未央
「えっ、うづきんも初めてなの？　いやぁ奇遇だね！」

卯月
「未央ちゃんも！？　うう～、緊張しちゃうけど、頑張ろうね未央ちゃん！」

未央
「そうだね！　でもほら、私らにはしぶりんっていう強ーい見方がいるじゃない」

卯月
「そっか！　凛ちゃんと私たちはアイドルとしては同期だけど、今日は大先輩ってわけですね！」

未央
「よろしくお願いします凛先輩！」

凛
「ちょっとまって。なんで私漫才経験者みたいに扱われてんの」

未央
「え？　嘘、ないの？」

凛
「ないよ初めてだよ。ちょっと卯月、そんなキョトンとした目でこっちみないでよ」

卯月
「え？　凛ちゃん漫才やったことないんでしたっけ？」

凛
「ないよ！　えっ、っていうか私漫才したことあるとか言ったっけ？」

未央
「いや、ないけど」

凛
「なんかしれっと言い切られたけど、だよね？　言ってないよね？　私も漫才初めてだから」

卯月
「そっか。じゃあ一緒にがんばりましょう！」

凛
「そうだね、頑張っていこう」

凛
「でさ、二人とも。相談があるんだよ」

未央
「おっ、何々？　何でも聞いちゃうよ」

凛
「私さ、デートに誘いたい人がいるんだよ」

卯月
「わぁ！　誰かな誰かな？」

凛
「……ま、まぁ、相手は置いといてさ。デートなんて初めてだから、どう誘ったものか解らないんだよ」
「だからさ、ちょっと練習相手になってよ」

未央
「おっけー！　まかせといてよ」

凛
「ありがとう。それじゃあ……」

凛
「貴方が私の相手をしてくれるの？　ふぅん、悪くないかな」

未央
「なんでそんな高圧的なのさ。代わって、私が手本見せたげるから」

未央
「ねえねえ、私とデートしようよ！　今なら一時間5000円だよ？」

卯月
「ちょっと何のバイトしてるんですか未央ちゃん！？　もう、代わってください」

卯月
「来たる安息の日に我と情熱の逢瀬をせん！」

凛
「その熊本弁が通じるのは、うちの事務所と一部のファンだけだから。代わって」

凛
「アイドルとデートができるんだよ？　断る理由はないよね？」

未央
「だからなんで上からなのさ。誘う気あるの？　もう、代わってよ」

未央
「今度私とドライブ行こうよ。免許？　大丈夫大丈夫、私マリオカート上手いんだから」

卯月
「確かにこの前一緒に遊んだとき緑甲羅でぼこぼこにされたけど、ゲームと現実をごっちゃにしちゃいけません！」
「もう、代わってください」

卯月
「我が使命の終わりしを待て、その後に共にこの世の愉悦を謳歌しようではないか」

凛
「通じないのはセリフの問題じゃないから、まず熊本弁から離れて。そしてチェンジね」

凛
「黙って私についてくればいいのよ」

未央
「男らしいな！　女心がきゅんと来ちゃうよそれ！」
「……誘うのって女の子なの？　ちがうよね、さあ代わって」

未央
「ねえねえ、私とツーリングに行こうよ！　免許？　大丈夫大丈夫、最近のマリオカートってバイクもあるんだから」

卯月
「確かにこの前一緒に遊んだとき、直ドリバンバン決めてたけど、まず免許持ってないですよね！？」
「ゲームから離れてください。それから代わってください」

卯月
「この漫才はフィクションです。私たちに彼氏はいません、アイドル一筋です！」

凛
「いや、今言うことじゃないよね？　たぶんみんな知ってるからそのキリっとした顔やめて」
「離れるのは熊本弁だけでいいから。漫才に戻ってきて。それからチェンジ」

凛
「飢えを満たす場へと我を導け」

未央
「しぶりんがやるんかい！」
「……うづきんにやめさせたのは自分がやりたかったから？　そうなの？　ああもう代わって」

未央
「明日（みょうにち）、日輪が天高く上りし刻に、忠犬を模した石像の下へ来い」

卯月
「未央ちゃんも私の熊本弁取らないでください！」
「もう、代わってください！」

卯月
「明日の予定、なんかなかと？　なら、私とデートばせんね？」

凛
「それ、本物の熊本弁じゃん。方言かわいいけど、卯月バリバリの東京人だよね？
「っていうか、しれっと熊本弁自分のにしない。チェンジ」

凛
「つべこべ言わずついてきなよ、抱いてあげるから」

未央
「初デートでいきなりどこ行く気なのさ！　私らアイドルだから発言気を付けて！」
「……さっきからしぶりんのビアン疑惑が晴れないんだけどさ、とりあえず交代ね」

未央
「ねえねえどこか食べに行こうよ、カツ丼屋？　牛丼屋？　ラーメン屋？　ああ、焼き肉でもいいよ！」

卯月
「女の子がデートで行きたいチョイスとして、ちょっとヒドすぎます！　口臭キッツいアイドルとデートとか最悪ですよ！？」
「もう、代わってください」

卯月
「食べながら歩きませんか？　ファミマにします？　ローソン？　サークルK？　やっぱおにぎりならセブンですか？」

凛
「コンビニ行くなら中華まんとかにしときなよ」
「っていうか、クレープの屋台とかいろいろあるよね？　チェンジ」

凛
「次の休日何してるの？　私に付き合ってよ」

未央
「ちょっとしぶりん！　私と言う者がありながらなんで他の子をさそうの！？」

凛
「えっ！？」

卯月
「ちょっと凛ちゃん、誰ですかこの子は？」

凛
「え、いや……え？」

未央
「まさか二股かけてたの？」

卯月
「サイテーです、えいっ！」

凛
「痛っ！？」
「……え？　何この展開？　なんで私ビンタ喰らったの？」
「あんま痛くなかったけど……」

未央
「ま、いろいろやったけど、やっぱシンプルなのが一番だよね」

卯月
「そうですね。ひねっても伝わらなきゃしょうがないですしね」

凛
「ちょっと！？　なに勝手にまとめてるのさ！」

未央
「ってことでしぶりん、シンプルがベストだよ！」

卯月
「ですです！」

凛
「もうぜったい君らに相談はしない」

卯月・凛・未央
「「「どーも、ありがとうございましたー！」」」

～舞台裏～

凛
「お疲れ。結構よかったんじゃない？」

卯月
「り、凛ちゃん……ほっぺた痛くないですか？」

凛
「うん、全然」

未央
「あははっ。ぺしっ、ってかわいい音したよね。音声拾えてたかな？」

卯月
「そ、そっか……えへへ、ちょっとだけ安心しました」

未央
「んふふ……んでさ、しぶりんがデートに誘いたい相手って？」

凛
「えっ！？　そ、そんなのいないって！」

未央
「そうなの？　じゃあ、Pさんは私が誘っちゃうね」

卯月
「あっ！　未央ちゃんそれはずるいです！　抜け駆けです！」

凛
「っていうか、自分のこと棚に上げて人のことからかってる場合？」

未央
「う……い、いつもなら顔真っ赤にしておろおろするのに、何でそんな冷静なのさ」
「こうなったらホントにPさん誘って打ち上げ行っちゃうもんね！」

凛
「あ、ちょっと！」

卯月
「未央ちゃーん！　打ち上げならみんなで行きましょうよ！」





終幕

終わりです。某渋にUPしてたのを流用したんですが、ちょっとでも感想がほしくて場所を変えてみようと思った次第です。
凛ちゃんの誤字には泣きました。凛Pの方々が見てたらしばかれますかね僕。

とりあえず僕が飽きるまで何作品か作ってみようと思います。つたない出来ではありますが次回も見つけたらよろしくお願いします。

>>31　やっぱしまむーじゃないとだめですかね？　個人的な好みでうづきんを選んだんですが。

乙！