159: 2018/08/20(月) 20:53:50.19 ID:AC0nkxaCo
書きます


まゆP「鍋やろうぜ、鍋」武内P「鍋、ですか」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)
160: 2018/08/20(月) 20:59:02.16 ID:AC0nkxaCo
武内P「この時期に、ですか?」


まゆP「この時期だからこそ、だよ」

まゆP「暑い時に冷たいもんを食う、そんなのァ当たり前だろ」

まゆP「男だったら、暑い時にこそ熱いもんを食うべきだろ」

まゆP「お前知らないの?」

まゆP「クーラーのきいた部屋でバーゲンダッシュを食う快感を」

まゆP「本当の贅沢ってのは、ああいうのを言うんだよ」


武内P「何か、特別な理由あるのでは?」


まゆP「はっ、はあっ!? 何!? お前、俺を疑ってんの!?」

まゆP「あーあー、悲しいねぇ! 悲しくて、鍋がしょっぱくなっちまわぁな!」


武内P「では、失礼します」


まゆP「あっ、ちょっとストップぅ! オイ、待てってコラ!」

まゆP「わーったわーった! 言う! 理由を言うからァァァ!!」

163: 2018/08/20(月) 21:04:36.86 ID:AC0nkxaCo
武内P「……」


まゆP「ったく、そんな目で見るなって」

まゆP「お前アレだよ? 俺じゃなかったら大変な事になってたよ?」

まゆP「お前の凶悪なツラで睨まれたら、赤ちゃんも一瞬でおじいちゃんだよ?」


武内P「……」


まゆP「はいはい、わかったっての!」

まゆP「まゆが、珍しい肉を手に入れてな」


武内P「珍しい肉……ですか?」


まゆP「おう。それも、滅多に手に入らない代物らしくてな」

まゆP「――今度ぉ、一緒に二人で食べましょうねぇ、うっふぅん」

まゆP「な~んて言って、事務所の冷蔵庫で保管してあるんだよ」


武内P「あの……今のは?」


まゆP「まゆ」


武内P「……」

164: 2018/08/20(月) 21:14:45.67 ID:AC0nkxaCo
武内P「あの……まさか」


まゆP「は~っはっはっは! そのまさかよ!」

まゆP「その保管してる肉を先に食っちまおう、ってお誘いだ!」

まゆP「肉が無けりゃ、まゆも俺を鍋に誘う口実が無くなる」

まゆP「一緒に鍋をつついて、色んな所をつつかれる心配もなくなる」

まゆP「どうでぇ! 名案だろ!」


武内P「その……よろしいのですか?」


まゆP「あぁん!? お前は、俺がまゆにグツグツやられても良いってのか!?」

まゆP「っかー! 俺ァ、お前がそんっなに冷たいヤツだとは思わなかった!」

まゆP「皆さーん! ここに、冷酷な男がいまーす!」

まゆP「命乞いをしても、笑顔です、って言いながら引き金を引く男がいまーす!」


武内P「待ってください」

武内P「あの……一人で、食べてしまえば良いのでは?」


まゆP「ば、馬鹿、お前……一人で鍋とか、お前」

まゆP「ま、まあ!? 俺なら一人鍋とか余裕だしィ!?」

まゆP「観覧車だって、コーヒーカップだって一人で乗れちゃうしィィィ!?」


武内P・まゆP「……」


まゆP「……頼むよ」


武内P「……」

166: 2018/08/20(月) 21:24:38.17 ID:AC0nkxaCo
武内P「……」


まゆP「まあ、この暑いのに鍋が嫌ってのも、わかる」

まゆP「だから、鍋の間は、扇風機の風向きは半々にしといてやるから」

まゆP「これで文句ねえだろ? なっ?」


武内P「……」


まゆP「……おいおい、冗談だって」

まゆP「首振りで、ちょっとお前の方が風が当たる時間長くしてやるって」

まゆP「ここまで譲ったんだ、当然オッケーだよな? なっ?」


武内P「……」


まゆP「はっははは! オイオイ、ウソウソ、冗談だって!」

まゆP「扇風機の独占権はお前のもんだ! もってけドロボー!」


武内P「……」


まゆP「オイ、何か言えって」

まゆP「あっ、そっかぁ! 感激しすぎて、言葉も出なくなっちゃったかー!」

まゆP「悪ィな、それじゃあ今後困るだろうから、やっぱり扇風機は俺が使う」


武内P「佐久間さんに……悪いと、思わないのですか?」


まゆP「う~ん……」

ブッ!


武内P「待ってください。放屁で返事をしないでください」

167: 2018/08/20(月) 21:35:11.02 ID:AC0nkxaCo
まゆP「確かに、悪いなと少しは思うぜ?」


武内P「でしたら」


まゆP「でもな、アイツ絶対何か企んでるもの」

まゆP「鍋をきっかけに、何か仕掛けてくる気満々だもの」

まゆP「だってお前アレだよ? 肉を見て、うふうふ笑ってるんだよ?」

まゆP「食べる気満々なんだよ! 色んな意味でェェェェェ!」


武内P「……」


まゆP「このお肉は、二人で食べないと駄目ですよ、とか言ってるんだぞ!?」

まゆP「だからよ、お前と食ったら何となくセーフだろ!?」

まゆP「あっ、ゴッメーン☆ アイツと二人で鍋パしちゃった☆」

まゆP「とか言ったらギリセーフ! サヨナラ2ランスクイズだって!」

まゆP「だから頼む! なっ!? お願いしますゥゥゥゥゥ!!」


武内P「……わかりました」

武内P「佐久間さんに謝る時は、私も同席します」


まゆP「マジでかァァァァァ!!」

まゆP「責任は、俺が4、お前が6で良いか!?」


武内P「お先に、失礼します」


まゆP「あっ、待って! 待ってェェェェェ!」

まゆP「俺が10! 全部俺の責任で良いから!」

まゆP「だからお願い! 俺と一緒に鍋をしてェェェェェ!!」

168: 2018/08/20(月) 21:45:17.40 ID:AC0nkxaCo
  ・  ・  ・
まゆP宅


…グツグツグツグツ…!


まゆP「おっ、お~し! 大分煮えてきたみたいだな!」

まゆP(オイオイ、何だコレ……何なんだよ、コレはよぉ!?)

まゆP(えっ!? 何!? 本当に、何なのコレ!?)

まゆP(今の、ちょっと噛んだけど自然だったよな!?)

まゆP(……ヤベえって……何なんだよ、オイ)


武内P「ええ、良い感じですね」ムッワァァァ!


まゆP「……」

まゆP(どう見ても色っぺェェェェェ!!)

まゆP(ムッワァァァって何だよオイィィィィィ!?)


武内P「? どうか、しましたか?」ムッワァァァ!


まゆP「っ!?///」ドキンッ☆

まゆP「うっ、ううん!/// 何でもない!///」

まゆP(あっ、ヤダ! 顔熱い! ウソウソ、何これ!)

まゆP(……本当に何なのコレェェェェェ!?)


…グツグツグツグツ…!

169: 2018/08/20(月) 21:55:05.54 ID:AC0nkxaCo
…グツグツグツグツ…!


武内P「顔が……赤いようですが?」ムッワァァァ!


まゆP「えっ、赤い!?///」

まゆP「赤いのはホラ、お前、アレだよ!/// アレ!///」

まゆP「シャアだから!/// 俺、シャア専用だから!///」


武内P「は……はあ」ムッワァァァ!


まゆP「シャア専用って事はアレだよ、三倍だよ!?///」

まゆP「普段の三倍、ドキドキっつーか、ムラムラっつーか?///」

まゆP「ええい、やってみるさ!///」


武内P「えっ?」ムッワァァァ!


まゆP「ふんぬっ!」

ガゴンッ!


武内P「っ!? な、何故頭を机の角に!?」ムッワァァァ!


まゆP「あぁ、ちょっとシャア専用には赤みが足りないかと思ってな」

まゆP「お前知ってるか? 赤塗料が足りないから、ピンク塗料を使ったんだぜ」

まゆP「おかげで、テリーマンもシャア専用ザクカラーなんだよ、なっ?」


武内P「は……はあ」ムッワァァァ!


…グツグツグツグツ…!

171: 2018/08/20(月) 22:07:16.26 ID:AC0nkxaCo
…グツグツグツグツ…!


まゆP「……」

まゆP(ヤベエェェェェェ! どうなってんだよオイィィィィィ!)

まゆP(咄嗟に頭に上った血を抜いたから冷静になれたが……!)


武内P「あの……血は、拭かないのですか?」ムッワァァァ!


まゆP「えっ!?///」ドキンッ☆

まゆP「べっ、別にサザビーじゃないんだからね!///」

まゆP「ナイチンゲールなんだから、勘違いしないでよね!///」

まゆP(何を言ってんだ俺はァァァァァ!!?)

まゆP(ツンデレ!? ツンデレなの!? 何に対してツンしてるわけ!?)

まゆP(兎に角……兎に角、何とか誤魔化さねぇとマズい!)


まゆP「こっ、こんなのすぐ乾くっての!///」

まゆP「って事で、悪ぃが扇風機の向き、ちょっとこっちにするぜ」

―カコンッ


まゆP「……」

まゆP(ああ……なんだか、心が落ち着いてきた)

まゆP(アイツが色っぽいなんて有るはずねえだろ、有り得ねえだろ)

まゆP(一番はかな子! 愛してるぜ、かな子ォォォォォ!)


武内P「……///」モジモジッ


まゆP「……」

まゆP(イヤァァァァァ!! 助けてかな子ォォォォォォ!!)


…グツグツグツグツ…!

172: 2018/08/20(月) 22:22:16.67 ID:AC0nkxaCo
まゆP「お……おい、どうした?」

まゆP「何か、お前……顔が赤いぞ?」


武内P「えっ?///」モジモジッ

武内P「いっ、いえ……その……///」モジモジッ


まゆP「おっ、おいおい、俺がシャア専用で、お前がジョニー・ライデン専用か?」

まゆP「アッハハ! 言ってみて思ったが、見た目もちょっとジョニーっぽいな!」

まゆ「アハ、アハハハハハ……!」


武内P「……良い、素敵な笑顔です……///」モジモジッ


まゆP「素敵な笑顔って、お前……はぁっ!?」

まゆP「顔赤いのは、熱でもあるからか!?」

まゆP「ガキじゃあるめえし、まだ大して飲んじゃいねえだろ!?」


武内P「心配……して、くださるのですか?///」モジモジッ

…もっこり!


まゆP「……あ、うん」

まゆP(イヤァァァァァ!!……イヤァァァァァ!!)

まゆP(バズーカ構えちゃってるんですけどォォォォォ!?)

まゆP(コロニー内で、戦闘を始めそうなんですけどォォォォォ!?)


…グツグツグツグツ…!

174: 2018/08/20(月) 22:32:36.01 ID:AC0nkxaCo
…グツグツグツグツ…!


まゆP「ちょっ、ちょっと待ってろ!」

まゆP「とっとと、トイレ! トイレ行ってくっから!」


武内P「え、ええ……どうぞ///」


まゆP「行ってくらぁ!」

…ガチャッ!

…ガチャッ! バタンッ!

まゆP「っ……!っ……!」


『――はい、もしもし』

『こんな時間に電話なんて……うふ』

『まゆの声が、聞きたくなっちゃったんですか?』


まゆP「まゆううううう!!」

まゆP「お前、一緒に食おうって言ってた肉に、何か仕込んでたのか!?」


『仕込むだなんて……何もしてませんよ?』


まゆP「だったら、何なんだよアレはよぉ!?」


『……うふ』

『――ラッコのお肉ですよ♪』


まゆP「ラッコの肉……?」

175: 2018/08/20(月) 22:44:47.21 ID:AC0nkxaCo
まゆP「ラッコの肉ってのは……食うとどうなるんだ?」


『ラッコのお肉は、ですね』

『一緒に、お鍋を囲うだけ……匂いだけで良いんです』

『二人で、ラッコのお肉を煮込んだ匂いを嗅ぐと……』


まゆP「かっ……嗅ぐと……!?」


『……うふ♪』

『今よりも、もっと、もーっと、強い絆で結ばれるようになるんです』

『プロデューサーさん……まゆ、頑張りますね? うふふふ♪』


まゆP「……悪いな、まゆ」

まゆP「俺ぁ、もう……お前の成長する姿を見てられなくなっちまう」


『……えっ?』


まゆP「電話越しだけど、聞こえるか?」

まゆP「この――」


コンコン、コンコン、コンコン、コンコンッ


まゆP「――でけえラッコが、貝殻を叩いてる音が」

まゆP「アイツのパワーで本気で来られたら、抵抗なんて出来やしねえだろう」

まゆP「ホタテみたいに、パクッといかれちまわぁな」


『……!?』

176: 2018/08/20(月) 22:59:24.83 ID:AC0nkxaCo
『あの……まさか!?』

『シンデレラプロジェクトの、プロデューサーさんですかぁ!?』


まゆP「今のアイツは、一匹の獣だ」

まゆP「公国かと思いきや、帝国だった」

まゆP「モビルスーツじゃなくて、ゾイドだった」

まゆP「デスザウラーの荷電粒子砲で、サヨナラだ、まゆ」


『何を言ってるんですか!?』


コンコン、コンコン、コンコン、コンコンッ


まゆP「おっしっせっまーる! とーきをこーえてー!」

まゆP「ふんふんふんふんふふーん!」


ドンドン、ドンドン、ドンドン、ドンドンッ


『……大丈夫です、プロデューサーさん』


まゆP「……何が?」


『どんなに汚れても――』

『まゆは、プロデューサーさんを見捨てたりしませんよ♪』


まゆP「……」

まゆP「見捨ててるじゃねえかァァァァァ!?」

まゆP「おい! 何とか……切りやがった!?」


ドンドンドンドンッ!


まゆP「……!?」

177: 2018/08/20(月) 23:20:19.66 ID:AC0nkxaCo
まゆP「ど、どうした……!?」


「――いえ、私も、トイレに行きたいと……そう、思いまして」


まゆP「だ、だからってお前、アレだよ!」

まゆP「あーっ、出てる出てる! 今、モリモリ出てる!」

まゆP「出口から出てるわー! これ、入り口じゃねーわー!」

まゆP「そっ、外にトイレあるから、そっち使えって! なっ!?」

まゆP「すぐ近くの公園! でっかい滑り台がある所ー!」


「いえ、もう……限界が、近いので」


まゆP「馬鹿野郎! 自分で、自分の限界を決めるんじゃねえ!」

まゆP「眼の前に壁があるからって、諦めたりするな!」

まゆP「お母さんね、やれば出来る子だって信じてるから!」


「はい」

ドンドンッ!


まゆP「ドアを叩くなってェェェェェ!! マジでやめろってェェェェェ!!」

まゆP「お前がいくら頑張ったって、やっても出来ないからね!!」

まゆP「あっ、かな子! かな子くれるなら……やっぱり嫌ァァァァァ!」

178: 2018/08/20(月) 23:28:02.38 ID:AC0nkxaCo
…カチャリ


まゆP「……」

まゆP「えっ?」


…ガチャッ


武内P「……もう、済んでいるようですね」


まゆP「お、お前……どうやって鍵を!?」


武内P「笑顔です」

武内P「10円玉で……笑顔で、開けました」


まゆP「笑顔関係なくない!? 全然関係ないよねそれ!?」

まゆP「ちょっ、ちょっと待て! 来るな! 来ないで!」

まゆP「お願いだから! 10円と言わず、300円あげるからァァァ!!」


武内P「……」


まゆP「……い……い……!」


まゆP「イヤアアアァァァァァ!!」

179: 2018/08/20(月) 23:35:55.83 ID:AC0nkxaCo
  ・  ・  ・

まゆP「いやー! 昨日は危なかったな、マジで!」


武内P「……ええ」


まゆP「だーから、悪かったって!」

まゆP「って言うか、危なかったのは俺の方だからね!?」

まゆP「危うく、男同士でローカルルールの壁を超える所だったからね!?」


武内P「トイレは……換気扇があって、助かりました」


まゆP「ああ、換気扇が無かったらやばかったな」

まゆP「あれのおかげで、ログイン棒ナスを受け取らずに済んだ」


武内P「……もう、忘れたいです」

まゆP「……俺だって忘れてえよ」

180: 2018/08/20(月) 23:48:16.71 ID:AC0nkxaCo
まゆP「でもま、悪いことばっかりじゃなかったな」

まゆP「今日のまゆは、優しい目をしてた」


武内P「待ってください」

武内P「あの……誤解をといていないのですか!?」


まゆP「ちょっとでもヤバい気配を感じたらな?」

まゆP「こう、尻に手を当てて痛がるフリをすると、空気が和らぐんだよ」

まゆP「しばらくは、これで何とか乗り切れると思う」


武内P「佐久間さんの誤解をといてきます」

まゆP「まあ、待てって」

ガシッ!

武内P「離してください」

まゆP「一緒のトイレにこもった仲じゃねえか! なっ!?」

武内P「あれは、仕方なくです」

まゆP「無理やり入ってきたのは、そっちだろうが!」

まゆP「壊れるかと思ったんだぞ!? あんなに激しく叩いてよぉ!」

武内P「大丈夫だと、そう、判断しました」

まゆP「兎に角、行かさねえぞ!」

武内P「……離してください」

…グイグイッ!


アイドル達「……しゅ……しゅ――」


アイドル達「修羅場……!?」



おわり

181: 2018/08/21(火) 06:09:28.86 ID:j82AfoCXO

何も起こらないだと……!?

引用元: 武内P「ムラムラ、ですか」