1: 2017/03/03(金) 00:36:28.07 ID:B/dNqp/n.net
曜「ち、千歌ちゃん…?」

千歌「気持ち悪いよね…私、女の子なのに……迷惑、だよね」

千歌「でも…曜ちゃんへの想いが一杯になって……もう、抑えらんないよ」

曜「私は……>>3」

3: 2017/03/03(金) 00:38:13.20 ID:Natc/6zs.net
誰、だっけ……

5: 2017/03/03(金) 00:39:39.44 ID:h+Ua7pAB.net
自分を見失った…?

8: 2017/03/03(金) 00:42:33.97 ID:B/dNqp/n.net
曜「私は…誰、だっけ……」

千歌「え?」

曜「ん…?千歌ちゃんって…誰だろ」

千歌「よ、曜ちゃん…どうしたの?」

曜「よう、って私のこと?」

千歌「何、言って…冗談キツいよ……私のこと、嫌ならそう言って欲しいな…」

曜「ごめんね…今頼れるのあなたしかいなくて……私は、よう…で、いいのかな」

11: 2017/03/03(金) 00:45:35.63 ID:B/dNqp/n.net
千歌「曜ちゃんっ!」ガシッ

曜「わっ…な、何…?」

千歌「そんなに……私のこと、嫌いなの?」ジワッ

曜「え…と……泣かないで…どうしたの?」ヨシヨシ

千歌「……本当に覚えてないの?」

曜「う、うん…ごめん、ね……きっとあなたは大事な人なんだろうけど…なにも」

千歌「そっか…」

14: 2017/03/03(金) 00:49:15.91 ID:B/dNqp/n.net
曜「まずは、あなたのことを教えてくれる…かな?」

千歌「…私は、高海千歌。高校二年生。Aqoursっていうスクールアイドルのリーダーをやってるの」

曜「スクールアイドル…すごいんだね」

千歌「曜ちゃんは、私の幼なじみで…Aqoursのメンバーなんだよ」

曜「えぇ!?私も…アイドル、なの?」

千歌「すごーく人気なんだよ?」ニシシッ

千歌(一番つらいのは曜ちゃんなんだから…私が支えてあげないと……だよ、ね)

16: 2017/03/03(金) 00:51:45.64 ID:B/dNqp/n.net
千歌「よしっ!それじゃ、自己紹介も終わったし…覚えてる事と覚えていない事を整理しよう!」

曜「うん!えー…と、」

千歌「いつもは千歌ちゃん、って呼んでくれてるよ」

曜「ありがとね、千歌ちゃん!」

千歌「……うん!」

覚えてる事
安価下3つ

18: 2017/03/03(金) 00:52:25.86 ID:L6dADwvk.net
ヨーソロー

19: 2017/03/03(金) 00:53:48.37 ID:NqLXB0lc.net
パパ

20: 2017/03/03(金) 00:53:54.98 ID:NRwvL08m.net
好きな人がいること

22: 2017/03/03(金) 00:56:34.87 ID:B/dNqp/n.net
千歌「何か覚えてる事ない?」

曜「むむ…覚えてる、事……」

千歌「うーん、例えば…全速前進~?」

曜「ヨーソロー!」

千歌「ヨーソローは覚えてるんだね」

曜「これはね、パパが教えてくれた緊張がとけるおまじないなんだ!」

千歌「…パパ、ね」

23: 2017/03/03(金) 00:58:48.05 ID:B/dNqp/n.net
曜「…あとは」

千歌「あとは?」

曜「……私、すごく大好きな人がいたはず、なの」

千歌「…っ」ズキッ

曜「なんでだろ…大好きなはずなのに、もやがかかったみたいで……思い出せない」

千歌(そっか…曜ちゃん、好きな人いたんだね。誰のことなんだろ…)

25: 2017/03/03(金) 01:02:20.65 ID:B/dNqp/n.net
曜「千歌…ちゃん?」

千歌「あ…ごめんごめん」

千歌「ゆっくり、少しずつ…思い出していけばいいよ!」

曜「えへへっ…ありがとう」

曜「…あのね、すごく今更感があるんだけど」

千歌「ん?」

曜「ここは…どこ?」

26: 2017/03/03(金) 01:06:51.96 ID:B/dNqp/n.net
千歌「あー…ここはね、浦の星女学院の屋上だよ」

曜「うらのほし…?」

千歌「私たちが通ってる学校!」

曜「学校…ってことは、今は放課後?」

千歌「そう!明日は土曜…なんだけど
…あー!」

曜「うわっ!?ど、どうしたの?」ビクッ

千歌「曜ちゃん練習どうしよ!?それに、パパさんのことは覚えててもママさんのことは!?」

曜「……あ」

28: 2017/03/03(金) 01:09:15.17 ID:B/dNqp/n.net
千歌「うーんうーん…じゃあ、うちに泊まってく?なんて…」

曜「いいの?」

千歌「え?うん…」

曜「嬉しい……本当は、すごく怖かったから」

千歌「そうだよ、ね…ほとんど何もわからないんだもん」

曜「あくあ?…の人たちに私のこと、言った方がいいんじゃない?」

千歌「…えーと、それは~…>>30!」

30: 2017/03/03(金) 01:14:43.25 ID:rkVhqYUH.net
そうだね

32: 2017/03/03(金) 01:19:20.77 ID:B/dNqp/n.net
千歌「…うん。そうだよね。私だけより皆がいた方がいいよね!」

千歌「じゃあ今日は私の家に泊まって、明日はそのまま部活いこっ!」

曜「うん!…いろいろと、ごめんね」

千歌「気にしなくていいよ!……だって私たち、親友…だもん」

曜「……?」

千歌「ほら、帰ろう?もう暗くなってきちゃった」

曜「…うん」ギュッ

千歌(…曜ちゃん、手繋いでくれてる)

千歌(小さな事だけど、嬉しいな……)

33: 2017/03/03(金) 01:22:17.43 ID:B/dNqp/n.net
―――

千歌「ここだよ!」

曜「え?ここ…旅館だよね?」

千歌「私の家は旅館をやってるんだよー」

曜「そうなんだ…!わ…可愛いね」ナデナデ

しいたけ「わぉんっ」

千歌「しいたけ、って言うんだよ」

曜「しいたけ……」ズキッ

千歌「曜ちゃん?」

曜「いつつ…」

千歌「どうしたの!?大丈夫!?」

34: 2017/03/03(金) 01:24:52.13 ID:B/dNqp/n.net
曜「なんでもない…大丈夫だよ」ニコッ

千歌「嘘、だってあんなに…」

曜「大丈夫…大丈夫だから」

千歌「……そ、か」

千歌「じゃあ…入ろ?風邪、引いちゃうよ」

曜「うん…お邪魔します!」

千歌「ただいまー」

志満「おかえり…ってあれ、曜ちゃんも?終バスもう来るんじゃ…」

千歌「今日は曜ちゃんお泊まり!」

曜「いきなりすみません…」ペコリ

35: 2017/03/03(金) 01:26:50.05 ID:B/dNqp/n.net
志満「おうちには連絡してある?」

曜「あ…いえ、まだ」

志満「じゃあ私が連絡しておくから早めにお風呂入っちゃったら?」

千歌「うん、そうする!曜ちゃんの着替えはうちに置いてあるやつでいいよね?」

曜「え、千歌ちゃんのおうちに私の着替えが!?」

千歌「そーだよ!私の部屋はこっち!」

43: 2017/03/03(金) 08:21:38.31 ID:BY05PSpl.net
千歌「曜ちゃんの着替えは~…こっちのやつ!」

曜「結構多いんだね…?」

千歌「お好きなのをどーぞ!」

曜「…オレンジの下着?」

千歌「ちょ、まっ!」バッ

曜「ん?」

千歌「こ、これは…私の、なので///」カァァ

曜「あ、ごめん…///」

44: 2017/03/03(金) 08:22:04.82 ID:BY05PSpl.net
千歌「…///」

曜「…」

曜「あー…えーと…可愛い下着だね…?」

千歌「ううっ…」

千歌「……お風呂行こっか」

曜「…千歌ちゃん、先入ってね」

千歌「え?」

曜「ん?」

千歌「…一緒に入るでしょ?」

曜「え…えぇええ!?」

45: 2017/03/03(金) 08:22:29.13 ID:BY05PSpl.net
千歌「曜ちゃんは…嫌?」

曜「そ、そんなこと…ない、けど」

千歌「いつもは一緒に入ってるんだよ」

千歌(本当はそんなことないけど)

曜「そ、そっか…私が忘れてるだけで……普通なのかぁ」

千歌「ふっふーん、温泉だよ!温泉♪」

曜「温泉…!早く行こっ!」ウキウキ

千歌「うんっ」

46: 2017/03/03(金) 08:23:10.00 ID:BY05PSpl.net
カポーン

曜「なんか…あんまり動いてないのにすごく疲れてる」

千歌「んー?まぁ、こんなことがあったし、練習も…あれ?」

曜「どうしたの?」

千歌「曜ちゃんが記憶なくしたのって……いつ?」

曜「……え?」

曜「気付いたら、千歌ちゃんが泣いてて……あれ?」

千歌「いきなり記憶がなくなった、ってこと…なのかな」

曜「い、いやいや…そんな非現実的なこと…」

千歌「……とりあえず、あがらない?のぼせてきちゃった」

曜「わ、わわっ!大丈夫!?」

49: 2017/03/03(金) 08:45:18.01 ID:BY05PSpl.net
千歌「…まさかこの年でお姫様抱っこされるとは」

曜「……千歌ちゃんって軽いんだね」

千歌「曜ちゃんが力持ちなの…趣味筋トレだし」

曜「筋トレ……女の子らしくないなあ」

千歌「そうかな…曜ちゃんらしくて素敵だと思うけど」

曜「……あ。アルバムとか、ある?」

千歌「そこの本棚にあるよー」

曜「おぉ…分厚い」

千歌「何年分かな…12年くらい?」

50: 2017/03/03(金) 08:45:44.95 ID:BY05PSpl.net
曜「そんなに…」ペラッ

曜「ん……これ、私?」

千歌「どれどれー?」ヒョイッ

千歌「これ、曜ちゃんが初めて飛び込みで金メダルとったときのだ…懐かしいな」

曜「とびこみ?」

千歌「曜ちゃん、すごい選手なんだよ?」

曜「…っ」

千歌「どうかしたの?」

曜「…なんでもない」グッ

51: 2017/03/03(金) 08:46:16.85 ID:BY05PSpl.net
千歌「……そう?」

曜「…あ、これさっきの」

千歌「しいたけを飼ったときの…」

曜「なんか泥まみれだね?」

千歌「そーそー、しいたけが逃げ回って追いかけてたらこんなことに…」

曜「……捨てられてたんだよね」

千歌「えっ?」

曜「ん?」

52: 2017/03/03(金) 08:46:42.61 ID:BY05PSpl.net
千歌「い、今なんて言った!?」

曜「私なんて言ったっけ?」

千歌「捨てられてた、って!覚えてないの!?」

曜「なんか…口からポロッと」

千歌「うーん……思い出す前兆、なのかなあ」

チカチャン?ドウシタノー

千歌「梨子ちゃん?」シャーッ

梨子「さっきから何を…って、曜ちゃんもいたのね」

53: 2017/03/03(金) 08:47:12.88 ID:BY05PSpl.net
曜「え、と…千歌ちゃん……!」

千歌「梨子ちゃん。同じAqoursのメンバーだよ」

曜「梨子、ちゃん」

梨子「なあに?初めて会ったみたいな反応…」

千歌「あー実はね、よくわからないんだけど曜ちゃんの記憶が――」

梨子「……それ、本当?」

千歌「冗談でこんなこと言わないよ」

54: 2017/03/03(金) 08:47:38.78 ID:BY05PSpl.net
梨子「…引っかかることはあるけど、また明日にしましょう?今日はもう遅いし」

曜「そうだね…ごめんね、梨子ちゃん」

梨子「ううん。気にしないで…また明日ね、二人とも」

千歌「うん。おやすみ!」

曜「おやすみ!」

55: 2017/03/03(金) 08:48:03.30 ID:BY05PSpl.net
千歌「明日も早いし、私たちも寝よっか」

曜「そうだね…って、あの……布団は?」

千歌「え?一緒に寝るでしょ?」

曜「そ、そういうもん?」

千歌「そーだよっ!ほら!」ポンポン

曜「し、失礼します…」モゾモゾ

56: 2017/03/03(金) 08:48:29.90 ID:BY05PSpl.net
千歌「…おやすみ、曜ちゃん」

曜「おやすみ、千歌ちゃん」

千歌(……)

千歌(なんで、しいたけのことは思い出したんだろ)

千歌(ま、まさか…曜ちゃんが好きなのはしいたけ!?)ハッ

千歌(……いやいや、さすがにそんなアブノーマルじゃ…ない、よね?)

57: 2017/03/03(金) 09:22:10.45 ID:BY05PSpl.net
千歌「…あれ、私…寝てたんだ」

千歌「よーちゃーん、起きて!」ポンポン

曜「んぅ…>>59」


1.おはよう、千歌ちゃん
2.……誰、ですか?

59: 2017/03/03(金) 09:24:26.38 ID:emsXNKss.net
2

62: 2017/03/03(金) 09:56:48.33 ID:BY05PSpl.net
曜「んぅ……誰、ですか?」

千歌「え?」

曜「うわあ!?」ガバッ

曜「…え?ここ、どこ…」

千歌「……嘘、でしょ」

千歌「よ、曜…ちゃん……?」スッ

曜「ひっ…!」ビクッ

千歌「っ…」ウルッ

曜「あ…ごめんなさ、い……でも、私…」

63: 2017/03/03(金) 09:59:10.37 ID:BY05PSpl.net
千歌「……私は、高海千歌!あなたと同じ高校に通ってる二年生だよ!」

曜「高校生…」

千歌「それで、あなたは渡辺曜ちゃん…私たちは、スクールアイドルをやっているんだ!」

曜「あ、あの…高海、さん」

千歌「…千歌ちゃん、でいいよ。それに、敬語はちょっと嫌かな」

曜「ご、ごめん…千歌ちゃん」

千歌「ううん、気にしないで…」

68: 2017/03/03(金) 12:06:02.97 ID:BY05PSpl.net
千歌「…あんまり時間もないし、簡単に説明しちゃうね――」

曜「私…昨日も」

千歌「なんでだろ…」ムムム

曜「ねぇ、千歌ちゃん」

千歌「ん?」

曜「私が最初に記憶をなくしたときって、どんな話をしていたの?」

千歌「うぇっ!?」

曜「…?」

千歌「あー…え、と……」

69: 2017/03/03(金) 12:06:34.00 ID:BY05PSpl.net
曜「そんなに言いにくい話なのかな?」

千歌「いやぁ~普通にお話してただけ…だよ…っ///」

曜「……そっか」

千歌「やっぱり…病院とか、行った方がいいんじゃ……?」

曜「うん…でも、そのあくあの練習を見たいな……もしかしたら、しばらく見れないかもしれないでしょ?」

70: 2017/03/03(金) 12:07:07.09 ID:BY05PSpl.net
千歌「そ、それはそうだけど…」

曜「それに、ほら!記憶ないだけで他は元気だしっ」

千歌「……わかった。練習行こっか」

曜「ありがとう!」

千歌「ちょっと早いけど…梨子ちゃんはもういると思う!」

曜「梨子ちゃん?」

千歌「あー、そっかまだ教えてなかったね…準備しながら説明するよ!」

71: 2017/03/03(金) 12:14:47.73 ID:BY05PSpl.net
千歌「いってきまーす」

曜「い、いってきます!」

志満「気を付けてね!」

梨子「…あ。来た」

千歌「梨子ちゃん、早いね」

梨子「そりゃあ、あんな話されたらね…」

曜「ご、ごめんね梨子、ちゃん」

梨子「曜ちゃんが謝ることじゃないよ」

72: 2017/03/03(金) 12:15:12.78 ID:BY05PSpl.net
千歌「実は…曜ちゃん、今日の朝までの記憶もなくなっちゃって」

梨子「…え?じゃあ、朝起きてからの記憶しかないってこと!?」

曜「う、うん…」

梨子「……今日は練習お休みにしよっか」

曜「でも…っ!」

梨子「曜ちゃんの方が大切なのよ?」

曜「ごめん…なさい……」

73: 2017/03/03(金) 12:17:03.08 ID:BY05PSpl.net
千歌「……」

梨子「何か気になった事とかない?小さな事でも…」

千歌「ん…そういえば昨日、しいたけの事を少し思い出したんだよね」

梨子「し、しいたけちゃんを?」

千歌「あとは、ヨーソローとパパさん…好きな人がいる、ってことだけ」

曜「……うん。そのしいたけ?はよくわからないけど…それ以外は覚えてる」

74: 2017/03/03(金) 13:10:43.03 ID:BY05PSpl.net
梨子「好きな人…いたんだね」

曜「だ、誰かはわからないんだけど……」

千歌「その三つは覚えたままリセットされちゃうのかな」

梨子「ん…部室一番乗りね」

千歌「そりゃまだ早いもん」アハハ

曜「……ここが部室」キョロキョロ

千歌「…あ、これはどう?」

75: 2017/03/03(金) 13:11:08.63 ID:BY05PSpl.net
梨子「最初に三人で着た衣装ね」

曜「…っ!?」ズキッ

梨子「曜ちゃん…どうかした?」

曜「あ…いや、大丈夫だよ」

千歌「うそでしょ」

曜「え?」

千歌「大丈夫じゃないよ。昨日から何回も苦しそうな顔してるもん…」

曜「ほ、本当にたいしたことない、から」

76: 2017/03/03(金) 13:11:35.49 ID:BY05PSpl.net
千歌「小さな事でも教えてよ…それが手がかりになるかもしれないんだよ!」

曜「…そう、だよね」

曜「この衣装を見たときに…なにか、思い出しそうだったんだけど……思い出そうとすると頭が割れるみたいに、痛くて」

梨子「じゃあ…もしかしたら、手がかりなのかも?」

77: 2017/03/03(金) 13:12:24.15 ID:BY05PSpl.net
梨子「千歌ちゃん、何回もって言ってたけど…それはいつだったの?」

千歌「しいたけを見たときと…飛び込みの写真を見たとき、かな」

梨子「衣装としいたけちゃんと飛び込み…?」

曜「なんか…全然別物じゃない?」

千歌「うーん…」

バンッ

78: 2017/03/03(金) 13:12:49.74 ID:BY05PSpl.net
善子「ヨハネ、降臨!」ギラリンッ

曜「よはね?」

千歌「気にしなくていいよ」

善子「ちょっと!」

花丸「おはようございます!」

ルビィ「今日は皆早いね…?」

梨子「うん、実は――」

79: 2017/03/03(金) 13:19:18.06 ID:BY05PSpl.net
善子「記憶喪失?そういうのって何か事故とかでなるんじゃないの?」

花丸「確かに…何もないのにいきなり記憶がなくなる、なんて」

ルビィ「じ、じゃあ曜さんは頭をぶつけたとか!?」

千歌「私の知ってる限りでは…ぶつけてないはず」

コンコン

80: 2017/03/03(金) 13:19:56.84 ID:BY05PSpl.net
梨子「はーい、どちらさま?」ガチャ

水泳部A「あ、ごめんね曜ちゃんいる?」

曜「あ、えっ…と」

水泳部B「今日はさすがに来て欲しいんだよね」

千歌「ごめんなさい、今それどころじゃないんです」

水泳部A「それどころじゃない?なにそれ」

81: 2017/03/03(金) 13:20:39.88 ID:BY05PSpl.net
曜「っ…」ズキズキ

千歌「…」チラッ

千歌「……外で話しましょう」

水泳部B「何?私たちは渡辺さんが部活来てくれればいいんだけど」

千歌「いいから!」

水泳部A「はぁ…手短にね」

千歌「…ちょっと行ってくるから、曜ちゃんをよろしくね」

88: 2017/03/03(金) 23:11:41.17 ID:rvKWsNQn.net
水泳部A「それで、何?そろそろ大会も近いんだよね」

千歌「うん…でも、今はちょっとそっとしておいて欲しいんだ」

水泳部B「理由聞かないと納得できないよ…渡辺さんはうちのエースなんだよ?」

千歌「そう、なんだけどね…曜ちゃん、今――」

89: 2017/03/03(金) 23:12:50.61 ID:HzUyUaSR.net
水泳部A「いやいやいや…さすがにそんなの信じないって。あれでしょ?Aqoursも曜ちゃん人気だからいなくなると困るーって!」

千歌「違うよ!確かに曜ちゃんは人気だけど…そんなことだけで本人がやりたいことを止めるわけない!」

水泳部B「そんなに言うんならなにか…」

ガタガタッ ヨウチャン!? チョット,ドウシタノ!?

水泳部B「なんの騒ぎ?」

千歌「曜ちゃん!?」バンッ

92: 2017/03/03(金) 23:18:35.77 ID:HzUyUaSR.net
ルビィ「あ…千歌、さん」

花丸「曜さん、聞こえる?曜さん!」ポンポン

千歌「な…え?なんでよーちゃん倒れて…」

ダイヤ「これは一体…!?」

千歌「曜、ちゃん…曜ちゃん!曜ちゃん!?」ユサユサ

果南「っ!千歌!頭打ってるかもしれないから揺らさないで!」グイッ

93: 2017/03/03(金) 23:19:29.11 ID:HzUyUaSR.net
千歌「な、なんで…よーちゃん…っ」ポロッ

果南「千歌、怖いのはわかるけど…落ち着いて」ギュッ

ダイヤ「救急車、すぐ来るそうですわ!」

果南「…鞠莉!」

鞠莉「車でしょ?もう呼んであるよ」

ダイヤ「…その、状況がつかめないのですが」

梨子「私たちも…わからなくて」

善子「千歌さんたちの大きな声が聞こえて…それで、頭を抱えたと思ったらばったり、と……」

千歌「頭を……」

94: 2017/03/03(金) 23:20:49.73 ID:HzUyUaSR.net
―――


曜母「…」ガチャ

千歌「あ、あの、ママさん」

曜母「命に別状はないって…」

梨子「よかった…」ホッ

曜母「でも……なかなか目を冷まさないの…」

ルビィ「そ、そんな…っ」

95: 2017/03/03(金) 23:24:15.84 ID:HzUyUaSR.net
千歌「ごめんなさい!」バッ

曜母「…千歌ちゃんが殴ったりしたわけ?」

千歌「そんなことしてない…けど!」

曜母「じゃあ千歌ちゃんのせいじゃないでしょ?…あんまり自分を責めないで」

千歌「でも…私が……」グスッ

曜母「ほら、もう泣かないの!」

曜母「私は、パパに連絡するから…ちょっと出るわね」

ガチャ

96: 2017/03/03(金) 23:26:23.24 ID:HzUyUaSR.net
鞠莉「…今doctorに話を聞いてきたわ」

ダイヤ「心因性のものじゃないか、と」

善子「心因性って…ストレスとか?」

果南「でも、曜ちゃんのストレスって……」

ルビィ「あんなに…楽しそうにしてたのに」

千歌「私…ずっと一緒にいたはずなのに……気付かなかった…っ」グッ

97: 2017/03/03(金) 23:26:49.52 ID:HzUyUaSR.net
花丸「……千歌さん」

千歌「花丸、ちゃん…?どうしたの?」

花丸「曜さんを…助けたい?」

千歌「当たり前だよ!」

花丸「じゃあ……大事なものを失っても?」

千歌「大事なもの…?花丸ちゃん、何言って…」

99: 2017/03/03(金) 23:27:43.16 ID:HzUyUaSR.net
花丸「…あのね、これからマルがする話はとても信じられるようなものじゃないだろうけど……信じてくれる、かな」

千歌「し、信じる!…信じるよ」

花丸「このお守りを持って…なにか強い意思を持てば時間を、巻き戻せるの」

千歌「時間を…巻き戻せる!?」

花丸「…でもね、これは一回しか使えないし……巻き戻る時間は指定できない」

100: 2017/03/03(金) 23:29:51.63 ID:HzUyUaSR.net
花丸「もしかしたら、曜さんが記憶を失った後になるかもしれない」

花丸「それでも……使いたいと思う?」

千歌「……当たり前だよ。少しでも、曜ちゃんを助けられる可能性があるなら!」

花丸「それと、代償がひとつあるんだ…」

千歌「だ、代償…?」

花丸「それはね…」


必要な代償 安価下二
※曜ちゃんの事を忘れる、以外でお願いします。

102: 2017/03/03(金) 23:32:36.12 ID:MiaziJ6x.net
恋心

103: 2017/03/03(金) 23:33:48.51 ID:qSFcRPy6.net
おぅ…

104: 2017/03/03(金) 23:36:43.07 ID:HzUyUaSR.net
花丸「それはね…恋心、なの」

千歌「……え?」

花丸「千歌さんが曜さんの事を恋愛感情として好き、って気持ちがなくなっちゃう」

千歌「私の…気持ちが」

花丸「恋愛として見れないだけで…友達としての好き、は残るけど……多分、つらいと思うよ」

千歌「……でも、それで曜ちゃんが助かるなら」

花丸「……曜さんを、救える?」

千歌「やってみないとわからないよ!…でも、必ず救ってみせる!」

花丸「…ごめんね、オラ…なんだかすごく悪い子みたいで」

千歌「ううん…花丸ちゃんは優しくていい子だよ」ナデナデ

105: 2017/03/03(金) 23:38:57.70 ID:HzUyUaSR.net
千歌「すぅ…はぁー……よしっ」グッ

千歌「曜ちゃん…待っててね」

花丸「それで…曜さんのことを考えながらゆっくり目を瞑って…」

千歌「曜ちゃん……っ」クラッ

千歌(うっ…クラクラする…気持ち悪い……)

千歌(…ちょっと、楽になってきた……?)

106: 2017/03/03(金) 23:40:41.42 ID:HzUyUaSR.net
「…ゃん……ち……!」

曜「千歌ちゃん、もう起きなよー」ユサユサ

千歌「ん…?」パチッ

千歌「よーちゃん!?」バッ

曜「び、びっくりした…どうしたの?」

千歌「曜ちゃん…曜ちゃんだぁ」ギューッ

曜「もー…本当にどうしたのさー」

107: 2017/03/03(金) 23:43:50.87 ID:HzUyUaSR.net
千歌「あ…今日って何曜日!?」

曜「えーっと……木曜日だよ」

千歌「うそ…」

千歌(記憶がなくなるのが金曜日の放課後……時間が全然ない!)

曜「ね、ねぇ…本当に大丈夫?」

千歌「…怖い夢を、見てたの」

曜「むむ…もしかして、私がいなくなっちゃう夢とか?」

千歌「……うん」

曜「大丈夫。どこにも行かないよ?」

千歌「……」ギューッ

109: 2017/03/03(金) 23:45:18.87 ID:HzUyUaSR.net
千歌(そうだ…気になること、聞かなきゃ)

千歌「……ねぇ、曜ちゃん」

曜「ん?なーに?」

千歌「しいたけのこと……どう思う?」

曜「しいたけ?なんでまた急に…」

千歌「いいから!教えて…」

曜「んー…羨ましい、かなあ」

千歌「羨ましい?」

110: 2017/03/03(金) 23:47:54.00 ID:HzUyUaSR.net
曜「うん。しいたけに限らないけど…動物って自由!って感じだからさ」

曜「好きなときに寝て、好きなときに遊ぶ!…羨ましくない?」

千歌「確かにしいたけになりたーい!って思ったことあるかも」エヘヘ

曜「それに……いも……し」ボソッ

千歌「え?」

曜「なんでもないであります!」

千歌「ねぇ、曜ちゃん」

曜「どうしたの?」

千歌「なにか、悩んでる事とかない?」

111: 2017/03/03(金) 23:52:29.28 ID:HzUyUaSR.net
曜「…悩んでる事?」

千歌「うん…曜ちゃん、すぐ抱え込んじゃうから」

曜「…」

曜「悩みは…特にない、かな」

千歌「うそ…絶対なにかある!」

曜「ないってばー!なんか今日の千歌ちゃん変だよ?」

千歌「…心配なんだよ」

曜「え?」

112: 2017/03/03(金) 23:56:53.02 ID:HzUyUaSR.net
千歌「曜ちゃん…なんでも上手くこなしちゃうから……色々つらいかな、って」

曜「……っ」

千歌「私たち親友でしょ?……私にも言えない悩みなのかな…?」

曜「…千歌ちゃんのばーか!」

千歌「え、な、なに!?」

曜「あほ!鈍感!」ポロッ

千歌「なんで…泣いて……?」

曜「…っ」ダッ

千歌「あ…ちょ、曜ちゃん!?」

120: 2017/03/04(土) 10:09:50.06 ID:zOKhq+13.net
千歌「あぁもう!よーちゃん早い!!」ダダダッ

千歌「…こっちって」ピタッ

千歌「屋上、だ……」ガチャ

曜「…!」

千歌「曜ちゃん…ごめんね、私なにか傷つけるようなこと、言ったのかな」

曜「ち、ちがっ……私が、悪いの」

千歌「…え?」

121: 2017/03/04(土) 10:18:57.09 ID:zOKhq+13.net
曜「さっき…悩みはないって言ったよね……あれ、嘘なんだ」

千歌「やっぱり…」

曜「私の今の悩みは…二つあるの」

曜「ひとつは…恋愛のこと。もうひとつは……」

千歌「もうひとつ、は…?」

曜「……言えない」

122: 2017/03/04(土) 10:21:29.60 ID:BJSdYz6H.net
千歌「い、言えない…って」

曜「言っちゃったら…全部、なくなっちゃう」

千歌「……じゃあ、まずはひとつめの悩みを解決しようよ」

曜「……」

千歌「それも、言えない?」

曜「…千歌ちゃん」

千歌「ん?…ってうわあ!?」バタッ

千歌「あ、あの…曜ちゃん?」

123: 2017/03/04(土) 10:23:46.73 ID:BJSdYz6H.net
曜「……」オシタオシ

千歌「えー、と…?」

曜「私が好きなのは……千歌ちゃんなんだよ?」ウルッ

千歌「な…んで……」

曜「……千歌ちゃんが私の事そういう風に見てないって、わかってる…から」

千歌「うそ……でも、私…もう……」

124: 2017/03/04(土) 10:27:05.31 ID:BJSdYz6H.net
曜「……ごめんね、困らせて」

曜「気持ち悪いでしょ?…軽蔑していいんだよ?」

千歌「気持ち悪いなんて思わない!」

千歌「…でも」

曜「いいよ、わかってる…千歌ちゃんは優しいもんね」

千歌「違う!…私だって……曜ちゃんのこと、好きだった…のに……っ」

曜「……だった?」

千歌「そ、か……花丸ちゃん、知ってたのか…あはは……」

125: 2017/03/04(土) 10:29:01.76 ID:BJSdYz6H.net
千歌「…曜ちゃん」

曜「……はい」

千歌「私は……曜ちゃんのこと、好きになれません…っ」

曜「…うん」

千歌「でも…曜ちゃんのこと、大切に思ってます」

曜「うん」

千歌「だから……悩みは、教えてくれますか」

曜「……いいの?私、千歌ちゃんの優しさに甘えちゃうよ」

千歌「いいんだよ…」

126: 2017/03/04(土) 10:30:49.28 ID:BJSdYz6H.net
曜「でも…こんな……弱い私…」

千歌「いいんだって」ギュッ

千歌「何があっても、曜ちゃんは曜ちゃん…違う?」

曜「千歌ちゃ…っ」

曜「……わかった」

千歌「曜ちゃん…!」

127: 2017/03/04(土) 10:33:53.62 ID:BJSdYz6H.net
曜「……あのね、私もう逃げたいって思っちゃってるんだ」

千歌「逃げたい…?」

曜「うん。皆からの期待とか…そういうの、疲れちゃった」

千歌「……あ」

千歌(飛びこみのメダル…衣装…水泳部……)

曜「自分から始めておいて勝手だよね」クスッ

千歌「そんなことない!私…ずっと一緒にいたのに……曜ちゃんに負担かけてたんだ…」

曜「…違うよ」

128: 2017/03/04(土) 10:36:41.44 ID:BJSdYz6H.net
曜「私がここまで頑張ってこれたのは…千歌ちゃんのおかげなんだよ」

曜「ずっと…千歌ちゃんのこと、好きで……千歌ちゃんを守れるかっこいい子になりたい!……それが私の原動力だった」

千歌「……」

曜「でも…気持ちを伝えたからかな?……もう全部嫌になっちゃった」

曜「……これで私の話はおしまい!」

千歌「ごめん…私……気付かなくて」

曜「千歌ちゃんは悪くないって……」

129: 2017/03/04(土) 10:39:24.05 ID:BJSdYz6H.net
安価下コンマが0~49でバッドエンド
50~99でハッピーエンド

130: 2017/03/04(土) 10:53:15.31 ID:fLXJ7XR9.net
そーれ

131: 2017/03/04(土) 10:53:52.41 ID:/8sGFxUW.net
怖くて踏めなかったわ

132: 2017/03/04(土) 10:54:05.25 ID:IykrBgDL.net
オワタ

133: 2017/03/04(土) 10:54:52.41 ID:fLXJ7XR9.net
すまぬ


すまぬ

136: 2017/03/04(土) 11:00:34.97 ID:BJSdYz6H.net
千歌(……私は曜ちゃんが好きだった)

千歌(ずっと、ずっと…でも、同じように曜ちゃんも私の事……)

千歌(こんなの……ひどすぎる)

曜「……ごめんね」スッ

千歌(どうやって曜ちゃんを救えば……)

千歌「…えっ?」

千歌「曜ちゃん!?何やって…!」ガシッ

曜「やめて!離してよ!」

千歌「落ちちゃうって!」

137: 2017/03/04(土) 11:03:14.99 ID:BJSdYz6H.net
曜「落ちるつもりなんだからいいの!」ジタバタ

千歌「よくない!暴れないで!」

千歌(曜ちゃん、力強すぎ…っ)

曜「もうこんな世界…!」

ガタッ

千歌「……え?」

曜「千歌ちゃ…っ」ブンッ

千歌「え」

ヒュウウウ グチャッ

千歌「よ……ちゃ…」

138: 2017/03/04(土) 11:05:47.39 ID:BJSdYz6H.net
千歌「…あは」

千歌「あはははは!そーだよね、こうすれば良かったんだ!」

千歌「これでもう曜ちゃんに負担かけることもない!あはは!」

千歌「ハッピーエンドだよ!」

千歌「……はは」

千歌「…待っててね、曜ちゃん」フラッ

千歌「今、行くから」

ヒュウウウ ドサッ

140: 2017/03/04(土) 11:12:24.08 ID:BJSdYz6H.net
記憶喪失になるきっかけは「千歌の告白」 好きな人からの告白に嬉しく思ったがそれ以上に負担だったものを全部忘れたい、と思った結果のもの。
千歌のことも忘れたのは少なからず千歌も負担になっていた。
曜の頭痛は思い出したくないものを見たときに起きる。
>>110でボソッと呟いたセリフは「それに期待もないし」


って感じかな?
見てくれてありがとうございました!

141: 2017/03/04(土) 11:16:58.08 ID:HW0GVip9.net
つらすぎる

142: 2017/03/04(土) 11:48:36.36 ID:i73DT+jL.net
幸せになってほしかった……

おつ

引用元: 千歌「ごめっ…好き……好きなの、曜ちゃん…」グスッ