1: ◆Tina2b6i.2 2013/07/22(月) 00:32:33.22 ID:57EUkW9x0
-公園-

花子(暑いし…)

花子(ちょっとジュース買って、ベンチで休憩してくし)

花子(……)

花子(相変わらずこの自販機…ボタンの位置が高いし)

花子(なっさんは…あった)

花子「んしょ…」

花子(やっぱり届かないし…)

2: 2013/07/22(月) 00:37:24.19 ID:57EUkW9x0
花子(やっぱり届かないし…)

花子(前みたいに…ジャンプして…)

花子(……)

花子(大丈夫、今度はうまくできるしっ!)

花子「とぉっ!」ピョン

ピッ

ガコン

花子「あっ…」

花子(……)

花子(またこの変なジュース押しちゃったし…)

花子「はぁ…」

花子(仕方ないからこれで我慢するし…)

5: 2013/07/22(月) 00:41:20.99 ID:57EUkW9x0

-ベンチ-

千鶴「……」ペラッ

花子(…誰か本読んでるし)

花子(……よし…)

花子「すいません」

千鶴「…ん?」

花子「隣、座ってもいいですか?」

千鶴「いいよ」

花子「失礼します」ストン

千鶴「……」ペラッ

6: 2013/07/22(月) 00:46:27.49 ID:57EUkW9x0
花子「……」

千鶴「……」

花子(何か話した方がいいかな)

花子(でも迷惑されたら困るし…)

花子(うーん…)

千鶴「……」ペラッ

花子(と、とりあえずジュース飲んでから考えるし)プシュ

花子(う…なんか変な匂いだし…)

8: 2013/07/22(月) 00:51:41.67 ID:57EUkW9x0
花子(……)ゴクッ

花子「!? けほっ!」

花子(なな何これ!? こんなの飲める訳ないし!)

千鶴「…大丈夫?」

花子「だ、大丈夫…だし…」

千鶴(涙目…そんなにマズかったのかな)

花子(どうしよう…捨てるのはもったいないし…)

12: 2013/07/22(月) 00:56:32.99 ID:57EUkW9x0
千鶴(そうだ)

千鶴「良かったら…これ飲む?」

花子(なっさんだし!)

花子「で、でもそんなの悪いですし…」

千鶴「だったら…そのジュースと交換、でどうかな?」

花子「…これすごく不味いし…」

千鶴「いいよ、別に」

花子「…じゃあ、お願いします」

千鶴「うん」

15: 2013/07/22(月) 01:00:31.87 ID:57EUkW9x0
千鶴「…はい」

花子「あ、ありがとうございます」

花子(優しいお姉さんで良かったし)ゴクッ

花子「…おいしい」

千鶴(交換したものの…変な匂い…)

千鶴(かといって飲まない訳にも…)

千鶴(……)ゴクッ

千鶴(…マズイ)

千鶴(なんというか…マズイ)

18: 2013/07/22(月) 01:05:45.00 ID:57EUkW9x0
千鶴(まぁ、絶対に飲めないって程でもないからいいか)

花子(すごい…お姉さん顔色一つ変わってないし)

千鶴(…本の続きでも読もう)

花子(…ネコの本…)

千鶴「……」ペラッ

花子(…そうだ、ネコの話題なら迷惑されないかもだし)

花子「あの…」

楓「花子お姉ちゃーん!」

20: 2013/07/22(月) 01:11:07.24 ID:57EUkW9x0
花子「あっ、楓」

楓「ちづるお姉ちゃんもいる!」

千鶴「久しぶり」

楓「ひさしぶりなの!」

楓「……」

千鶴「どうしたの?」

楓「ううん、なんでもないの」

花子「お姉さん、楓と会ったことあるの?」

千鶴「少し前にここで会ったんだ」

花子「そうなんだ」

21: 2013/07/22(月) 01:15:36.71 ID:57EUkW9x0
楓「ちづるお姉ちゃん…」

千鶴「何?」

楓「えがおが無くなってる…」

千鶴「無くなってる…?」

楓「この前のときはすごくえがおだったのに…」

千鶴「そうだったかな…」

千鶴(……)

『今日なー、知らん女の子に心配されてもーてん…』

千鶴(あ…)

22: 2013/07/22(月) 01:20:37.16 ID:57EUkW9x0
千鶴「…多分それは私の姉さんかも」

楓「ちづるお姉ちゃんのお姉ちゃん?」

千鶴「そう」

楓「そうなんだぁ! あのね、ちづるお姉ちゃんにすっごく似てたの!」

千鶴「たまに間違えられる」

楓「そっかぁ、お姉ちゃんだったの…」

楓「楓もね、お姉ちゃんがいるの!」

花子「花子もいるし」

千鶴「みんなお姉さんいるんだ」

23: 2013/07/22(月) 01:24:40.88 ID:57EUkW9x0
楓「ちづるお姉ちゃんのお姉ちゃんはすっごくえがおだったの!」

千鶴「うん、いつも穏やかで優しいんだ」

花子「花子のお姉ちゃんは二人いるけど、高校生のお姉ちゃんは頭も良くて優しいし」

花子「…でも中学生のお姉ちゃんの方は色々と残念だし」

楓「えー、そんなことないよ! 元気で優しいと思うの!」

花子「そ、それは…まぁ…少しは優しいとこもある…かも」

楓「ねっ」

24: 2013/07/22(月) 01:28:49.39 ID:57EUkW9x0
楓「楓のお姉ちゃんは、とってもおりょうりがじょうずなの!」

千鶴「優しい?」

楓「うんっ! えへへ」

楓「あっ、ネコさんの本! このまえといっしょ?」

千鶴「この前とは違う本」

花子「お姉さん、ネコ好きなの?」

千鶴「うん、好き」

花子「花子も好きだし」

楓「楓も!」

25: 2013/07/22(月) 01:32:58.05 ID:57EUkW9x0
千鶴「…ネコ、かわいいもんね」

楓「あ、今ちづるお姉ちゃんえがおになったの!」

千鶴「えっ、な…なってたかな…?」

楓「なってた! ね、花子お姉ちゃん!」

花子「なってたし」

楓「ほらっ!」

千鶴「う…」

楓「とってもすてきだったの!」

花子「素敵だったし」

千鶴「そ、そんな事…ないって…」

27: 2013/07/22(月) 01:38:19.42 ID:57EUkW9x0
花子「…照れてるし」

楓「てれてるの!」

千鶴「て…照れてないって…」

花子「……」

楓「……」

千鶴「……」

千鶴「……くっ…」

楓「また笑ったの!」

千鶴「いや、なんか…おかしくて…くくっ」

花子「…っ」

楓「あっ、花子お姉ちゃんも笑ってるの!」

花子「わ、笑って…ないしっ…くすっ…」

千鶴「…ふふっ」

楓「あははっ! みんなえがおだぁ!」

28: 2013/07/22(月) 01:42:50.82 ID:57EUkW9x0


楓「じゃあ、楓はそろそろ帰るねっ」

花子「楓、気を付けて帰るし」

楓「ばいばい、花子お姉ちゃん」

千鶴「またね」

楓「……」

千鶴「…どうかした?」

楓「な、なんでもないの」

29: 2013/07/22(月) 01:45:04.41 ID:57EUkW9x0
楓(ちづるお姉ちゃん…楓のなまえ、一回もよんでくれなかったの…)

千鶴(……)

千鶴「…良かったらまた声かけてね、楓ちゃん」

楓(…!)

楓「うんっ! ばいばい、ちづるお姉ちゃん!」

31: 2013/07/22(月) 01:49:44.52 ID:57EUkW9x0


花子「…最初、お姉さんの事…本当は少し怖そうって思ってたし」

千鶴「…よく言われる」

花子「でもっ、全然そんな事なくて…」

花子「優くて、意外な一面もあって…すごく良いお姉さんだと思うし!」

千鶴「……」

千鶴「…ありがとう、そう言ってもらえて嬉しいな」

花子「花子も色々ありがとうだし」

花子(それに…どこか、なんとなくだけど…)

花子(…撫子お姉ちゃんに似てるし)

32: 2013/07/22(月) 01:54:51.12 ID:57EUkW9x0
花子「じゃあ、花子もそろそろ帰るし」

千鶴「そっか」

花子「ばいばいだし、千鶴お姉ちゃ…」

花子「あっ…じゃなくて…」

花子(間違えたし…)

花子「千鶴…お姉さん」

千鶴「………ふっ…」

花子「わ、笑うなし!」

千鶴「…ごめん」

花子「むー…」

千鶴「いや、少し嬉しかったんだ…お姉ちゃんって呼ばれて」

千鶴「私に妹がいたら…こんな気持ちなんだろうなって、思ったんだ」

花子「……」

33: 2013/07/22(月) 01:59:52.20 ID:57EUkW9x0
千鶴「…なんかごめんね、急に」

花子「…別にいいし」

花子「じゃあ花子は帰るし」

千鶴「わかった」

花子「ばいばいだし」

花子「…えっと…」

花子「千鶴お姉ちゃん!」

千鶴「…うん、またね」

千鶴「花子ちゃん」


終わり

34: 2013/07/22(月) 02:00:45.98 ID:57EUkW9x0
ありがとでした

35: 2013/07/22(月) 02:03:44.28 ID:Nkmi1wWd0


ほのぼのしたいい話だったよ

36: 2013/07/22(月) 02:08:31.12 ID:R0lteZ1g0
追いついたら終わった

39: 2013/07/22(月) 02:59:11.27 ID:8OVQMuSG0

引用元: 花子「千鶴お姉ちゃん」