1: ◆do4ng07cO. 2013/02/22(金) 17:23:43.66 ID:MjhAgpWO0
劉鳳「何故俺にそれを聞く?」

カズマ「いつもみたいに君島に聞こうと思ったんだけどよ、あいつ居なかったからその代わりだ」

劉鳳「バカが。俺よりお前の方が傍にいる時間は長いのだから、俺が知るわけないだろう」

カズマ「チッ、やっぱ市街育ちの坊ちゃんは使えねーな」

劉鳳「...なんだと?」

カズマ「やんのか!?」


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2: 2013/02/22(金) 17:24:51.00 ID:MjhAgpWO0
――――――――――

劉鳳「クッ...腕は落ちていないようだな」ハァ ハァ

カズマ「ケッ...てめーこそな...」ゼー ゼー

劉鳳「で...なんの話だったか」

カズマ「だから、かなみが最近部屋に一人で籠ってなんかやってんだよ」

劉鳳「直接聞けばいいだろう」

カズマ「それがよ、聞いても顔赤くして教えてくれねえんだ」



壁│君島(ほう...)

ガチャ ザザッ
君島「こちら君島、応答願います」

『こちらK号、用件をどうぞ』

君島「なにやら面白そうな話が転がってるであります」

『了解。最速で向かう』


3: 2013/02/22(金) 17:25:35.53 ID:MjhAgpWO0
劉鳳「あの年頃だから...ゲームか?」

カズマ「うちにそんな金はねえ。つーか、あれってそんな楽しい物なのか?」

劉鳳「いや、俺もやったことがないからわからんが...なら風邪で寝込んでるのか?」

カズマ「ピンピンしてたぜ。ただ...」

劉鳳「ただ?」

カズマ「ここ最近、顔赤くして、息切らしながら部屋から出てくるな」


4: 2013/02/22(金) 17:26:05.17 ID:MjhAgpWO0
壁│君島「!?」

クーガー「ほほう...彼女、もうそんな感じなのか」

君島「いやいや...さすがに早すぎるでしょ。あの子、ああ見えてまだ10歳にもなってないんですよ?」

クーガー「恋する乙女は成長が早いっていうだろ?」

君島「でも...」

5: 2013/02/22(金) 17:26:34.83 ID:MjhAgpWO0
劉鳳「なら、部屋から出てきた時に彼女の部屋を...」ハッ

劉鳳(...さすがにそれはまずいな。いくら家族のようなものとはいえ、男子が女子の部屋に侵入するなど...)

カズマ「もうやったぜ。あいつにめちゃくちゃ怒られたけどな」

劉鳳「この口リコンがぁ!俺は貴様を断罪する!」バァン バァン

カズマ「なんでキレるんだよ!?」

6: 2013/02/22(金) 17:27:11.07 ID:MjhAgpWO0
――――――――――――――

劉鳳「それで...なにかわかったのか...?」ボロッ

カズマ「いや...すぐ追い出されたからあまり探せなかったんだよ...」ボロッ

劉鳳「なにか置いてなかったのか?」

カズマ「ああ。あ、そういや...」

劉鳳「なにかあったのか?」

カズマ「ゴミ箱にティッシュがあった気がするな」

劉鳳「それくらい普通だろう」

カズマ「いや、溢れそうなくらいあったんだが...まあ、気にすることじゃねーな」


7: 2013/02/22(金) 17:27:41.32 ID:MjhAgpWO0
壁│君島「」

クーガー「こりゃ確定だな」ポン

君島「...まさか、かなみちゃんがそこまで進んでるなんて...」

クーガー「しっかし、その量となると、どんだけの回数を...」

君島「恋は人を盲目にする...ってか?羨ましいぜチクショウ...」

8: 2013/02/22(金) 17:28:23.40 ID:MjhAgpWO0
劉鳳「ゲームでも体調不良でもない...なら後はなんだ?」

カズマ「やっぱわかんねえか...仕方ねえ。あんたのとこのネーちゃん二人に聞いてみるか」

劉鳳「何故だ?」

カズマ「女の事は女の方が分かるかもしれねえだろ?それくらいわかれよ」

劉鳳「...なるほど。お前にしては珍しく頭がまわるな」

カズマ「あぁ!?...まあ、てめえみてーな石頭じゃないんでな」

劉鳳「」ピキッ

9: 2013/02/22(金) 17:29:11.33 ID:MjhAgpWO0
―――――――――――――

ゼー ゼー


劉鳳「そういえば、今日は珍しく、二人揃って出かけると言っていたな。
...ああ、そういえば、二人共ティッシュを持っていた気がする」ゴホッ

カズマ「今はどこにいるんだ?」ゲホッ

劉鳳「お前の家に行くと言っていた。何をしに行くんだと尋ねたら...」

シェリス『それは...女の子だけのひ・み・つ♡』キャッ

劉鳳「と、答えたんだが...秘密とはなんだ?」

カズマ「俺に聞くな。てか、それこそ直接聞けよ」

劉鳳「聞いたが、二人共顔を赤くしてそれ以上は答えようとしなかった」


10: 2013/02/22(金) 17:30:07.78 ID:MjhAgpWO0
壁│君島「」

クーガー「」

君島「これはもしかして、イケないお遊びというやつじゃ...」

クーガー「...行くぞ、君島」

君島「君島っす...あれ、あってる?ていうか、行くってどこに?」

クーガー「みのりさん達のところに決まってるだろう。
ここであいつらの平行線を辿る議論を見続け無駄な時間を過ごすのと、桃色空間を拝むのと...お前はどちらの道を選ぶ?」

君島「行きます」


11: 2013/02/22(金) 17:30:44.78 ID:MjhAgpWO0
――――――――
カズマの家


君島「さて、彼女達がいるという家に来たわけですが...」

クーガー「あのお嬢ちゃんの部屋はどこだったか...」


「―――――――――」

君島「!今声が聞こえましたよ」

クーガー「よし、ここは慎重に、だがなるべく最速で中の様子を窺うぞ!」コソコソ

「―――――――――」

君島「ここですね」

クーガー「さすがにドアは閉めてあるな。さて...」



12: 2013/02/22(金) 17:32:19.13 ID:MjhAgpWO0
「ふぅ...凄いテクだったわね、かなみちゃん」

「経験豊富のシェリスさんに比べたらまだまだです」

「その年であそこまでできたら十分よ。なんせ、あなたより年上の桐生さんなんてあの様だったし」

「わ、私は、その...あまりこういう事をしたことなくて...」

「毎晩毎晩、劉鳳のこと考えながらやりこんでるイメージがあったんだけどね」

「そ、それはシェリスさんの方でしょ!?」

「否定はしないわ」

「そ、そうですか...」


ドア│クーガー(...文化的だな)

君島(中を覗きたいけど...バレたら殺されるな、うん)

13: 2013/02/22(金) 17:33:07.45 ID:MjhAgpWO0
「これならカズくんも、よろこんでくれるかな?」

「バッチシよ!アタシが保証するわ!」

「あ、ありがとうございます。...私も、二人のこと応援してますから」

「もっちろん!桐生さんには絶対負けないんだから!あっ...また垂れてきたわ」

「それは私も同じことよ、シェリスさん...あ、私も」

「はい、ティッシュです」

「ありがとう、かなみちゃん...んっ」


14: 2013/02/22(金) 17:36:29.25 ID:MjhAgpWO0
ドア│君島(やばっ...もう我慢できないかも...いや、でも覗くのはちょっとこええし...)

クーガー「どうやら、俺の出る幕じゃなさそうだな」

君島(クーガーさん?)

クーガー(正直、俺はこれ以上我慢できそうにないんでな)

クーガー「ストレイト・クーガーはクールに去るぜ...」

君島(あ、ちょっと!...行っちまった...)


「クーガーさんもよろこばせてあげれればいいけど...」

「まあ、あいつは桐生さんならなんでもいいと思うけど」


クーガー「みのりさぁぁぁ~~~ん!!!」ドドドドドッ

君島「戻ってくるのはええ!」

15: 2013/02/22(金) 17:38:53.03 ID:MjhAgpWO0
クーガー「離せ君島ァ!」

君島「何してんだよあんた!クールに去るんじゃねーのかよ!?」

クーガー「それとこれとは話は別だ!いいか、俺はこう思うんだ。人間とはロマンを追い求める生き物だと!
どんなリアリストでも、理想が無ければいずれ己の身を滅ぼすことになる。
なら夢を持ち続けそれを追い求めればいい。
そしてその夢とは叶えてこそ本懐を発揮するのであり目の前にある最高最強最大最上級のチャンスを逃すのは愚行にしか過ぎない!
故に俺は最速でこれはチャンスだと判断し、それを行使しようと―――」

君島「ようするにピ――したいだけでしょそれ!」

クーガー「ああ、そうだ!その通りさ!彼女公認だから問題ない!」

君島「言い切った!?」



ガチャッ

かなみ「あの...何してるんですか?」

クー・君島「「...え?」」


16: 2013/02/22(金) 17:39:47.27 ID:MjhAgpWO0
――――――――――――――

ゼー ゼー

カズマ「俺ら...これでぶつかりあうのは何度目だ...?」

劉鳳「今日だけで15回だ...」

カズマ「そもそも、なんで殴りあってんだ...?」

劉鳳「貴様がいちいちいらん挑発をするからだ...!」

カズマ「そりゃてめーの方だろうが...!」

劉鳳「貴様...!」ギリッ

カズマ「やるってんならいいぜ...!」ギリリッ


ぐぅぅぅ

劉鳳「......」

カズマ「......」

17: 2013/02/22(金) 17:41:03.56 ID:MjhAgpWO0
カズマ「...やめだ、腹減った」

劉鳳「そうだな...もうじき日も暮れるころだ」

カズマ「結局、かなみが何してんのかわかんなかったしよ...」

劉鳳「...そういえば、シェリス達がお前の家に居るらしいが...何をしているんだろうか」

カズマ「んなもん、あっちが言うまで聞いてみればいい。それでもあっちが教えなかったらそれだけのことだ。
単純な話だろ?」

劉鳳「...それもそうだな。なら...今までの俺達の議論はほとんど無駄だったということか?」

カズマ「かもしれねえなあ」

劉鳳「お互い、不器用で馬鹿だな」

カズマ「へっ、ぬかせよ、この」

「「くっ...ハハハ...ハハハハハハッ...!」」

18: 2013/02/22(金) 17:42:12.54 ID:MjhAgpWO0
――――――――――――――

カズマの家

君島「よっ、おっ帰り―カズマくん、それに劉鳳。二人ともどうしたのそんな泥だらけで」

劉鳳「なんでもない」

カズマ「つか、なんでお前がここにいんだよ」

君島「細かいことは気にするなって。つーか、お前ら汗臭っ!とっとと風呂入ってこい!」

劉鳳「いや、俺はシェリスと水守を迎えに来ただけなんだが」

君島「あぁ、そのことだけど、今日は晩飯はここで食べることになってるから。異論は認めません」


19: 2013/02/22(金) 17:43:09.07 ID:MjhAgpWO0
劉鳳「そ、そうか...ちなみに、シェリスと水守は?」

君島「かなみちゃんの部屋に居るぜ。あ、あとクーガーさんも」

カズマ「はぁ?なんで兄貴も居るんだよ」

君島「いいからお前らはさっさと風呂に行けって。あ、そういえばカズマ」

カズマ「なんだよ」

君島「お前のグローブ、けっこうボロくなってきたんじゃねーか?」

カズマ「そうか?」

君島「そうだって。いい歳なんだから、物の管理くらいキチッとしなさいお前は」

カズマ「おばちゃんかお前は」

20: 2013/02/22(金) 17:44:06.43 ID:MjhAgpWO0
――――――――――
夕食

カズマ「...なんだ、今日はやけに豪勢じゃねーか」

かなみ「今日はクーガーさんが作ってくれたの」

君島「うわ、うっめえ!」

劉鳳「意外だったな、お前が料理ができるなど」

クーガー「まあな。これでも、調理師免許は持ってるんでな」

シェリス「店を開いたりはしないの?」

クーガー「嫌な夢見ちまってね...予知夢ってやつかな?」

水守「それはどんな?」

クーガー「同僚がいつも勘定を払わずに帰っちまう夢だったんですが...
まあ、元々本気でやろうとは思っていませんでしたし、これでいいと思ってます」

21: 2013/02/22(金) 17:44:48.26 ID:MjhAgpWO0
―――――――――
夕食後

カズマ「食った食った」ゲプ

劉鳳「うまかったぞ、クーガー」

クーガー「俺が作った文化的料理だ。ウマくて当然だろ」


コソコソ

君島(かなみちゃん...準備は出来てるかい?)

かなみ(う...うん)ドキドキ

水守(頑張って、かなみちゃん。私達も頑張るから!)

シェリス(あたしはいつも似たようなことやってるからそんなに緊張しないけど)


22: 2013/02/22(金) 17:45:20.11 ID:MjhAgpWO0
かなみ「あ、あの、カズくん!」

カズマ「なんだかなみ?」

かなみ「そ、その...一生懸命やったから...使ってほしいの」

水守「りゅ、劉鳳、私もこれ...」

シェリス「劉鳳、あたしからはコレ!」

劉鳳「これは...?」

23: 2013/02/22(金) 17:46:30.23 ID:MjhAgpWO0
カズマ「右手のグローブ?」

かなみ「う、うん。カズくんがいつも使ってるのがもうボロボロだったから...」

カズマ「最近部屋に籠ってたのはこれ作ってたからか」

かなみ「う、うん...」

カズマ「...へぇ、けっこういいじゃねえか、コレ。俺のやつより使いやすいぜ。ありがとな」

かなみ「ど、どういたしまして...///」

24: 2013/02/22(金) 17:47:00.23 ID:MjhAgpWO0
劉鳳「マフラーと手袋か...」

水守「え、ええ。最近寒いから...」

シェリス「暖かいでしょ、それ」

劉鳳「ああ。...二人共、礼を言おう。ありがとう」

水・シェ「「......///」」カアァァ

25: 2013/02/22(金) 17:47:49.69 ID:MjhAgpWO0
***********************

君島「カズマにプレゼント?」

かなみ「プレゼントというか...カズくんのグローブがもうボロボロだったから」

水守「私とシェリスさんは、劉鳳に手編みのマフラーと手袋を...」

シェリス「それが桐生さん、ヘッタクソでさあ。笑っちゃうくらいだったのよ」

水守「返す言葉もないわ...」ズーン

シェリス「お、落ち込まないで!そんなつもりで言ったわけじゃないから!」


26: 2013/02/22(金) 17:48:49.18 ID:MjhAgpWO0
クーガー「じゃあ、あの大量のティッシュは?」

かなみ「その...最近花粉症がひどくて...」モジモジ

シェリス「好きな人の前で鼻水流しっぱなしとか嫌でしょ?」

クーガー「俺はそこまで気にしないかな。特にみのr」

水守「水守です」

クーガー「う~ん、心なしかいつもよりも手厳しい」

君島(そりゃ、あんなこと言っちまったからなぁ...)

27: 2013/02/22(金) 17:49:50.29 ID:MjhAgpWO0
君島「なるほどね...花粉症と戦いながら毎晩部屋に籠ってそれを作ってたってわけか」

かなみ「はい」

シェリス「それにしてもアンタ達、どんな勘違いしてんのよ」

君島「あんな紛らわしい会話してたら間違えるって」

かなみ「あの...勘違いって?」

水守「なんでもないことよ。かなみちゃんが知るにはまだ早いから」

*************************

28: 2013/02/22(金) 17:53:01.90 ID:MjhAgpWO0
クーガー「青春っていいねえ...」

君島「クーガーさんはまだマシでしょ、一応手袋貰えたんだし。
俺なんて...何も...」ガックシ

クーガー「頼みこめば貰えるんじゃないか?特にかなみちゃん辺りなら」

君島「...そこまではしたくないですって」

クーガー(ま、お前さんがああいうのを貰いたい相手はもう知ってるからな。頑張れよ)

君島(あやせさん...いつになったら振り向いてくれるのかなぁ?)


29: 2013/02/22(金) 17:54:38.62 ID:MjhAgpWO0
―――――――――
翌朝

ガチャッ

カズマ「起きてるかぁ、かなみ」

かなみ「う...ん...おはようカズくん...」ムニャムニャ

カズマ「珍しいじゃねーか、お前がこんなに遅いなんて。夜更かしでもしたのか?」

かなみ「たまには遅い時もあるよぉ...ご飯作るね」

カズマ「無理すんな。眠いなら寝てろよ」

かなみ「じゃあ、もう少しだけ...」クゥ

カズマ(そういや、俺の前のグローブどこにやったかな...あれ?)


カズマ(なんで俺のグローブがかなみの枕元にあるんだ?...まぁ、どうでもいいか)

かなみ「カズ...くん...んっ...」ビクンッ


終わり

31: 2013/02/22(金) 17:59:26.97 ID:MjhAgpWO0
今回はここで終わりです。
たまには季節ネタ以外をやってみようかな、と思ってやってみました。
いつかはクロスものかシリアスものをやってみたいかな、なんて思ったり。
花粉症はマジでキツイので、対策はしっかりと!















37: 2013/02/28(木) 23:19:08.12 ID:PobffGXIo

引用元: カズマ「最近かなみがなんかしてるんだけどよ、何か知らねえか?」