1: 2017/09/18(月) 23:14:36.081 ID:L8whSBtb0.net
~白玉楼~

幽々子「妖夢、何かいいもの知らないかしら」

妖夢「それでしたら夜雀が焼きヤツメウナギ出張調理サービスをしていると聞きました」

幽々子「あら、ここにきて調理してくれるの?いいじゃない」

妖夢「ただ、冥界まで来るかどうかは定かではありません」

幽々子「交渉は妖夢に任せたわ。何としてでも連れてきなさい」

妖夢「わ、わかりました……」

2: 2017/09/18(月) 23:14:48.296 ID:L8whSBtb0.net
~幻想郷某所~

ミスティア「え?冥界にある白玉楼まで来てほしいって?」

妖夢「その分報酬は出すからお願いできない?」

ミスティア「でもいまいち信頼できないなぁ。何か企んでるんじゃないの?」

妖夢「大丈夫。幽々子様はきっと純粋にあなたの焼くヤツメウナギを食べたいだけだと思うわ。」

妖夢「それに問題を起こすことがないようにしっかり見張るから」

ミスティア「……前にあの亡霊が屋台に来たときのツケ残ってるから、それも払ってよね」

3: 2017/09/18(月) 23:15:17.288 ID:L8whSBtb0.net
~白玉楼~

幽々子「なるほど、交渉は成立したわけね」

妖夢「はい、そろそろ来るころだと思いますが……」

ミスティア「ごめんくださーい」

幽々子「どうやら来たみたいね」

4: 2017/09/18(月) 23:15:23.801 ID:L8whSBtb0.net
ミスティア「本日出張調理を承ったミスティアです。よろしくお願いします」

幽々子「ようこそ夜雀の女将さん。あなたの焼くヤツメウナギがまた食べたくなって待ちきれなかったのよ」

妖夢「幽々子様のためにわざわざこの白玉楼まで来ていただいて感謝しているわ」

ミスティア「では外の屋台の方で早速準備いたしますね」

幽々子「よろしくお願いするわ」

5: 2017/09/18(月) 23:15:37.994 ID:L8whSBtb0.net
ジュー・・・・・・

ミスティア(よかった。半ば氏ぬ覚悟でここまで来たけど、ほんとにヤツメウナギを食べたいだけみたいね)

ミスティア(それならいつもより腕によりをかけておもてなししなきゃ)

ミスティア「よし、よく焼けたわ」

6: 2017/09/18(月) 23:15:46.978 ID:L8whSBtb0.net
ミスティア「お待たせいたしました」

パクッ モグモグ……

幽々子「うん、おいしいわね。ほら、妖夢も食べてみなさい」

妖夢「では……」

パクッ モグモグ……

妖夢「はじめて食べましたが、本当においしいわ」

ミスティア「ありがとうございます!」

7: 2017/09/18(月) 23:16:16.843 ID:L8whSBtb0.net
幽々子「女将さんを呼んでよかったわ。やっぱり女将さんの焼くヤツメウナギは最高ね」

ミスティア(よかった。喜んでくれたみたい)

幽々子「……女将さんも美味しそうね」サワサワ

妖夢「ゆ、幽々子様?」

ミスティア「じょ、冗談はよしてくださいよ」

幽々子「うふふ、冗談よ。そういえばデザートもあるんでしたっけ?楽しみにしてますわ」

ミスティア「はい、頑張ります」

ミスティア(今の言葉、冗談には聞こえなかったんだけど……)

8: 2017/09/18(月) 23:16:28.059 ID:L8whSBtb0.net
……

ミスティア「お待たせしました、本日のデザートのあんみつです」

幽々子「美味しそうね」

妖夢「ちょっと多いような気もしますが」

幽々子「いいのよ。デザートは別腹でしょ?」パクパク

妖夢(すごい勢いで減っていってる……)

ミスティア(まださっきの言葉が引っ掛かるなぁ)

9: 2017/09/18(月) 23:16:55.990 ID:L8whSBtb0.net
幽々子「今日は本当にありがとう。もう今日は時間も遅いし、ここに泊まっていきなさい」

ミスティア「ええっ!?そ、そんな、悪いですよ」

幽々子「ここまでの道のり、大変だったでしょう。部屋も空いてるし、遠慮しないで休んでいきなさい」

ミスティア「あ、ありがとうございます」

幽々子「いいのよ。できれば色々あなたの料理の話とか伺いたいしね。妖夢もいいでしょ?」

妖夢「そうですね。私も料理の参考に色々聞いてみたいことがありますし」

幽々子「決まりね。じゃあ、妖夢はお風呂の準備をしてきて頂戴」

妖夢「わかりました」

ミスティア(なんか怖いな……)

11: 2017/09/18(月) 23:17:06.166 ID:L8whSBtb0.net
幽々子「そういえば、あなたここに来てからずっと立ってばかりね。どうぞ座りなさいな」

ミスティア「では、お言葉に甘えて……」

幽々子「疲れたでしょう。お茶でもいかが?」

ミスティア「ありがとうございます」

幽々子「期会があったらまた呼んでもいいかしら?」

ミスティア「はい、是非……」

ミスティア(あれ、意識が……)バタッ

幽々子(効いたみたいね。永遠亭からもらった睡眠薬)ニヤニヤ

幽々子「さぁ、夜雀解体ショーの始まりよ」

12: 2017/09/18(月) 23:17:20.397 ID:L8whSBtb0.net
ミスティア(あれ?ここは……?)

ミスティア(なんで体が縛られてるの?しかも目隠しで何も見えない……)

ペロ……チュパ……

ミスティア(んっ……なんか体が……)

幽々子「今からじっくり料理してあげるわね」シュルシュル

ミスティア(えっ?料理って……しかも脱がされてる……!?)

幽々子「いい素材ね、これは」サワサワ

ミスティア(やっぱり私を狙ってたのね……)

幽々子「料理し甲斐があるわ」ペロ……チュパ……

13: 2017/09/18(月) 23:17:34.154 ID:L8whSBtb0.net
ミスティア「んー!んー!」ジタバタ

ミスティア(口もふさがれて声が出せない……)

幽々子「あら、起きちゃったみたいね」

幽々子「はじめて見た時から、あなたのこと美味しそうだと思ってたのよねぇ」

ミスティア(あぁ、私もついにこの生涯を終えるのね……)

14: 2017/09/18(月) 23:18:03.130 ID:L8whSBtb0.net
妖夢「幽々子様、ここにいらしたんですね……何してるんですか!?」

幽々子「見つかっちゃったわね」

妖夢「なんてことを……ミスティア、大丈夫?」

ミスティア「あ……あ……」フルフル

妖夢「幽々子様……これはどういうことですか?」

幽々子「つい出来心で、ね」

妖夢「後で覚悟しておいてくださいね?ミスティアにはご迷惑かけたお詫びをしないと……」

ミスティア「も、もう帰りますっ!」

15: 2017/09/18(月) 23:18:14.268 ID:L8whSBtb0.net
幽々子「どうやら怖い思いをさせちゃったわね。まだ早かったのかしら」

妖夢「自分の行いを反省してるんですか!?見損ないましたよ!」

幽々子「ごめんなさいね。深く反省しているわ」

妖夢「罰としてこれから一週間食事抜きです」

幽々子「ええ~?それはちょっと重すぎないかしら」

妖夢「今回の件については罪の意識を自覚するまで絶対に許しませんよ」

16: 2017/09/18(月) 23:18:24.845 ID:L8whSBtb0.net
――あの一件から数日、ミスティアは屋台を出店することはなかった。
  常連客は心配したり不満を漏らしていたが、ミスティアを気遣って屋台の再開を催促することはなかった。
  その間、ミスティアの中には新たな感情が芽生えていた。いきなり自分を乱暴した幽々子を知らぬ間に求めるようになっていたのだ。
  それからあの一連のことを理解した。ミスティアはもう後戻りできなかった。
  ある夜、ミスティアは今までのように屋台の出店を再開した。
  しかし、今までの常連客との営みでは満足できなかった。
  「幽々子にまた会いたい。また会って……」
  ミスティアは今夜も幽々子との再会を求めて屋台を開き続けている。




おわり

18: 2017/09/18(月) 23:19:43.763 ID:z0Doj3oQM.net
感動した

引用元: 幽々子「たまには家にいながら外のおいしい物が食べたいわね」