74: 2018/08/18(土) 20:29:58.72 ID:IpOF9WVEo
武内P「知的な所に憧れる、と」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)
75: 2018/08/18(土) 20:34:34.70 ID:IpOF9WVEo
ありす「はい。文香さんが本を読んでいる姿」

ありす「あれこそ正に、素敵な女性のイメージです」

武内P「なるほど。橘さんは、そう思う……と」

ありす「プロデューサーさんも、素敵だと思いませんか?」

武内P「……はい」


武内P「素敵だと、そう、思います」


アイドル達「!」

76: 2018/08/18(土) 20:40:33.98 ID:IpOF9WVEo
凛「――ねえ、プロデューサー」

武内P「? どうかしましたか、渋谷さん」


凛「卯月って、アスパラガスみたいだよね」


武内P「えっ? あ、あの……どういう意味でしょうか?」

凛「あっ、何か勘違いしてるでしょ」

武内P「勘違い、ですか」

凛「うん」


凛「アスパラガスの花言葉は――平凡」

凛「だけど――私は打ち勝つ」

凛「……なんて、そんな花言葉もあるんだ」


武内P「そう……なのですね」


アイドル達「へええ!」

77: 2018/08/18(土) 20:45:55.57 ID:IpOF9WVEo
凛「どう? ピッタリだと思うんだけど」

武内P「そう……かも知れませんね」

凛「それでね、もう一つの花言葉があって、さ」

武内P「はい」


凛「――耐える恋」


凛「卯月って、何となくそんな恋愛しそうじゃない?」

凛「普通の自分に悩んで、でも、耐えて、耐えて……」

凛「それで、最後には勝つ」

凛「ね?」


武内P「少し……わかる気がします」


アイドル達「うんうん!」

78: 2018/08/18(土) 20:54:10.39 ID:IpOF9WVEo
凛「こんな風に、野菜にも花言葉ってあるんだよ」

凛「知ってた?」

武内P「いえ、知りませんでした」

凛「だと思った。勿論、果物にもね」

凛「ねえ、何か好きな野菜か果物、言ってみてよ」

武内P「でしたら――レモン、でしょうか」

凛「レモンの花言葉は――」


凛「――熱意、誠実な愛」


凛「……」

凛「……何なの!?///」


武内P「えっ!?」

79: 2018/08/18(土) 21:00:40.88 ID:IpOF9WVEo
奏「――見てられないわね」

凛「……///」

武内P「? どうかしましたか、速水さん」


奏「ねえ、人はどうしてキスをするか、知ってる?」


武内P「えっ? それは……深く、考えたことはありませんでした」

奏「ふふっ、大体の人は、そうなんじゃないかな」

武内P「そう、だと思います」

奏「キスはね、ロマンチックなだけじゃないの」


奏「人は、キスをする事でバクテリアを交換しているの」

奏「相手が、自分にとって有害なバクテリアを持っていないか」

奏「それと、必要なDNAを持っているかを判定しているのよ」


武内P「そう……なのですね」


アイドル達「へええ!」

80: 2018/08/18(土) 21:05:28.85 ID:IpOF9WVEo
奏「ねっ? キスをするのは、本能なの」

武内P「そう……なのですね」

奏「子孫を残すための、前準備」

武内P「……」


奏「――人間も、やっぱり動物なのよ」


奏「キスで、相手を確かめるの」

奏「自分と相手の、生物的な相性を」

奏「だから、特別なようで、とても自然な行為なのよ」

奏「そう思わない?」


武内P「そういう意味でしたら……はい」


アイドル達「うんうん!」

81: 2018/08/18(土) 21:11:56.60 ID:IpOF9WVEo
奏「愛を囁いて、本能に従ってキスをする」

奏「唇って、本当に働き者よね」

武内P「……ええ、そうですね」

奏「ふふっ、勉強になったかな?」

武内P「ええ、ありがとうございます」

奏「それじゃあ……ご褒美を貰おうかな」


奏「この流れなら……わかるでしょう?」


武内P「えっ?」


奏「……」

奏「……じょ、冗談よ!///」


武内P「はあ……?」

82: 2018/08/18(土) 21:23:47.26 ID:IpOF9WVEo
美波「――もう、しょうがないわね」

凛・奏「……///」

武内P「? どうかしましたか、新田さん」

美波「二人の話をまとめちゃいますね」

武内P「は、はあ」


美波「19世紀のフランス、アスパラガスは――」

美波「――新婚初夜に、花婿が食べる習慣があったんです」

美波「その理由は……あっ、美波、イキます♡」


武内P「っ!?」


凛「ちょっと! 変なまとめ方しないでくれる!?」

奏「本能を重視過ぎよ、美波! やめて!」


アイドル達「……へ、へええ///」

83: 2018/08/18(土) 21:31:42.97 ID:IpOF9WVEo
美波「他にも、2世紀に書かれたインドのえOちな本」

美波「『カーマ・スートラ』にも、アスパラガスの事が載ってるんです」

武内P「そ、そうですか」

美波「はい。だから、アスパラガスは昔から――」


美波「――男の人を元気にさせるって言われてたんですよ♪」

美波「んっ、ちょっとイキます♡」

美波「……それが言いたかったのよね?」

美波「凛ちゃん、奏さん♪」


凛・奏「全然!?」


武内P「……」


凛「違うから! そうじゃないから!」

奏「わかるでしょう!? 違うわよ!?」


アイドル達「……///」

84: 2018/08/18(土) 21:40:13.09 ID:IpOF9WVEo
アーニャ「――プロデューサー」

武内P「? どうかしましたか、アナスタシアさん」


美波「ええっ!? アスパラガスとキスの話をまとめたら……」

凛「だから、どうしてまとめたの!? おかしいでしょ!」

奏「おかげで、私まで変に思われちゃったじゃないの!」


アーニャ「私は、日本語と、ロシア語と、英語が、話せますね?」

武内P「ええ、そう……ですね」

アーニャ「褒めてくれますか? アーニャは、アー、お利口さん?」

武内P「? はい、そう、思います」

アーニャ「お利口さん、ですね?」


武内P「はい。アナスタシアさんは……その、お利口さん、です」


アーニャ「ウラ――ッ!」グッ!


アイドル達「……」

85: 2018/08/18(土) 21:46:42.74 ID:IpOF9WVEo
アーニャ「お利口さんは、頭がいい、ですね?」

武内P「え、ええ、そうですね」

アーニャ「頭がいいは、ンー、知的、ですね?」

武内P「そう、なりますね」

アーニャ「アーニャは……素敵……?」

武内P「? はい」


武内P「アナスタシアさんは、素敵な方だと、そう、思います」


アーニャ「ウラー! ハラショー、素敵、ですか!」

武内P「はい」

アーニャ「う~っ、ウラー♪ 嬉しい、です♪」ニコニコッ!


アイドル達「……」


凛・奏・美波「……」

86: 2018/08/18(土) 21:53:30.43 ID:IpOF9WVEo
凛「ねえ、ちょっと! 私も花言葉を披露したんだけど!?」

奏「私も、キスに関しての知識を教えてあげた筈なんだけどな?」

美波「私なんか、その二つをさせましたよ!?」

凛・奏「それは良いから!」

アーニャ「シトー? リンは、褒めて欲しいのですか?」

凛「べ……別に!? そういうんじゃない、そう……ふーん!」

アーニャ「キトー? カナデは、どうなのですか?」

奏「アーニャ? ねえ、今何て? ねえ、ちょっと?」


武内P「あ、あの……落ち着いてください!」


アイドル達「……」

89: 2018/08/18(土) 22:02:49.96 ID:IpOF9WVEo
アーニャ「イズヴィニーチェ、間違え、ました」ジッ

奏「ねえ、どうして私の髪を見てるの? アーニャ?」

美波「大丈夫よ、奏さん! 自信をもって!」

奏「何に!? これ、怒っていい場面よね!?」

凛「やめてよ、奏。怒ったりなんかしたら……ぷ、ふふっ!」

奏「……」


奏「ねえ……そんなに変、かな……?」


武内P「えっ? いえ――」

武内P「――素敵だと、思いますが」


奏「……」

奏「……!」ドヤァァ!


凛・美波「……」


アイドル達「……」

90: 2018/08/18(土) 22:08:42.76 ID:IpOF9WVEo
凛「……あのさ」

武内P「はい?」

凛「……私は?」

武内P「えっ?」

美波「プロデューサーさん!」

美波「私は、素敵だと思いますか!?」

武内P「ん……んん、はい、そう……ですね」


武内P「新田さんは、素敵だと思います」


美波「こんなの初めてっ!♡」ビクンビクーンッ!


凛「……!」


アイドル達「……」

91: 2018/08/18(土) 22:14:02.95 ID:IpOF9WVEo
凛「もう、なんなn」

ありす「――もうっ! プロデューサーさん、困ってるじゃないですか!」

凛「ちょっ、台詞が被っ」

ありす「褒められたいからって、良くないと思います!」

凛「ねえ、あり「橘です!」

ありす「見てください、文香さんの様子を!」


文香「……」

ペラッ…ペラッ…


ありす「この騒ぎでも、知的に本を読み続ける!」

ありす「とってもクールで、素敵です!」


アイドル達「……確かに」

92: 2018/08/18(土) 22:19:37.69 ID:IpOF9WVEo
ありす「知的なのと、知識があるのは違います」

ありす「大切なのは、振る舞いです」

ありす「――ですよね、文香さん!」

文香「……えっ?」

ありす「文香さんは、変にアピールをしません!」

ありす「それは、大人の女性らしい、慎ましさがあるからです!」

文香「……えっ? その……」


文香「話に……入っていったら」

文香「その……損をするだけだと、思って……」


ありす「……」

ありす「ほら、知的!」


一同「……」

93: 2018/08/18(土) 22:28:34.20 ID:IpOF9WVEo
ありす「褒められたいなら、我先にじゃなく――」

ありす「――ちゃんと、順番を決めるべきだと思います」


武内P「えっ?」


ありす「私達は、理性のある人間です」

ありす「本能のままに行動するのではなく」

ありす「理性でそれを抑える事が、知的さに繋がるんじゃないでしょうか」

ありす「少なくとも、私はそう思います」


武内P「じゅ、順番と言いましても……」


ありす「年齢順でも、何でも良いと――」



楓「――温泉」



一同「!?」

94: 2018/08/18(土) 22:33:10.24 ID:IpOF9WVEo
武内P「たっ、高垣さん!?」

楓「温泉の『♨』マークの意味は、ご存知ですか?」

武内P「えっ? 湯気と……浴槽、ですよね?」

楓「はい。そして――」


楓「湯気を表す、三本の線はそれぞれ――」

楓「夕飯前、夕飯後、翌日の朝と……三回入る事を示してるんです」

楓「だから、温泉に行ったら、三回は入るものなんですよ♪」


武内P「……はあ」


楓「……」

楓「……?……?」オロオロオロオロ!


アイドル達「褒めて! 早く、褒めて!」


武内P「えっ!?」

95: 2018/08/18(土) 22:40:24.79 ID:IpOF9WVEo
武内P「よ……よく、ご存知ですね」

楓「……」

楓「……?……?」オロオロオロオロ!


アイドル達「もっと! もっと、褒めて!」


武内P「今ので、ですか!?」

武内P「待ってください! それは、あまりに厳しすぎます!」

楓「お……温泉饅頭」


楓「――温泉地で売っていれば……」

楓「温泉で蒸していなくても、温泉饅頭と呼ぶんですよ♪」


アイドル達「……」

アイドル達「…………へえ」


武内P「皆さんも反応に困っているではありませんか!?」

96: 2018/08/18(土) 22:49:06.20 ID:IpOF9WVEo
  ・  ・  ・

ちひろ「――成る程、それで」

武内P「……はい」

ちひろ「皆の、知的な所を見つけて、素敵って褒めるなんて事に……」

武内P「……ええ」

ちひろ「スタドリ、いります?」

武内P「……ありがとう、ございます」

ちひろ「ちなみに、次の予定の子は、誰なんですか?」

武内P「それは――」


ガチャッ!

茜「おはようございます!! ボンバ――ッ!!」


武内P「……おはようございます」

ちひろ「お、おはよう、茜ちゃん」

97: 2018/08/18(土) 23:00:10.24 ID:IpOF9WVEo
茜「早速ですが、私の知的な所ってどこでしょうか!?」

武内P「そ、そう……ですね」

茜「くーっ! 私にも知的な所があるなんて、楽しみです!!」

武内P「え……ええ」

茜「知りたくて知りたくて、ダッシュで来ました!! ファイヤーッ!!」

武内P「……」


武内P「い……良い、知的好奇心です」


茜「おおっ!! 好奇心が、知的で、良いって事ですか!?」

茜「なるほどー! 私にも、好奇心が知的っていう、素敵があったんですね!!」


武内P「……せっ」

武内P「千川さんは、どう思いますか?」


ちひろ「えっ!? ええと、ええっと……」

ちひろ「知的……うん、その……」


ちひろ「素敵だと思います!」



おわり

100: 2018/08/18(土) 23:30:27.78 ID:gYDcdv6a0
乙でした!

引用元: 武内P「ムラムラ、ですか」