海老名「何おいしいとこだけ食ってゴミだけ持ってきてんだ、チビこの。もうやる気ねぐなったわ、ほかの方法教えろ」

切絵「じゃあやっぱり実践あるのみですね。人で練習しましょう」

海老名「そ、そんなの恥ずかしいよう！」

切絵「大丈夫、私が相手をしますから」

ﾊﾞｯﾁｰﾝ!!

海老名「ファーストキスは、好きな人に捧げてえな！！！！」

海老名「おめえがレOだからそうしてえだけだっぺよ。さっきから一人だけ得しようとして」

切絵「海老名さん、私は女が好きですけど、それはうまるさんに限った話なんですよ」

海老名「あ、そうなの？やだ、あの、ご、ごめんね切絵ちゃん」

切絵「ダメですよ、自分が間違ってるのに、人の頭ひっぱたいたら」

海老名「ごめんなさい……」

ﾊﾞｯﾁｰﾝ!!

海老名「すぐ木刀振り回す奴に言われたくねえな！！！！」

海老名「もういいわ、うまるちゃんに頼っから。今から家行ってくっからおめえは帰れ」

切絵「あれ、海老名さん、うまるさんのお家ご存知なんですか？」

海老名「何言ってんだチビ助この。何回ここ来てんだ、すぐ上の階に住んでっぺよ」

切絵「え？　上に住んでるのはこまる師匠とお兄さんだけでは？」

海老名「え？　こまる？　誰それ？」

切絵「え？」

切絵「ほら、うまるさんの妹さんですよ。あのいつもフード被ってる」

海老名「し、知らないよ。会ったことない。ここに住んでるの？」

切絵「もしかしてふざけてますか？」

海老名「ふ、ふざけてないよ！　私ほかに兄弟いるなんて初めて知ったし……」

切絵海老名「（（何これホラー！？））」

数分後

切絵「ええとつまり、うまるさんは普通にお兄さんと一緒に住んでるんですね？」

海老名「う、うん。私の知る限りそうだよ。」

切絵「そして海老名さんは何度も家に上がっているのに、土間こまるという人は見たことも聞いたこともないと……」

切絵「こうなったら直接聞きに行きましょう」

海老名「んだな」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

家うまる「あれ、誰だろ？　お、切絵ちゃんと海老名ちゃんじゃん！」

うまるーん

ドア「ｶﾞﾁｬ」

うまる「二人とも、いらっしゃい！　急にどうしたの？」

海老名「ほら、いるでしょ？」

切絵「うーむ、この目で見てしまった以上信じるしかありませんね」

うまる「え、何？」

切絵「実は……」ｶｸｶｸｼｶｼﾞｶ

うまる「（！？　とうとうこの日が来たか……）」

うまる「実は……こまるは縮んだ私だったの」

うまる「最初は騙すつもりじゃなかったんだけど、切絵ちゃんが勘違いしたまま仲良くなっちゃって、言い出せなくって……」

うまる「ごめんなさい！」

切絵「そ、そんな……師匠は、存在しない……？」

うまる「縮んだ私が本当の私だって知られたら嫌われちゃうと思って……」

海老名「うまるちゃん……」

うまる「本当はいつもいつも家では縮んでたの！ううんそれだけじゃないの、江ノ島に行ったときだって、花火大会のときだって、私は度々縮んでて」

ﾊﾞｯﾁｰﾝ!!

海老名「おめえの葛藤より、縮む原理が気になんな！！！！」

海老名「よぐ考えてみっと原作の最終話の手前でこの家に全員集合してっし、辻褄合わす気さらさらねえべこの漫画」

ﾊﾞｯﾁｰﾝ!!

海老名「最終話って言って、翌週に新タイトルで復活する意味がわかんねえな！！！！」

海老名「誰が喜ぶんだ今回の件で。載ってる雑誌変わんねえし、話の内容も変わんねえし。」

うまる「今は人間関係のおさらいしてるから変わり映えしないだけで、きっとこれから色んな風呂敷が畳まれてれていくよ！」

切絵「私の絵本関係とか、兄ちゃんの恋愛事情とか」

うまる「うちのお兄ちゃんの恋愛事情もね！　きっと海老名ちゃんと叶さんが血みどろの争奪戦を……」

切絵「おお、ラブコメ王道の三角関係ですね」

海老名「さ、三角関係！？　私にそんなのできるかなあ……」

ﾊﾞｯﾁｰﾝ!!

海老名「そういえばスピンオフでほとんど勝利確定したな！！！！」

海老名「盛り上がりどころ前借りしやがって作者この野郎。三期のストック溜めろすぐに」

うまる「三期なんてあるのかなあ」

切絵「もう一伸びほしいですよね」

海老名「でもこれからどうやったら人気出るかなあ……」

うまる「やっぱり百合だよ！友情って言っとけば誤魔化せるし、話も進まずに延命できるし、何よりファンが喜ぶって！」

切絵「なるほど、じゃあ早速海老名さん。お兄さんとの本番に向けてという体で私とキスの練習を」

海老名「それ最初の話だべいい加減にしろ」



完

海老名ちゃんもぐもぐ