前日


ルビィ「こっちかな～？ それともこっち？｣ｳｰﾝ

花丸「ジョーカーを引かなければルビィちゃんの勝ちだよ、頑張って」

善子「そろそろ時間ね｣ﾎﾟﾁｯ

ルビィ「マルちゃんはこういう駆け引き強いよね、全然読めないけど……こっち！｣ﾋｮｲ

花丸「ふふふ、残念だったねルビィちゃん」

ルビィ「まだ、まだだよ、ジョーカーを引かせればいいんだから」

善子「始まったわ｣ｼﾞｰ

花丸「こっち？ それとも……｣ﾁﾗ

ルビィ「｣ﾋﾟｸｯ

花丸「……こっち！ マルの勝ちずら！！｣ﾋｮｲ

ルビィ「うわーーーん！ またルビィの負けだぁ！！」

善子「ちょっと！ 二人とも近所迷惑だから大きな声出したらダメじゃない」

ルビィ「あっ……つい夢中になっちゃって｣ｼｭﾝ

花丸「ごめんなさい、ヨハネちゃん｣ｼｭﾝ

善子「いや、そこまで落ち込まなくてもいいのよ？」

善子「だけどご近所さんから苦情が来たりしたら家でお泊まりができなくなるかもしれないから気をつけてね」

花丸「うん、注意します」

ルビィ「ルビィも」

善子「わかってくれたならいいのよ、トランプはそこまでにしてテレビでも見ましょ」

ルビィ「うん、そうするね」

花丸「地域密着系都市型エンターテイメントの番組だね」

善子「今日は浜松特集なの、知ってる場所が出るかもしれないわ」

ルビィ「見たことないんだけど、これはどういう番組なの？」

善子「テーマになった街の見所をランキング方式にして紹介していくのよ」

花丸「観光スポットと飲食店、それと名産品の紹介がメインになるかな」

ルビィ「なるほど～、世の中いろんな番組があるんだね」

善子「ルビィ、家では教育方針でNHKしか見させてもらえないみたいだけど」

善子「ここでは好きなだけ見ていいからね、だけどダイヤちゃん達にはナイショよ？｣ｼｰ

ルビィ「二人の秘密だね｣ｼｰ

花丸「ルビィちゃんヨハネちゃん、二人じゃなくて三人ずら｣ｼｰ

ナレーター「第6位、さわやか」



ルビィ「わぁ～、おいしそう｣ｺﾞｸﾘ

花丸「こんな時間に見ていいものじゃない気がするね｣ｺﾞｸﾘ

善子「芸能人が紹介したりするからここも有名になったわね、二人は行ったことある？｣ｺﾞｸﾘ

花丸「マルは外食自体あまりしなから行ったことないんだぁ」

ルビィ「ルビィも外食はそんなに、それにお姉ちゃんがハンバーグ嫌いだし……ヨハネちゃんは？」

善子「ヨハネも同じよ、だから明日三人で行ってみない？」

ルビィ「それいいかも、ルビィは賛成！ マルちゃんは？」

花丸「マルも行きたいけど明日は午後から聖歌隊の集まりがあるから残念だけど……」

善子「そうなの？ それじゃまた別の機会にしましょうか」

花丸「いいよいいよ、マルのことは気にしないで二人で行ってきて」

ルビィ「でも……」

花丸「……それなら二人には調査をお願いします」

ルビィ「調査？」

花丸「そう、このマルを満足させることのできるお店かを二人には下見しに行ってもらうずら」

ルビィ「マルちゃん……ルビィ、マルちゃんのために徹底検証してきます」

善子「このヨハネに命令なんて生意気、でもマルちゃんのその依頼引き受けたわ」

花丸「ふふ、いい結果を期待してるね」

ルビィ「ありがとう、マルちゃん」

善子「次こそは必ず三人でね」




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ルビィ「曜ちゃんにメールして教えてもらったさわやかマニュアルによると……」

ルビィ「開店時間前でも店の鍵が開いてたら店内の用紙に人数と代表者の記入をすべし、だって」

善子「開店時間と同時に鍵が開くわけじゃないのね、じゃあ私達も記入しに行きましょ」

ルビィ「うん、そうしよう」

善子「参っちゃうわね」

ルビィ「うん、この時間で先約が30組以上もいるとは思わなかったよ」

善子「出遅れちゃったのはもう仕方ないわ、順番が来るまで気長に待ちましょう」

ルビィ「そうだね、曜ちゃんが言ってたよ休日は絶対混むから開店前に来ても開店後に来ても待つことは避けられないって」

ルビィ「開店一時間くらい前からいるとだいたい最初の案内で満席になる前に席に着けてこれが一番待ち時間が短いみたい」

善子「次はもっと早く店に着くようにしないとね」

ルビィ「長かったね……」

善子「開店30分前に着いて開店から待つこと一時間、合計で席に着くまで一時間半」

ルビィ「ルビィ、ここまで待つことになるなんて思ってなかったよ」

善子「私もよ、これだけ待ったんだから美味しくなかったらどうしてくれようかしら｣ﾒﾆｭｰﾋﾛｹﾞ

ルビィ「ハンバーグ専門店だと思ってたけどステーキとかもあるんだね｣ｼﾞﾛｼﾞﾛ

善子「だけど今日の目的はハンバーグよ、他のメニューはまたの機会にね」

ルビィ「大きさは200gと250gがあるけど200gでいいよね？」

善子「ええ、ソースは2種類あるのね」

ルビィ「デミグラソースとオニオンソース……ルビィはデミグラスかな」

善子「オニオンの方が美味しそうじゃない？」

ルビィ「そうかなぁ、ハンバーグといえばデミグラス、こっちの方が美味しいよ」

善子「い～え、オニオンよ」

ルビィ「デミグラス！」

善子「オニオン！」


ルビィ「むぅ～」

善子「むむむ」


ルビィ「ヨハネちゃんの分からず屋」

善子「ルビィの方こそ強情じゃない」

ルビィ「前にヨハネちゃんがルビィにもっと自信を持てって言ってくれたから、ルビィは胸を張ってデミグラスを推します」

善子「言ってくれるじゃない、だけど堕天使であるヨハネに後退の二文字はないの、オニオンは譲れないわ」


ルビィ「むぅ～」

善子「むむむ」


ルビィ「あっ！ 見てヨハネちゃん、お客さんのところに持ってくハンバーグだよ」

善子「大きくない？ あれは250gなのかしら」

ルビィ「そうなのかな？ あっ、本当に店員さんが半分に切るんだ」

善子「まん丸だったハンバーグが二つになったわね……ん？ 二つ？」

ルビィ「二つ？ そうだよ、二つあるならデミグラスとオニオンを半分こにして食べ比べできない？」

善子「気が合うじゃない、ヨハネも同じことを考えていたところよ」

ルビィ「エヘヘ」

善子「ふふっ」

ルビィ「そうだ、曜ちゃんマニュアルによると店員さんオススメの焼き具合にするとハンバーグの中心が赤いままだから」

ルビィ「抵抗があるならしっかり焼くように頼むといいみたい、これも両方試さない？」

善子「そうね、そうしましょ、すみませ～ん！」

善子「遂に待ちに待ったハンバーグが目の前に……」

ルビィ「ドキドキするね」

善子「早速食べましょう｣ｷﾞｺｷﾞｺ

ルビィ「いただきま～す｣ﾊﾟｸｯ

善子「……｣ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ルビィ「……｣ｺﾞｸﾝ



善子「んー♡」

ルビィ「おいしー♡」

善子「確かにこれは並んででも食べる価値はあるわ｣ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ルビィ「ソースの相性もバッチリ、そっちはどう？」

善子「自分の舌で確かめてみなさい、ほら、アーン」

ルビィ「えぇっ！？」

善子「ほらほら、早く｣ﾆﾔﾆﾔ

ルビィ(ヨハネちゃん、ルビィにできるわけないって思ってる、だからニヤついてるんだ)

善子(恥ずかしがってルビィにはアーンなんてできないわよね？)ｸｽｸｽ


ルビィ「あむっ｣ﾊﾟｸｯ

善子「えっ？」

ルビィ「うん、オニオンも美味しいねヨハネちゃん｣ﾆｺｯ

善子「そ、そそ、そう？」

ルビィ「それじゃあ、お返しにルビィのもアーン」

善子「えぇっ！？」

ルビィ「ルビィにできてヨハネちゃんにできないことなんてないよね？｣ﾆｺﾆｺ

善子「も、勿論よ、アーンくらい簡単よ｣ﾀｼﾞﾀｼﾞ

善子(うぅ、味が全然わからない)ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ルビィ(ルビィの反撃に焦ってるヨハネちゃん可愛い♡)

ルビィ「んー、美味しかったね」

善子「とっても、次は絶対にマルちゃんと三人で来ないとね」

ルビィ「ルビィはマルちゃんにはデミグラスをオススメするよ｣ﾆﾔｯ

善子「……変わったわね」

ルビィ「変わったって？」

善子「ルビィがよ、ソースの時もアーンの時もそれに今もよ」

善子「以前のルビィならすぐに自分の意見を抑え込んで相手に合わせようとしたり」

善子「アーンなんて恥ずかしがってとてもじゃないけどできないような娘だったのに、成長してるのね」

ルビィ「成長……それはきっと自信を持てって励ましてくれたヨハネちゃんのおかげだよ」

善子「そう言ってもらえて嬉しいわ、これからもルビィの成長を見させてちょうだいね」

ルビィ「それならルビィから目を離しちゃダメだよ？ ヨハネちゃん」




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ルビィ「これがデミグラソースで｣ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

善子「こっちはオニオンソース｣ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

花丸「う～ん、どっちも美味しそう」

ルビィ「ルビィのオススメはデミグラスだよ」

善子「ヨハネはオニオンね」

花丸「意見が分かれるとますます迷うずら……」

ｶﾞﾁｬ


曜「おはよー」

花丸「おはようございます」

善子「おはよう、昨日はありがとね」

ルビィ「曜ちゃんのマニュアル、役に立ちました」

曜「ホント？ ルビィちゃんとよっちゃんの助けになれてよかったよ」

ルビィ「そういえば曜ちゃんはデミグラスとオニオンのどっちのソースが好きなんですか？」

善子「それは気になるわね、ハンバーグ通の曜ちゃんがどっちを選ぶのか」

曜「ちっちっち｣ﾕﾋﾞﾌﾘﾌﾘ

曜「曜ちゃんはソースは掛けずに塩胡椒で食べるのだよ」

花丸「わぁ、まさに通って感じだね」

ルビィ「ソースなしなんてできるんだぁ」

善子「是非とも試してみたいわね」

花丸「じゃあ、昨日二人がしたみたいに全部頼んで三人でシェアして食べようよ」

ルビィ「それ賛成、また行くのが楽しみだな～」

善子「次は250gに挑戦してみようかしら」

花丸「マルも早く食べたいな、曜ちゃん、お先に練習行ってますね」


ｶﾞﾁｬ


曜「あれ？｣ﾎﾟﾂｰﾝ

曜「ちょ、ちょっと待ってよ」

曜「みんな私のことも誘ってよー！」

おわり

ルビィちゃんにデミグラスデミグラス言わせたけど実は食べた試しがない
塩胡椒は通は～って意見を見て一度だけ試した
やはりオニオンソース安定だと思う

馴染みないからオニオンが気になる
ああこんな時間に

これは巧妙な飯テロSS
G's風味なみんなも良かった

ハンバーグだけに「半分食う？」ってか？

さわやか行ってみたくなったわ
しかもこんな時間帯に！

>>33
ソース無し250gの見た目はこんな感じ
奥にあるオニオングラタンスープもオススメです