321: 2018/08/24(金) 22:09:18.75 ID:M+ZlPx8ro
書きます


武内P「あの」華子「は?」オリヴィア「え?」香純「うぅ……!?」
322: 2018/08/24(金) 22:14:31.64 ID:M+ZlPx8ro
武内P「アイドルに、興味はありませんか?」


華子・オリヴィア「……」

華子「ちょ、ちょっと!? 何、あれ!」

オリヴィア「アイドルオタクが、仲間を求めてるとか?」

華子「いやいやいやいや!」


武内P「……」


華子「どこからどう見ても、それよりヤバイやつじゃん!」

オリヴィア「確かに」ウンウン

華子「ねえ、香純さんはどう思う?」


香純「お、男……ぎぼぢわるい゙……!」カヒューッ! カヒューッ!


華子「かっ、香純さん!? しっかりして!」

オリヴィア「香純! 香純――っ!」 


https://www.youtube.com/watch?v=lyB3eWB5Txk

323: 2018/08/24(金) 22:21:38.81 ID:M+ZlPx8ro
武内P「っ! あの、大丈夫ですか!?」ヌゥゥン!


香純「うっ!? おっ、おぼぼぼぼ……!」カヒューッ!カヒューッ!


華子「頑張って! 頑張って耐えて、香純さん!」

オリヴィア「そうだよ、香純! もう少し頑張って!」


香純「どっ……どうしてもう少しなんですか……!?」カヒューッ!カヒューッ!



華子「よし、オッケーだよ香純さん! 十分離れたから!」

オリヴィア「その大男に、ゲロンとやっちゃって!」


香純「……」カヒューッ!カヒューッ!


華子「? どうしたの? もう、私達は避難したよ?」

オリヴィア「私達の心配はいらないから! ごーごー!」


香純「……!」カヒューッ!カヒューッ!

ダダダダダッ!


華子「えっ!? なんでこっち来るの!?」

オリヴィア「違うって、香純! 敵はあっち! あっちだってば!」

324: 2018/08/24(金) 22:30:13.39 ID:M+ZlPx8ro
それからどしたの


華子・オリヴィア・香純「はぁ……はぁ……!」


華子「な……なんとか逃げ切れたみたいだね」

オリヴィア「……うん、明らかに危ないヤツだったもん」

華子「だけど、私達ってば良い走りを見せたよね!」

オリヴィア「もう、さすがに追ってきてないでしょ!」


香純「……華子さん、オリヴィアさん」


華子「なっ、何ー? どうしたの香純すわぁ~ん?」

オリヴィア「も、もー香純ったら! 目がこわいぞ☆」


香純「そうですか?」

香純「でも、貴女達ほどじゃないと思いますけどね」

香純「まさか、あの状況で鉄砲玉にしようとするとは思いませんでしたよ」


華子「まっ、まあ良いじゃん! 結果オーライだよ、香純さん!」グッ!

オリヴィア「はっ、華子の言う通り! 良かったね、香純!」グッ!


香純「……はあ、もう良いです」

325: 2018/08/24(金) 22:37:06.88 ID:M+ZlPx8ro
華子「でもさ、アイツ一体何だったんだろう?」

オリヴィア「ぜーったい、アイドルオタク!」

華子「もうそのネタは良いってば」

オリヴィア「ぶーっ!……じゃあさ、華子は何だと思うの?」

華子「んー、多分だけど……」

香純「確か……アイドルとか、何とか言ってましたよね」


華子「その……さ。アレじゃない?」

華子「ホラ……お小遣いをあげるから……アレしよう、的な?」

華子「みたいな!? みたいな!?」


香純「いや、私の話聞いてました?」

香純「それに、どうしてちょっと嬉しそうなんですか」

華子「いやー! だって、そう言うのなんかリア充っぽくない!?」

オリヴィア「前から思ってたけど、華子のリア充のイメージっておかしいよね」



武内P「あの」



華子・オリヴィア・香純「……」

華子・オリヴィア・香純「ひぎゃあああああ!? 出たああああああ!!」

326: 2018/08/24(金) 22:45:37.86 ID:M+ZlPx8ro
華子「どっ、どうする!? また逃げる!?」

オリヴィア「華子、駄目! 香純が!」

香純「あっばばばあびぶぶぶぶ!」ガタガタガタガタ!

華子「香純さん!?」

香純「ばんぶるぶびひひっ、ひひひひひっ!」ガタガタガタガタ!

華子「戻ってきて、香純さん! 香純さーん!」

華子「怖いのかも知れないけど、今の香純さんも相当怖いから!」

オリヴィア「どうする華子! 写真撮っとく!?」

華子「――それだ、オリヴィア! 私は動画を!」


香純「んんひっひひっひ、ひひっひひひひひ!」ガタガタガタガタ!


華子「良いよー、香純さん。躍動感溢れまくってるよー」

オリヴィア「はーい、笑って……って、ずっと笑ってるか」

パシャッ!

華子・オリヴィア「……――じゃなくて!」

華子「香純さんが焦りまくってるから、こっちが冷静になりすぎちゃったじゃんか!」

オリヴィア「そんな事言ってる場合じゃないよ! どうするの!?」


武内P「……あの」

武内P「皆さん……鞄を忘れていたので、はい」



華子・オリヴィア「……あ」

香純「あははははっ! あははっははひっひひ!」ガタガタガタガタ!

327: 2018/08/24(金) 22:55:53.37 ID:M+ZlPx8ro
それからどしたの


華子「えっ、と……鞄、ありがとうございました」

武内P「あっ、いえ……それは、良いのですが」

武内P「彼女は……大丈夫でしょうか?」

華子「ああ」


オリヴィア「香純ー、ちょっと英語の勉強しようかー♪」

香純「えっ……英語の……?」ピクッ

オリヴィア「これだけ覚えれば、間違いないって単語があるの!」

香純「そ、それは……本当ですか?」

オリヴィア「もっちろん! 良い? ぷりーず、りぴーと、あふたみー!」

香純「えっ? えっと、それは……どういう意味でしょうか?」

オリヴィア「へっ? ええ……と」

香純「……」

オリヴィア「――そう! 今のが、間違いない単語だよ!」グッ!

香純「今の、単語じゃなくて文章でしたよね」

香純「それに、どういう意味かという質問に答えて貰ってないのですが」

オリヴィア「へっ!? だ、だから、ええと……!」


華子「いつも駄目なので、問題ありません!」

武内P「……はあ」

328: 2018/08/24(金) 23:03:09.56 ID:M+ZlPx8ro
華子「っていうか、一体何の用だったんですか?」

華子「用があるから、鞄を届けてくれたんですよね?」

香純「男の人が触った鞄……もう、捨てなきゃ」

オリヴィア「香純! そういう事は、聞こえないように言う!」


武内P「……皆さん」

武内P「アイドルに、興味はありませんか?」


華子・オリヴィア・香純「……は?」


武内P「私……こういう者です」

…スッ


華子・オリヴィア・香純「……名刺?」

華子・オリヴィア・香純「……」

華子「ねえ、どう思う? これ、本物だと思う?」

オリヴィア「本物だったら、太陽に向けたら絵が浮かび上がるんじゃない?」

香純「あの、それは……お札の透かしでは無いでしょうか」


武内P「……あの、本物です」

329: 2018/08/24(金) 23:11:49.82 ID:M+ZlPx8ro
華子「……いや、でも……ねえ?」

オリヴィア「346プロダクションって、かなり有名な所だよね」

香純「それに、シンデレラプロジェクトって……」

華子・オリヴィア・香純「……」ジッ


武内P「……?」


華子・オリヴィア・香純「……」

華子・オリヴィア・香純(胡散臭ええ~~っ!)

華子「オリヴィア、騙されちゃ駄目だよ」

オリヴィア「香純じゃないんだし、大丈夫よ」

香純「華子さんじゃありませんし、大丈夫です」


武内P「いえ、あの」

武内P「……全て、聞こえているのですが」


華子「……はい! ぶっちゃけ、信用出来ません!」

オリヴィア「プロデューサーって言われても、よくわからないし!」

華子「試しに、アイドルっぽい事してみてくれますぅ~!?」

オリヴィア「それが出来たら、ちょびっとだけ信用しまーす!」

香純「えっと、プロデューサーとアイドルは別物では……?」


武内P「……」

330: 2018/08/24(金) 23:22:50.78 ID:M+ZlPx8ro
華子「ん~? 香純さん、あの人の味方をするの?」

オリヴィア「もしかして、あの人は怖くないとか?」

香純「いえ、そういう訳じゃありませんよ」

香純「あまりにも怖い顔なので、恐怖が一周しただけです」

華子・オリヴィア「……あ、うん」


武内P「……すぐに、返事を貰おうとは思っていません」

武内P「……ですが――」


武内P「皆さんは、今、楽しいですか?」


華子・オリヴィア・香純「そこそこ」


武内P「……」

武内P「アイドルに興味がありましたら、ご連絡ください」


オリヴィア「えっ!? あれっ!? さっきの質問の意味は!?」

香純「……きっと、あの質問からいい感じに話を繋げるつもりだったんですよ」

華子「連絡したら、どうなるっていうんですか?」


武内P「皆さんを――アイドルに」

武内P「夜空に輝く星々――シンデレラになって頂こう、と」

武内P「……そう、考えています」


華子・オリヴィア・香純「……スカウトだったの!?」


武内P「……あ、はい」

331: 2018/08/24(金) 23:34:00.48 ID:M+ZlPx8ro
あそびあそばせ

  ・  ・  ・

喫茶店


武内P「……」


オリヴィア「ちょっと! どうしてこうなったの!?」

華子「まあまあ良いじゃん! 話だけでも聞いてみようよ~!」

華子「それにさ、もしも本当だったら私達アイドルになるんだよ!?」

華子「アイドルになったら、リア充100人分だよ!?」

香純「それ、どういう計算なんですか……?」


武内P「リア充、かどうかは……私の見た限りですが」

武内P「アイドルの皆さんは、とても、輝いて見えます」


華子「ほらー! ほらああああ!」

オリヴィア「香純、こういう時は、私達がしっかりしなきゃ」

香純「……はあ、こんな事なら、真っ直ぐ帰って英語の勉強をするんだった」


武内P「英語、ですか?」

武内P「中学校程度の問題でしたら……はい、教えられるかと」


香純「っ!? ど、どうしましょう!? どうしたら良いんですか!?」

華子「香純さん……ほうら、楽になっちゃいなよ。カモ~ン」

香純「ああ……英語、ああ……!」

オリヴィア「二人共ちょろすぎじゃない!?」

332: 2018/08/24(金) 23:43:35.61 ID:M+ZlPx8ro
オリヴィア「華子はともかく、香純は冷静になって!」

オリヴィア「さすがに二人の面倒は見きれないから!」

華子「ねえ、オリヴィア? 華子はともかくってどういう意味?」

香純「……オリヴィアさんに……面倒を見られる……!?」ガーン!

オリヴィア「ねえ、その部分にショックを受けないでくれない?」


武内P「……」


オリヴィア「香純、落ち着いて考えてみて」

オリヴィア「アイドルになったら、水着になったりするんだよ?」

香純「っ!?/// た、確かに……!」

オリヴィア「香純の胸に、男の視線が突き刺さるよ? 良いの?」

オリヴィア「もう串刺しみたいになって、香純危機一髪! ってなるよ?」

香純「それは……考えただけでも、恐ろしいです……!」

華子「……」

華子(なってみたいよ、串刺しに)



武内P「いえ、それは有りません」

武内P「皆さんは、まだ中学生でいらっしゃいます」

武内P「なので、露出の多い衣装は控えます」


華子・オリヴィア・香純「……」

333: 2018/08/24(金) 23:57:42.66 ID:M+ZlPx8ro
オリヴィア「で、でも……多少の露出はあるんでしょ!?」


武内P「それは……はい、多少は、ですが」

武内P「そう、ですね……ノースリーブ程度、でしょうか」


華子・香純「ノースリーブ……!?」

オリヴィア「……何よ」

華子「いっ、いやいやオリヴィア! 何でも無いよ!?」

香純「はっ、はい! ノースリーブか~、って思っただけです!」

オリヴィア「華子~、香純~♪」

華子・香純「は、は~い~?」

オリヴィア「……」

華子・香純「……ご、ごめんなさい」


武内P「? あの……ノースリーブに、何か問題が?」


華子・香純「っ!?」

オリヴィア「……」

334: 2018/08/25(土) 00:07:32.13 ID:ZyYxGqmMo
華子「っ……!」

華子(こっ、コヤツ! 地雷原に、近所のコンビニに行くような気軽さで!)

華子(なっ、ななな、何とか! 何とか、フォローしないと!)

華子「……あっ、いや~――」


華子「ねっ、オリヴィア♪」


オリヴィア「……」


香純「……」

香純(……華子さん)

香純(そのパス……現状、一番最悪のパスです)


武内P「? オリヴィアさんに、何か問題が……?」


華子・香純「っ――!?」

華子(何なんだ……何者なんだ、コイツは!)

華子(ここまで丁寧に地雷を踏み抜くなんて、バカなんじゃないの!?)

香純(これだから! これだから、現実の男ってやつは!)


オリヴィア「……!」プルプル!

オリヴィア「べ……別に……!?」プルプル!


華子・香純(ああああ強がってるううううう!)

336: 2018/08/25(土) 00:20:42.82 ID:ZyYxGqmMo
オリヴィア「きっ……基準値は下回ってるしぃ!?」プルプル!


武内P「? すみません、意味が……よく」


華子「香純さんもうダメ! 私、耐えられない!」

香純「そんな事、私に言われても!」


オリヴィア「わ……わき……!」プルプル!


武内P「わき? 腋が……何か?」


華子「おぼおおおああああ!?」

香純「あわあわわわわあわ!?」


オリヴィア「っ……!///」プルプル


武内P「……」

武内P「何の問題もありません」


華子・オリヴィア・香純「……えっ?」


武内P「確かに、多少、スパイシーな所はあるかも知れません」

武内P「ですが、人生にスパイスはつきものだ、と」

武内P「……そう、思います」


オリヴィア「スパイシーって言った! スパイシーって言ったー!」ピー!

華子・香純「……」

339: 2018/08/25(土) 00:33:34.37 ID:ZyYxGqmMo
それからどしたの


武内P「……」


オリヴィア「華子ぉ~! 香純ぃ~!」ピー!

華子「おーよしよし」

華子「……まあ、こういう空気になっちゃったし」

香純「お話は……以上ということで」


武内P「っ!? 待ってください!」


華子「じゃあ、貴方にオリヴィアの腋の臭いを嗅ぐ勇気がありますか!?」

華子「何の問題も無い? はっ!」

華子「口だけならねぇ、何とでも言えるのよ!」

華子「問題はね! 鼻なの! はーな!」


香純「私達も……慣れるまで、かなり苦労しましたし」

香純「きっと、アイドルになったら、絶対問題になると思うんです」

香純「オリヴィアさんは、友達ですから」

香純「友達が、新聞沙汰になるのは、見過ごせないです」


オリヴィア「華子? 香純?」


武内P「……わかりました」

武内P「私が、オリヴィアさんの腋のニオイを嗅いで、平静を保てたら」

武内P「お話を……続けさせて頂けますか?」


オリヴィア「はっ!? なんでそうなるの!?」

340: 2018/08/25(土) 00:46:33.62 ID:ZyYxGqmMo
華子「面白いじゃん! オリヴィア、やっておしまい!」

オリヴィア「嫌よ! なんでそんな事しなきゃいけないわけ!?」

香純「……まあ、普通に考えればそうですよね」


武内P「笑顔です」


華子・オリヴィア・香純「はっ?」


武内P「皆さんは、それぞれ素晴らしい個性を持っています」

武内P「それは、アイドルにとって必要なものです」

武内P「そんな皆さんの――笑顔」

武内P「アイドルとしての、皆さんの笑顔を見たい、と」

武内P「……そう、思います」


華子・オリヴィア・香純「……」

華子(……いや、なんかちょっと良い事言ってる風だけどさ)

香純(……女子中学生の腋のニオイを嗅ぐ、って話ですよね、これ)


オリヴィア「……そ」

オリヴィア「そこまで言われたら……断りにくいじゃないの」

オリヴィア「……ちょっ、ちょっとだけ!/// ちょっとだけだからね!?///」


武内P「……はい」

武内P「ありがとう、ございます」


華子・香純(……うわぁ)

342: 2018/08/25(土) 00:57:23.83 ID:ZyYxGqmMo
それからどしたの


オリヴィア「……う~!///」

武内P「……」クンクン

オリヴィア「……!///」

武内P「……」クンクン


華子・香純「……!?」

華子(ばっ――馬鹿なっ!? 表情一つ変えないだと!?)

華子(有り得ない! あの至近距離で!? 何故、平静でいられる!?)

香純(ニオイを嗅いでいるように、演技しているだけ……?)

香純(いや、でも……あの距離なら、そんな余裕は無いはず……!)


オリヴィア「……ど、どう?///」

武内P「……はい」クンクン

オリヴィア「……に、におう?///」

武内P「多少は……ですが」クンクン


武内P「――何の問題もありません」クンクン


華子「……香純さん、ちょっと真面目な話するけど、良い?」

香純「……はい、良いですよ」

華子「多分、あの人……ううん、ヤツは人じゃないよ、似た生き物だと思う」

香純「華子さん、どうしてそれが真面目な話だと思ったんですか?」

344: 2018/08/25(土) 01:05:39.54 ID:ZyYxGqmMo
華子「だって、そうじゃなかったら説明が――」

…コトンッ!

華子「――あっ、携帯落としちった」

香純「焦る気持ちはわかりますけど……」

華子「画面に傷がついてないと良いけど――」


―ズブリ


華子「……」

香純「? どうしたんですか、華子さん」

香純「もしかして、携帯の画面にヒビでも入ってました?」

華子「……いや、香純さん香純さん」チョイチョイ

香純「? 下? テーブルの下に、何かあったんですか?」

華子「……いいから、ちょっと見てみてよ」

香純「はあ……?」


―ズブリ


香純「……」

華子「……ね?」

香純「……はい」


オリヴィア「ほっ、本当に!? 本当に、問題無い!?」

武内P「はい、問題ありません」

―ズブリ


華子・香純(足にボールペン突き刺してるううううう!!)

356: 2018/08/25(土) 11:29:09.74 ID:ZyYxGqmMo
それからどしたの


武内P「……」


オリヴィア「華子ぉ! 香純ぃ! あの人、絶対いい人だよ!」

華子「そ、それはどうかわからないけど、只者じゃない事は確かだね」

香純「そうですね……真剣さは、正に痛いほど伝わってきましたね」

華子「ねっ、ねえ香純さん。あれ、まだ刺さってるのかな?」ヒソヒソ

香純「どうなんでしょうか。この角度からじゃ、確認出来ませんし」ヒソヒソ

オリヴィア「なになに? 何の話してるの?」

華子・香純「ううん、別に」フルフル!

オリヴィア「?」


武内P「具体的な話は、後でするとして」

武内P「少し、質問をしても宜しいですか?」

…スッ


華子・香純「あっ」

オリヴィア「あっ、ボールペンからインク出てるよ、赤いのが」


武内P「っ、これは……すみません、失礼しました」

フキフキフキフキ!


オリヴィア「ううん、おっけーおっけー!」

華子・香純「……」

357: 2018/08/25(土) 11:37:46.48 ID:ZyYxGqmMo
香純「でも、質問って……?」

オリヴィア「こういう時の質問って言ったら、アレに決まってるじゃない」

香純「決まってるものなんですか?」

華子「そうだよ、香純さん」

華子「ねえ、香純さん? 香純さんって、スリーサイズどんなもんなの?」

香純「はいっ!?///」

華子「隠さないで、正直に教えてご覧よ……怒らないからさ」

香純「絶対怒る感じですよね!? 正当性の無い怒りの矛先を向ける気ですよね!?」

華子「も~、怒らないってば!」

華子「仮に怒ったとしても、それは嫉妬という正当性がある怒りだよ」

オリヴィア「はいはいストップストップ! 話が進まないでしょ!」

オリヴィア「ちなみに、私のスリーサイズはぁ――」


武内P「あ……いえ」

武内P「まずは、皆さん全員のお名前だけでなく、名字も確認しておきたい、と」

武内P「……そう、言おうとしたのですが」


華子・香純・オリヴィア「あ、はい」

358: 2018/08/25(土) 11:52:41.69 ID:ZyYxGqmMo
あそびあそばせ

  ・  ・  ・

武内P「――私からの説明は、以上になります」

武内P「何か、質問はありますか?」


華子「やばいやばいやばいよ! 私達、本当にアイドルになりそうだよ!?」

オリヴィア「それにしたって華子、テンションあげすぎ」

香純「でも、英語も教えて貰えるって考えると、華子さんの気持ちもわかります!」ムフー!

華子「ごめん、香純さん……それ、全然わかってないと思う」

オリヴィア「んー……でも、質問って言われてもねぇ」

華子「うーん……あ、そうだ! はーい、質問!」


武内P「はい、何でしょうか?」


華子「アイドルになったら、どれくらい……も、モテますかいねぇ?」ニチャア

オリヴィア「少なくとも、そんな表情をしてたら絶対無理!」

香純「ま、まあ、どこにでも特殊な嗜好の方はいますから!」

華子「いやあの、それは香純さんに言われたくは――」

香純「何ですか?」

華子「……あ、何でも無いっす、サーセンした」


武内P「そう、ですね……努力次第ではありますが」

武内P「皆さんならば、ドーム一個分はいけるかと」


華子・オリヴィア・香純「ドーム一個分!?」

359: 2018/08/25(土) 12:03:43.33 ID:ZyYxGqmMo
華子「聞いた!? ドーム一個分だってよ!?」

華子「ドーム一個分って、ドーム……うわああオリヴィアー! 香純さーん!」

オリヴィア「ちょっ、ちょっと華子! 叫びすぎ!」

華子「アイドルになったら、私にも春が来るんだよ!」

華子「しかも、ドーム一個分の春が! ドーム一個分だよ!?」

華子「そんなの、溢れ過ぎちゃって困っちゃうよ! むしろ、売る!?」

華子「溢れた春、販売しちゃう!? 春を売っちゃう!?」

香純「はっ、華子さん! その表現はちょっと!」


武内P「……他に、質問はありますか?」


オリヴィア「あ、はいはーい!」

オリヴィア「私達、三人でユニットを組むことになるの?」


武内P「ええ、そのつもりでいます」

武内P「皆さん、『スパイス・ガールズ』とし……んんっ!」

武内P「ユニット名等、具体的な事はまだ未定ですが、はい」


華子「ちょっと! 私達までスパイシーにしないでくれる!?」

香純「未定って言いましたけど、心の中ではそう呼んでるって事ですよね!?」

オリヴィア「……!///」プルプル!


武内P「その……すみません」

360: 2018/08/25(土) 12:17:12.33 ID:ZyYxGqmMo
武内P「他に……質問はありますか?」


香純「え、えっと……じゃあ」スッ

華子「おおっ!? 香純さんが、自ら男の人に話しかけるなんて!」

オリヴィア「凄いじゃん香純! それで、どんな質問をするの?」

香純「ほっ、本当に! 英語を教えて貰えるんですよね!?」

香純「後で、実は嘘でしたなんて言ったら――」

香純「――本気で訴えますよ?」

華子・オリヴィア「……ですよねー」


武内P「はい、それは間違いなく」

武内P「学習に関しては、通常の方式だけでなく――」

武内P「――特殊な薬品や装置を用いる事も可能です」

武内P「その場合は、東大合格間違いなし……ですね」


香純「すっ……凄い……!」キラキラッ!

華子「かっすみすわぁーん!? 目ぇキラキラさせてる場合じゃないよ!?」

オリヴィア「最悪、改造手術みたいな事するって言ったんだよ!?」

香純「それでも……それでも、英語の成績が上がるなら!」


香純「びっ……美少女戦士にだって、プリキュアにだってなる覚悟はありますっ!///」


華子「大した覚悟じゃないよそれ! ちょっと希望入ってるじゃん!」

361: 2018/08/25(土) 12:30:56.77 ID:ZyYxGqmMo
香純「じゃ、じゃあ……ま、魔法少女?///」

オリヴィア「そういう希望を言ってる場合じゃないでしょ、香純!」

オリヴィア(香純って……普段は真面目なのに、急にこういう事言いだすよね)


武内P「魔法……そう、ですね」

武内P「そういう意味では、皆さんは、魔法を使います」

武内P「ファンの方を笑顔にする……輝く世界の魔法を」


華子「そういう話をしてるんじゃないでしょーが!」

華子「あのさ、香純さん頭良さそうに見えるけど、英語は本当にひどいんだよ?」

華子「英語の勉強してるの見ると……」

香純「?」

華子「……賽の河原で小石を積み上げるのを見てる気分だもん」

オリヴィア「あ、なんかそれわかるー!」

香純「オリヴィアさんがそれを言うのはどうかと思うんですけどねぇ?」

香純「……わ、私だって……努力してはいるんですよ……!」プルプル!

華子・オリヴィア「……」


武内P「野村さん。貴女の努力は……きっと、いつか報われます」

武内P「私は、アイドルの貴女が、英語のテストで100点を取っている姿を見たい、と」

武内P「……そう、思います」


香純「!……はいっ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


オリヴィア「ねえ、今のさ……アイドル関係なくない?」

華子「でもまあ、香純さん喜んでるみたいだし……放っておこうか」

362: 2018/08/25(土) 12:44:51.80 ID:ZyYxGqmMo
香純「華子さん、オリヴィアさん……アイドル、頑張りましょうね!」

華子「そうだね、香純さん! 一緒に、スーパーリア充になろうね!」

オリヴィア「んー……二人はそれで良いかも知れないけど、私は――」


武内P「治ります」


オリヴィア「はっ?……治るって?」


武内P「346プロダクションは、大手芸能プロダクションです」

武内P「その、総力を結集して事にあたる、と」

武内P「……約束させていただきます」


オリヴィア「……」

オリヴィア「ねえ、あれってどういう意味?」

華子「アイドルになったら、腋のニオイを何とかしてくれるって事だよ!」

オリヴィア「っ!? えっ!? 香純、どういう事!?」

香純「外国籍の方も居ますし、対応策があるのではないかと……」

オリヴィア「……」


オリヴィア「はーい♪ アイドル、やりまーす♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


華子「だけど……治ったら治ったで、複雑だよね」

香純「それは、今まで耐えてきたのは何だったんだろう、って意味でですよね」

華子「うん」

364: 2018/08/25(土) 13:00:14.09 ID:ZyYxGqmMo
オリヴィア「華子、香純……私、普通の金髪美少女アイドルになるね!」

華子「おーい、自分で美少女って言うのは普通じゃないよー」

香純「でも、これで全員がやる気になりましたね!」

華子「……そうだね!」


華子「香純さんは、英語ペラペラのクールな巨Oアイドル!」


香純「きょ、巨Oって……華子さん!///」

香純「まあ、でも……英語、ペラペラ? 私が英語を……うへへっ///」

香純「英語ペラペラ……ひひ、うひひひっ!」ニマァ~ッ!


華子「……その笑顔は封印しとこうね、香純さん」

華子「ゴホンッ! 気を取り直して!」


華子「オリヴィアは、キュートな魅力溢れる金髪美少女アイドル!」


オリヴィア「きゅ、キュートって!/// ヤダ、もー華子ったらー!///」

オリヴィア「まあ、私が可愛いのはわかってたけど~?」

オリヴィア「んふっ! 改めて言われるのも、悪くないわね!」ドヤァッ!


華子「……あ、うん」

華子(……やっべー)

華子(見た目じゃなくて、馬鹿な子程可愛いって意味ったんだけどなー)

365: 2018/08/25(土) 13:13:50.92 ID:ZyYxGqmMo
華子「そして私は! うわぁたしはぁっ!」

ガタンッ!

オリヴィア「立ち上がった!? もうっ、恥ずかしいから! 座ってよ!」

香純「……無……心を無にして、語り終わるのを待とう」


華子「パッッ……ションッ!」

華子「情熱的で、燃え上がるような恋をするアイドル!」


華子「えっと……それでね、それでねぇ~」モジモジッ

華子「かっ、彼氏作って~……それからねぇ~」モジモジッ

華子「二人の熱々な姿を……えへへっ///」モジモジッ


オリヴィア・香純「っ……!」

オリヴィア(くそっ! 華子のくせに――)

香純(華子さんなのに――)


華子「皆に見てもらってねぇ~……あーもー、想像しただけで恥ずかしいなぁ!///」モジモジッ

華子「幸せのおすそ分けが出来たら……い、良いなぁ~///」モジモジッ

華子「なんてねっ?/// な~んちゃってねっ?///」モジモジッ


オリヴィア・香純「っ……!///」

オリヴィア・香純(か……可愛い!)


武内P「――えっ?」

武内P「彼氏……ですか?」


華子・オリヴィア・香純「……ん?」

366: 2018/08/25(土) 13:28:55.23 ID:ZyYxGqmMo
それからどしたの


華子「危なかった! ホント、騙される所だったよ!」

オリヴィア「騙すも何も、アイドルってそういうものじゃないの?」

華子「あのね、オリヴィア!」


華子「いくらモテても、彼氏作っちゃいけないじゃ意味なーいの!」

華子「むしろ、拷問だよ!? ご・う・も・ん!」

華子「アイドルなってやってたら、リア充が遠のくよ!」


香純「……でも、華子さんが冷静になってくれて良かったです」

香純「いくら英語のためとは言え、あ、ああ、握手会……うぷっ!」

オリヴィア「ああもう、香純! 違うこと考えよう、ねっ!」

華子「香純さん! ほら、遠く見て! 遠く!」

香純「はぁ……はぁ……すみません、落ち着きました」

華子「あー……でもさ」

オリヴィア・香純「?」


華子「私と香純さんはともかくとしてだよ?」

華子「オリヴィアは、アイドルになっても良かったんじゃないの?」


オリヴィア「んー、二人がその気じゃないなら、別にいっかなって」


華子「……オリヴィア」

香純「……オリヴィアさん」

367: 2018/08/25(土) 13:43:13.73 ID:ZyYxGqmMo
華子「でも、馬鹿な金髪美少女になるチャンスだったんだよ?」

オリヴィア「馬鹿は余計よ! っていうか、今は何なわけ!?」

香純「でも……なんだか、申し訳なくなりますね」

オリヴィア「良いのよ、別に。そんな事気にしないで」


オリヴィア「だって、私達、ホラ……友達でしょ?///」


華子「……オリヴィア~ん! 赤くなっちゃって、このこの~!」

オリヴィア「もっ、もう! からかわないでよ!」

オリヴィア「それに、良い香水教えて貰ったし、収穫はあったから!」

華子「へーっ、そうなんだ!」

香純「私も、わかりやすい参考書とか教えて貰いました」

香純「勉強方法を変えてみたらどうか、っていうのは目からウロコでしたね」

華子「そっかー、良かったね香純さん!」

華子「まっ、私もリア充になる秘訣を教えてもらったし!」


華子・オリヴィア・香純「――笑顔です!」


華子・オリヴィア・香純「……ふふっ!」

華子「……それじゃ、アイスでも食べて帰ろっか!」

オリヴィア「さんせー!」

香純「喫茶店でケーキ食べたじゃないですか……」


華子・オリヴィア・香純「……あははははっ!」


二人に比べ、収穫が圧倒的に少ない事に気付かない、華子であった


https://www.youtube.com/watch?v=WHwlBaMO5eQ




おわり

369: 2018/08/25(土) 14:03:36.11 ID:4GphzWADO
いいコラボです

370: 2018/08/25(土) 15:40:22.82 ID:wkSSknGE0
あそ研がアイドルする所は見たかったけどいい友情物語だったと思います乙。
武内Pがあそ研のプロデュースで忙しくなったら代わりに他のアイドル達は前多が担当しそう。

引用元: 武内P「ムラムラ、ですか」