「ありがとう」
爺「お前さん、一人でこのレストランを切り盛りしてるのかね?」
店主「ええ、まあ。家内が氏んでからはずっとそうです」
爺「お、おっと・・・すまん」
店主「?いえ、お気になさらず」
カチャカチャ
チリンチリン
若い男「予約なしだけど大丈夫かな?」
店主「ええ、もちろん」
若い女「・・・」ブスッ
ビジネスマン(げっ、またあいつらとかち合った)
店主「そちらは本当にサンドイッチとコーヒーだけでよろしいので?」
ビジネスマン「ええ、このあと仕事でしてね、軽くすませるだけにしとこうと思いまして」
店主「そうですか」
カチャリ
8: 2020/09/06(日) 18:12:23 ID:nWNObmw7d.net
レストランの外の窓から見える吹雪が酷くなる
若い男「こりゃすごいな。これ以上酷くなる前にホテルに戻ったほうがいいな」
若い女「だから!近場ですまそうって言ったじゃない!」
若い男「は?君だって乗り気だったろ?」
ビジネスマン(またか。もうウンザリだな)
女の子「キャッ、キャッ」
爺「ほっほ」
店主「・・・」
ズドーーーーーン!!!!!
一同「!?」
若い男「こりゃすごいな。これ以上酷くなる前にホテルに戻ったほうがいいな」
若い女「だから!近場ですまそうって言ったじゃない!」
若い男「は?君だって乗り気だったろ?」
ビジネスマン(またか。もうウンザリだな)
女の子「キャッ、キャッ」
爺「ほっほ」
店主「・・・」
ズドーーーーーン!!!!!
一同「!?」
9: 2020/09/06(日) 18:16:59.621 ID:nWNObmw7d.net
レストランの中、電気が消えて真っ暗になる
若い女「キャーーーー!!」
若い男「な、なんだ!?」
ビジネスマン「ちっ」シュボッ
ビジネスマン(マッチの火じゃすぐ消えるな)
女の子「・・・?」
爺「女の子、大丈夫じゃ。とりあえずジッとしてなさい」
ビジネスマン「停電だな。店主、ロウソクはありますか?」
店主「はい、今用意してます」シュボッ
ビジネスマン「良かった」
ビジネスマン「お嬢さんとご老人はケガとかしてませんね?」
爺「ええ」
若い女「何?なんなの?」
ビジネスマン「さっきの音、おそらく雪崩だな」
店主「そうでしょうね」
若い男「え、ええええ?」
若い女「キャーーーー!!」
若い男「な、なんだ!?」
ビジネスマン「ちっ」シュボッ
ビジネスマン(マッチの火じゃすぐ消えるな)
女の子「・・・?」
爺「女の子、大丈夫じゃ。とりあえずジッとしてなさい」
ビジネスマン「停電だな。店主、ロウソクはありますか?」
店主「はい、今用意してます」シュボッ
ビジネスマン「良かった」
ビジネスマン「お嬢さんとご老人はケガとかしてませんね?」
爺「ええ」
若い女「何?なんなの?」
ビジネスマン「さっきの音、おそらく雪崩だな」
店主「そうでしょうね」
若い男「え、ええええ?」
10: 2020/09/06(日) 18:19:14.018 ID:nWNObmw7d.net
若い男「だ、大丈夫なのか」
ビジネスマン「とりあえずは大丈夫だと思いますよ。このレストランは高台にあるし」
若い女「そうじゃなくて!すぐ帰れるの?私たちハネムーン中なのよ!」
ビジネスマン「知りませんよ。とにかく外は猛吹雪だ。外に出たりしないように」
若い男「・・・なんてこった」
ビジネスマン「とりあえずは大丈夫だと思いますよ。このレストランは高台にあるし」
若い女「そうじゃなくて!すぐ帰れるの?私たちハネムーン中なのよ!」
ビジネスマン「知りませんよ。とにかく外は猛吹雪だ。外に出たりしないように」
若い男「・・・なんてこった」
12: 2020/09/06(日) 18:24:46 ID:nWNObmw7d.net
3時間後 店内はロウソクの明かりで照らされている
店主「皆さん。地元の警察から無線が入りました」
一同「!!」
店主「名前を読み上げます。〇〇さん、〇〇さん」
女の子「・・・」ワクワク
店主「〇〇さんで間違いありませんね?」
爺「ほい」
若い夫婦「ええ」
ビジネスマン「間違いありません」
店主「では警察にそう伝えます」
若い男「もしかして・・・帰れない?」
店主「ええ、街からこのレストランむでの道が雪崩で埋まったそうです」
若い女「そ、そんなあ」
店主「食料や薪やロウソクの類いは十分ストックがあります。ご安心を」
若い男「せっかくのハネムーンが・・・」
ビジネスマン(さて、私も困ったな。クライアントは街で待っててくれるだろうか?)
店主「皆さん。地元の警察から無線が入りました」
一同「!!」
店主「名前を読み上げます。〇〇さん、〇〇さん」
女の子「・・・」ワクワク
店主「〇〇さんで間違いありませんね?」
爺「ほい」
若い夫婦「ええ」
ビジネスマン「間違いありません」
店主「では警察にそう伝えます」
若い男「もしかして・・・帰れない?」
店主「ええ、街からこのレストランむでの道が雪崩で埋まったそうです」
若い女「そ、そんなあ」
店主「食料や薪やロウソクの類いは十分ストックがあります。ご安心を」
若い男「せっかくのハネムーンが・・・」
ビジネスマン(さて、私も困ったな。クライアントは街で待っててくれるだろうか?)
14: 2020/09/06(日) 18:27:57.247 ID:nWNObmw7d.net
夜 ロウソクの明かりの中食事をする一同
店主「皆様、今夜はこの部屋でかたまって寝るようにお願いします。暖炉があるのはこの部屋だけです」
女の子「キャッキャ」
若い女「はあ、子供は気楽でいいわね」
若い男「・・・」
ビジネスマン「ま、我々も切り替えましょう。帰れないなはヤキモキしても仕方ない」
若い男「そりゃそうだけどさ」
店主「皆様、今夜はこの部屋でかたまって寝るようにお願いします。暖炉があるのはこの部屋だけです」
女の子「キャッキャ」
若い女「はあ、子供は気楽でいいわね」
若い男「・・・」
ビジネスマン「ま、我々も切り替えましょう。帰れないなはヤキモキしても仕方ない」
若い男「そりゃそうだけどさ」
20: 2020/09/06(日) 18:34:23.709 ID:nWNObmw7d.net
深夜 トランプなどをして暇をつぶしていた一同。夜も遅いのでロウソクを消して寝ることに
しかし、全員目が冴えている
女の子「おじいちゃん、眠れない。何かお話して」
爺「こら、ワシらだけじゃないんだぞ。これから寝る皆さんにご迷惑だろう」
若い女「・・・」トントン
若い男「そうだな。あの、僕たちはむしろその話聞いてたいんだが、ぜんぜん眠くないし、こう暗くちゃ何もすることもないし」
ビジネスマン「私もですね。ご老人の声は心地よい。よい子守唄になりそうだ」
店主「では私も賛成に一票で」プウ!
爺「そうですか?それでは僭越ながら。ワシの祖父母の不思議な出会いの話を」
しかし、全員目が冴えている
女の子「おじいちゃん、眠れない。何かお話して」
爺「こら、ワシらだけじゃないんだぞ。これから寝る皆さんにご迷惑だろう」
若い女「・・・」トントン
若い男「そうだな。あの、僕たちはむしろその話聞いてたいんだが、ぜんぜん眠くないし、こう暗くちゃ何もすることもないし」
ビジネスマン「私もですね。ご老人の声は心地よい。よい子守唄になりそうだ」
店主「では私も賛成に一票で」プウ!
爺「そうですか?それでは僭越ながら。ワシの祖父母の不思議な出会いの話を」
25: 2020/09/06(日) 18:40:03.927 ID:nWNObmw7d.net
おばさん「村娘ーー、水を汲んできてちょうだい!」
村娘「はあーい」
トコトコ トコトコ
村人「村娘、川に水を汲みにいくのか?」
村娘「うん」
村人「大丈夫だとは思うが、念のため早く帰ってこい。世の中は戦争中なんだからな。いつ敗残兵なんかがこの村に現れるかわからん」
村娘「わかってるって」
トコトコ トコトコ
村娘「まったく、こんな山奥のへんぴな村にそんなもんが出るわけないでしょ」
村娘「はあーい」
トコトコ トコトコ
村人「村娘、川に水を汲みにいくのか?」
村娘「うん」
村人「大丈夫だとは思うが、念のため早く帰ってこい。世の中は戦争中なんだからな。いつ敗残兵なんかがこの村に現れるかわからん」
村娘「わかってるって」
トコトコ トコトコ
村娘「まったく、こんな山奥のへんぴな村にそんなもんが出るわけないでしょ」
26: 2020/09/06(日) 18:41:42.744 ID:nWNObmw7d.net
ザパーッ
村娘「これでよしっと」
村娘「帰りが大変よね・・・え?」
村娘「人が倒れてる!?」
男「・・・」
村娘「これでよしっと」
村娘「帰りが大変よね・・・え?」
村娘「人が倒れてる!?」
男「・・・」
27: 2020/09/06(日) 18:46:09.251 ID:nWNObmw7d.net
場面切り替わり 現代
女の子「・・・」ワクワク
ビジネスマン「それがご老人のお爺さまとお婆さまの出会いということですか?」
爺「ええ、そうですじゃ」
店主「はて、おかしいな。私は似たような話を子供の頃に聞いたことがあります」
若い女「たまたまじゃないの?もしかしたらこのお爺さんが映画とか小説を取り入れて盛ってるかもしれないし」
爺「む、失礼な。祖母から直接聞いた話ですぞ」
店主「・・・」プウ!
店主「続きを・・・お願いします」
爺「え、ええ」
女の子「・・・」ワクワク
ビジネスマン「それがご老人のお爺さまとお婆さまの出会いということですか?」
爺「ええ、そうですじゃ」
店主「はて、おかしいな。私は似たような話を子供の頃に聞いたことがあります」
若い女「たまたまじゃないの?もしかしたらこのお爺さんが映画とか小説を取り入れて盛ってるかもしれないし」
爺「む、失礼な。祖母から直接聞いた話ですぞ」
店主「・・・」プウ!
店主「続きを・・・お願いします」
爺「え、ええ」
28: 2020/09/06(日) 18:50:29.033 ID:nWNObmw7d.net
場面切り替わり 過去回想
おばさん「まったく、厄介なもん連れ込むんじゃないよ」
村娘「でもほっとけないでしょ?どう?父さん」
おじさん「うーん。外傷はないんだけどすごく衰弱してるなあ。これはなかなか目を覚まさないかも」
村娘「・・・」
男「・・・」グッタリ
村娘「私が看病する!」
おばさん「看病ってアンタ、羊の世話は?」
村娘「母さんは黙ってて!そんなの数日くらいは兄さんに倍仕事をしてもらえばいいでしょ」
村兄「・・・!?」
おばさん「まったく、厄介なもん連れ込むんじゃないよ」
村娘「でもほっとけないでしょ?どう?父さん」
おじさん「うーん。外傷はないんだけどすごく衰弱してるなあ。これはなかなか目を覚まさないかも」
村娘「・・・」
男「・・・」グッタリ
村娘「私が看病する!」
おばさん「看病ってアンタ、羊の世話は?」
村娘「母さんは黙ってて!そんなの数日くらいは兄さんに倍仕事をしてもらえばいいでしょ」
村兄「・・・!?」
29: 2020/09/06(日) 18:54:13.062 ID:nWNObmw7d.net
夜 男の額の絞った布を頻繁に変える村娘
村娘「大丈夫かなあ?この人」
村娘「・・・」ポッ
村娘「どこの国の人だろ?格好いいなあ」
男「う、うーん」ムクッ
村娘「・・・!起きた!」
男「△〇◇□××?」
村娘「え?今なんて言ったの?とにかく父さんたちを起こしてくるね」
バタバタ
男「・・・今のは・・・〇〇語か。ここは一体どこなんだ?」
男「いや、それよりも・・・俺は・・・誰だ?」
村娘「大丈夫かなあ?この人」
村娘「・・・」ポッ
村娘「どこの国の人だろ?格好いいなあ」
男「う、うーん」ムクッ
村娘「・・・!起きた!」
男「△〇◇□××?」
村娘「え?今なんて言ったの?とにかく父さんたちを起こしてくるね」
バタバタ
男「・・・今のは・・・〇〇語か。ここは一体どこなんだ?」
男「いや、それよりも・・・俺は・・・誰だ?」
30: 2020/09/06(日) 18:58:26.494 ID:nWNObmw7d.net
次の日
男「ありがとう。本当に感謝する」
おじさん「礼ならこの子に言ってくれ」
村娘「えへへ」
男「お嬢ちゃん、本当にありがとうな」
おじさん「それで?君は何者だ?言葉は通じるようだが、イントネーションに少し違和感がある」
男「・・・」
おじさん「やはり敗残兵か?なら厄介事はごめんなのだが」
男「すまない」
おばさん「ん?」
男「俺は今・・・自分の名前すらわからない状態なんだ」
村兄「・・・記憶喪失か」
男「ありがとう。本当に感謝する」
おじさん「礼ならこの子に言ってくれ」
村娘「えへへ」
男「お嬢ちゃん、本当にありがとうな」
おじさん「それで?君は何者だ?言葉は通じるようだが、イントネーションに少し違和感がある」
男「・・・」
おじさん「やはり敗残兵か?なら厄介事はごめんなのだが」
男「すまない」
おばさん「ん?」
男「俺は今・・・自分の名前すらわからない状態なんだ」
村兄「・・・記憶喪失か」
31: 2020/09/06(日) 19:04:17 ID:nWNObmw7d.net
数日後
戦争が終わったニュースが電報で村に飛び込む
村人「良かったねえ」
村人2「結局この村は何にも巻き込まれなかったな」
男「・・・」
おじさん「さて、記憶のないお前さんが何者だろうと、これで戦争という厄介事に巻き込まれる事も無くなったかな?」
村娘「・・・」
おじさん「疎開していた者たちは皆街へ帰るだろう」
村娘「・・・!?」
男「街・・・か」
おじさん「彼らについていってもいいが、私としては君には労働力としてこの村に残って欲しいのだが」
男「いいのか?」
戦争が終わったニュースが電報で村に飛び込む
村人「良かったねえ」
村人2「結局この村は何にも巻き込まれなかったな」
男「・・・」
おじさん「さて、記憶のないお前さんが何者だろうと、これで戦争という厄介事に巻き込まれる事も無くなったかな?」
村娘「・・・」
おじさん「疎開していた者たちは皆街へ帰るだろう」
村娘「・・・!?」
男「街・・・か」
おじさん「彼らについていってもいいが、私としては君には労働力としてこの村に残って欲しいのだが」
男「いいのか?」
32: 2020/09/06(日) 19:07:30 ID:nWNObmw7d.net
おじさん「いいも悪いも、お前さんよく働くしガタイもいいしな」
おばさん「ちょっと、この人にだって待ってる人や恋人なんかがいるかもしれないでしょ?」
村娘「!?」チラリ
男「いや、俺はこの先はこの村にお世話になりたい」
村娘「・・・」パァ
男「記憶はないがわかるんだ。俺は今まで天涯孤独だった。それに・・・外での使命はもう果たした」
おじさん「・・・?」
おばさん「ちょっと、この人にだって待ってる人や恋人なんかがいるかもしれないでしょ?」
村娘「!?」チラリ
男「いや、俺はこの先はこの村にお世話になりたい」
村娘「・・・」パァ
男「記憶はないがわかるんだ。俺は今まで天涯孤独だった。それに・・・外での使命はもう果たした」
おじさん「・・・?」
33: 2020/09/06(日) 19:11:17 ID:nWNObmw7d.net
おじさん「とにかく、残ってくれるんだな?」
男「ああ。この先もよろしく頼む」
おじさん「ウチはけっこう広いしな。一人くらいの客人はどうってことはない」
おばさん「客人、じゃなくなるかもしれないしね」チラリ
村娘「・・・」
おじさん「よし、そうとなったら仕事だ!暖炉の掃除(伏線)を手伝ってくれ」
男「わかった」
村兄「良かったな。村娘」
村娘「べ、べつに。私の力仕事の負担が減るのは良いことかもね」
男「ああ。この先もよろしく頼む」
おじさん「ウチはけっこう広いしな。一人くらいの客人はどうってことはない」
おばさん「客人、じゃなくなるかもしれないしね」チラリ
村娘「・・・」
おじさん「よし、そうとなったら仕事だ!暖炉の掃除(伏線)を手伝ってくれ」
男「わかった」
村兄「良かったな。村娘」
村娘「べ、べつに。私の力仕事の負担が減るのは良いことかもね」
34: 2020/09/06(日) 19:18:48.044 ID:nWNObmw7d.net
数年後。結婚した男と村娘
おばさん「男-!村娘-!水を汲んできとくれ。赤ちゃんは私が見とくから」
村娘「はーい」
男「お、おい。無理はするなよ」
村娘「バカねえ。この村じゃ女は子供を産んでも一月もしたら普通に働かないといけないのよ」
男「む、そうか。とにかく俺がたくさん持つ。お前は軽い桶を持てよ」
村娘「はいはい」
トコトコ トコトコ
村娘「そういえば・・・あなたと出会ったのもこんな・・・水を汲みに川に行ったときだったなあ」
男「・・・」ズギッ
村娘「あなたは川岸にたおれてたのよね」
男「・・・」ズキズキ
村娘「どうしたの?」
男「何でも無い。ちょっと小便する、先に行っててくれ」
村娘「もう!」
ジョロロ
男「使命は果たしたはずだ。しかし・・・何かを見落としてるような・・・」
ジョロロ ジョロローーー
おばさん「男-!村娘-!水を汲んできとくれ。赤ちゃんは私が見とくから」
村娘「はーい」
男「お、おい。無理はするなよ」
村娘「バカねえ。この村じゃ女は子供を産んでも一月もしたら普通に働かないといけないのよ」
男「む、そうか。とにかく俺がたくさん持つ。お前は軽い桶を持てよ」
村娘「はいはい」
トコトコ トコトコ
村娘「そういえば・・・あなたと出会ったのもこんな・・・水を汲みに川に行ったときだったなあ」
男「・・・」ズギッ
村娘「あなたは川岸にたおれてたのよね」
男「・・・」ズキズキ
村娘「どうしたの?」
男「何でも無い。ちょっと小便する、先に行っててくれ」
村娘「もう!」
ジョロロ
男「使命は果たしたはずだ。しかし・・・何かを見落としてるような・・・」
ジョロロ ジョロローーー
35: 2020/09/06(日) 19:24:49.043 ID:nWNObmw7d.net
場面変わって現代
女の子「・・・」スー スー
若い女「女の子寝ちゃったわね」
若い男「でも続きが気になるな」
爺「よければ最後までお話しますが」
店主「ぜひお願いします」
ビジネスマン「この話は・・・ご老人のお爺さまとお婆さま。どちらがあなたに話したものですか?」
爺「ん?両方ですな。二人の断片的な思い出話をワシがまとめた形になってますが」
ビジネスマン「そう・・・ですか」
爺「それが何か?」
ビジネスマン「いえ、何でも。続きをお願いします」
爺「あ、はいはい」
店主「・・・」チラリ
店主、暖炉を見る
女の子「・・・」スー スー
若い女「女の子寝ちゃったわね」
若い男「でも続きが気になるな」
爺「よければ最後までお話しますが」
店主「ぜひお願いします」
ビジネスマン「この話は・・・ご老人のお爺さまとお婆さま。どちらがあなたに話したものですか?」
爺「ん?両方ですな。二人の断片的な思い出話をワシがまとめた形になってますが」
ビジネスマン「そう・・・ですか」
爺「それが何か?」
ビジネスマン「いえ、何でも。続きをお願いします」
爺「あ、はいはい」
店主「・・・」チラリ
店主、暖炉を見る
36: 2020/09/06(日) 19:28:49.434 ID:nWNObmw7d.net
川
村娘「ヨイショッと」
男「お、おい!その半分にしとけ」
村娘「大丈夫だって・・・ん?」
男「どうした?」
村娘「水草の陰に・・・なんだか鈍く光るものが。こんなのここにあった?」
男「ああ、昨日増水したからな。上流から何か流れて来たんじゃないかな?」
村娘「ふーん」コン コン
村娘「なんだろ?これ・・・この感じ・・・鉛?」
男「!?」ガタン!
村娘「ん?」
男「鉛?」
村娘「ヨイショッと」
男「お、おい!その半分にしとけ」
村娘「大丈夫だって・・・ん?」
男「どうした?」
村娘「水草の陰に・・・なんだか鈍く光るものが。こんなのここにあった?」
男「ああ、昨日増水したからな。上流から何か流れて来たんじゃないかな?」
村娘「ふーん」コン コン
村娘「なんだろ?これ・・・この感じ・・・鉛?」
男「!?」ガタン!
村娘「ん?」
男「鉛?」
37: 2020/09/06(日) 19:33:50.811 ID:nWNObmw7d.net
村娘「ねえ?どうしたの?血相変えて。水は?」
男「後回しだ。まずはこれを封印する」
村娘「封印??」
男「これは俺のものだ」
村娘「あら?そうなの?・・・えっ?もしかして記憶が戻った?」
男「いや、断片的にだけ」
村娘「ふーん」
男「・・・大丈夫なはずだ。しかし念のため」ブツブツ
村娘「?」
男「おい、これには悪い魔物を封印してるんだ。お前はこれ以上近付くな!」
村娘「魔物?・・・封印?・・・プッ、あなたいい年して何言ってるの?」
男「とにかく、これは地下に封印する。この事は村のみんなには言うなよ」
男「後回しだ。まずはこれを封印する」
村娘「封印??」
男「これは俺のものだ」
村娘「あら?そうなの?・・・えっ?もしかして記憶が戻った?」
男「いや、断片的にだけ」
村娘「ふーん」
男「・・・大丈夫なはずだ。しかし念のため」ブツブツ
村娘「?」
男「おい、これには悪い魔物を封印してるんだ。お前はこれ以上近付くな!」
村娘「魔物?・・・封印?・・・プッ、あなたいい年して何言ってるの?」
男「とにかく、これは地下に封印する。この事は村のみんなには言うなよ」
38: 2020/09/06(日) 19:42:14.243 ID:nWNObmw7d.net
男「お義父さん。とにかくこれには邪霊が封印されてる。どこか人の手の届かないところに安置したい」
おじさん「じゃ、邪霊?」
村娘「あんたさっきは魔物って言ってなかった?」
男「なんでもいい。とにかくやばいのが封印されてる」
おじさん「うーん」
おばさん「なんかよくわからないけど、使ってないウチの地下室にでも置いたら?」
男「地下室・・・か。いいかもしれないな」
おじさん「そうだな。ワインや干し肉は羊小屋の地下に保管してるしな」
男「決まりだな。ここの地下に安置させてもらう」
村娘「なんだかわからないけど、あのまま川に放置しとけば良かったじゃない」
男「だめなんだ。万が一誰かに開けられたら・・・だが、ここの地下に埋もれるなら安心だ」
村娘「ふーん」
赤ん坊「オギャー オギャー」
おばさん「おやおや今度はどっちだい?」
村兄「この泣き声は・・・うちの子のほうだな」
おばさん「やれやれあんたらも兄妹そろって何も同じ時期に子供をつくらなくてもねえ」
おじさん「よく言うよ。毎日あの子達のことばっか考えてるくせに」
おじさん「じゃ、邪霊?」
村娘「あんたさっきは魔物って言ってなかった?」
男「なんでもいい。とにかくやばいのが封印されてる」
おじさん「うーん」
おばさん「なんかよくわからないけど、使ってないウチの地下室にでも置いたら?」
男「地下室・・・か。いいかもしれないな」
おじさん「そうだな。ワインや干し肉は羊小屋の地下に保管してるしな」
男「決まりだな。ここの地下に安置させてもらう」
村娘「なんだかわからないけど、あのまま川に放置しとけば良かったじゃない」
男「だめなんだ。万が一誰かに開けられたら・・・だが、ここの地下に埋もれるなら安心だ」
村娘「ふーん」
赤ん坊「オギャー オギャー」
おばさん「おやおや今度はどっちだい?」
村兄「この泣き声は・・・うちの子のほうだな」
おばさん「やれやれあんたらも兄妹そろって何も同じ時期に子供をつくらなくてもねえ」
おじさん「よく言うよ。毎日あの子達のことばっか考えてるくせに」
39: 2020/09/06(日) 19:48:21 ID:nWNObmw7d.net
場面切り替わり 現代
爺「とまあ。こんなところですな。後は面白味もない話ばかりで」
店主「・・・」プウ!
爺「ん?どうかしましたか?」
店主「その従兄弟同士の赤ん坊・・・片方は村に残ったのでは?」
爺「ん、そう聞いてます。実は祖父母はある時期に幼子を連れてアメリカに移住しましてな」
店主「なるほど。先ほどご老人とお嬢さんの苗字を聞いて引っかかってはいたのです」
爺「ん?」
店主「私の名は、〇〇・〇〇」
爺「おや、私たちと同じですか。まあありふれた苗字ですがな」
店主「いえ、おそらく我々は・・・遠い親戚だと思われます」
爺「んん?」
爺「とまあ。こんなところですな。後は面白味もない話ばかりで」
店主「・・・」プウ!
爺「ん?どうかしましたか?」
店主「その従兄弟同士の赤ん坊・・・片方は村に残ったのでは?」
爺「ん、そう聞いてます。実は祖父母はある時期に幼子を連れてアメリカに移住しましてな」
店主「なるほど。先ほどご老人とお嬢さんの苗字を聞いて引っかかってはいたのです」
爺「ん?」
店主「私の名は、〇〇・〇〇」
爺「おや、私たちと同じですか。まあありふれた苗字ですがな」
店主「いえ、おそらく我々は・・・遠い親戚だと思われます」
爺「んん?」
40: 2020/09/06(日) 19:53:59.079 ID:nWNObmw7d.net
店主「先ほどもいいましたよね?私も似たような話を子供の頃に聞いたと」
若い男「まさかマスターは・・・」
若い女「今の話に出てきた村娘さんのお兄さんの子孫?」
店主「おそらく」
爺「ほう!」
ビジネスマン「へえ、不思議な縁もあったものですね。あなたのお爺さまとお婆さまはアメリカからその村に里帰りはしなかったので?」
爺「ええ、結局一度も帰らなかったそうです。ワシの父の代までは手紙でのやり取りはあったそうですが」
店主「・・・!」バタバタ
若い男「どうしたんだ?」
店主「その手紙、保管してあります」
爺「え?」
若い女「もうロウソク付けちゃおうよ。寝るどころじゃないわ」
若い男「君、なんだか楽しそうだね」
若い男「まさかマスターは・・・」
若い女「今の話に出てきた村娘さんのお兄さんの子孫?」
店主「おそらく」
爺「ほう!」
ビジネスマン「へえ、不思議な縁もあったものですね。あなたのお爺さまとお婆さまはアメリカからその村に里帰りはしなかったので?」
爺「ええ、結局一度も帰らなかったそうです。ワシの父の代までは手紙でのやり取りはあったそうですが」
店主「・・・!」バタバタ
若い男「どうしたんだ?」
店主「その手紙、保管してあります」
爺「え?」
若い女「もうロウソク付けちゃおうよ。寝るどころじゃないわ」
若い男「君、なんだか楽しそうだね」
41: 2020/09/06(日) 19:58:06.169 ID:nWNObmw7d.net
古い手紙の束を引っ張りだしてきた店主。かなり古い
爺「これは・・・間違いなく父の筆跡ですじゃ。本当に我々は親戚のようですな」
若い女「うわー紙ボロボロね。触ったら崩れない?」
店主「とりあえず内容を書き写したものがこちらです」
若い男「書き写したぁ?」
店主「ええ、私が子供の頃にこの手紙を見たとき、そうしなければならないような気がしたのです」
ビジネスマン「・・・」
店主「印象に残ったのはこの手紙です。読み上げますよ」
若い女「・・・」ドキドキ
爺「これは・・・間違いなく父の筆跡ですじゃ。本当に我々は親戚のようですな」
若い女「うわー紙ボロボロね。触ったら崩れない?」
店主「とりあえず内容を書き写したものがこちらです」
若い男「書き写したぁ?」
店主「ええ、私が子供の頃にこの手紙を見たとき、そうしなければならないような気がしたのです」
ビジネスマン「・・・」
店主「印象に残ったのはこの手紙です。読み上げますよ」
若い女「・・・」ドキドキ
42: 2020/09/06(日) 20:03:33 ID:nWNObmw7d.net
店主「拝啓、親愛なる異国の親類の方々へ~~」
ビジネスマン「・・・」
店主「というわけで、魔人を封印した容器には決して触れないようにと、それが父の遺言です」
若い男「ん?父?」
若い女「お爺さんのお父さんのお父さんだから、お爺さんの話に出てきた人でしょ」
若い男「あ、そうか」
ビジネスマン「ん?もしかして・・・回想の舞台となった家とは・・・このレストランなのでは?」
若い女「ええ?まさか?このレストランけっこう新しいじゃない」
ビジネスマン「しかし暖炉とかはかなり年季が入ってる。もしやある時期、外側だけ立て直したのでは?」
ビジネスマン「・・・」
店主「というわけで、魔人を封印した容器には決して触れないようにと、それが父の遺言です」
若い男「ん?父?」
若い女「お爺さんのお父さんのお父さんだから、お爺さんの話に出てきた人でしょ」
若い男「あ、そうか」
ビジネスマン「ん?もしかして・・・回想の舞台となった家とは・・・このレストランなのでは?」
若い女「ええ?まさか?このレストランけっこう新しいじゃない」
ビジネスマン「しかし暖炉とかはかなり年季が入ってる。もしやある時期、外側だけ立て直したのでは?」
43: 2020/09/06(日) 20:08:39.773 ID:nWNObmw7d.net
店主「その通りです。このレストランは土台や地下室は先々代から受け継がれたもので」
若い女「へえ」
若い男「・・・え?ってことは!?」
ビジネスマン「ん?」
若い男「その何かを封印した容器、まだこの地下にあるんじゃあないのか?」
若い女「・・・!?」
店主「探検してますか?」
爺「ん?」
店主「今までは先代からの教えを守って来たのですが・・・よく考えたら、この時代に魔人やら邪霊を封印してるなんてナンセンスな話です」
若い男「・・・今の話に出てきた鉛の容器を・・・開けてみるのか?」
若い女「へえ」
若い男「・・・え?ってことは!?」
ビジネスマン「ん?」
若い男「その何かを封印した容器、まだこの地下にあるんじゃあないのか?」
若い女「・・・!?」
店主「探検してますか?」
爺「ん?」
店主「今までは先代からの教えを守って来たのですが・・・よく考えたら、この時代に魔人やら邪霊を封印してるなんてナンセンスな話です」
若い男「・・・今の話に出てきた鉛の容器を・・・開けてみるのか?」
44: 2020/09/06(日) 20:14:24 ID:nWNObmw7d.net
ビジネスマン「ダメ!絶対に駄目です!」
若い女「はあ?」
若い男「なんだ?あんた非科学的な事を信じるのか?」
ビジネスマン「違います。確証がありませんが、ご老人のお爺さまが村に持ち込んだものはおそらく・・・」
若い男「・・・?」
店主「?」
ビジネスマン「これは南米で実際にあった話なのですがね、我々の今のよつなノリである廃病院を探検してお宝を発掘した若者たちは・・・後に苦しんで氏んだそうです」
爺「んん?」
ビジネスマン「とにかく今日はもう寝ましょう。それと店主、このことは警察に届けるのが一番でしょう」
店主「警察・・・ですか」
ビジネスマン「さて、ご老人のお爺さまは記憶を失う前は何者だったのか・・・興味が出てきました」
おわり
若い女「はあ?」
若い男「なんだ?あんた非科学的な事を信じるのか?」
ビジネスマン「違います。確証がありませんが、ご老人のお爺さまが村に持ち込んだものはおそらく・・・」
若い男「・・・?」
店主「?」
ビジネスマン「これは南米で実際にあった話なのですがね、我々の今のよつなノリである廃病院を探検してお宝を発掘した若者たちは・・・後に苦しんで氏んだそうです」
爺「んん?」
ビジネスマン「とにかく今日はもう寝ましょう。それと店主、このことは警察に届けるのが一番でしょう」
店主「警察・・・ですか」
ビジネスマン「さて、ご老人のお爺さまは記憶を失う前は何者だったのか・・・興味が出てきました」
おわり
45: 2020/09/06(日) 20:14:58 ID:nWNObmw7d.net
みたいな話昔なろうに投稿したらブクマ0だったわ
46: 2020/09/06(日) 20:15:29 ID:nWNObmw7d.net
ってもう誰もいねえ
47: 2020/09/06(日) 20:16:34 ID:vPQU1z5+0.net
乙
SSにしたからか途中でオチは読めたけど脚本としては良く出来てる
SSにしたからか途中でオチは読めたけど脚本としては良く出来てる
48: 2020/09/06(日) 20:17:32 ID:KGf7elQ0d.net
面白かった
お疲れさん
お疲れさん
引用元: うろ覚えで昔見た映画をSS
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります