～UTX前～

ｼﾞﾘｼﾞﾘｼﾞﾘ･･･

ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝﾐﾝ･･･

英玲奈｢･･･こりゃヤバいな｣

英玲奈｢私も、あんじゅの様な正直さが欲しい物だ･･･｣

英玲奈｢しかし、暑さもさることながら･･･｣

英玲奈｢･･･腹が、減った｣

ﾎﾟﾝ

ﾎﾟﾝ

ﾎﾟｰﾝ

英玲奈｢･･･よし、店を探すぞっ！｣ﾀﾞｯ!

https://youtu.be/KbhxR-nFFuk


時間や社会に囚われず幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼女は自分勝手になり自由になる。

誰にも邪魔されず、気を遣わずものを食べるという孤高の行為。

この行為こそが、現代人に平等に与えられた“最高の癒し”と言えるのであるーーー

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第二話

東京都 千代田区神田の冷やし中華(と、ラーメン)

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ｽﾀｽﾀ

英玲奈｢･･･｣

今日はいつもの私と違って、食べる物は決まってる

ーー
ーーー
ーーーーー

｢こうしちゃいられないわ･･･私、涼しいラーメン屋さんに逃げて来る！じゃね！｣

ーーーーー
ーーー
ーー

あの一言で、私の腹は自ずと決まった

明日は休みで、こんな暑い日には

わざと熱々のラーメンをかっこむ、これしかない！

せっかく休みで人に会う予定も無い･･･ならば

･･･とんこつちゃん、行っちゃおうかなっ！

英玲奈｢･･･｣ﾆﾔﾆﾔ

英玲奈｢･･･む？｣

ー麺屋 星空ー

英玲奈｢ほう･･･｣

あつらえ向きのラーメン屋じゃないか･･･

昼少し前で、人もまだまばらだ

チャンスは今！

英玲奈｢よし、入っ･･･！？｣

ﾊﾞｯ!

英玲奈｢･･･｣ｿｰｯ･･･

やっぱり

あんじゅじゃないか！！

あんじゅ｢うーん♡大将のラーメンはやっぱり美味しいわねぇ･･･｣ｽﾞﾙｽﾞﾙ

｢ありがとにゃ！あんじゅさんにサービス！｣

あんじゅ｢憎いことを･･･味玉だなんて！｣

あんじゅ｢大将！替え玉！バリカタで！｣

｢勿論にゃあ！！｣

英玲奈｢･･･いやに元気だな、あいつ｣

さっきのレッスンでは疲れ果てていた癖に･･･

英玲奈｢･･･ふう｣ｽﾀｺﾗ

とりあえず、他の店だ･･･

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ｼﾞﾘｼﾞﾘｼﾞﾘ･･･

英玲奈｢･･･｣

いかんな･･･店が全然無い！！

このままでは好きな物も食べれず、熱中症でぶっ倒れてしまう･･･

とりあえず喉の乾きは自販機のお茶で何とかなったが･･･

英玲奈｢･･･お？｣

ー園田飯店ー

おお･･･あるじゃないか、中華料理屋

ふんふん･･･良いね、このレトロさ、なっちゃった感とでも言うのだろうか

これも運命、いざっ！

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

ことり｢いらっしゃいませっ！｣

海未｢･･･いらっしゃいませ｣

英玲奈｢1人なんですが･･･｣

ことり｢かしこまりました、こちらにどうぞ！｣

英玲奈｢ありがとうございます｣

英玲奈｢･･･さて｣

私の腹は決まってる、勿論熱々のラーメン！

問題は何ラーメンにするかだ、とんこつも良いが･･･

･･･ふふ、そうそう、ああいう感じの手書きメニュー

壁一面に貼られた、色褪せた細長いメニュー

今あんまりこういうの、見ないよな･･･

･･･お、ラーメンはあの辺か

何何、醤油ラーメンに味噌ラーメン、わかめコーンラーメンに塩ラーメン･･･

どいつもこいつもそそるじゃないか･･･

･･･ん？

英玲奈｢冷やし中華･･･｣

ことり｢かしこまりましたぁ♡｣

英玲奈｢ヴェ！？い、いや今のは独り言で｣

ことり｢アイスいっちょー！｣

英玲奈｢･･･アイス？｣

冷やし中華の事をアイスって言うのか

ははっ、面白いなこの店

英玲奈｢･･･すいません、サイダーを下さい｣

ことり｢はぁい♡｣

ﾌﾟｼｭｯ

ｼｭﾜｧ･･･

英玲奈｢･･･ごくっ｣

うーん、美味い、夏の味

･･･ま、いいか･･･今年の夏はまだ冷やし中華、じゃなくて

アイス、まだ食べてなかったからな･･･

英玲奈｢ごくごく･･･｣

まだまだ暑さ、厳しいな･･･

このサイダー、昔は辛くて飲めなかったんだがな

この泡で、少し遅いが、夏を感じた

･･･一息ついたな･･･

ことり｢おまたせしましたぁ♡冷やし中華です！｣

英玲奈｢おっと、ありがとうございます｣

ー冷やし中華ー

・麺
太過ぎず、細過ぎず、のどごしが良さそう

・細切りのキュウリ、ハム、錦糸玉子
昔ながらの細切り野菜達、たっぷりのキュウリが嬉しい

・プチトマト2個
小さくていじらしい、真っ赤なトマト

うんうん、昔懐かしい、順当な冷やし中華だ

では早速

英玲奈｢頂きます｣

まずは大きく取って･･･

英玲奈｢あぐっ、ズルズルっ！｣

しゃっきりとしたキュウリが涼風、夏を実感する

英玲奈｢ズズッ、ズルズル･･･｣

少し厚めのハムが贅沢だ、たっぷりで嬉しい

トマト、甘い

少し不安だったが、寧ろこの塩気のあるつゆによく合う

英玲奈｢ズズズッ！｣

甘めの卵、トマト

ハムとキュウリとつゆ

バランスパーペキで、箸が止まらない！

英玲奈｢ズルズル･･･｣

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英玲奈｢ふう･･･ご馳走様でした｣

いや美味かった･･･ラーメンを食べるつもりが、まさか冷やし中華を食べる事になるとは･･･

しかし･･･飽くまで普通の冷し中華、特別大きい訳でもなく、少々物足りない

｢どうかしら？ここの醤油ラーメン、名物なのよ｣

｢うん、素朴で美味しい！この出汁、ヨキソバに使いたいでありますな｣

英玲奈｢･･･｣

英玲奈｢すいません、醤油ラーメンと餃子1人前｣

ことり｢･･･ほえっ！？｣

英玲奈｢あいや、醤油ラーメンと餃子を･･･｣

海未｢ことり、お客様の御注文は1度で聞きなさい｣

ことり｢ご、ごめん海未ちゃん！かしこまりました！｣

はは、仲睦まじい事だ

しかし･･･やってしまった

･･･こうなったら、ままよ！

https://youtu.be/E0B_6I8cgX8

ことり｢お待たせしました、醤油ラーメンと、餃子1人前です！｣

よし来た！

英玲奈｢頂きます！｣

ー名物 醤油ラーメンと、餃子ー

・醤油ラーメン
具はチャーシューが2枚とのり1枚、味玉が1個
シンプルイズベストな皆様

・餃子
にんにく控えめ、バクバク行ける

英玲奈｢ズズズッ！｣

んんっ、濃いめのスープ！

麺も少し太めで、食べ応えがあるな

英玲奈｢はぐっ！もぐもぐ｣

柔らかく大きなチャーシューだ･･･これはライスか？

･･･いや、辞めておこう･･･

英玲奈｢餃子も･･･｣

うぅん！外はパリパリ、中は肉汁が溢れ出てくるぞ！

･･･っ！ダメだっ！

英玲奈｢･･･っ！！すいません！ライス1つ！｣

ことり｢はっ、はいっ！｣

･･･はは･･･やってしまった･･･

ことり｢お待たせしました、ライスです！｣

英玲奈｢頂きます！｣

英玲奈｢バクッ！もぐもぐ･･･！｣

･･･ほれみろ、餃子とライスはマブダチだ！

この1切れ残しておいた、チャーシューも

英玲奈｢米を包んで食べてみるか･･･｣

英玲奈｢あんぐっ･･･！｣

おおおおおっほおぉぉぉ･･･

これはヤバい！美味すぎる！

英玲奈｢もぐっ！もぐもぐっ！｣

うおォン、私はまるで、人間火力発電所だ！

英玲奈｢もぐもぐ･･･！｣

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英玲奈｢･･･ご馳走様でした｣

結局、2杯のライスが必要だった

ことり｢見かけによらず凄い･･･｣ﾎﾞｿｯ

英玲奈｢おいくらですか？｣

ことり｢はいっ！ひーふーみー･･･1900円です！｣

英玲奈｢･･･はい、丁度あります｣

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ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

ことり｢ありがとうございましたぁ♡また来て下さいね！｣

英玲奈｢こちらこそ、美味しかったです｣

海未｢あ、お客様｣

英玲奈｢はい？｣

海未｢宜しければ、お土産にどうぞ｣

それは、冷凍されたあの餃子だった

ざっと、3人前か･･･！

英玲奈｢宜しいんですか？｣

海未｢あんなに美味しそうに召し上がって下さる方に、ほんのお礼です｣

英玲奈｢お礼だなんて、こちらこそ｣

ことり｢海未ちゃん、気に入ったお客様にしかお土産は渡さないんですよ？｣

英玲奈｢へえ、そうなんですか？｣

海未｢･･･っ余計な事を！///｣

英玲奈｢ははは･･･ありがとうございます、頂きます｣ｶﾞｻｯ

海未｢こちらこそ、ありがとうございます｣

ことり｢またお越し下さいね♡｣

英玲奈｢ご馳走様でした、また来ます｣

ｽﾀｽﾀ･･･

ｶﾅｶﾅ･･･

すっかり夜だな･･･

ｶﾁｯ、ｼｭﾎﾞｯ

英玲奈｢･･･ふぅー･･･｣

ラーメンの誘い水に、腹は我慢してくれなかったな･･･

ｶﾞｻｯ

英玲奈｢･･･ふふっ｣

家に帰ったら、米でも炊くかな･･･

https://youtu.be/oaxXHIReXLs


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前回書く前に落ちちゃって書けませんでしたが、過去作もいくつか宜しければ

絵里「雨の日のコーヒー」

穂乃果「第一次音ノ木坂抗争」

絵里「青に」にこ「落ちていく」

にこ「絵里って」希「映画の影響」ことり「受け過ぎだよね」

絵里「ゲームセンターに行きましょう！」にこ「拒否」希「話を聞こう」

絵里「ノッキンオン」にこ「ヘブンズドア」

花陽｢都市伝説！｣ 絵里｢対決よ！｣

絵里｢青き｣ 海未｢サムライ｣

孤独のエレナ1…そういうのもあるのか！

>>16
滝山曰くあるらしいです

続編来たんだ
今回も良かったです

どうしても五郎さんの声で再生されてしまった