527: 2018/08/30(木) 20:30:12.14 ID:/Nu1mpJFo
書きます


武内P「悩み、ですか」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)
528: 2018/08/30(木) 20:33:16.22 ID:/Nu1mpJFo
卯月「……はい、そうなんです」

智絵里「……プロデューサーに、聞いて欲しくて」

かな子「……悩みのせいで、カップケーキが喉を通りにくいんです」

杏「ってなわけらしいからさ、聞いてあげてよ」


卯月・智絵里・かな子「お願いします!」


武内P「……皆さん」

武内P「はい、私で良ければ」

杏「がんばれ~」ヒラヒラ

529: 2018/08/30(木) 20:37:29.69 ID:/Nu1mpJFo
武内P「皆さんお揃いで、ということは……」

武内P「全員、揃った状態の方が良いのでしょうか?」

杏「杏はさ、全員の悩みなんて大したことないって言ったんだよ」

杏「だけど、ぜ~んぜん効果が無いんだもん」

武内P「そう……なのですか」

杏「ま、そういうわけだからさ、大した悩みじゃないんだよね」

杏「だから、全員まとめてで良いと思うよ~」


卯月・智絵里・かな子「……」


武内P「……わかりました」

530: 2018/08/30(木) 20:41:27.01 ID:/Nu1mpJFo
武内P「では、まず……島村さんから」

卯月「……はい」

武内P「島村さんの悩みとは、何なのでしょうか?」

卯月「……私、普通すぎると思うんです」

武内P「えっ?」


卯月「だから……みくちゃんみたいに、キャラを付けた方が良いのかな、って!」

卯月「最近、そんな事ばっかり、ずっと考えちゃうんです!」


武内P「待ってください」

武内P「私は、島村さんは普通ではない、と」

武内P「……そう、思っているのですが」


卯月「えっ!?」

531: 2018/08/30(木) 20:46:40.05 ID:/Nu1mpJFo
卯月「どっ、どこがですか!?」

武内P「あ、いえ……それは……」チラッ

智絵里・かな子・杏「……」

卯月「……!」ジイッ!

武内P「……」


武内P「アイドルとしては――」

武内P「ルックス、スタイル、歌唱力、ダンス」

武内P「……どれも、高い水準にあります」


卯月「ふえっ!? そ、そうでしょうか……?///」

532: 2018/08/30(木) 20:49:58.94 ID:/Nu1mpJFo
卯月「そっ、それじゃあ……アイドルとしてじゃなくは!?」

武内P「えっ!? いえ、それは……」チラッ

智絵里・かな子・杏「……」

卯月「……!」ジイッ!

武内P「……」


武内P「島村さん、個人としては――」

武内P「優しい人柄は、言うまでもないですが……」

武内P「とても、周囲の環境に恵まれている方だ、と」

武内P「……そう、考えています」


卯月「周囲に……恵まれてる……?」

533: 2018/08/30(木) 20:55:11.39 ID:/Nu1mpJFo
武内P「はい。それは、普通とは言い難いです」

卯月「あまり……考えたこと、ありませんでした」

武内P「島村さんは、ご家族や友人など、沢山の方に恵まれています」

武内P「今も、一緒に悩みを相談出来る方と……はい」


卯月「!」チラッ

智絵里・かな子・杏「……えへへっ」


武内P「それは、貴女の人柄によるものです」

武内P「普通と言い切ってしまうのは、勿体無いかと」

武内P「……そう、思います」


卯月「――っ! はいっ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

534: 2018/08/30(木) 21:01:29.79 ID:/Nu1mpJFo
卯月「そっか……そうですよね、プロデューサーさん!」

武内P「悩みは、解決しましたか?」

卯月「はいっ♪」

智絵里「えへへっ、良かったね、卯月ちゃん」

卯月「うん、ありがとう♪ そっかぁ……私、恵まれてたんだ」

かな子「こういうのって、自分じゃどうしようも無い部分もあるけど……」

杏「だから言ったでしょ? 運も実力の内、ってね」

卯月「はいっ! おかげで、スッキリしました!」


卯月「島村卯月、頑張ります♪」


武内P「……」

武内P(……双葉さんの言う通り、些細な事でした)

武内P(ですが……島村さんの心は晴れたようですね)

535: 2018/08/30(木) 21:07:52.16 ID:/Nu1mpJFo
武内P「では、次に……緒方さん」

智絵里「……はい」

武内P「緒方さんの悩みとは、何なのでしょうか?」

智絵里「……わたし、このまま良いのかな、って」

武内P「えっ?」


智絵里「わたし……自分を変えたくて、アイドル目指して……」

智絵里「一生懸命、頑張って……頑張ってきたんです」


武内P「……緒方さん」


智絵里「わたしが変われば……変わるかなって思って」

智絵里「昔みたいに……家族皆で、笑い合えるって信じて……」


武内P「……」

武内P(重い! 待ってください、あまりに重すぎます!)

536: 2018/08/30(木) 21:14:35.83 ID:/Nu1mpJFo
智絵里「アイドルになって、少しは変われた気がして……!」

智絵里「なのに……なのに、何も変わらなくて……!」

智絵里「わたしが、いけないんでしょうか……!?」

智絵里「何をしても、もう、駄目なんでしょうか……!?」


武内P「……!?」チラッ

卯月・かな子・杏「……」

武内P「……」


智絵里「プロデューサー……!」

智絵里「わたし……どうしたら良いんですか……!?」


武内P「……」


武内P「――笑顔です」

538: 2018/08/30(木) 21:19:25.14 ID:/Nu1mpJFo
智絵里「……えっ?」


武内P「緒方さん」

武内P「貴女は、無理に笑顔を作っていませんか?」

武内P「自分一人で何とかしよう、と」

武内P「……そう考え、無理をされていませんか?」


智絵里「で……でもっ! 無理でもしないと――」


武内P「緒方さん、思い出してください」

武内P「キャンディアイランドで……シンデレラプロジェクトで」

武内P「貴女が――笑顔だった、その時」

武内P「緒方さんは……無理をされていたのでしょうか?」


智絵里「っ――!」

539: 2018/08/30(木) 21:26:54.36 ID:/Nu1mpJFo
智絵里「無理なんか……無理なんか、してないです!」


武内P「それを聞いて、安心しました」

武内P「私には、緒方さん……貴女が」

武内P「楽しんで――心からの笑顔をしている、と」

武内P「……そう、見えていましたから」


智絵里「――はいっ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「その笑顔を忘れずにいれば――」

武内P「――必ず、道は開けます」


智絵里「プロデューサー……これからも、宜しくお願いします!」

智絵里「わたし、これからも一生懸命頑張ります!」

智絵里「だから……」


智絵里「見捨てないで、くださいね……?」


武内P「……ええ、勿論です」

540: 2018/08/30(木) 21:32:27.70 ID:/Nu1mpJFo
智絵里「……えへへ、お話……聞いてもらって良かった」

武内P「悩みは、解決しましたか?」

智絵里「はいっ♪」

卯月「良かったね、智絵里ちゃん♪」

かな子「これからも、一緒に笑顔で頑張ろうね!」

智絵里「……うんっ♪」

杏「だから言ったでしょ? 笑う門には福来る、ってね」

智絵里「……えへへ、そうだね」


智絵里「幸せの、おまじない♪」ニコッ!


武内P「……」

武内P(……想像以上の、重さでした)

武内P(ですが……緒方さんの心は晴れたようですね)

541: 2018/08/30(木) 21:38:12.41 ID:/Nu1mpJFo
武内P「では、最後に……三村さん」

かな子「……はい」

武内P「三村さんの悩みとは、何なのでしょうか?」

かな子「……美味しいから、大丈夫だと思ってたんです」

武内P「えっ?」


かな子「……プロデューサーさん」

かな子「私、もしかして……もしかして、なんですけど」


武内P「……」


かな子「……太りました?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

542: 2018/08/30(木) 21:46:37.78 ID:/Nu1mpJFo
武内P「あの……三村さん?」

かな子「……」

武内P「三村さんの悩みは……それ、でしょうか?」

かな子「……はい」

武内P「あっ、いえ……その、すみません」

武内P「少し……ですね、はい、落差がありまして」


かな子「心の準備は出来てます!」

かな子「プロデューサーさん、私……太りましたか!?」


武内P「あっ、いえ……そうは、見えませんが」


かな子「本当ですか!? 良かったぁ~!」

かな子「昨日体重計に乗ったら3キロ増えてたけど、太ってなかった!」


武内P「三村さん!? あの……三村さん!?」

543: 2018/08/30(木) 21:52:20.85 ID:/Nu1mpJFo
武内P「3キロと言うのは……本当ですか!?」

かな子「? はいっ♪」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」

武内P「――ではなく! あのっ、一体何が!?」

かな子「えっ? どっ、どうしたんですか?」

かな子「もう、私の悩みは解決しましたよ?」

武内P「悩みは! 確かに、悩みは解決したかも知れません!」

武内P「ですが……その、問題が!」


かな子「っ!?」

かな子「……なっ、何の問題ですか!?」


武内P「えっ!?」

武内P「いえ、三村さん……3キロ、増えていたんですよね!?」

544: 2018/08/30(木) 22:03:06.18 ID:/Nu1mpJFo
かな子「そうですけど……えっ、太ってないんですよね?」

武内P「三村さん……少し、質問をしても良いでしょうか?」

かな子「えっ? な、何ですか……?」

…ゴソゴソッ、トンッ


武内P「そのバスケットは、何ですか?」


かな子「バタークリームのケーキですよ~♪」

かな子「最近、すっごくハマちゃってて……えへへ」

かな子「でも、太ってないって聞いて、安心しました!」


武内P「三村さん、待ってください!」

武内P「バタークリームのカ口リーは、あまりに高すぎます」


かな子「美味しいから大丈夫ですよー」


武内P「大丈夫では! 大丈夫では、決してありません!」

545: 2018/08/30(木) 22:12:02.40 ID:/Nu1mpJFo
武内P「皆さん! 三村さんを止めてください!」


卯月・智絵里「はっ、はいっ!」

かな子「今日のバタークリームはね? ふふっ!」

かな子「じゃ~ん♪ 卵黄を入れた濃厚クリームだよ~♪」

卯月・智絵里「えっ、えっ?」

かな子「はい、二人共ど~ぞっ♪」

卯月・智絵里「……あ、ありがとう」

かな子「……お味はどうかな?」


卯月・智絵里「ん~っ! 美味しいっ!」


かな子「ねっ、プロデューサーさん!」

かな子「とっても美味しいんですよ!」


武内P「三村さん、あの……だから何だと言うのでしょうか!?」

546: 2018/08/30(木) 22:22:07.27 ID:/Nu1mpJFo
かな子「美味しいから、大丈夫なんです」

卯月「はいっ♪ 島村卯月、幸せですっ♪」

智絵里「えへへ……自然と、笑顔になっちゃいます♪」

かな子「ねっ? プロデューサーさん♪」


武内P「待ってください!」

武内P「ですが、3キロ増はあまりにも!」


かな子「……それでも、私はアイドルです」

かな子「ファンの皆さんと、そして……皆の笑顔」

かな子「そのためなら……美味しいから、大丈夫です♪」ニコッ!


卯月・智絵里「かな子ちゃん……!」ジーン…!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「待ってください! 笑っている場合ではありません!」

547: 2018/08/30(木) 22:35:50.72 ID:/Nu1mpJFo
  ・  ・  ・

杏「プロデューサー、お疲れ様~」ヒラヒラ

武内P「……」

杏「ねっ? 大したことない悩みだったでしょ?」

武内P「そう、でしょうか?」

杏「そうに決まってるじゃんか」


杏「人に相談して解決する悩みなんだもん」

杏「ましてや、こ~んなすぐにだよ」

杏「ねっ? 大したこと無いっしょ?」ケラケラ


武内P「……」

武内P「そう……ですね、はい」

548: 2018/08/30(木) 22:44:56.78 ID:/Nu1mpJFo
杏「まっ、かな子ちゃんは抵抗してたけどね~」

武内P「ですが……衣装の問題もありますから」

杏「うんうん」


武内P「まあ、他の二人に関してもさ」

杏「下手に深刻にさせない方が良さそうだったからね~」

杏「これで、杏達にも何かあったら気軽に相談しやすくなったろうしね」


武内P「! 成る程……確かに、そうかも知れません」

武内P「双葉さん……ありがとう、ございます」

杏「お礼なんて良いってば、友達のためだしね~」

武内P「……」


杏「ところでさ、杏の悩みも聞いてくれる?」


武内P「? はい、何でしょうか?」


杏「杏ってさ、働きすぎだと思わない?」



おわり

引用元: 武内P「ムラムラ、ですか」