1: 2014/10/30(木) 22:20:40.54 ID:+D8pj+oKo
P(トレーナーさんからまゆがレッスンに来ていないと連絡があった)

P(まゆは無断で休むような子じゃない、何かあったかもしれない)

P(というわけでまず女子寮に来てみたんだが……)

P(どうやら部屋にいるみたいなんだよな)

トントン

P(さて、出てくるかな……)

P(まさか部屋から出られないようなことになってないだろうか)

ガチャ

佐久間まゆ「あら、プロデューサーさん。まゆに会いに来てくれたんですか?」

P(普通に出てきた)

アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(6) (電撃コミックスEX)

2: 2014/10/30(木) 22:21:25.23 ID:+D8pj+oKo
P「まゆ、今日レッスンだぞ。もしかして忘れてた?」

まゆ「いえ、覚えてますけど……裕子ちゃんから聞いてません?」

P「何を?」

まゆ「こずえちゃんの看病するから休みます、って」




~朝食時~

堀裕子「こずえちゃん、なんだか顔が赤いですね」

まゆ「ええ、どうやら風邪ひいたみたいなのであとで病院に連れて行きます」

遊佐こずえ「あたま、ぼーっとするの……」

裕子「まゆちゃんは平気ですか? 同じ部屋ですよね?」

まゆ「今のところは。あっ、こずえちゃんの看病でレッスン休みますって知らせないと……」

裕子「それなら私が伝えますよ」

まゆ「そうですか? でもやっぱりこういうことは自分で」

裕子「大丈夫です、任せて下さい!」

3: 2014/10/30(木) 22:22:04.93 ID:+D8pj+oKo
まゆ「……って押し切られたから任せたんですけど、結局伝わってなかったんですね」

P「はぁ、あいつは……ちゃんと責任持てよなぁ」

P「で、こずえは……あ、今寝てるのか。具合はどう?」

まゆ「まだ熱高いですけど、ただの風邪みたいです。お薬もらってきました」

P「そうか、ありがとう。まゆは優しいな」

まゆ「同室なんだから、それくらい当然です」

まゆ「ご両親から預かっている大切なこずえちゃんに、万が一があってはいけませんからねぇ」

P(間違っちゃいないが……ご両親から預かっているのはまゆも同じなんだけどな)

P「病院に連れて行ったあとは、女子寮にいる誰かに任せても良かったんだぞ?」

4: 2014/10/30(木) 22:22:49.09 ID:+D8pj+oKo
まゆ「そんなのダメですよぉ」

まゆ「別に信頼してないわけじゃないですけど」

まゆ「他の人じゃなくてまゆ自身が看病してあげたいんです」

P「ン……まあ、今日はレッスンだけだからいいか」

P「明日はちゃんと仕事行くんだぞ?」

まゆ「お休みしちゃダメですか? まゆ、こずえちゃんのことが心配で……」

P「気持ちは分かるけどダメ。プロなんだから仕事には責任持ちなさい」

まゆ「でも働くママさんって『子供が熱出したから』ってすぐ休むじゃないですか」

P「そうじゃない人もいるって」

P「あと、まゆの子供じゃないだろ」

まゆ「毎日同じ部屋で生活してるんですから親子みたいなものです♪」

P「いや、その理屈はおかしい」

6: 2014/10/30(木) 22:23:26.95 ID:+D8pj+oKo
P「……ねえまゆ」

まゆ「はい、なんですか」

P「もし俺が風邪ひいたら看病してくれる?」

まゆ「もちろんです。おかゆとか作りに行きますよ」

P「じゃあ俺とこずえが同時に風邪ひいたら?」

まゆ「……。申し訳ないですけど、まずこずえちゃんの看病をします」

P「まゆに見捨てられた」

まゆ「ち、違いますよ、人聞きの悪い」

まゆ「プロデューサーさんは大人、こずえちゃんは子供、だからですっ」

まゆ「こずえちゃんのあとでちゃんとプロデューサーさんも看病しますから」

P(うーん、俺に興味を失ったわけじゃなさそうだが)

P(こずえのほうが優先されるのか……これはこれでちょっと悲しい)

7: 2014/10/30(木) 22:24:33.00 ID:+D8pj+oKo
P「まゆがそこまでこずえを好きとは思わなかったよ」

まゆ「だってお人形さんみたいで可愛いじゃないですか」

まゆ「初めて見たときは天使に出会ったかと思いました!」フンス

P(まゆにここまで言わせるとは、こずえすごいな)

まゆ「プロデューサーさんに対してと同じように、こずえちゃんも愛してます」

まゆ「プロデューサーさんとこずえちゃんと」

まゆ「どちらの赤ちゃんも産みたいくらいです」///

P「おい待て」

まゆ「あっ、こずえちゃんにまゆの赤ちゃん産んでもらうのもいいなぁ♪」

P「うん、冷静になろうか」

9: 2014/10/30(木) 22:26:40.75 ID:+D8pj+oKo



プルルルル

裕子「はいもしもし」

P「まゆが今何をしてるか知ってるか?」

裕子「こずえちゃんの看病ですよね」

P「ふむ、やはり知っていたか」

P「どうして俺やトレーナーさんに報告しなかったんだ?」

裕子「ええっ、ちゃんとしましたよ? テレパシーで!」

P「…………気づかなかったよ。次から重要な連絡は電話か口頭にしてくれ」

裕子「ムム~、仕方ないですね。分かりました」

10: 2014/10/30(木) 22:27:22.24 ID:+D8pj+oKo
P「やれやれ、裕子はブレないな……」

プルルルル

P「ん、今度は着信か……もしもし、モバPです」

こずえ母「お世話になっております、遊佐こずえの母です」

P「あ、お世話になってます~」

こずえ母「あの、変に思わないでくださいね。虫の知らせというか……」

こずえ母「なんとなく、こずえが体調崩しているような気がしたんですが」

こずえ母「こずえは元気にやってますでしょうか?」

P(…………マジか)

こずえ母「モバPさん?」

P「あ、えっと。風邪ひいたみたいですが」

P「同室の佐久間まゆが病院に連れて行ったので心配いりません」

こずえ母「まあ、そうなんですか。まさか本当に……」

11: 2014/10/30(木) 22:27:54.35 ID:+D8pj+oKo
P(裕子のテレパシーが俺じゃなくてこずえのお母さんに?)

P(いやいや、まさかな。まさか……)

P「す、すごい偶然ですね。親子の絆ですね」

こずえ母「ふふ、そうなんでしょうか」

こずえ母「佐久間まゆちゃん……優しくて気が利いて、とってもいい子ですよね」

P「え? ええ……まゆのこと、よく知ってるんですね?」

こずえ母「以前こずえのライブを見に来たとき、こずえと一緒に迎えに来てくれて」

こずえ母「観光案内もしてくれたんです」

P「へ、へえ……そんなことまで」

こずえ母「こずえに寮生活なんて不安でしたけど、まゆちゃんが同室で本当に良かったです」

P(こずえの子供を産みたいとか言っちゃう子なんですが、それでも良かったですか?)

12: 2014/10/30(木) 22:28:24.92 ID:+D8pj+oKo



こずえ「ん……ふわぁ」

まゆ「起きた? もう眠くない?」

こずえ「うん」

まゆ「じゃあそろそろお昼だからおかゆ作りますね」

こずえ「まゆおねえちゃん……」

まゆ「なぁに?」

こずえ「ほんとうは、れっすんだったんでしょ?」

こずえ「こずえのせいで、ごめんね……」

まゆ「そんなこと気にしなくていいのよ」

まゆ「レッスンはあとからでも出来るけど、こずえちゃんの看病は今しないと意味がないでしょう?」

まゆ「それに一人で寝てたら……特に病気のときは寂しくならない?」

13: 2014/10/30(木) 22:28:58.10 ID:+D8pj+oKo
こずえ「なる……かも」

まゆ「こずえちゃんにそんな寂しい思いさせられないもの」

こずえ「まゆおねえちゃん、なんだかほんとうの……おねえちゃんみたい」

まゆ「ふふっ、そう? こずえちゃんみたいな可愛い妹だったら大歓迎です」

こずえ「えへへ、まゆおねえちゃん、だいすきー」

まゆ「私も、こずえちゃん大好きよ」ギュッ

こずえ「ふわ……かぜ、うつっちゃうよぉ?」

まゆ「こずえちゃんが治るなら感染ってもいいです♪」

こずえ「じゃあそのときは、こずえが……おせわするー」

まゆ「本当? ありがとう」

まゆ(そのときのために、こずえちゃんに合うナース服用意しておこうっと)

まゆ(いえ、ナースメイド服のほうがいいかしら)

まゆ(そのためには風邪ひかないといけないけど……うふふ、でも楽しみ)

14: 2014/10/30(木) 22:29:26.60 ID:+D8pj+oKo
まゆ「おかゆ出来ましたよ」

まゆ「ふぅふぅ……はい、あーん」

こずえ「あー……ん」

まゆ「熱くない?」

こずえ「うん、だいじょうぶ」

こずえ「……でもこずえ、ひとりで……たべられるよー?」

まゆ「そうね。でも病気のときは治すことだけ考えて、素直に甘えてほしいな」

まゆ「それとも食べさせてもらうのはいや?」

こずえ「ううん、たべさせてもらうの……うれしい。えへへ」

まゆ「そう、良かった。じゃあ、あーん」

こずえ「あーん」

15: 2014/10/30(木) 22:30:00.33 ID:+D8pj+oKo
こずえ「もういらないー」

まゆ「ちょっと多かったかしら。お腹いっぱいになった?」

こずえ「うん……だいじょうぶ。ごちそうさまでしたー」

まゆ「お粗末さまでした。じゃあ残りは私が食べますね」

まゆ(……!)

まゆ(こずえちゃんと間接キス……っ!)

まゆ(ど、どうしましょう……私が食べるなんて言っちゃったけど)

まゆ(こずえちゃんは気にならないかしら……!?)

こずえ「やっぱり、もうちょっとたべようかなぁ……」

まゆ「ええっ!?」

こずえ「なんで……がっかりするのぉー?」

16: 2014/10/30(木) 22:30:31.70 ID:+D8pj+oKo
こずえ「こずえは、おふろ……はいっちゃだめ……?」

まゆ「お風呂って結構疲れちゃうから病気のときは良くないんですよ」

まゆ「そのかわり濡れタオルで身体拭いて綺麗にしましょうね」

まゆ「はい、脱いで。ばんざーい」

こずえ「んー」

まゆ(こずえちゃんの肌を傷つけないように優しく……)ゴシゴシ

まゆ「痛くない?」

こずえ「へいきー。たおる、あつくて……きもちいい……」

まゆ「……よし、上はおしまい。下半身も拭きましょうね」

こずえ「じゃあ……ぬぐねー」ヌギヌギ

17: 2014/10/30(木) 22:31:00.84 ID:+D8pj+oKo
まゆ「こ、こずえちゃん。パンツは、履いててもいいのよ? 恥ずかしくない?」

こずえ「おふろ、いっしょにはいるし……まゆおねえちゃんなら、いいよー?」

まゆ(それはそうだけどこんなに無防備だと)

まゆ(なんだかこっちが恥ずかしくなります……)

まゆ(よく考えたらお風呂でもそんなにまじまじ見ないし)

まゆ「か、身体拭きますねっ」///

こずえ「おかお、あかいよぉー……。まゆおねえちゃんも……ごびょうき?」

まゆ「だ、大丈夫だからっ」

18: 2014/10/30(木) 22:31:40.88 ID:+D8pj+oKo
まゆ「終わりましたよ。さあ、新しいの着て」

こずえ(スリスリ)

まゆ「どうかした?」

こずえ「ふわぁー……はだかでべっどにねるの、はじめて……」

こずえ「おふとん、すべすべで……きもちいいー」

まゆ「もう。はしたないことしてると風邪治りませんよ?」

まゆ「はい、下着」

こずえ「はーい。んしょ……」

こずえ「でもねぇー?」

まゆ「なぁに?」

こずえ「きょうみたいに……まゆおねえちゃんとずっといっしょなら」

こずえ「ときどき、びょうきになっても……いいかも」

19: 2014/10/30(木) 22:32:24.56 ID:+D8pj+oKo
まゆ「……!」キュン

まゆ「もうっ、そんなこと言って困らせないで。はい、パジャマ」

まゆ「そういうの、頃し文句っていうんですからね。ふふっ」

こずえ「しんじゃうのー?」

まゆ「そうですよぉ、こずえちゃんが可愛いから幸せすぎて氏んじゃいます」

こずえ「えぇー、そんなのだめー……」

まゆ「大丈夫。こずえちゃんがキスしてくれたら、今度は嬉しすぎて生き返っちゃいますよ」

こずえ「しらゆきひめ……みたいだねぇー」

まゆ「じゃあこずえちゃんは王子様ですねぇ」

まゆ(白タイツにかぼちゃパンツが似合いそう)

こずえ「おんなのこなのに、おうじさま……? くすくす、おもしろーい」

20: 2014/10/30(木) 22:32:59.45 ID:+D8pj+oKo
こずえ「ふわぁ……むにゃ」

まゆ「そろそろ寝ましょうか」

こずえ「うん。あ……あのね……?」

まゆ「なぁに?」

こずえ「びょうきのときは、あまえていい……って、いってたでしょ?」

まゆ「ええ」

こずえ「きょうは、いっしょに……ねてもいい?」

まゆ「ふふ、毎日でもいいですよ」

こずえ「でも……ね? ままが、ひとりでねれるように……なりなさいって」

21: 2014/10/30(木) 22:33:40.22 ID:+D8pj+oKo
まゆ「一人で寝ないといけないときは、寂しくてもちゃんと我慢できるでしょ?」

まゆ「ならそれで十分。普段は誰かと一緒に寝てもいいと思うな」

こずえ「そっかぁ……そうなんだぁー」ギュッ

まゆ「うふふ」ナデナデ

こずえ「まゆおねえちゃん、やわらかくて……あたたかいー」スリスリ
 
まゆ「こずえちゃんはふわふわで、綿菓子みたいよ」

まゆ「さあ、もう目を閉じて」

こずえ「うん。ふわわぁ…………おやすみぃ。すや……」

まゆ(おやすみなさい。たくさん休んで早く良くなってね)

まゆ(私のかわいいかわいい王子様)

22: 2014/10/30(木) 22:34:12.92 ID:+D8pj+oKo



まゆ「プロデューサーさん、ちゃんと掃除してますか?」

P「してるよ……週一くらいで」

まゆ「もう。不潔にしてるから体調崩すんですよ?」

こずえ「ふわぁ、ほこりたまってるー」

P「あのさぁ、看病のついでに掃除してくれるのは嬉しいんだけど」

P「なんで二人共メイド服着てるのかな?」

まゆ「違います、ナースメイド服です。ほら、ナースキャップ」

23: 2014/10/30(木) 22:34:51.37 ID:+D8pj+oKo
まゆ「こずえちゃんに、まゆにも着て欲しいってお願いされたので」

P「そもそもなぜナースメイド服?」

まゆ「せっかくこずえちゃんに看病してもらうなら、可愛い格好のほうがいいでしょう?」

こずえ「まゆおねえちゃんが、かぜひいたら……」

こずえ「こずえが、これきて……おせわするんだよー」

P(ふむ……まゆもどちらかと言えばおっとりしてるし)

P(姉妹みたいで良いコンビかも)

こずえ(じーっ)

P「ど、どうした?」

24: 2014/10/30(木) 22:35:27.00 ID:+D8pj+oKo
こずえ「ぷろでゅーさー……おしごとのこと、かんがえてるー?」

P「えっ!?」

まゆ「プロデューサーさん……」

P「いやー、仕事のことなんて、カンガエテナイヨ?」

まゆ「絶対考えてましたよね? こんなときくらいお仕事は忘れてください」

P「はい……」

P(この二人に隠しごとは出来そうもないなぁ)

P「バレたからこの際言っちゃうけど、二人のユニットを考えてるんだ」

まゆ「私とこずえちゃんのユニット?」

25: 2014/10/30(木) 22:35:58.18 ID:+D8pj+oKo
こずえ「わー、やりたいー」

P「だろ? 今日のこの感じだと、絵になると思うんだよな」

まゆ「うふ、楽しみです」

P「ユニット名は……とりあえず仮決めだけど、『ゆさくま』なんてどうだろう」

こずえ「ゆさくま……」

まゆ「遊佐と佐久間だから、ですか?」

P「うん」

まゆ「プロデューサーさん、どうやら酸素欠乏症みたいですね」

P「あっ、ヒデエ」

26: 2014/10/30(木) 22:36:40.33 ID:+D8pj+oKo
以上で終了です
こずえは年上を呼び捨てしない派 は少数派なんでしょうかね

5: 2014/10/30(木) 22:23:20.51 ID:qrJ+Ogp70
スレタイに既視感を感じるが
あのSSは個人的に好きだったので期待

8: 2014/10/30(木) 22:26:02.33 ID:+D8pj+oKo
>>5
同じか似たスレタイの作品があるとしたら無関係です
ご了承ください

27: 2014/10/30(木) 22:39:28.11 ID:sRW8VNDoo
モバP「佐久間まゆの献心」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401560625/

あっちは『献心』で、こっちは『献身』……かな?

引用元: モバP「佐久間まゆの献身」