1: 2017/02/24(金) 20:44:59.63 ID:BQIM5WTt.net
~ リハーサル ~

ダイヤ「まあ、こんなところでしょうか」

千歌「待って待って!まだ不安だからもう一回!」

ダイヤ「これで何度目ですか!本番は明日ですよ?体力は温存しておかなくては──」

千歌「本番だからだよぉ…もう私なんか不安で不安で…」

2: 2017/02/24(金) 20:45:43.49 ID:BQIM5WTt.net
鞠莉「oh!シンパイゴムヨー!千歌っちはベストなパフォーマンスをずっと見せてるわ。安心していいのよ?」

千歌「でもぉ…」

鞠莉「大丈夫、あとは気持ちの問題よ。今日までやってきた自分を信じてあげて?」

千歌「鞠莉ちゃん…」

3: 2017/02/24(金) 20:46:15.86 ID:BQIM5WTt.net
善子「フッ、さすがマリーね」

花丸「うん。こういうときは一番頼りになるよね」

果南「やっぱ先輩は一味違うなあ…」

善子「いやアナタも先輩でしょーが!」


ルビィ「…。」


─────────────

4: 2017/02/24(金) 20:47:02.73 ID:BQIM5WTt.net
─────────────

~ ライブ会場 夜 ~


鞠莉「……。」


「そろそろ時間ですよー」


鞠莉「えっ、さっき一晩中開いてるって──」


ルビィ「何してるんですかー?」

鞠莉「ルビィ…」

ルビィ「ホテルから出るとこ見かけてね。ついてきちゃった。」

5: 2017/02/24(金) 20:47:34.23 ID:BQIM5WTt.net
鞠莉「もう、明日も早いんだからこんなとこまできたら──」

ルビィ「怖い?」

鞠莉「え…?」

ルビィ「明日のステージ、怖い?」

鞠莉「…。」

6: 2017/02/24(金) 20:48:16.80 ID:BQIM5WTt.net
鞠莉「…まさか!今さら緊張なんてしないわ!ここに来たのだってとっても楽しみでつい会場を眺めたくなったから──」

ルビィ「…。」

鞠莉「だいたいこの程度のホール!マリーはもっと大勢の前でスピーチしたことだってあるのよ?そんな今さら人前に立つのがどうとかいって──!」


ルビィ「…。」


鞠莉「…ええ、嘘ね。私は──怖いの。明日のライブが怖い。」

7: 2017/02/24(金) 20:49:03.36 ID:BQIM5WTt.net
鞠莉「こういうときどうしたらいいのか分からない…どうなるのかわからないの…。だってこれまで私は一人だった。」


鞠莉「褒められるときも、なにするときも…。もし何かあってもそれは私が負えばいい、賞賛も批難も私のものだったから──」


鞠莉「でも、今はもう違う」


鞠莉「私の挙動が、振る舞いが、誰かの足を引っ張ってしまうかもしれない…迷惑をかけてしまうかも……」


鞠莉「それがね、私とってもこわいの」

ルビィ「…。」

8: 2017/02/24(金) 20:49:55.62 ID:BQIM5WTt.net
ルビィ「わかるよ、鞠莉ちゃん。」

鞠莉「何言ってるのよ。リハのときからルビィの目は私みたいに迷ってない。私にだってそれくらい──」

ルビィ「ううん、わかる。わかるの。」


ルビィ「鞠莉ちゃんのことわかるの。」

9: 2017/02/24(金) 20:52:01.13 ID:BQIM5WTt.net
ルビィ「想像してみて鞠莉ちゃん、この会場いっぱいにお客さんがいるの。」

ルビィ「こんな夜遅くの今だって、段取りを確認してくれているスタッフのみなさん」


ルビィ「そしてステージの上には私たち9人」


ルビィ「色んな人が関わって、その分の願いが乗っていて──」


鞠莉「そうよ、わかってる! わかってるの…! 」

鞠莉「これまでだってただ気づいていなかっただけ。私はたくさんの人に支えられてたの」

鞠莉「だからこそ私は、今の私は── みんな期待を裏切るわけには……!」


ルビィ「そうだね。でもそうじゃないんじゃないかな。」

10: 2017/02/24(金) 20:52:51.61 ID:BQIM5WTt.net
ルビィ「ステージは私たちの願いが集まる場所、みんなの願いが集まる場所。だったら当然明日のライブだってみんなで作るものなんだなあって思うの」

鞠莉「…。」


ルビィ「誰かがつまづきそうになったらすぐに隣の誰かが手を差し伸べられる、抱きとめてあげられる…そんな距離に頼れる味方がたくさんいてくれるって──そう考えるの。」


ルビィ「そうすればほら、怖いよりもっと頼もしい!って感じ、しないかなぁ?」

鞠莉「ルビィ…。」

11: 2017/02/24(金) 20:54:02.27 ID:BQIM5WTt.net
─────────────

『私はダメなんです、昔からそうやって誰かの迷惑になるから──』

『NO WAY!そうやって自分を卑下しないの!アナタを認めた私たちにも失礼よ!』

『でも私にはなんにもないから…』

『もう、しっかりしなさい?アナタ自身のスペシャリティに気付くべきよ。例えば──』

─────────────

12: 2017/02/24(金) 20:54:34.64 ID:BQIM5WTt.net
ルビィ「うん、なんかうまく言えないけど…ほら、鞠莉ちゃんに何があっても隣にはルビィがいるから──ね?」


鞠莉「ふーん…ルビィも言うようになったじゃない」


ルビィ「鞠莉ちゃんと過ごしてれば多少は、ね?」フフッ

13: 2017/02/24(金) 20:55:46.22 ID:BQIM5WTt.net
鞠莉「ま、ちょっと悔しいけど──助かったわ。ルビィのおかげで私も前向きに明日を迎えられる気がする。」

ルビィ「どういたしまして。楽しみだね鞠莉ちゃん」

鞠莉「そうね、緊張はしてるけど──でも今はとってもポジティブなtremblingよ」

ルビィ「とれ…え?」

鞠莉「フフッ、ライブが無事に終わったら英語のオベンキョーね」

ルビィ「あうう…そういえば模試があった……」

14: 2017/02/24(金) 20:56:22.65 ID:BQIM5WTt.net
あなたはとっても素直な妹
それでいてとっても素敵なレディ
みるみる頼もしくなっていくけど──


鞠莉「見てあげようか?」

ルビィ「お願いします…」

鞠莉「素直でよろしい☆」


まだまだ姉の座は譲らないわよ?


終わりですわ

15: 2017/02/24(金) 20:57:25.33 ID:BQIM5WTt.net
~ おまけ ~

~同時刻 ホテル~

ダイヤ「んああああああ!明日が不安で眠れませんわ!!」ギラギラ

千歌「zzz…あっちがっリーダーはわた……にゃ…zzz…」

16: 2017/02/24(金) 20:57:52.09 ID:BQIM5WTt.net
ルビまりの可能性を信じろ

27: 2017/02/24(金) 22:50:40.99 ID:VtMvLUPN.net
おつ

28: 2017/02/24(金) 23:10:39.71 ID:G+2ePyaL.net
ルビィの石言葉か

内気内気とはいえあんなに赤く燃えてるんだもんなルビィだって


29: 2017/02/25(土) 07:52:08.94 ID:DjU/tSN6.net
スタンド使いと思ったら違った

引用元: 【SS】鞠莉「勇気の輝石は砕けない」