1: ◆cgcCmk1QIM 20/08/06(木)20:30:53 ID:16r

【某芸能事務所・休憩室】

電話中の辻野あかり「あー、うん。確かに私もそのふたつならそっちだと思う」

あかり「うん。好きだよおいしいし……うんうん、早い方がいいと思うんご」

あかり「私もアイドルになると決めたら早かったから! そう! りんごろうさんも剛速球で投げてるし」

あかり「大丈夫やわらか素材だから。うん、うん。あやー、それ言われると困っちゃうんご。気をつけます……うん、うん。解った。それじゃね!(プチッ)」

事務所のソファでダラダラしてた夢見りあむ「おつかれー。電話終わった?」

あかり「あっ、りあむさん居たんですね」

夢見りあむ「最初っからいたぞ? あかりちゃんが休憩室に入ってきて電話始める前からな?」

あかり「あやー、ごめんなさい、ちっとも気が付かなくて」

りあむ「自分で言うのもなんだけどこんな派手なものに気が付かないなんてありか? 実はぼくハブられてる?」

あかり「そんなことないです! りあむさんは私の大事な同僚で目標でお友達んご。まあメンタル弱いしすぐ調子のるくせに気にしいだし服がだらしないのはちょっとどうかと思うけど。レッスンの時とかなんかいろいろばるんばるんしてこぼれ落ちそうだし」

りあむ「いいかあかりんご? 最初にけなしてからほめるのと、ほめてからけなすのだと、同じこと言っても後者のほうがけなし文句が強調されて聞こえるんだぞ? ぼく傷ついたからな?」

あかり「す、すみません! 大事なのは本当だから! 目標にしてるから!」
2: 20/08/06(木)20:31:37 ID:16r

りあむ「ぼくを目標とか、絶対インタビューとかで言っちゃだめだぞ? 絶対炎上するからな、ぼくが!」

あかり「なんで私が言ってりあむさんが燃えるんご?(きょとん)」

りあむ「そんなのぼくがしりたいよう! ぼくは健全な青少年にみせちゃいけない本か! 純朴なあかりちゃんには見せるだけで悪影響ってその通りだな!?」

あかり「どうどう、りあむさん、どうどう」

りあむ「まあどうせあかりちゃんがなにも言わなくても別のことで炎上するんだけどね! そしてぼくは悲しみにくれてひとり餃子を作るんだ、やむ」

あかり「あっ! また餃子作るんですか!? 食べにいきたい!」

りあむ「ふふふ。ぼくがどんなにダメダメでも、餃子が食べ盛りの15歳を引き留めてくれるんだね……」

あかり「りあむさんの餃子、すごいおいしいから!」

りあむ「うわあんそこは餃子だけじゃないよって言ってよう! 焼き餃子がやみ餃子になるぞ!?」

あかり「も、もちろん餃子だけじゃないですよ? えーとえーと」

りあむ「あ、がんばっていいとこ考えないであかりんご。よけい辛いから」

あかり「あ、それ!」

りあむ「どれだ?」

3: 20/08/06(木)20:32:12 ID:16r


あかり「そのあかりんごって言うの、やめてもらわなきゃいけなかったんです」

りあむ「へ? どうして?」

あかり「明日から私、りんごアイドルあらため桃アイドルで行くことになったんで!」

りあむ「ごめんなんて?」

あかり「あやー、聞こえなかったですか」

りあむ「聞こえなかったんなら良かったんだけどさ? 人は聞いた内容が信じられない時も問い返すんだぞあかりんご」

あかり「あかりんごはもうおわり。今日からはあかりももです」

りあむ「語呂悪いな? えっ、どうしたのなんでそういうことになるの熱でもある?」

あかり「体温は毎日平常です!」

りあむ「そうだよねーあかりちゃん健康優良児だもんねーってそうじゃなくてね?」

あかり「はい」

りあむ「Pサマなにも言ってなかったぞ? 変えるにしても唐突だな!?」

あかり「いや別に私のりんごキャラって事務所の方針でやってるわけじゃないし。りんご売り込みは地元山形のりんご農家を応援したくて自分で始めたんです」

りあむ「そういえばそうだった! でもそれならよけいなんで桃に行くのさ。あかりちゃんりんごキャラで浸透してきたじゃん? こないだ海でりんごジュース売ってたのもウケてたじゃんかー」

あかり「さっきお母ちゃんから電話があったんだけど、実はうちの農園りんご栽培やめることになって」

りあむ「さっきの電話ってそんなガチな内容だったの!?」

4: 20/08/06(木)20:32:39 ID:16r

あかり「競争厳しいしコストもどんどん上がって来てお金が出て行く一方だから、まだ資金に余裕があるうちにもっと単価の高い作物に転作したほうがって」

りあむ「うわあマジのやつだ」

あかり「私がりんごを売り込んでいたのは、父ちゃんたちのりんごをみんなに食べてほしいからでした……」

りあむ「うんうん」

あかり「しかしこれから辻野農園は桃を売っていく! となれば私も桃アイドルになって父ちゃんお母ちゃんを助けていかなくちゃいけないのです!」

りあむ「今時珍しいぐらいの孝行娘め!!」

あかり「というわけで今日からりんごアイドル辻野あかり改め、桃アイドル辻野あかりで」

りあむ「いや全然ダメじゃん?」

あかり「なしてやー!? 事情は今話したんご!?」

りあむ「あかりちゃんの事情は解るしマジいい子か? 天使か? って思うけど」

あかり「うわあ、照れるんご」

りあむ「ほらそれ」

あかり「えっ?」

りあむ「ちょっといいから自己紹介とマスコットの紹介してみ??」

あかり「山形から来ました、辻野あかりです! あかりももって呼ばれてます! これから都会のことも勉強して、立派なアイドルになるんご!! あとこいつはももんごろうさんです」

りあむ「ほらひどいよね!?」

あかり「えっ、えっ」

5: 20/08/06(木)20:33:02 ID:16r


りあむ「名前と作物と語尾のシナジーが見るも無惨に破壊されてるじゃん! あかりって名前も語尾も桃に全くかかってないし。さらにひどいのはりんごろうさんだよ」

あかり「こいつも今日からももんごろうさんです」

りあむ「もうなんで五郎なのかさっぱりわかんないじゃん? なんとかンゴ残そうとして語感が最悪なことになってるし!」

あかり「そんな……もう改造ももんごろうも試作したのに、ほらこれ」

りあむ「雑にピンクに塗っただけじゃん。昔のトランス○ォーマーだってもうちょっと丁寧にリデコしてたぞ?」

あかり「そ、そんなにひどいかなあ」

りあむ「下の赤が透けて桃のフリしてたのが化けの皮剥がれたみたいになってて、虚ろな目のせいで超怖い。だいたいヘタとか全体の造形がやっぱり全然桃じゃないし」

あかり「あー。じゃあこうケツアゴっぽくして葉っぱも桃っぽく」

りあむ「りんごろうさんをりんごろうさんのままで居させてあげろよう!」

あかり「とはいえりんごろうは一杯あるから、このまま不良在庫化させておくわけにはいかないんご」

りあむ「世知辛い事情だけど絶対それ傷を広げるパターンだからな!? あとやっぱり語尾!」

あかり「んご?」

りあむ「あかりちゃんが親しまれてきた理由には、あかりって名前、りんごって作物、んごって語尾が綺麗に韻を踏んでたからってのあると思う。どう組み合わせても綺麗にはまる。聞き易さ、言葉に出し易さってすごい大事なんだよ。今完全に語尾浮いてるじゃん」

あかり「おお、りあむさん、すごい頭よさそうなこと言ってるんご……」

りあむ「ぼくはいつもアイドルにはマジだからな?」

あかり「確かに」

6: 20/08/06(木)20:33:52 ID:16r

りあむ「みっつがちゃんと韻をふんでるのは偶然だったかもしれないけど、こういうのって大事なんだよ。単に『りんご』を『桃』に変えただけだとやむくんやみちゃんすぐ安易だって騒ぎ出すぞ?」

あかり「なるほど……」

りあむ「っていうかオタクって好きな味のものならいつまででも食べ続けられる生き物だからな? 毎日カレーとか平気でやるからな?」

あかり「そういやりあむさんもいっつも餃子食べてるんご」

りあむ「ダメなオタクだからね。仕方ないね……でな? だからこそ好物の味が変わるのってすごい嫌がるんだよ」

あかり「ああ、それはなんとなく解る」

りあむ「だからな? いきなり桃アイドルになるんじゃなくて、ちゃんといろいろ相談して時間をかけて転換しないと大けがをってなにぼく真面目クンか?」

あかり「……りあむさんの言うこと、よく解りました」

りあむ「解ってくれた?」

あかり「つまり語尾も変えなきゃダメってことですね」

りあむ「しまった伝わってない」

あかり「やっぱ桃ですかね。私、あかりっていうももー」

りあむ「落ち着けェ! もうなんかどっかの戦車アニメの登場人物みたいになってる! よ!」

あかり「だいぶ桃寄りになったと思いませんかもも?」

りあむ「そのかわりあかりちゃんの個性が壊滅してるよ! なんかぜんぜん違うものになりつつある!」

あかり「うーん、難しいももんご……」

りあむ「語尾がなんかもうすごいことになってる……まさか推しが迷走して滅茶苦茶になっていくのを目の前で見ることになるなんて……」

7: 20/08/06(木)20:34:12 ID:16r

あかり「りんごろうさん……ももんごろう……ももたろう……(ジリリリン)ももあかり……」

りあむ「あ、あかりちゃん戻ってこい? お電話みたいだよ?」

あかり「あ、ほんとだ。はいもしもし……あ、父ちゃん? うん……うん……解った。うん。知らせてくれてありがとうね!」

りあむ「電話なんだった? 桃の話?」

あかり「りあむさん、うち、桃への転作やめるって!」

りあむ「マジか! 今夜は餃子パーティーだな!!」

あかり「えっ、なしてそんな喜ぶんご」

りあむ「いやどうもこうもないでしょ。今までの会話にぼくの不安はすべて込められているぞ?」

あかり「そっか。心配させてごめんなさい」

りあむ「いいんだよう。桃アイドルに転身するのだけどうにかなればそれで!」

あかり「うん、桃じゃなくてアケビを作ることになったんご」

りあむ「ヘアッ!?」

8: 20/08/06(木)20:34:30 ID:16r

あかり「山形のアケビ生産量は全国1位! どうせやるならトップに食い込んでいかないと!」

りあむ「なんであかりちゃんはそんなやる気満々なの? ブレーキはついてないの?」

あかり「やると決めたら、いつだってあけびは一直線ケビ!」

りあむ「ごめんなんて?」

辻野あけび「りあむさんが言ってたシナジーについて、私も考えたんです。これはもう改名しかないなって」

りあむ「ギャアーア!! 名前が変わってるウ!!」

あけび「語尾はケビ! マスコットはアケビルゲイツ!」

りあむ「さらに魔改造されたりんごろうさんがもう『コロシテ……コロシテ……』みたいな顔になってる!?」

あけぴ「どうですかこれならシナジーもバッチリ! りあむさんに心配かけることもありません」

りあむ「心配しかないよ! ひとつたりとも安心がないよ! 思い直してあかりちゃん!!」

あけび「いやもう辻野あけび改名記念ライブのも打っちゃったし」

りあむ「あかりちゃんの行動が早いとこが悉く悪い方に働いてる!?」

あけび「大事な舞台だから。りあむさんにも絶対見に来てほしいです……来てくれますか?」

りあむ「こんなときばっかり殊勝な顔してェ!! ぼくはやだぞ、推しがにこにこ笑って地雷踏みにいくとこなんか見たくない!」

あけび「大丈夫!」

りあむ「なにが!!」

あけび「人間地雷のひとつやふたつ踏んづけて炎上しても頑張っていけるんだって、私、りあむさんを見て学んだんです!!」

りあむ「まさかのぼくのせいか!?」

あけび「さあこうしちゃいられない。準備準備(猛ダッシュ)」

りあむ「まってちょっと話を聞いてうわあめっちゃ早い追いつけない! あかりちゃん! あかりちゃーん!?」

9: 20/08/06(木)20:35:12 ID:16r





りあむ「あかりちゃーん、あかりちゃー……(ガバッ)ハッ! これは夢!?」

りあむ「そ、そうか夢か、よかった。ほんとよかったあ……ひどい、ひどい夢だった……!」

りあむ「なんであんなひどい夢見るんだよう。夢ぐらいぼくにやさしい世界にならないのかよう。枕か。この枕が悪いのか!(ペチペチ)」

あきら「人の膝枕にヨダレまで垂らして寝ておいて、ひどい言いぐさデスね」

りあむ「ギャーーーー!?」

あきら「おはようございマス」

あかり「あきらちゃん、ずっと膝枕しててくれたんですよ?」

りあむ「そういえば癒しがほしいからってせがんだ記憶がある。ぼくおぼえてる!」

あきら「ずっと動かずに膝枕してあげたのに文句つけられるとか(ムスー)」

りあむ「打ち首にしてください(スッ)」

あかり「なんて素早い土下座」

10: 20/08/06(木)20:35:32 ID:16r



りあむ「あきらちゃんの膝枕に文句つける奴はしぬべきだ! よ!」

あきら「いや自分の膝枕が原因で氏ぬとか後味悪いにも程があるでしょ。やめて」

りあむ「だってええ」

あきら「餃子で手を打ちマスから」

りあむ「わかりました。誠心誠意餃子作る機械になります」

あきら「暑い季節だからサッパリしたのがいいデスね」

りあむ「梅紫蘇入ったのとかいかがでしょう」

あかり「あっ、それ私も! 私も食べたいんご!」

あきら「ではりあむサン、当然あかりチャンの分も」

りあむ「ハハーッ、お任せください! このりあむ一命にかえましても!」

あきら「#武士か」

あかり「でも一体りあむさん、どんな夢みてたの? もの凄くうなされてましたよ」

りあむ「やっぱぼくうなされてた?」

あきら「終始名探偵ピカ○ュウみたいな顔してましたよ」

あかり「そうそう。滅茶苦茶辛そうでどうしようかと思ったんご……」

りあむ「……あのー、あかりちゃん?(オドオド)」

あかり「りあむさんがすごい上目遣いで私を見てる……」

あきら「ちょっとキョドりすぎでは」

11: 20/08/06(木)20:35:53 ID:16r


りあむ「あのね、辻野家って桃とかアケビとかに転作したりする予定はない? よね?」

あきら「なにそれ」

りあむ「いやほかのなんでもいいけどさ、あんだけりんご推しなんだから辻野家はこれからもりんご一筋で行くんだよね? ね?」

あかり「いや完全に一本立ちでいけるほど甘くないから畑ではニンニクとかニラも作ってるし、うちの地元でも転作の話題は定期的に出るし」

りあむ「ギャー!?」

あきら「あ、やっぱりそうなんだ」

あかり「りんご農家だけじゃなくて、転作考えてる農家は多いです。畜産なんかも厳しくて、円高で飼料が高くなっちゃって廃業したり集約したりが進んでる真っ最中だし」

あきら「新潟でもそういう話よく聞きマス」

あかり「あはっ、どこも厳しいですよねえ」

りあむ「ううっ、それじゃ辻野あけびとか辻野ガソリンスタンドは現実にありうる出来事なんじゃん!?(ガタガタ)」

あきら「#ガソリンスタンド #なにそれ」

あかり「ああっ、りあむさんが生まれたての子鹿のようにふるえて!?」

りあむ「いやだ! 推しが微妙な方向転換をしてスッ転ぶとこみたくない! あれはほんと胃に悪いから!」

あかり「どうしよう、りあむさんの言ってることがいつにも増して意味不明んご……」

あきら「あかりちゃんがスッ転ぶ前提っぽいのはムカつく」

12: 20/08/06(木)20:36:12 ID:16r


りあむ「ううう、ごめんよう、実はかくかくのしかじかで」

あかり「なるほどー、変わった夢を見たんですねえ……」

あきら「あかりちゃんの実家が左前になる前提の夢ってなにげに失礼じゃ
ないデスか?」

りあむ「自分でもかなりそう思うけど見ちゃったものはしかたないじゃん!?」

あかり「まあ無いとは言えない話ですよねえ、転作」

りあむ「うう、やっぱり実家が転作したら改名しちゃう?」

あきら「滅茶苦茶デリケートな話題じゃないデスか。そういうこと聞くのどうかと思う」

あかり「うーん、するかも?」

あきら「答えるのか」

りあむ(蒼白)

あきら「ショック受けるぐらいなら聞くんじゃないデスよ!」

りあむ「だってえええ!!」

あかり「まあ、でも、できたらりんごアイドルがいいです。私、りんごに思い入れがあるから」

りあむ「そうなの?」

13: 20/08/06(木)20:36:38 ID:16r

あかり「うちはずっとりんご農家だったし、産地だから周りもりんご農家なんです」

あきら「うん」

あかり「りんご作りには山の斜面が必要だから、お町からは離れたところで、周り中ずーっとりんごの木で。会う人もりんごの関係者。小学校の友達も、たいていりんご農家の子供で」

りあむ「そういうの、東京とかは無い感じだよね」

あかり「あはっ、そうですよね? ……りんごは私にとってただの作物じゃなくて、育った景色で、一緒に過ごした人たちで……ふるさとそのものなんです。だから」

りあむ「……だから?」

あかり「だから、私はりんごを売り込むことでふるさとをまるごと応援したい。りんごが、あの景色が続いてほしい。だから、改名なんかせずにりんごアイドルを続けられたらいいなあって」

りあむ「ぶ・ぇええええええええええええん(号泣)」

あかり「りあむさんが泣いた!?」

あきら「うわ泣き顔汚っ」

りあむ「あかりちゃんやっぱ天使じゃん……ぼくとは魂のステージが違ってるじゃん」

あかり「お、大げさですよ」

りあむ「ぼくもあかりちゃんにあかりんご続けてほしい! その為に山形りんごにもり上がってほしい。オタクりんご買え!ってツイートしてみようかなあ」

あきら「絶対炎上しそうな気がするんデスが」

りあむ「ぼくもそう思った! アイドルになったというのにダイマひとつできないのかぼくは? ダメダメか? あれっ今に始まったことじゃないな?」

あきら「人間向いてないことしない方がいいデスよ」

りあむ「ぼくに向いてることってなんだよう」

あきら(サッ)

りあむ「あきらちゃんが気まずそうに目をそらした!?」

14: 20/08/06(木)20:36:52 ID:16r


あかり「りあむさん、無理に宣伝なんてしなくていいですよ。それはりんごアイドルあかりんごの仕事です」

りあむ「あかりちゃん……」

あかり「そうしてうちの産地のりんごを知ってくれた人が買うようになってくれるのが、やっぱり一番の応援んご……」

りあむ「あ、たしかにな! コンテンツが続いてほしければまず自分が課金することだ。あかりちゃんとこのりんごを買えばいいのか!」

あかり「ちなみに買ってくれるなら定期購買がお得んご。季節になるとりんごとうちの製品の詰め合わせが届く豪華セットがこのお値段」

りあむ「うわあこれはお得! なのか? こういうのの値段ってよくわかんないけど」

あきら「今、学生カバンからサッと申し込み用紙が出て来ましたね」

あかり「いついかなるときもチャンス逃さないように、いつでも持ち歩いてるんです!」

りあむ「まじかよあかりんごたくましいな」

あかり「あはっ、りんごの木の世話で鍛えられた満点あかりんごですから。えーとサインがここでー」

あきら(……しっかり売り込みかけるあかりチャンを見ながら、自分はりあむさんの夢はきっと杞憂だったんじゃないかな、なんて考えてました)

あきら(あかりチャンは、転作がどうとか、名前がどうとかで迷走したりはしない気がしマス)

あきら(だってきっとあかりチャンの中には、すごくしっかりした揺るがない芯があるんだから……)

15: 20/08/06(木)20:37:04 ID:16r


あかり「ねえ、あきらちゃんあきらちゃん」

あきら「あ、何デスか?」

あかり「申し込み用紙、実は2枚あるんだけど……」

りあむ「すかさず売り込みをかけてきた!?」

あきら「今ちょっといい話で終わりそうだったのに!」

あかり「ちゃっかりしててしぶといのもあかりんごですから!」

 3人のどたばたはその後も続いた。

 Pがやって来て『同僚に安易にセールスかけちゃダメッ!』と注意されてあかりが凹んだり、それにくじけずさらなる山形りんご売り込み作戦を発案してりあむが炎上したりするのは、また別の物語である……。

りあむ「だから! なんで! ぼくが炎上するんだよう!!」


(おしまい)

16: 20/08/06(木)20:38:08 ID:16r
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

17: 20/08/07(金)04:45:30 ID:jO9
乙でした
りあむ「やはりあかりちゃんの名前はそのままが一番だよ!桃とか名前に入ってたらダメダメだね!」
???「何かおっしゃいまして?」
みたいに更に炎上するのかと思ったw

引用元: 【モバマス】辻野あかり「辻野あかりももんご」りあむ「語呂悪っ!?」