朋花「それだけ可愛らしい輿水さんなら、学校でも大変な人気なんでしょうねぇ」

幸子「えっ」

朋花「私、以前はあまりの自身の可愛さゆえに、学校中の男子から告白をされて、困ってしまったことがあるんです～」

幸子「えっ」

朋花「事務所の先輩である星井さんは、今でも月に100人ほどから告白をされているらしいですし」

幸子「えっ」

朋花「可愛らしさというのは、時には罪なことなのかもしれませんね」

幸子「そ、そうですね！　ボクもそう思います！」

朋花「輿水さんは、今は月にどのくらい告白をされるんですか？」

幸子「あっ」

朋花「輿水さんは中性的な顔立ちをされていますから、学校の女子生徒からも人気がありそうですよね～」

幸子「なっ」

朋花「アイドルの先輩として、実情を教えて頂ければ幸いです」

幸子「うっ」

幸子「今では」

朋花「今では？」

幸子「今では、段ボール一杯のラブレターが毎月溜まっていっちゃって、困っちゃうくらいですよ！」

朋花「ラブレターですか、古風でステキですね。直接お会いしての告白は多くないんですか？」

幸子「ボクは高嶺の花ですからね！　ボクと話せないけれどボクのことが好きだという人がたくさんいるんですよ！」

朋花「そうなんですか、分かりました～」ﾆｺﾆｺ

朋花「輿水さんはこれまで、どんなお仕事をされてきたんですか？」

幸子「フェスやツアーで歌ったり、グラビア撮影をしたり、色々ですよ！」

朋花「色々ですか」ﾆｺｯ

幸子「色々です！」

朋花「小耳に挟んだのですが、なんでも上空からパラシュートで飛び降りるお仕事をされたこともあるとか」

幸子「あっ」

朋花「大変なお仕事ですよねぇ。まるでお笑い芸人さんみたいですぅ」

幸子「あっ」

朋花「どうしてそんなお仕事をされたんですか？」

幸子「それは」

朋花「それは？」

幸子「ボクが天使のようにかわいいからですよ！」

朋花「…………」

幸子「…………」

朋花「天使ですか」ﾆｺｯ

幸子「天使です！」

朋花「今回の共演するにあたって事前に輿水さんのプロフィールを拝見させて頂きました～」

幸子「殊勝な心がけですね！　そういう真面目な態度はアイドルとして重要なものですよ！」

朋花「ありがとうございますぅ」

朋花「ところで、輿水さんのプロフィールを読んでいて気になったのですが」

幸子「なんでしょうか？　分からないことがあれば先輩であるボクがなんでも教えてあげますよ？」

朋花「ありがとうございますぅ」

朋花「それではお言葉に甘えさせて頂きます～」

朋花「輿水さんのプロフィールの趣味欄に“ノートの清書”と書かれていたじゃないですか～」

幸子「あっ」

朋花「あれって輿水さん流のジョークですか？　それとも、本当に趣味がそれしかないんですかぁ？」

幸子「あっ」

朋花「あの趣味の真意を教えて頂きたいんですぅ」

幸子「あの趣味は」

朋花「あの趣味は？」

幸子「ボクの真面目さのアピールですよ！　真面目な態度はアイドルとして重要だ、と先ほど伝えましたよね！」

朋花「…………」

幸子「…………」

朋花「アピールだったんですね」ﾆｺｯ

幸子「アピールだったんです！」

幸子「とところで、天空橋さんの趣味はなんなんですか？」

朋花「私の趣味ですか？」

幸子「そうです。先程の口ぶりから察するに、随分と楽しい趣味をお持ちなんでしょう？」

朋花「はい～、とっても楽しいんですよ～」

幸子「どんな趣味なんですか？」

朋花「ファンに喜んでもらうこと、です～」

幸子「…………」

朋花「…………」ﾆｺﾆｺ

幸子「……え？」

朋花「聞こえなかったんですかぁ？」

朋花「私の趣味は、ファンに喜んでもらうこと、なんです～」

幸子「えっ、えっ」

朋花「私、争い事が嫌いなんです」

幸子「ん、え？」

朋花「けれど、私の周りにはいつも私をめぐって争う迷える子羊ばかり」

朋花「それはとても寂しいことでした」

朋花「だから私は決めたんです」

朋花「みんなに喜んでもらえるためにできることを一生懸命しよう、って」

朋花「みんなも、私も、いっしょに幸せになれたらいいなぁって、思ったんですよ」

幸子「……」

朋花「そう思って行動をしたら、その途端に迷える子羊たちが可愛らしい仔豚ちゃんに見えるようになって」

幸子「えっ」

朋花「私は今、とっても幸せなんです～」

幸子「えっ、えっ？」

朋花「仔豚ちゃん、って呼んだらみんなもとっても喜んでくれるんですよ～？」

幸子「あぁ……」

幸子「えっと、つまり、あなたの趣味はファンを仔豚と呼ぶことなんですか……？」

朋花「もちろんそれだけじゃありませんよ？」

幸子「では、なにか特別にやっていることでも、あるんですか？」

朋花「はい。例えば、優しいものですと、」ｽｯ

幸子「ひっ！？」ｿﾞｸｯ

朋花「ココをこうしてあげたり～」ｽｯｽｯ

幸子「あっあっ」ﾋﾞｸｯ

朋花「ココをちょっと強めにこうしてあげたり～」ｽﾞｯｽﾞｯｽﾞｯ

幸子「あっあっあっ」ﾋﾞｸｯﾋﾞｸｯ

朋花「たまにはココにこんなことをしてあげたり？」ｸﾞﾙ※ｳｩｩｩｯﾎﾟﾝ△

幸子「ああっーーーーーーーー～～～～↑↑」ﾋﾞｷｭｩｩｩｩｯﾝ

朋花「私の趣味はこういったものですね～」ﾆｺﾆｺ

幸子「なるほど」ｾﾞｰﾊｰｾﾞｰﾊｰ

幸子「どうやらあなたは、中々に面白いアイドルのようですね」ｾﾞｰﾊｰｾﾞｰﾊｰ

朋花「そう言って頂けて光栄です」ﾆｺﾆｺ

幸子「とは言ってもモチロン、このボクの可愛さにはまだまだ及びませんがね！」ｾﾞｰﾊｰｾﾞｰﾊｰ

朋花「うふふ、そうですね～」ﾆｺﾆｺ

幸子「ではそろそろ僕は出番なのでお先に失礼しますね！」

朋花「はい。それでは後ほど、どうぞ宜しくお願い致しますぅ」

幸子「分からないことがあればなんでも頼ってもらってもいいんですよ！　ボクはカワイイですからね！」

朋花「ありがとうございます～」

幸子「それではまた後で！」

朋花「……」

朋花「輿水幸子さん、ですか」

朋花「前評判のとおり、本当に可愛らしい方でしたね～」

朋花「765プロダクションだけでもあれだけ可愛い方たちが大勢いるのに、他にもあんなに可愛らしい方がいるなんて」

朋花「アイドル業界、ずいぶんと楽しませてくれそうです～」



おしまい

お読みいただきありがとうございました。
グリマスキャラの話も増えていけばいいなぁ。

乙でした


藍子「……」

朋花「……」

藍子（天空橋朋花さん・・・・なぜか他人のようには思えないですね）

朋花「高森藍子さん、うわさ以上に私ににそっくりですね～」


みたいな話もｷﾎﾞﾝ