168: 20/08/28(金)21:21:55 ID:xdI

169: 20/08/28(金)21:22:24 ID:xdI

――収録現場
梨沙「本当に大丈夫なの? 今まで一度も結城さんと会ったことないのにいきなり歌番組の収録なんて。一応歌詞と振り付けは覚えてきてるけど……」

P「結城さんのプロデューサーと打ち合わせして、そっちの方がお互いプラスになるって結論になったんだ。梨沙と結城さんのキャラクターからして相性がいいのは想像できるし、それならいっそのこと最初から実践編で、って感じかな」

梨沙「確かユニット発表の時もそんなこと言ってたわね。具体的にどんな子なのかは教えてくれなかったけど」

P「お互い初見の状態でぶつけてみようって話だからな。さ、挨拶行くぞ」
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Treasure☆
170: 20/08/28(金)21:23:04 ID:xdI
梨沙「失礼します! 的場梨沙です! よろしくお願いします!」

晴「お、アンタが的場梨沙か? オレは結城晴! よろしくな! オレと相性良いって言うからもっとカッコいい系かと思ってたけど結構かわいい感じなんだな!」

晴P「こ、こら! 失礼だろ! すいません……」

P「いえいえ、褒めていただき光栄ですよ」

晴「それで、ポジションはどこが得意なんだ?」

梨沙「ポジション? えっと……何の話?」

晴「何ってサッカーに決まってるじゃんか。どこやってるんだ?」

梨沙「アタシサッカーなんて体育くらいでしかやったことないからよく知らないんだけど」

晴「えっ、そうなのか!? それならどうせ撮影始まるまで時間あるんだし、今からやろうぜ! オレが教えてやるからさ! 楽しいぞ、サッカー」

梨沙「そんな急に言われても……。挨拶するだけのつもりだったから何も準備してないし」

P「少しくらいならいいんじゃないか? 仲良くなるには一緒に遊ぶのが一番だろ」

晴「ほら、プロデューサーさんもそう言ってるんだし、ちょっとだけだからさ!」

梨沙「仕方ないわね……。少しだけだったらいいわよ……」

171: 20/08/28(金)21:23:26 ID:xdI
――30分後、本番直前
梨沙「ちょっと、あの子何なのよ……。おかげで本番始まる前に疲れちゃったじゃない……」

P「いいコミュニケーションになったみたいでよかったじゃないか。大体どんな子か分かっただろ?」

梨沙「確かによく分かったわ! あんなサッカーバカと同じステージに立つなんて今から憂鬱よ……」

P「そうやって言うけど、結城さんはネクストブレイク筆頭って言われてるアイドルだからな。案外勉強になるところもあるかもしれないぞ?」

梨沙「あんな自分勝手がネクストブレイクなんだったらアタシはとっくにトップアイドルになってるし!」

P「相変わらず頑なだなぁ。でも本番中は仲いい感じにしてくれよ?」

梨沙「ふん! そんなの言われなくても分かってるわよ!」

172: 20/08/28(金)21:23:49 ID:xdI
――収録中
MC「今日のゲストは、結城晴ちゃんと、的場梨沙ちゃんでーす!」

二人「よろしくお願いします!」

MC「二人はアイドルコラボレーションのために結成されたユニットなんだよね? どんなコンセプトでいくのかな?」

晴「オレは体動かすの好きだし、梨沙もダンスが得意だからそういうところが見せられたらいいかな」

MC「梨沙ちゃんは今までステージで歌ったり踊ったりする仕事はしてこなかったみたいだけど、不安とかはないのかな?」

梨沙「ちょっと不安なところもあるけど、でもそういう仕事は晴がいっぱいやってるって聞いたし、困ったことがあれば相談できるから心配はしてないです!」

P(トーク自体は問題なさそうだな。さっきサッカーしながら仕入れた情報を使って上手く返せてる。問題は最後の歌パートか)

MC「ということで歌の方に行きましょう。ビートシューターです! どうぞ!」

173: 20/08/28(金)21:24:15 ID:xdI
梨沙(この曲は終盤に向けてキツくなるから序盤は体力を温存して控えめに……、ってあのバカ! 最初から全力じゃない! あれじゃ最後まで保たないわよ!)

晴(……げ、なんか怒ってる。もっと大きく動けってことか?)

梨沙(なんでさらに激しくしてんのよ! ああもうアタシがサボってるみたいに見えるじゃない!)

晴(お、あいつも攻めてきたな? よし、オレもガンガンいくか!)

174: 20/08/28(金)21:24:39 ID:xdI
MC「ありがとうございましたー!」

スタッフ「テープチェンジしまーす!」

P「よかったぞ梨沙。レッスンの時よりだいぶペース上がってたけど、疲れてないか?」

梨沙「疲れてないわけ……ないでしょ……。あのバカが頭からハイペースで踊るからアタシも合わせなきゃいけなかったのよ……」

晴「あれ、そういうことだったのか? 一応控えめにしてたつもりだったから、てっきり手を抜くなって言われてると思って本気出しちゃったよ。ごめん」

梨沙「っていうかなんでアンタはそんなに元気なのよ……」

晴「これくらいの運動だったらサッカーでよくやってるからな!」

梨沙「これくらいって……」

スタッフ「撮影再開しまーす!」

MC「いやー、二人とも元気いっぱいでかっこよかったよ!」

晴「ありがとうございます!」

MC「結構激しいダンスもあったけど疲れてないかな?」

梨沙「大丈夫です! すっごく楽しくて一瞬で終わっちゃったので!」

MC「そうかそうか。それはよかったね! ということでビートシュータ―の二人でした! 続いてのゲストは……」

175: 20/08/28(金)21:24:58 ID:xdI
P「お疲れ様。収録の感想、どうだった?」

梨沙「大きなミスもなかったし、上手く合わせられたから良かったんじゃない?」

P「それだけ?」

梨沙「……何よ」

P「いや、梨沙だったら今日のパフォーマンスで満足してるはずはないだろうと思ってたからさ」

梨沙「……」

P「確かにお客さん目線で見れば悪くないステージだったよ。上手く結城さんに合わせてたし、トークもよかった。でも梨沙が今思ってるのはそういうことじゃないだろ?」

梨沙「……明日からランニングする。あんたが言わせたんだから付き合いなさいよ!」

176: 20/08/28(金)21:25:28 ID:xdI
――Sプロダクション
SプロP「……ということでユニット名は『フリルドスクエア』に決定ということでいいでしょうか?」

P「自分は異論ありません。忍はどうだ?」

忍「アタシも良いと思います!」

穂乃果「とても素敵な名前ですね」

柚「さんせーい!」

あずき「あずきも候補の中で一番かっこいい名前だと思う!」

SプロP「それではユニット名に関してはその方向で進めていきましょう。疑問点等ありますでしょうか」

P「大丈夫です」

穂乃果「一応持ち帰ってプロデューサーさんに確認しますけど、多分大丈夫だと思います」

SプロP「了解しました。それでは本日の打ち合わせは以上です」

あずき「それにしても穂乃果ちゃん、プロデューサーさんが来れないのに打ち合わせできるなんてすごいね!」

穂乃果「プロデューサーさんは今、売り出し中の新人の子にかかりきりなんです。今日もその子の取材とこの打ち合わせの予定がかぶってしまったみたいで……。最近こういうことが多かったのでいつの間にか慣れてしまいました」

忍「大きい事務所は大きい事務所で大変なこともあるんだね。ウチは小さいからPさんが一人で8人担当してても問題ないもんね?」

P「そうそう、ウチは弱小だからこそのプロデュースが出来……ってこら!」

穂乃果「ふふっ、お二人はとても仲がいいんですね」

あずき「それじゃ、いろいろ大変な穂乃香ちゃんと忍ちゃんのために、コラボ大作戦スタートだね!」

柚「おっ、あずきチャンの大作戦が始まった! そうと決まれば早速みんなで合わせてみよっ」

SプロP「だったら確か第5レッスン室が空いてたはずだよ。案内してあげなさい」

柚、あずき「はーい!」

P「俺はこの後梨沙と予定入ってるから失礼するよ。帰る時はタクシーで頼む。領収書忘れるなよ?」

忍「うん、いいけど……。でも、今日って梨沙ちゃんはオフじゃなかった?」

P「秘密の特訓ってとこだよ。本当は毎日付き合う約束だったんだけど、最近忙しくて顔出せてなかったから怒られちゃってね、今日は外せないんだ」

忍「へー、梨沙ちゃんも頑張ってるんだ。アタシも負けないようにしないと!」

あずき「おーい、忍ちゃん! 追いてっちゃうよー!」

忍「あっ、ごめん! じゃあねPさん!」

P「ん、頑張れよ」

177: 20/08/28(金)21:25:55 ID:xdI
――第5レッスン室
忍「ねえ、さっき第5レッスン室って言ってたけど、ってことは第1から第4までもあるの?」

柚「うん、全部で第8まであったカナ? でもちょうど今、他の事務所からの引き抜きを進めてるらしくて、今のままだと部屋が足りなくなるんだって。それであと何部屋か増やすつもりらしいよ」

穂乃果「さすがアイドル事務所ナンバー2のSプロですね。Aプロにはレッスンルームは5部屋しかないですから、ちょっと羨ましいです。スピカプロダクションには何部屋あるんですか?」

忍「ウチはあんまり予算がないから1部屋だけなんだ。所属アイドルが少ないからそれで十分なんだけどね。それにしてもみんなすごい事務所なんだね……」

あずき「たくさんあれば使える人も多いし、長い時間使えるし、多いに越したことはないよねっ! シンデレラプロダクションは20個もあるらしいし!」

Sプロトレーナー「はい、おしゃべりはそこまで! レッスン始めるぞ! まずは披露する曲を通しで見させてもらう!」

178: 20/08/28(金)21:26:28 ID:xdI
――レッスン後
Sプロトレーナー「初めて合わせるにしては上出来だ。ただ、コンビネーションが悪いところがある。まあこれはレッスンを繰り返していけば良くなっていくはずだから大した問題じゃないだろう」

4人「ありがとうございます!」

Sプロトレーナー「喜多見と桃井の個人の改善点は後で個別に連絡しておく。綾瀬と工藤は少し残ってくれ」

あずき「じゃああずきたちは先に着替えて待ってるね!」

柚「トレーナーサンのアドバイスは容赦ないから気を付けてねー」

Sプロトレーナー「全く、余計なことを……。まずは綾瀬。ダンスは見事なんだが、発声は見直した方がいい。そのままだといつか喉を潰してしまうぞ」

穂乃果「確かにライブの翌日は喉の調子が悪くなることがありますし、苦手意識はあるところですね」

Sプロトレーナー「それから工藤はもう少し周りを見た方がいい。自分のことでいっぱいいっぱいになっているように見えるから、もう少し自信を持って自分以外にも意識を向けられるとより良くなるはずだ。二人とも時間のある時に事務所のトレーナーに相談してみろ」

忍「ありがとうございます!」

Sプロトレーナー「最後に、二人とも、連絡先を教えてくれないか? 何か分からないことがあったときはすぐに相談に乗れるし、課題点の細かい説明もできるからな」

穂乃果「それはありがたいんですけど……。どうしてSプロの所属じゃない私たちにそこまでしてくれるんですか?」

忍「確かに。ユニットを組んだとは言っても、コラボイベントが終わったらそんなに頻繁に活動できるわけじゃないし……」

Sプロトレーナー「確かに普通ならそうだな。だが、今回は普通じゃないんだ。詳しい話は彼から話してもらおうか」

SプロP「やあ、外で見させてもらってたよ。とてもすばらしかった」

穂乃果「Sプロのプロデューサーさん? 話っていうのは一体……?」

SプロP「二人の才能を見込んで、Sプロから君たちに一つ提案があるんだ」

SプロP「君たち、Sプロに移籍する気はないか?」

179: 20/08/28(金)21:28:43 ID:xdI
――河川敷
梨沙「いまどき東京でもこんな河川敷があるのね」

P「少し郊外に出ればな。いかにもアイドルの特訓場所みたいでいいだろ?」

梨沙「言われてみればそんな雰囲気あるかも! たまにはいいことするじゃない!」

P「たまには、ってなあ……。俺ってそんな役に立ってないか?」

梨沙「な、なに急に落ち込んでるのよ! いつもはヘラヘラしてるくせに……」

P「なんてな。でも、ちょっと怒ってるんじゃないかって思ってたんだ。作戦だったとはいえ、この前の本番、梨沙には何も伝えてなかったわけだし、結局ランニングもあんまり付き合えてないし」

梨沙「別に気にしてないわよ、それくらい。アンタがそれなりに考えてやってることぐらいアタシだってわかってるもん」

P「お、分かってくれてるのか~! よかったよかった。じゃあ俺が知らない間に梨沙がどれくらい成長したのか教えてもらおうかな」

梨沙「調子に乗るんじゃないの! 昨日タイムは1キロで4分40秒だったけど、どう?」

P「この前は5分ちょいだったのに、もうそんなに速くなったのか、頑張ったじゃないか。それだけタイム上がったならもう十分だ。今度はゆっくりのペースでいいから20分間走ってみようか」

梨沙「そんなに走るの!?」

P「そりゃそうだよ。確かにコラボイベントで披露するのは1曲だけだから今くらいの体力があれば十分だけど、ライブバトルフェスティバルの本選は1試合で20分あるからな」

P「スピプロで梨沙は最年少だから体力面で他のみんなに劣るのは仕方ないことだけど、仕方ないからっていつまでも放っておくわけにはいかないだろ? 長い目でみたらきっと役に立つから、やってみないか?」

梨沙「分かったわよ! やればいいんでしょ! ほら、ストップウォッチ早く準備して!」

P「はいはい。じゃあ行くぞ、よーい、スタート!」

180: 20/08/28(金)21:29:02 ID:xdI
――20分後
P「3、2、1、終了! よく頑張ったな」

梨沙「はあ、はあ……、お、終わった……」

P「走れたじゃないか。前よりだいぶスタミナついてるよ。これならステージで歌って踊ってもバテずに最後までやり切れるはずだ」

梨沙「終わった瞬間にこんなに疲れてたら意味ないでしょ……。楽勝になるくらいまでは続けなくちゃ……!」

P「お、すごいプロ意識。いつの間に成長したなあ」

梨沙「オジサンみたいなこと言ってんじゃないわよ。アタシだっていつまでも新米アイドルじゃないんだからね!」

181: 20/08/28(金)21:29:21 ID:xdI
――スピカプロダクション
忍「戻りました……。あー、今いるのってちひろさんだけ?」

ちひろ「おかえりなさい、忍ちゃん。今は私だけですけど……。何かありました? 元気ないように見えますよ?」

忍「な、何でもないよ! 慶さんいないなら今日は帰ろうかな……」

ちひろ「慶ちゃんはあと1時間くらいしたら来るはずですけど……。レッスンの質問ですか?」

忍「うん。そんなところかな」

聖來「おはようございまーす」

ちひろ「あれ、聖來ちゃん、ダンスレッスンは今日誰も入ってなかったはずですけど……」

聖來「ちょっとだけダンスしたくなってね。この時間はみんな事務所にいないと思ったからレッスン室借りようと思ってたんだけど、もしかして忍ちゃん使う?」

忍「いや、今日は遠慮しとくよ。割り込んだみたいになっちゃうし」

聖來「気にしなくていいのに……。そうだ、一緒に使わない? ダンスするなら一人より二人の方が楽しいし! 外でちょっと聞こえたんだけど、レッスンで悩んでることあるなら聞くよ? アタシも一応トレーナーだからさ」

忍「……そういうことならお願いしようかな」

聖來「じゃあ早速行こうか!」

ちひろ「夕方から久美子ちゃんと朋ちゃんの予約入ってるので、その前には空けておいてくださいね!」

182: 20/08/28(金)21:29:40 ID:xdI
――レッスン室
聖來「じゃあまずは忍ちゃんの課題を聞いておこうかな。今日はそこを重点的に見てみるから」

忍「コラボする子とさっきまで合同レッスンをしてたんだけど、その時にもっと周りを見ろって言われたよ」

聖來「周りを見る、か……。簡単に言うけど、結構難しいんだよね。細かいところをある程度無意識でできるようにならないと周りなんか見てる暇ないし」

忍「じゃあどうしたらいいんだろう」

聖來「アタシは基礎練習をお勧めするかなあ。アタシが周りを見れるようになったのも基礎練習が一通りできるようになってからだったし」

忍「やっぱり何にしても基礎って大事なんだね……。そういえば、アイドルになったら基礎レッスンをいっぱいするものだと思ってたけど、スピプロでは歌もダンスも基礎レッスンはあんまりやってないよね」

聖來「ライブバトルフェスティバルまで時間がないから実践的な練習をしてくれってPさんに頼まれてるんだ。本当は基礎からしっかりとやるべきなんだけど……」

忍「そんな指示があったんだ。やっぱりアタシも基礎レッスンした方がいいのかなあ」

聖來「基礎を固めて、癖が抜けたら相当やりやすくなると思うよ。良かったらアタシが見ようか? 基礎レッスンくらいだったら動画に撮って転送してくれればいつでもメールでアドバイスするし、時間が合えば見てあげるよ」

忍「本当? それならお願いしてもいいかな?」

聖來「もちろん! さて、結構話し込んじゃったね。そろそろ始めようか!」

忍「お願いします!」

183: 20/08/28(金)21:31:33 ID:xdI
――レッスン後
聖來「はいとりあえず今日のところは終わり!」

忍「ありがとうございました!」

聖來「基礎レッスンっていうとだいたいこんな感じになるかな。空き時間にちょっとずつでもやると変わると思うよ」

忍「基礎レッスンってこんなにキツかったんだ……。これはちゃんとやらないとだね……」

聖來「でしょ? アタシもそう思ってPさんには何回も言ってるんだけど、毎回大丈夫って言われるんだよねー」

忍「もしかしたら黙っててもアタシみたいにそれぞれが勝手にやると思ってるのかも。Pさん結構鋭いところあるし!」

聖來「あー、そういうことなのかな? 自称『見る目はある』らしいから。知ってる? 梨沙ちゃんと久美子をスカウトした時そう言ったみたいだよ」

忍「えー! 何そのすっごい格好付け! 笑っちゃうね」

聖來「だよね! アタシも久美子から聞いたときはドン引きしちゃったもん。聞いてるこっちが恥ずかしくなっちゃうよ」

忍「そういえば聖來さんをアイドルにスカウトした時も恥ずかしいこと言ってたよね! 『やりたいことをやらない人生はつまらない』とか!」

聖來「『君なら成功できる!』とも言ってたよね! まったく、アタシになに期待してるんだかって思うよ」

忍「でもアタシは聖來さんがアイドルになるの賛成だけどなー。綺麗だし、ダンス上手だし!」

184: 20/08/28(金)21:32:02 ID:xdI
聖來「そんなことないって。実際ダンスのプロにはなれなかったわけだし、アタシなんてまだまだ……って、湿っぽい話になっちゃったね、ゴメンゴメン。湿っぽいって言えば忍ちゃんも事務所来たときそんな顔してたみたいだけど、何か悩み事?」

忍「あー……、まあ、うん……」

聖來「聞こうか? それかアタシが話しにくいならPさん呼んでくるけど。多分もう帰ってきてると思うし」

忍「……Pさんには話さない方がいいことなんだ。多分」

聖來「どういうこと? もしかしてSプロで何かあった?」

忍「Sプロのプロデューサーさんにスカウトされたの。Sプロに移籍しないかって」

聖來「ヘッドハンティングってこと? スゴイじゃん! って単純な話じゃないよね。もう少し詳しく聞かせてくれる?」

忍「移籍するってことはもちろんスピプロを抜けるってことでしょ? みんなを裏切るみたいだから最初は断ろうと思ったんだけど、大きい事務所の方が活躍できるとか、トレーナーが充実してるとか色々話を聞くうちに、移籍した方がいいような気がしてきて……」

聖來「あー……、それは確かにPさんには言えないよね。うーん、難しいね、困ったなあ……」

忍「聖來さんはどう思う? アタシ移籍した方がいいのかな?」

聖來「どうなんだろう。アタシには判断できないな。すごい当たり前のことなんだけど、一番大事にしなきゃいけないのは忍ちゃんの気持ちだからさ。忍ちゃんはどうしたいのか、ってことを考えれば答えは出てくるんじゃないかな」

忍「アタシはどうしたいのか……」

聖來「本当は立場的に引き止めるべきなんだけど、忍ちゃんには後悔のない選択をしてほしいんだ。突き放してるみたいだけど、もう少し自分で考えてみて。それで出た結論なら移籍するにしてもしないにしてもみんな納得してくれると思う」

忍「そっか、そうだよね。大事なことは自分で決めなきゃだよね。ありがとう、もうちょっと考えてみるよ」

聖來「そうしてみて。レッスン室の片付けはやっておくから忍ちゃんは着替えてきな」

忍「本当? じゃあお願いしようかな。ありがとう聖來さん」

185: 20/08/28(金)21:32:34 ID:xdI
聖來「ヘッドハンティングね……、もしアタシも今そういうことされたら忍ちゃんみたいに悩んだりするのかな……っと、いけない、久美子と朋ちゃんが来る前に片付けないと……」

久美子「私たちがなんだって?」

朋「聖來さんこんばんは!」

聖來「あー、間に合わなかった……。ごめんね、今すぐ片付けるから!」

久美子「いいわよ、別に気にしないでも。それより聖來、一人だけ年上ポイント稼ぎすぎじゃない?」

聖來「年上ポイント?」

朋「忍ちゃんの相談乗ってかっこいいこと言ってたじゃない。そういうポイントよ。惜しいことしたわ、私たちがあともうちょっと早く来てたらあたしたちのポイントだったのに」

聖來「え、何そのすっごいくだらないポイント……。っていうか、二人って一緒に自主レッスンするほど仲良かったっけ?」

久美子「いろいろあって昨日から一緒にやることになったのよ。私たちの『どうしたいのか』が同じだったからね」

聖來「またそうやってすぐからかうんだから……。っと、はい、片付け終わったよ。遅くなってごめんね」

朋「ありがと。せっかくだし聖來さんも一緒にやらない? トレーナーとしてじゃなくて気分転換にでも。ちひろさんが言ってたけど、もともとそのつもりだったんでしょ?」

聖來「うーん、今回は遠慮しとこうかな。忍ちゃんと踊ってたら結構本気になっちゃって疲れちゃったんだ。明日は藍子ちゃんのレッスンあるから休んどかないと」

久美子「そういうことなら仕方ないわね。趣味のダンスなんかよりも仕事の方が大事だもの。まあ私としては、聖來は仕事より大事なもの見落としてるんじゃないかと思うけど」

聖來「えっ……それってどういう……」

久美子「さ、朋ちゃん、始めましょ。聖來、帰らないの? 疲れてるなら早く休んだ方がいいんじゃない?」

聖來「あ……、うん。そうする……」

186: 20/08/28(金)21:33:06 ID:xdI

――数日後、スピカプロダクション
泰葉「アイドルコラボレーションのユニット発表、楽しみですね、ほたるちゃん」

ほたる「はい……。ちゃんと呼ばれるといいんですけど……」

P「俺とちひろさんの二人でちゃんと確認したからエントリーは出来てるはずだよ。今日発表される分で参加ユニットは全部だからほたると泰葉はこのあと発表されるはずだ」

ちひろ「発表が遅い分だけ準備期間が短くなるので、今日発表されるメンバーは特に優秀な子たちが多いみたいですよ。そういう子たちと組めるのはウチとしてはいい経験になりますし、それにほたるちゃんと泰葉ちゃんが優秀だって判断されてるのも嬉しいですね!」

P「そうですね。しかし歌鈴がこの発表見られないのは残念だなあ。神社との兼ね合いだから仕方ないんだけど」

朋「歌鈴ちゃん、忙しいのね。昨日も夜遅くまであたしとレッスン室使ってたんだけど、ちゃんと休んでるのかな」

『それではアイドルコラボレーションのユニット発表に参ります』

藍子「始まりましたね。二人は誰とユニット組むんでしょうか?」

ちひろ「残ってる子たちはみんなそこそこ名前が売れてますから、どんなユニットになったとしても面白いはずですけど……」

『98組目は関裕美、松尾千鶴、白菊ほたる、岡崎泰葉』

泰葉「同じユニットですね。よろしくお願いします、ほたるちゃん」

ほたる「はい……。泰葉ちゃんがいるなら私も安心です」

『100組目は松本沙理n』

聖來「あっ!、もう、テレビ消さなくたっていいじゃん、まだ見てたのに……」

P「あ、すまん。すぐ点けるよ」

『以上でユニット発表を終わりにします』

P「あ……」

聖來「……まあ仕方ないよ。どうせ1時間もすればネットニュースになるだろうし」

P「と、とにかく! これで無事にみんなのユニットが決まったんだ! 本番に向けて頑張っていこう!」

187: 20/08/28(金)21:33:35 ID:xdI
――音楽番組収録現場
スタッフ「OKです!」

梨沙、晴「ありがとうございました!」

P「お疲れ様。二人ともよかったよ」

晴「へへっ、まあオレたちならこれぐらいはトーゼンだよな!」

梨沙「当たり前じゃない! むしろ物足りないくらいね!」

P「お、ということは特訓の成果ありってことか?」

梨沙「もちろん! バッチリよ!」

晴「ん? 何の話だ?」

梨沙「晴は知らなくていいの! スケジュールみたら合同レッスンの予定全然入ってなかったから少し不安だったけど、この調子ならアイドルコラボレーションも上手く行きそうね!」

P「こうして実戦経験で成長していく戦法が取れるのはテレビ局とのコネがあるBプロの強みだな」

晴「社長が昔テレビ局の人だったらしいぜ? この音楽番組も社長の昔の後輩が作ってるらしいしな」

梨沙「デレプロにいたくせに何のコネもないウチのプロデューサーとは違うわね」

P「そんなことないだろ。ほら、スカウトした時に藍子のライブチケット渡したじゃないか」

梨沙「今は藍子もスピプロのアイドルじゃない。そんなのコネなんて言わないわよ」

晴「藍子ってまさかあの高森藍子!?」

梨沙「そうよ。それがどうしたの?」

晴「どうしたのって、高森藍子なんていったらトップアイドルじゃんか! 最近あんまり見なくなったと思ったらまさか梨沙と同じ事務所にいたなんて……」

梨沙「それならこの後事務所来る? 確か今日は相場夕美さんと合同レッスンの予定だったから多分事務所にいるわよ。そうだ! ついでにアタシたちもレッスンすればいいじゃない! 慶に見てもらえばもっと改善できるかも! 晴も収録後はオフって言ってたし、いいでしょ?」

P「この時間レッスン室は空いてるし、慶ちゃんも多分問題はないけど……。結城さんはどうだ?」

晴「あー……、ゴメン。オレ明日サッカーの試合あるから今のうちに休んどきたいんだ。次勝ったら決勝の大事な試合だからさ、万全の準備をしたいんだよ」

P「そうか、そういうことなら……」

梨沙「ちょっと待ちなさいよ! もうすぐ本番なのはコラボも同じでしょ! そんな時にサッカーなんかやって怪我でもしたら仕事はどうするのよ! そんな中途半端な気持ちでアイドルやってたの!? アタシは晴に負けないように頑張ってるのに晴はそんな適当だったの!?」

P「梨沙、やめなさい。そんなのただの八つ当たりだぞ」

晴「なんだよ! オレが頑張ってないって言うのかよ!」

P「結城さんもそこまでだ」

晴「……っ!」

P「結城さん! どこ行くんだ!」

晴「車! Bプロまで送ってくれるんだろ!?」

P「梨沙! 行くぞ!」

梨沙「なんで晴と同じ車乗らないといけないのよ」

P「梨沙!」

梨沙「……」

P「……分かった。ちひろさんに連絡して迎えに来てもらうように頼んでおくから楽屋で待ってるんだ。いいね?」

梨沙「……」

P「何かあったら連絡してくれ。ちひろさん来るまでちゃんと待ってるんだぞ」

188: 20/08/28(金)21:34:15 ID:xdI
――Pの車内
P「さっきはごめんな、結城さん」

晴「……別に梨沙のプロデューサーさんは悪くねーだろ」

P「そんなことないよ。担当アイドルの粗相はプロデューサーの責任だ」

晴「……オレってみんなに適当にアイドルしてるって思われてんのかな」

P「そんなことない。結城さんはれっきとしたプロのアイドルだよ。結城さんが努力家なのは業界でも有名だしな。梨沙は知らなかっただけだよ。あの子は一生懸命すぎて視野が狭い時があるから」

晴「そうなのかな……?」

P「結城さんと初めて会った収録の時、梨沙はすごい悔しがってたんだよ。結城さんについていくだけで精一杯だってね。それから毎日特訓して、やっと追いついたと思ったところで、レッスンを断られたんだ。余裕かましてるって思ったのかもしれない」

晴「余裕なんて全然……!」

P「うん、分かるよ。でも梨沙はまだ分からないだろうな。なぜなら梨沙は自分の才能に気付いてない」

晴「……マジ?」

P「マジ。コラボすることで自分で気付いてくれたら嬉しいんだけど、結城さんは気付けると思う?」

晴「梨沙のプロデューサーさんができるって思うならできるんじゃねーの?」

P「お、お手本みたいな答え」

晴「な、なんだよ、オレだってたまには真面目な時も……」

P「ははっ、ごめんごめん。でも、俺は多分無理じゃないかなと思ってるんだ。梨沙にとってはそれが当たり前すぎることだから」

晴「……天才ってやつだな」

P「そういうことなのかもな。だからさっきの八つ当たりも悪気があったわけじゃないと思う。今度ちゃんと謝りに行くから、その時は許してやってくれないか」

晴「まあいいよ。オレもカッとなって大声出しちゃったし」

P「ありがとう。ついでなんだけど、その時に梨沙にヒント出してやってくれないか? もし梨沙が自分の才能に気づいたら、もっといいコラボができるはずだ」

晴「分かったよ。でもなんか、梨沙のプロデューサーさんと話してるとうまく丸め込まれたみたいで悔しいな」

P「よく言われる。でもそういう仕事だからな。結城さんのプロデューサーさんだって本気出したらこうなるよ」

晴「……オトナは敵に回すモンじゃねーな」

P「そういうことだ。……っと、ちょうどBプロ着いたよ」

晴「送ってくれてありがとな。それから、オレのせいで梨沙置いていくことになっちゃってごめんなさい」

P「今頃は事務員さんが迎えに来てるはずだから気にしないで大丈夫だよ。明日のサッカー頑張ってな」

晴「おう、任せろ! ハットトリック決めてくるぜ!」

189: 20/08/28(金)21:35:50 ID:xdI
――聖來の車内
梨沙「てっきりちひろさんが迎えに来ると思ってたんだけど、まさか聖來が来るなんてね」

聖來「Pさんもそのつもりだったみたいなんだけど、この前歌鈴ちゃんが熱出しちゃって仕事いくつかキャンセルしたでしょ? その対応が忙しいみたいだからアタシが代わったんだ。で、収録どうだった? ビートシュータ―のレッスンはしたことないからちょっと気になるな」

梨沙「……うん、収録は上手く行ったわよ」

聖來「……そっか」

梨沙「……」

聖來「……」

梨沙「……聖來ってさ、最初は全然敵わなくて、それでも頑張って練習して、やっと追いついたって人が、実は本気出してなかったとしたら、どうする?」

聖來「えっ?」

梨沙「今日の収録、確かに上手く行ったのよ。特訓の成果もちゃんと出て、いいステージにできた。そこまでは良かったんだけど、そのあと晴を自主レッスンに誘ったの。でも晴には明日サッカーあるって言って断られて……」

梨沙「やっと追いついたのにアイドルよりサッカー大事にしてるって思ったら、なんかイライラして喧嘩になっちゃったの」

聖來「そっか。だからあんまり元気がなかったんだね」

梨沙「うん」

聖來「あくまでアタシだったらだけど、今よりもっと練習するんじゃないかな。最初はもちろん凹むと思うけど、いつまでも凹んでても仕方ないから」

梨沙「今よりももっと練習……」

聖來「あっ、でも、それはアタシの話で、梨沙ちゃんはこれ以上無理したら身が持たないよ。歌鈴ちゃんみたいに体壊したら元も子もないし」

梨沙「じゃあアタシはどうしたら……」

聖來「……ちょっと話変わるけど、梨沙ちゃんってさ、サッカーしてる晴ちゃん見たことある?」

梨沙「初めて会ったときに少しだけ一緒にやったけど……。でも振り回されすぎてその時のことはあんまり覚えてないかも」

聖來「この前テレビで晴ちゃんの密着取材やってて、そこでサッカーの試合をしてたんだ。なんか大きな大会みたいで、本気さが伝わってきたの」

梨沙「それがどうしたの?」

聖來「その時の雰囲気がさ、アイドルとしてステージに立ってる時の晴ちゃんとそっくりだったんだ。真剣で、楽しそうで」

聖來「梨沙ちゃんはさっき、晴ちゃんがアイドルよりサッカーを大事にしてるって言ってたけど、アタシはそんなことないんじゃないかなって思うんだ。そもそも晴ちゃんはサッカーも仕事みたいなところがあるし」

梨沙「どういうこと?」

聖來「晴ちゃんって、よくサッカーアイドルって言われるじゃない? でも、そうやって名乗るからにはサッカーにも本気じゃないといけない。だからサッカーで活躍するために体を休めたりしてるんだと思うな」

梨沙「でも、だからと言ってアイドルのレッスンをおろそかにするのは違うでしょ? サッカーする時間だけレッスンの時間減るじゃない。サッカーが無ければ合同レッスンできた日もあったかもしれないのに……」

聖來「これはちひろさんに聞いたことなんだけどね、晴ちゃん、試合の前後数日以外は毎日自主レッスンしてるんだって。サッカーの練習でアイドルのレッスン時間が取れない分を取り返そうとしてるんだよ。晴ちゃんは晴ちゃんなりに真剣にアイドルしてるんだと思う」

梨沙「何よそれ……そんなの聞いてないわよ……」

聖來「梨沙ちゃんだって秘密の特訓のこと晴ちゃんに話してないでしょ?」

梨沙「それは……。確かにそうね……」

聖來「で、話は戻って梨沙ちゃんがどうしたらいいかって話だけど、アタシは今のままを続けるだけでいいと思うな」

梨沙「今のまま?」

聖來「前までは全然敵わなかったのに今では追いついてるんでしょ? 晴ちゃんも自主レッスンやってるのに追いつけたってことは成長速度は梨沙ちゃんの方が速いってこと。だったらきっとすぐに抜かせるよ」

梨沙「そうなのかしら……」

聖來「そうだよ。トレーナーのアタシが言うんだから間違いない!」

梨沙「……分かったわ。聖來を信じて、このまま頑張ってみることにする!」

聖來「あと、ちゃんと晴ちゃんに謝っておかないとだめだよ?」

梨沙「うっ……、ま、まあ今回はアタシが悪かったし、仕方ないわよね……」

190: 20/08/28(金)21:36:21 ID:xdI
――スピカプロダクション
P「ありがとな、急にお迎え頼んじゃって」

聖來「いいよ別に。久しぶりに運転していい気分転換になったし!」

P「そうか、それならよかった」

聖來「あっ、でも、アタシが梨沙ちゃんの相談乗ったことには感謝してほしいな~。アイドルの相談は本来Pさんの仕事でしょ? 特別ボーナス要求しちゃおうかな~」

P「ウチは金がないんだから勘弁してくれ……」

聖來「ふふっ、冗談に決まってるでしょ? それに頼られるのは嬉しいし!」

P「でも本当にありがとな。助かったよ」

聖來「困ったときはお互い様だからね。アタシにできることだったらいつでも手伝うよ」

P「ああ、頼む。聖來も困ったことあったら言ってくれ」

聖來「うん、もちろん。じゃ、アタシ忍ちゃんと約束あるから」

P「そうだったのか、急に呼んで悪かったな。忍と何の約束なんだ?」

聖來「最近基礎レッスンしてるんだ。大体久美子と朋ちゃんと時間がかち合ってレッスン室使わずに屋上でやってるからPさんが知らないのも仕方ないけど」

P「お、忍も自主レッスン始めたのか。みんな意識が高くていいことだ」

聖來「うん。センスのいい子たちばっかだし、ボーっとしてたら他の事務所に引き抜かれちゃうかも」

P「確かにそうだな。ウチはギリギリの人数でやってるから引き抜きなんかされたらやっていけないし、その時は全力で止めないとな。まあそんな話はまだないけど」

聖來「……」

191: 20/08/28(金)21:37:32 ID:xdI
――忍の自室
プルルルルルル

忍「こんな時間に着信……? しかも穂乃香ちゃんだ。もしもし?」

穂乃果「夜遅くにごめんなさい。今って少しお話しする時間ありますか?」

忍「全然大丈夫だよ。でも穂乃香ちゃんも電話とかするんだね。ちょっと意外かも」

穂乃果「私だって電話でおしゃべりくらいはしますよ……」

忍「ふふっ、ごめんごめん。それで、話って何? もしかして移籍のこと?」

穂乃果「はい。忍ちゃんはどうします?」

忍「もう少しだけじっくり考えようかなって思ってる。穂乃香ちゃんはどうするの?」

穂乃果「私ですか? 私は移籍することにしました」

忍「えっもう!? そんなにあっさり決まったんだ! 事務所に相談とかしなかったの!?」

穂乃果「もちろんしましたよ。ただ、私の気持ちを知ったら、引き止められないからって。最終的には応援してくれました」

忍「ってことはSプロで提案された時から気持ちは決まってたってこと?」

穂乃果「はい。Sプロの方が力のある事務所ですし、今後のことを考えたら事務所は大きいに越したことはないですから。もちろん今の事務所に不満はないですし、恩もあるので罪悪感はありますけど……」

忍「うん、そうだよね……」

穂乃果「でも、Aプロは今後アイドル部門に加えて新しくモデル部門を立ち上げようとしていて、そのためにお金が必要なんです。プロデューサーさんが交渉して、私の移籍でSプロからお金がもらえることになったみたいなので、そういう面で利害が一致したみたいです」

忍「あー、お金はね……。スピプロもお金はないからもしかしたらアタシの移籍も喜んでくれるのかなあ……」

穂乃果「それは分からないですけど、でも私は忍ちゃんも移籍した方がいいと思いますよ。私、フリルドスクエアにはすごい手ごたえを感じてるんです。Sプロもそう思ってるからこその移籍話だと思いますし、事務所の垣根がなくなればフリルドスクエアももっと活躍できると思いませんか?」

忍「それは……、うん。私もそう思うけど……」

穂乃果「難しい話ですけど、移籍するにしてもしないにしても決めるのは速い方がいいですよ。事務所との今後の信頼関係にも影響しますし……」

忍「そうだよね……。でも、もうちょっとだけ考えたいんだ。絶対に後悔はしたくないし」

穂乃果「そうですよね。急かすようなこと言ってすみません」

穂乃果「それから、こんな電話をした口が言えたことじゃないですけど、私の移籍に気を使って忍ちゃんの意見を変えるなんてことはしないでくださいね。私は忍ちゃんがどっちの選択をしても応援しますよ。きっと柚ちゃんとあずきちゃんもそうだと思います」

忍「ありがと、そうするよ」

192: 20/08/28(金)21:37:56 ID:xdI

――Bプロダクション
梨沙「この前はごめんなさい!」

晴「ちょ、ちょっと待てって! 来るなりそんな急に謝られても何のことだか分からないだろ!」

P「先日の音楽番組収録で的場が結城さんに失礼をしたので、その謝罪です」

晴「あー……あの事な。別にもういいよ。オレの方こそ、梨沙の気持ち考えずに言い返しちゃったっていうか……。っていうか梨沙のプロデューサーさん、この前と口調変わってないか?」

P「一応正式な謝罪ですから」

晴「なんか調子狂うな……」

梨沙「珍しくアタシが謝ってるのにアタシの関係ないところで喋ってるんじゃないわよ!」

晴「……なんでオレ謝られてるのに怒られてるんだ?」

梨沙「だからごめんなさい! 全部アタシの八つ当たりだから気にするんじゃないわよ!」

晴「だからそのことはもういいって!」

梨沙「じゃあサッカーするわよ!」

晴「は!? ど、どういう意味だよ!?」

梨沙「よくあるでしょそういうやつ! 『一緒にサッカーしたら仲直り!』みたいなやつ!」

晴「確かによくあるけど……。いや、だとしてもオレ今ボール持ってないし……」

P「はいボール。そこらへんの公園でやってきなさい」

晴「なんかデカい荷物持ってると思ったらボールかよ! っていうかオレこの後レッスン!」

P「結城さんのプロデューサーさんには了承もらったから大丈夫なはずだよ。思う存分やってきな」

晴「プロデューサーもグルかよ……」

梨沙「ほら! ぼさっとしてないでいくわよ!」

晴「ああもう分かったよ! 行けばいいんだろ!」

193: 20/08/28(金)21:38:14 ID:xdI
――スピカプロダクション
ちひろ「それで勢いで仲直りさせちゃったんですか? またPさんも強引なことしますね……」

P「まあ、謝ったところでしばらくは気まずいだろうし、本番まで時間もないんで、一発台風起こして気まずさも吹き飛ばしてしまおうと思いまして」

ちひろ「相変わらず悪い大人ですねー。あの手この手で女の子を掌でくるくる回して」

P「悪いのはちひろさんだって同じじゃないですか。別に大して忙しくもないのに聖來に梨沙を迎えに行かせるなんて」

ちひろ「説教とか相談は私の領分じゃないんです。聖來ちゃんならそこらへん上手くやれるだろうし、結果うまい具合に行ったんだからいいじゃないですか」

P「なら今回の俺の作戦もセーフですよね? 仲直りは大成功でしたし」

ちひろ「……今回は負けを認めます」

P「お、久しぶりに勝った! 仕事のし過ぎで頭働いてないんじゃないですか? 休み取ります?」

ちひろ「みんなが頑張ってるのに私だけ休めませんよ」

P「ま、それはそうですよね。みんな壁にぶつかりながら、協力して乗り越えてくれるから、俺も頑張らなきゃ、って気になりますよ。最近彼女たちに大したことしてあげられてないですから」

ちひろ「確かに言われてみればそうですね……。歌鈴ちゃんの体調不良も見逃して、ビートシュータ―も喧嘩して、Pさん全然いいところないじゃないですか」

P「そういわれると反論できないのが辛いところで……」

ちひろ「あっ、じゃあ今日のところは1勝1敗で引き分けですね!」

P「えっ嘘! また始まってたのかよ、せっかく久しぶりに勝てたのに……」

ちひろ「勝負はいつ始まるか分からないんです! そんなだからいつも負けるんですよ?」

P「おっしゃる通りで……」

ちひろ「はいまた私の勝ち! Pさんは相変わらず詰めが甘いですね~」

194: 20/08/28(金)21:39:09 ID:xdI

――数日後、アイドルコラボレーショ本番前、控室
P「梨沙、もうすぐスタンバイだ。俺は忍の方に行かなきゃいけないから、あとは結城さんのプロデューサーさんの指示に従ってくれ」

梨沙「う、うん……」

P「なんだ? 緊張してるのか? らしくない」

梨沙「そりゃあ緊張もするわよ! こんな大きなステージなんて立ったことないもの! それに隣にいるのは今売り出し中の結城晴なのよ!? ヘタなことしたらアタシはきっとすごい叩かれるじゃない!」

P「結城さんより凄いパフォーマンスすればいいだけじゃないか。そうしたら一気に注目のアイドルになれるぞ。結城晴の謎の相方、期待の新星、的場梨沙。なんて記事が書かれたりしてな。きっとパパさんも喜ぶぞ」

梨沙「それ言えばアタシが喜ぶと思ってない? そんな簡単なことじゃないから緊張してるんじゃない」

P「はは、バレたか。でも、梨沙ならできると思うぞ。だってあれだけ特訓したんだ」

梨沙「確かに特訓はたくさんしたけど……」

P「じゃあ不安な梨沙に一つだけヒントだ。結城さんに謝りに行ってサッカーした時、結城さんに何か言われなかったか?」

梨沙「晴に言われたこと? ああ、そういえば、成り行きで晴と組んで近所の子と2対2した時、カバーリングが巧いとか言われたけど、それがどうしたの?」

P「ふふっ、結城さんも中々いいヒント出すじゃないか。これで気付けないなら答え教えるしかないかな……」

梨沙「な、何の話よ.……?」

P「梨沙はさ、周りを見てバランスをとるのが凄い上手いんだよ。誰かがミスしても、咄嗟の判断でカバーできる。それが梨沙のすごいところだよ」

P「ビートシュータ―の最初の仕事でも、結城さんがどんどん突っ走ってるのについて行って違和感を感じさせないように修正してただろ? それはそう簡単にできることじゃないよ。初対面ならなおさらだ」

梨沙「あの時はアタシがサボってるように見えると思ったから合わせただけで……」

P「普通の人はそう思っても合わせられないよ。カメラに映ってない時はヘロヘロになってたけど本番中はそんな風には見えなかったし、自分の限界も計算に入れて結城さんの暴走をカバーしてたんだよ。しかもほぼ無意識で。結城さんもいつからか気付いてたみたいだよ、梨沙が天才だってこと」

梨沙「アタシが天才……」

P「そう。梨沙は天才。天才が努力したらできないことなんてないよ」

梨沙「……そうよね! アタシはトップアイドルになるんだから、それくらいの才能はなくっちゃ!」

P「その通り。で、トップアイドルになるためにまずはこのコラボを成功させなきゃだけど、俺にいい作戦があるんだ。聞きたいか?」

梨沙「決まってるじゃない!」

P「よし来た! 天才とは言っても、まだまだ梨沙はトップアイドルじゃない。もちろん結城さんもそれは同じだ。だから少なからずミスは出る。そこをいつも通り上手くカバーするんだ」

P「結城さんは気合入ってるだろうし、梨沙が巧くカバーしてくれるって分かればミスを恐れずにギア上げてくると思う。そうしたら観客は盛り上がってコラボは大成功ってわけだ。この作戦どう思う?」

梨沙「賛成! プロデューサーにしては上手いこと考えるじゃない」

P「だろ? これでも天才アイドルのプロデューサーだからな。これくらいのことはしないと」

スタッフ「的場梨沙さん、スタンバイお願いしまーす!」

梨沙「それじゃ、行ってくるわね!」

195: 20/08/28(金)21:40:39 ID:xdI

――数分後
P「すまん忍、遅くなった。準備は大丈夫か?」

忍「うん。衣装もメイクもばっちりだよ」

P「そうか、よかった。じゃあスタッフさんが呼びに来るまでモニター見てようか。ちょうど梨沙の出番だ」

忍「ほんとだ! 確かビートシュータ―にはコラボのためにつくられた新曲があるんだよね?」

P「ああ、『輝け!ビートシュータ―』って曲だ。俺もリハーサルで聞いたけどかっこいい曲だったぞ。なんでもBプロが懇意にしている作曲家と作詞家に依頼したらしい。1回きりのコラボなのに新曲書き下ろしてもらえるんだから、羨ましい限りだよな」

忍「やっぱり大きい事務所はそういうのも持ってるんだね……」

P「まあ少なからずそういうところはあるよ。ウチみたいな小さい事務所は実績がないから信頼を得ること自体難しいけど、Bプロは老舗だからその点はやっぱり強い。Sプロもそうだけど、有名な事務所はそれだけで大きな強みだよ」

忍「……あのさ、今までずっと黙ってたんだけど、アタシ、Sプロに移籍しないかって言われたんだ」

P「……そうか」

忍「あんまり驚かないんだね」

P「驚いてるよ。ただ、みんなが活躍していけば、そういうことも覚悟しなきゃいけないっていうのは分かってることだったからな。忍が誘われたってことはもしかして綾瀬さんも誘われてるのか?」

忍「うん。穂乃香ちゃんはもう移籍決めたみたい。今日がAプロのアイドルとしてステージに立つのは最後だって」

P「綾瀬さんは、ってことは忍はまだ迷ってるってことだよな」

忍「うん。最初は聖來さんに相談して、アタシがどうしたいかを考えれば答えは出るってアドバイスされたんだ。でも考えても結局は同じところにたどり着いちゃって……」

忍「柚ちゃんもあずきちゃんも穂乃果ちゃんもみんな凄くて、アタシも一緒に活動すればもっと成長できるかな、とか、でもスピプロのみんなを裏切ることになるのは嫌だな、とか……」

P「……スピプロにいても忍はもっと成長できると思うし、もしSプロに行くことになったとしても、スピプロのみんなは裏切られたとは思わないんじゃないかな」

忍「どういうこと?」

ビートシュータ―『ライバル同士~♪ ぶつかりながら~♪ 限界はないどこまでも二人~♪』

P「この曲が言ってるみたいにさ、ライバルなら、たとえいつも一緒にいなくても成長できると思うんだよ」

P「梨沙と結城さんは違う事務所だけど、ライバルになれたからお互いが大きく成長して、今のこの素晴らしいステージがあるんだ。わざわざ移籍しなくても競い合って成長できるっていう証拠じゃないかな」

忍「つまり、移籍しないならフリルドスクエアのみんなと、移籍するならスピプロのみんなとライバルになれたら裏切ったことにはならないってこと?」

P「そういうこと。それから逆の視点で見ると、どっちを仲間にするかとも言えるな。仲間はライバルと違って、協力して、共に戦うことで一緒に成長していく。忍にとって誰がライバルで、誰が仲間であるのが理想なのかを考えてみたらいいんじゃないかな」

P「まあこれは俺の考えだから、聖來のアドバイスと、もちろん忍の気持ちも含めてしっかり考えなさい。結論がどっちになろうと俺は応援するから」

スタッフ「工藤忍さん、スタンバイお願いしまーす!」

P「よし! 今の話はいったん忘れて、まずは本番! いつもの忍なら大丈夫だ! 頑張ってこい!」

忍「えっ……、あっ、うん!」



P「……もしもし、ちひろさんですか? 一つお願いがあるんですけど……」

196: 20/08/28(金)21:41:03 ID:xdI
――舞台袖
忍「って言われたけど、そんな簡単に忘れるなんてできないよ……」

柚「忍チャン、どうかした?」

忍「あー……、いや、大丈夫!」

あずき「せっかくのコラボ大作戦だもん、元気出していこっ!」

忍「うん、そうだよね……」

穂乃果「……忍ちゃん、ちょっといいですか?」

忍「えっ……、うん」

穂乃果「私はこのステージに、Aプロへの感謝のすべて込めようと思っています。忍ちゃんはまだ迷ってるみたいですけど、もし移籍することになった時は今回がスピカプロダクションとしての最後のステージになるかもしれないんです。余計なこと考えてミスでもしたらきっと後悔しますよ?」

忍「……ごめん、そうだよね。集中しないと!」

スタッフ「フリルドスクエアの皆さん、ステージにお願いしまーす!」

フリルドスクエア「はい!」

197: 20/08/28(金)21:41:21 ID:xdI
――ステージ
忍(Sプロに移籍するにしても、スピプロに残るにしても、今やるべきことはこのステージを成功させること! まずは立ち位置について……)

聖來「忍ちゃん頑張れー!」

忍(聖來さん!? それにちひろさんに、久美子さんと藍子ちゃんも! しかも最前列に陣取って……)

藍子「失敗しちゃった私の分まで頑張ってください!」

久美子「忍ちゃんならできるよ! 初めて会ったとき、私びっくりしたんだから! 忍ちゃんが本気になったら誰にも負けないはず!」

聖來「屋上レッスンを思い出していつも通り頑張ればきっと大丈夫!」

ちひろ「忍ちゃん頑張ってください! みんな応援してますよ!」

忍(ちひろさんまであんなに大声出しちゃって……。でも、あんな応援されたらもう失敗なんかできないよね!)



ちひろ(それにしてもPさん、忍ちゃんの出番直前になって私たちにこんな指示出して、どういうつもりなんでしょう……? 確かに忍ちゃんの士気は上げられたみたいですけど……」

198: 20/08/28(金)21:42:00 ID:xdI
――ステージ終了後
SプロP「素晴らしいステージだったよ。みんなの個性とコンビネーションが調和した完璧なパフォーマンスだった。特に工藤さん、君は私が思っていた以上の逸材だったようだ」

忍「ありがとうございます、って言ってもアタシ、ステージで何してたかほとんど覚えてないんですけど」

あずき「えっ、忍ちゃん覚えてないの!? 前に合わせたときよりずっとかっこよかったから、あずきびっくりしたんだよ!」

忍「なんか気が付いたら曲が終わってて……。凄い歓声だったから成功したっていうのは分かったんだけど……」

柚「もしかしたら、ゾーンに入ってたってやつかもね!」

忍「ゾーン?」

穂乃果「高い集中力によって、普段以上の力を発揮できる状態のことです。きっと忍ちゃんは、覚えていられないくらいにステージに集中していたおかげで、今までレッスンしてきた全部を出せたんじゃないでしょうか」

SプロP「その通りだ。工藤さんは元々の集中力が高いから、他の人よりゾーンに入りやすいんだと思う」

忍「そんな大それたことしてないと思うんですけど……」

P「いや、きっとそうだよ。忍に初めて会ってダンスを見た時もゾーンに入ってたんだろう。久美子も言ってたけど、あれはなかなかの衝撃だったぞ」

忍「あれ、Pさん、いつの間に。でもそういえばスカウトされた時のこともあんまり覚えてないかも……」

SプロP「だからこそSプロは君が欲しい。柚やあずき、綾瀬さんとともに切磋琢磨すれば、もっといいアイドルになれるはずだ」

忍「……せっかくの話だけどその話、やっぱりアタシは乗れないです。アタシは、スピカプロダクションのみんなと仲間でいたいんです。アタシのことをどんな時でも応援してくれるみんなと一緒に頑張りたいんです」

忍「フリルドスクエアはすごい良いユニットだと思うし、3人ともアタシよりずっと立派なアイドルだと思うけど、だからこそライバルとして勝ちたいって思ったんです」

SプロP「ライバル、か。それならば仕方ないな。今回の話はなかったことにしましょう」

忍「ありがとうございます」

SプロP「ただ、ライバルと決まった以上、私たちは手加減しません。ライブバトルフェスティバルで会いましょう。Sプロは全力でスピカプロダクションを倒しにかかります」

P「望むところです。ライバルとはそもそもそういうものですから」

柚「えっと、柚たちなにも聞いてなかったんだけど、プロデューサーサンが忍チャンを引き抜こうとしてて、それを忍チャンは断ったってこと?」

SプロP「そういうことだよ。ちなみに綾瀬さんは明日からSプロ所属だ」

あずき「えーっ!? そんなの聞いてないよ~! っていうかそれだと忍ちゃんは仲間外れってこと?」

忍「ううん。ライバルは離れてても繋がってるんだって梨沙ちゃんたちが歌ってた。だから仲間外れじゃないよ」

穂乃果「忍ちゃんがそう決めたならそれがきっと正しいんだと思います。私たちもライバルとして忍ちゃんに負けないようにしないとですね」

忍「うん。絶対負けないからね」

202: 20/08/28(金)22:08:47 ID:xdI

P(今回のコラボで梨沙も忍も大きく成長できたはず。こうして事務所は小さくてもアイドルは大きくなり続けている。この調子ならライブバトルフェスティバルでも恥ずかしくないライブができるはずだ。あとはライブバトルに最低限必要な9人目のアイドルさえ見つかれば……)

200: 20/08/28(金)21:43:20 ID:xdI
~~8話 Company完~~

201: 20/08/28(金)21:45:38 ID:xdI
長らくお待たせいたしました。8話を更新しました。

色々と忙しかった時期とスランプが重なってここまで遅くなってしまいましたが、ようやく更新できました。

今後もこういった状況は続くと思われるので遅いペースの更新にはなりますが、楽しんでいただけたら幸いです。

引用元: [デレマスss]REVENGE!