1: 2019/12/25(水) 21:31:32.26 ID:9/6j0Hxf0

ニャー

凛世「にゃん……」

ニャーオ ニャー

凛世「にゃーん……にゃあ……」

ニャー ニャーウ ニャー

凛世「にゃん、にゃー……ふふっ……」


P「凛世」

凛世「!」


凛世「プロデューサーさま……いつから……!」

P「凛世が猫と、ちょうど話し始めた時だよ。声をかけようと思ったら、ずいぶん楽しそうに会話してるもんだから」

凛世「……」カァァ…

P「ごめん。タイミングを失っちゃって」

凛世「いえ……お気になさらず……」

ニャー ニャー

P「ここの家、多くの猫を飼ってるんだよな。玄関に座ってるのを見かける。いつも来るのか?」

凛世「そういうわけでは……。以前、果穂さんたちから、ここの猫のことを教えていただいて……お買い物を終えた帰りに、ふと思い立ち……訪れたのです……」

P「そうだったのか。何を話してたんだ? もしよければ……」

凛世「……っ」

P「あ……そ、そうだよな。詮索しないよ、今の質問は忘れてくれ」

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2: 2019/12/25(水) 21:33:13.88 ID:9/6j0Hxf0
凛世「……お天気の、お話を……」

P「!」

凛世「今日は暖かく……お散歩日和だというお話を、しておりました……」

P「はは、そうか。確かに冬にしては暖かいな。暖冬ってやつだ」

凛世「はい……なので、ぷちさんたちも、こうして外に出ていると……」

P「ぷちさん?」

凛世「この方です……ぷち、というお名前です……」

ニャー

P(凛世が今つけたのかな。いや、飼い主さんに教えてもらったのか)

ニャー ニャー

凛世「ぷちさん……この方は、先ほどお話した……凛世の大切な……」

ニャー ニャーウ

凛世「そ、そのような関係では……。今は、まだ……」

P(なんか、本当に会話してるみたいだな)

ニャーオ ニャー

凛世「……そうなのですね……。では、またお会いしましょう……」

ニャー

P「あれ? あの猫……ぷちだっけ。どこに行くんだろう」

凛世「昼餉の時間だとか……」

P「なるほど」

3: 2019/12/25(水) 21:34:19.08 ID:9/6j0Hxf0

~~~~~~

凛世「申し訳ございません……荷物を持っていただいて……」

P「気にしないでくれ。俺もこっち方向へ行くつもりだったから、ついでだよ」

凛世「ありがとうございます……」

P「……他には、どんな話をしてたんだ」

凛世「?」

P「ぷちとの会話」

凛世「……アイドルのお話……ユニットの皆さんのお話……そして、プロデューサーさまのお話を……」

P「俺の話も?」

凛世「凛世を、アイドルの世界へ導いてくださった……大切なお方だと……」

P「そんなふうに言われると恥ずかしいな」

凛世「嘘偽りなき、事実でございます……」

P「少し照れくさいけど……ありがとう。というか凛世、猫の言葉が分かるのか? やり取りができてたように見えたけど」

凛世「直接は、分かりません……。ですが、『にゃー』という声を、耳にしていると……どことなく、感じられるのです……」

P「猫が何を言ってるか?」

凛世「はい……」

P「へー、不思議だな。俺にも分かるかな」

凛世「プロデューサーさまにも……?」

P「うん。今度猫を見かけたら話しかけてみるよ……って、俺がそんなことしたら怪しい奴だな。凛世みたいな綺麗な女の子だと、すごく絵になるんだけど」

凛世「き、綺麗などと……もったいない、お言葉でございます……」

凛世「……プロデューサーさま……よろしければ、次のお休みに……○○公園へ……」

P「ああ、そういえばあそこにも猫がたくさんいるな。人の家の前よりかは怪しまれないだろうし。うん、行ってみよう」

凛世「……凛世も……」

P「ん?」

4: 2019/12/25(水) 21:35:31.86 ID:9/6j0Hxf0
凛世「その……凛世も……ご一緒しても、よろしいでしょうか……」

P「もちろんいいけど、せっかくのオフに、俺と猫を見に行くなんて……」

凛世「お願いいたします……」

P「凛世がいいなら構わないよ。一緒に行こうか」

凛世「……!」

凛世「はい……ありがとうございます……!」

凛世「……あ……」

P「寮が見えてきたな。これ、玄関まで持って行くよ」

凛世「……感謝いたします……」

~~~~~~

P「それじゃあ、また明日。打ち合わせは予定通り、17時頃だから」

凛世「はい……」

P「風邪を引かないように、体に気をつけてな」

凛世「……はい……」

凛世「……プロデューサーさま……」

P「ん、どうした? なにか言い忘れが……」

凛世「にゃー……」

P「!」

凛世「にゃー……にゃーん……にゃあ……」

5: 2019/12/25(水) 21:37:01.10 ID:9/6j0Hxf0
P「……えっと……」

凛世「申し訳ございません……猫の言葉で、ご挨拶を、と……」

P「猫語か。なんて言ったんだ?」

凛世「……」

凛世「……お体に気をつけて……また明日、お会いしましょう……」

P「はは……うん、また明日」

凛世「風邪を引かぬように……暖めてください……」

P「凛世もな」

パタン

凛世「……にゃー……」

凛世「……にゃー……にゃーん……にゃあ……」

凛世(この想い……仮初の言葉では……)

凛世(……プロデューサーさま……凛世は、貴方さまを……)

~~~~~~

(次のオフ)

ニャー ニャーオ

P「今日は冬らしい寒さだから、猫が少ないな」

凛世「はい……」

P「違うところで暖をとってるんだろうな。おいで」

ニャー

P「大人しい。人に慣れてるみたいだ」ナデナデ

ニャーオ

P「可愛いなぁ」

凛世「とても、気持ちよさそうです……」

6: 2019/12/25(水) 21:38:41.37 ID:9/6j0Hxf0
P「凛世も撫でてみるか?」

凛世「はい……失礼いたします……」ナデナデ

ニャーオ ニャー ゴロゴロ

P「喉を鳴らしてるぞ。凛世の撫で方が好きなんだ」

凛世「ふふっ……」

ニャー ニャー

P「他の猫も寄ってきた。よしよし」ナデナデ

ニャー

P「ははっ、自分から頭を擦りつけてくるなんて」

凛世「……」

P「本当に可愛いな」

凛世「……はい……」

P「凛世、こっちの猫も触りたい?」

凛世「!」

P「じっと見てるから」

凛世「い、いえ……」

凛世「……はい……」

P「この猫、特に人懐こい気がするぞ。お腹まで見せてる」

ニャン ニャーオ

P「お前もか。よしよし、いい子だな」ナデナデ

7: 2019/12/25(水) 21:41:49.85 ID:9/6j0Hxf0
凛世「……」

P「なんだ凛世、こっちの猫も触ってみたいのか?」

凛世「え……。い、いえ……」

凛世「……はい……」

P「この子も大人しいよ」

凛世「はい……大変、愛らしいです……」

凛世「……」

~~~~~~

P「このお茶でよかった?」

凛世「ありがとうございます……お金を……」

P「いいよ、俺のおごりってことで」

凛世「……では、ありがたく……」

P「うん」

凛世「プロデューサーさまは……ココア、なのですね……」

P「冬になると、たまに飲みたくなるんだよ。夏に食べるアイスみたいに。こうして寒い中、公園のベンチに座りながらというのも、ささやかな幸せを感じられて好きなんだ」

凛世「……」

P「暖かい場所で、温かい飲み物を飲むのも、もちろん好きだけどさ」

凛世「……そのお気持ち、分かります……」

凛世(このような寒い場所でも……プロデューサーさまと、並んで座らせていただくだけで……凛世は……)

凛世「……プロデューサーさま……」

P「?」

8: 2019/12/25(水) 21:42:57.96 ID:9/6j0Hxf0
凛世「……にゃーん……にゃん……にゃー……」

P「あ、猫語。そういえば結局、猫の言葉分からなかったんだよな」

凛世「凛世の、今の言葉も……?」

P「そうだなぁ……難しい」

凛世「……言葉だけでは、ないのです……」

P「え?」

凛世「言葉だけでは……理解することは、難しいです……。表情や、仕草など……言葉以外の、様々なものを見ると……どことなく……」

P「ひょっとしてそれはヒント?」

凛世「はい……」

P「よし。じゃあ、そのヒントを踏まえた上でチャレンジしてみよう。悪いけど凛世、もう一回言ってくれないか?」

凛世「……にゃあ……にゃん……にゃー……」

P「……」

凛世(プロデューサーさま……凛世の、この想いを……)

P「……」

凛世「……」カァァ…

プイ

P「あ」

凛世「……申し訳ございません……顔を、逸らしてしまい……」

P「お、俺のほうこそ真剣に見つめすぎて……変な顔してたよな」

凛世「そのようなことは……」

9: 2019/12/25(水) 21:44:35.43 ID:9/6j0Hxf0
P「うーん……こうなったら、ぶっつけ本番だ。あの猫たちのところへ行ってみるよ。凛世のヒントを取り入れて……」

ヒュオオオオ

P「寒っ……! き、急に風が吹き始めた……」

凛世「くしゅんっ」

P「凛世、大丈夫か?」

凛世「ご心配には、及びません……」

P「寒そうにしてるじゃないか。今気づいたけど、猫たちもいなくなってるし、今日は帰ろう」

凛世「……はい……」

凛世(……プロデューサーさまとの、時間が……もう……)

~~~~~~

P「う……顔に風が当たって冷たい……」

凛世「……」

P「……」

P「凛世、これを着てくれ」

凛世「?」

凛世「……これは……プロデューサーさまの……」

P「下に着込んでて、コートが無くても平気だからさ」

凛世「ですが……」

P「俺は大丈夫。それよりも、凛世が心配なんだよ」

凛世「……ありがとう、ございます……」

P「いいんだ。どうだ? まだ寒い?」

凛世「……とても……暖かいです……」

10: 2019/12/25(水) 21:46:19.46 ID:9/6j0Hxf0
P「よかった」

凛世「……」

凛世(暖かい……とても……。プロデューサーさまの、温もりを……感じます……)ギュ

P「……凛世、ひとつ提案があるんだけど。あの店に入らないか? まだ帰るには早い時間だし」

凛世「……!」

P「軽く食べながら話そう。もちろん、帰りたいなら寮まで送っていくよ」

凛世「……」


凛世「……にゃあ……」

P「!」


P「……はは。分かった、じゃあ行こうか。あの店、空いてるといいな」

凛世「……はい……」ニコ

凛世(仮初の言葉……それでも、プロデューサーさまは……分かるまで聞いてくださると……)

凛世(……いつか、この想いも……)


おわり

11: 2019/12/25(水) 21:47:28.16 ID:9/6j0Hxf0
読んでくださりありがとうございました
解釈違いというか、納得いかない箇所がありましたら申し訳ありません

引用元: 【シャニマス】凛世「……にゃーん……」