4: 2022/10/17(月) 21:46:39.56 ID:Bs1t8bRc.net
ミア「What?」

Hi I'm Mia Taylor シング系スクールアイドル。
ひょんなことから日本に来て・・ステイツでは大学生だったボクが高校に通ってる

テイラー家の一員でもあるボクは…自分で言うのもなんだけど人気もあるし歌唱力だってあるーーだからそんなボクに話しかけてくるファンは多いんだけどーー

ミア「・・・つまりキミはボクにランジュへプレゼントを渡してほしい…そう言ってるの?」

ボクの前でおどおどしてる下級生・・リボンの色からして子犬ちゃんや璃奈と同じ学年ーー1年生の生徒は小さく頷く

5: 2022/10/17(月) 21:47:18.71 ID:Bs1t8bRc.net
ミア「あのさあ…そういうのは自分で本人に渡しても良いだろ?それにベイビー・・・部長だってファンの子のプレゼントは預かるってよく言ってるじゃないか」

ファン「で、でも……」

ファン「ミアちゃんの方が話しかけやすそうだったし……それに……ランジュちゃんの1番最初のお友達なのかな…?って見えたから…」

damn it!この子…ボクのこと子供だと思ってバカにして……!
話しかけやすそうって言いながら小さなボクを見下ろしてることに無性に腹が立った

ミア「・・・pardon?」

6: 2022/10/17(月) 21:48:00.31 ID:Bs1t8bRc.net
ミア「ボクの聞き間違えじゃなかったら…ランジュがボクの初めての友達だって?」

ボクの態度を予想もしなかったのか狼狽える生徒を他所にムッとした気持ちを吐き出すかのように

ミア「ランジュは・・友達じゃないよ」

ボクは残酷な言葉を口に出していた

ボクの言葉を聞いたランジュのファンは言葉を失ったみたいに立ち尽くしてーーこういうの・・pigeonが豆鉄砲を食らったよう?って言うんだっけ?そんな顔をしてた

璃奈との約束を邪魔されてあろうことがランジュに渡してくださいなんて言われて苛立っていたボクはこの言葉を聞いていた人がもう1人いたことを知るよしもなかった

7: 2022/10/17(月) 21:49:29.55 ID:Bs1t8bRc.net
結局璃奈との約束には間に合わなかったしーー
午後の授業は苦手な漢文・・what a day!


放課後になって璃奈に直接謝ろうと部室に向かう

ランジュ「・・・・」

そんなことを考えながらふと前を見るとボクのご機嫌を斜めにしてくれた1人が目の前に

ミア「hey ランジュ」

ボクは理不尽な怒りも含みつつ少し不機嫌そうにランジュに話しかける。

ランジュ「あっ、ミア…おはよう」

ミア「おはよう?ランジュ…今はもう夕方だよ… do you understand?」

8: 2022/10/17(月) 21:50:48.73 ID:Bs1t8bRc.net
ランジュ「そ、そうね!ランジュったら今日は調子が悪いのかしら?」

ミア「・・・?」

ランジュ「ランジュは体調管理もパーフェクトじゃないと…今日は帰って大人しくしておくことにするわ!拜拜」

ミア (・・いつもなら『なによぅ』とか不貞腐れそうなものだけど…)

ランジュの言葉に違和感を抱きつつボクはschool idolの練習に打ち込んだ。もちろん璃奈への謝罪も忘れなかったし、優しい璃奈は許してくれた。

9: 2022/10/17(月) 21:52:43.54 ID:Bs1t8bRc.net
ー学生寮ー

Gah....

ミア「全く…ランジュのやつ…食事の時間になっても出てこないなんて…まさか本当に風邪とか引いてるんじゃないだろうな」コンコン

「・・・」

ミア「ランジュ?入るよ」ガチャ

ランジュ「・・・・」

ミア「なんだよ‥いるなら返事くらい……what!?」

いつものランジュがするみたいに無遠慮に部屋に入ったボクの目に飛び込んできたのはーー

ランジュ「・・・」ポロポロ

目を真っ赤にしながら部屋の隅で泣いている鐘嵐珠だった

ミア「お、おい!どうしたんだランジュ!?」

11: 2022/10/17(月) 21:54:46.58 ID:Bs1t8bRc.net
駆け寄るボクをよそにランジュはかけ布団を被りボクに背を向ける

ランジュ「・・・言いたくない」プイッ

ランジュがどんな顔をしてるかは見えないけど不貞腐れた子供みたいな…そんな声で話していた

ミア「What!? why are you saying?!」

ミア「っと…ランジュ…そんな顔してるキミを見るのは……久しぶりな気がするんだけど?」

ランジュ「・・・・ねえ、ミア…」

ミア「?」

ランジュ「ミアはランジュのこと…お友達じゃないと思ってる?」

12: 2022/10/17(月) 21:55:38.47 ID:Bs1t8bRc.net
ミア「!?」

迂闊だったーーー
まさかあそこで言ってたことをランジュに聞かれてたなんてーー

予想外の言葉と過去の自分の軽率な言葉で思考が掻き乱される

ミア「・・・・・」

黙るボクにランジュは詰め寄って何か言ってた気がするけど・・頭の中が真っ白になってたボクは・・一言も発することができなかった


ボクは…ランジュのことをどう思ってるんだろう

14: 2022/10/17(月) 22:02:43.57 ID:Bs1t8bRc.net
ランジュに部屋から無理やり追い出されたボクは気がつくと部屋に戻っていた
途中で果林やエマに心配されたような気がするけど・・・

これはボクとあいつの問題なんだーー
だから誰かの力を借りるんじゃなくてボクがちゃんと答えないと・・

ミア「・・・ボクはランジュに無理やり日本に連れてこられて…それでアイツの曲を作らされてた」

ミア「ボクは自分の実力を知らしめるため・・アイツは……どうしてボクを選んだんだ?」

ミア「・・・アイツはいつもワガママで、バカみたいに明るくて……それで…」

自分がランジュのことをどう思ってるか・・そんなボンヤリとしたことに答えを出すため、フレーズを作る時みたいにアイツへの思いを口に出すーー

ミア「賢いくせに…どこか不器用で子供っぽい、かまってちゃん」

ミア「・・かすみが子犬ちゃんならランジュはteddy bear?・・それとも大型犬かな?」

ミア「自分が鬱陶しがられてることに気がつかないくらい鈍感なとこもある癖に・・お人よしだけど・・・」

16: 2022/10/17(月) 22:05:32.41 ID:Bs1t8bRc.net
ミア「やたら自分をすごいって思ってる…まあ実際すごいんだけど」

ミア「ボクの意見も聞かずに肉を勧めてきたり、ハードすぎる練習メニューを作られたこともあったっけ…」

ミア「・・・・ランジュ…呆れるくらい自己中心的だな」

ミア「・・・それなのにボクはランジュから逃げようとはしなかった」

ミア「・・・・・・ふふっ」

17: 2022/10/17(月) 22:06:19.95 ID:Bs1t8bRc.net
ピロン

スマホにランジュからのメッセージが届く

ミア、今日は取り乱しちゃってごめんなさい。
明日話をしましょう


ミア「・・・こっちの都合も聞かないなんてやっぱりランジュは…」

ランジュにどうやって話を切り出そうかそう考えていたところだったけど……また強引なランジュに引っ張られてしまった

夜更かしには慣れてるつもりだったけどーーSorry
I go to bed...

18: 2022/10/17(月) 22:06:40.43 ID:Bs1t8bRc.net
翌朝


ランジュ「・・・来てくれたのねミア」

ミア「・・・まあね」

いつものランジュっていうよりは帰国騒動前の静かなランジュ・・いつもこれくらいだったらもっと疲れなくて済むんだけど・・・


ランジュ「ねえ、ミア…」

ミア「ランジュ、ストップ」

ランジュ「・・・?」

ミア「多分、ここで何を言ったってランジュが受けた嫌な気持ちは簡単に晴れないだろうし、言い訳みたいに聞こえちゃうかもしれない」

ミア「それと、ボクがランジュのことをどう思ってるかなんて…こんなに深く考えたことなかった」

ミア「だから、聞いて欲しい」

19: 2022/10/17(月) 22:07:09.15 ID:Bs1t8bRc.net
ミア「ランジュはいつも明るくて、それでいて自己中心的だよ。自分が良いって思ったことは当然他の人も良いって思うだろうってみたいに・・」

ミア「相手の気持ちや状況に寄り添えない…って栞子が言ってたみたいだけどまさにその通りだよ」

ランジュ「なによう…ミアったらやっぱりランジュのこと…」

ミア「ーーでも」

ミア「だからこそ救われた…っていえば良いのかな?ボクはキミのおかげで今があるんだよランジュ」

20: 2022/10/17(月) 22:07:55.52 ID:Bs1t8bRc.net
ミア「強引にここに連れてきてくれてなかったら、ボクの作った曲をムカつくくらい完璧に魅せてくれてなかったら…」

ミア「きっと、璃奈と会って歌とは向き合えてなかったし…ベイビーちゃんみたいなやり方も知らないままだった、同好会のみんなと会えなかったよ」

ミア「ありがとう、ランジュ」

ランジュ「・・・・!!!」

ミア「ボクはキミのこと…嫌いじゃないし・・・友達……っていうよりは今でも………」

ミア「パ、パートナー…///って思ってる」

21: 2022/10/17(月) 22:08:36.42 ID:Bs1t8bRc.net
ボクの中で芽生えた憧れ、最初は曲だけ提供していれば良かった。

ビジネスパートナーみたいな関係だったのにーーいつの間にか隣に並び立ちたい。

ランジュといて恥ずかしくない存在でいたいーー負けたくないーー日本では相棒とも言うらしいそんな自分の思いをボクは…たったの5文字でランジュに伝えた

ミア「・・・こ、これがボクのキミへの気持ち!」

ミア (改めて自分の気持ちを相手に伝えるのがこんなに恥ずかしいなんて…////ベイビーちゃんや穂乃果や千歌が羨ましいよ///)

ランジュ「・・・////」

22: 2022/10/17(月) 22:09:08.34 ID:Bs1t8bRc.net
ミア (それにしても…ランジュのやつ…俯いて黙ったままなんてどうしたんだ?)

ランジュ「……嬉しい…///…ミアったらそんな熱烈にランジュに告白してくれるなんて…!!」

ミア「What?」

ギュッ

ミア「お、おい!!!」

ランジュ「ミア…えっと……ふ、不束者?なランジュだけど…よろしくね…///?」

ミア「・・・!?!?!?/////」

23: 2022/10/17(月) 22:09:52.46 ID:Bs1t8bRc.net
ミア「…よろしく」ボソッ

ランジュ「きゃあっ!ミアってばランジュの魅力に照れちゃってるのね♡」

ランジュ「それじゃあ…今日はそんなランジュがずーーーっと側にいてあげるから♡覚悟しなさい♪」

ミア「お、おい…!さっきまでの不束者な…って発言はどこに…」

ランジュ「なによう!ミアはランジュと一緒にいたくないの?」

ミア「そ、そうは言ってないけど!」

ランジュ「じゃあ決まりね♡うふふ♡ミアがランジュのこと……///」

ミア (・・・なんだか大きな勘違いしてるみたいだけどーーまあいっか)

24: 2022/10/17(月) 22:12:49.40 ID:Bs1t8bRc.net
だってーーーランジュによろしくね?って言われた時内心ガッツポーズするくらい喜んでいたボクはーー

多分・・ううん、絶対…ランジュのことが好きになってたって気づいちゃったから


これからもよろしくーーボクの大切なパートナー

おしまい

ランミアも隠れて良いと思う

25: 2022/10/17(月) 22:12:51.42 ID:ktFmA2io.net
栞子「ミアさんの方が大事なんですか!」

26: 2022/10/17(月) 22:14:32.67 ID:ES6beaz2.net
泣いた

27: 2022/10/17(月) 22:16:14.22 ID:Xu4xRQVI.net
ランミアは良いぞ
おつです

引用元: あいつとボクの関係