892: 2018/10/22(月) 20:13:56.88 ID:QGHjuQ5Eo
>>887>>890
先に書きます


武内P「心肺蘇生法……?」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)
893: 2018/10/22(月) 20:17:05.44 ID:QGHjuQ5Eo
部長「ああ、そうだ」

武内P「それを習得する必要がある、と?」

部長「勿論だ」

まゆP「部長、なんでいきなりそんな話になったんです?」


部長「これは、重役会議で決まった事だからね」


武内P・まゆP「重役会議で……?」

894: 2018/10/22(月) 20:19:06.67 ID:QGHjuQ5Eo
部長「だから君達には、心肺蘇生法を習得して貰う」

部長「まさかとは思うが、異論はあるまいね?」

武内P「何故、その様な決定が?」

まゆP「プロデューサーの業務とは、ちょいとばかし違うんじゃないですか?」

部長「……ふむ」


部長「では、説明しよう」


武内P・まゆP「はい」

895: 2018/10/22(月) 20:22:24.14 ID:QGHjuQ5Eo
部長「芸能界は、波乱に満ちている」

部長「アイドル達が、いつ何時、その波に飲まれてもおかしくはない」

部長「……そして、呼吸を止めてしまう事も有り得る」

部長「そんな時に、我々には何が出来る?」

部長「……そう」


部長「――心肺蘇生法だ」


武内P・まゆP「……」

896: 2018/10/22(月) 20:26:02.18 ID:QGHjuQ5Eo
まゆP「……いやいやいや、えっ? はい?」

まゆP「やだなぁ、部長! 本題の前の小粋なジョークですか?」

武内P「ですが……心肺蘇生法というのは、ですね」

武内P「人工呼吸も、含まれるのでは?」

まゆP「おいおい、乗るな乗るな! 話が長くなっちゃうでしょうが!」


部長「――ああ、その通りだ」


武内P「っ……しかし、それは……!」


まゆP「……」

まゆP「えっ?」

897: 2018/10/22(月) 20:31:38.95 ID:QGHjuQ5Eo
まゆP「おい、待てって。何、ちょっと、ええっ?」

まゆP「どうして普通に話が進んじゃってるわけ?」

まゆP「お前、アレだよ? 上司の冗談に付き合いすぎるのも考えものだよ?」

まゆP「付き合うなら、専務のポエムだけにしとけってマジで」


部長「――別室に、研修用の人形がある」

部長「……着いてきたまえ」


武内P「……!」

武内P「……わかり、ました」


まゆP「ちょっとォォォォォ!?」

まゆP「……わかり、ました」

まゆP「じゃねえだろ! 何がわかったってんだよ、ええ!?」

898: 2018/10/22(月) 20:35:50.50 ID:QGHjuQ5Eo
  ・  ・  ・

部長「――あれが、今回用意した人形だ」

武内P・まゆP「……」


蘭子「……」

まゆ「……」


まゆP「……部長?」

武内P「あの……」


部長「あれが! 今回用意した! 人形だ!」


武内P・まゆP「……!?」

899: 2018/10/22(月) 20:40:12.40 ID:QGHjuQ5Eo
武内P「待ってください!」

まゆP「そうですよ! あんなん、どう見たって!」

武内P「研修用の人形に、どれだけの予算を!?」

まゆP「そうじゃねえだろ!? よく見てみろよ、アレをよぉ!」


蘭子「……」

まゆ「……」


武内P「……良い、出来です」

まゆP「何言ってんの!?」

まゆP「どっからどう見ても本物だろうが!」

まゆP「何だお前、スタドリでもキメてんのか!?」

900: 2018/10/22(月) 20:47:44.06 ID:QGHjuQ5Eo
まゆP「部長! こりゃ、一体どういう事ですか!?」

部長「私にも、家族が居る……わかるね?」

まゆP「わかるかーい! 何、家族を人質にでも取られてるですか!?」

まゆP「……おい、何しれっと寝転がってんだ!」

まゆP「オイ、お前らも何か言え!」


蘭子「……う、うーん……うーん……!」

まゆ「苦しーい……氏にそうですぅ……!」


武内P「っ!? 喋る機能まで!?」

まゆP「ぶっとばすぞ!?」

901: 2018/10/22(月) 20:54:42.48 ID:QGHjuQ5Eo
部長「人工呼吸のやり方は、わかるね?」

武内P「それは……はい、知識だけですが」

まゆP「部長、洒落になりませんよ!?」

まゆP「アイドルと、プロデューサーですよ!?」

部長「君は、何を言っているのかね?」


部長「人間と、人形だよ」

部長「……そういう訳だから、なっ?」


武内P「はあ……?」

まゆP「お前、今度何かあっても絶対助けねえからな」

902: 2018/10/22(月) 21:00:47.28 ID:QGHjuQ5Eo
部長「まずは、気道確保だ」

部長「額に手を当て、反対の手の人差し指と中指を下顎に」

部長「下顎を引き上げるようにし、頭部を後方に傾けなさい」


武内P「――こう、ですか」

クイッ

蘭子「ふぁ……あ、顎クイ……!///」ボソッ!


まゆP「こうですね」

ガシィッ!

まゆ「!?……!……!」ジタバタ!


部長「君! アイアンクローは!」

部長「女の子……の、人形にアイアンクローはやめなさい!」

903: 2018/10/22(月) 21:06:41.38 ID:QGHjuQ5Eo
部長「きっ、気道の確保は出来たね!?」


武内P「はい」

蘭子「……///」ドキドキ!


まゆP「うい~す」

まゆ「っ……!っ……!」ジンジン!


部長「頼むよ? 良いね? 本当に、頼むよ?」

部長「君達のとった行動が、一つの命を救うんだ」

部長「その事を理解して……くれるね? くれるよね?」


武内P「はい、勿論です」

まゆP「そりゃまた、一体誰の命なんすかねぇ~?」

904: 2018/10/22(月) 21:12:45.16 ID:QGHjuQ5Eo
部長「そうしたら、鼻をつまんで、空気が漏れないようにする」


武内P「わかりました」

きゅむ

蘭子「んむっ!///」


まゆP「部長、質問があります」

まゆP「空気が漏れないようにするだけで良いんですよね?」

まゆP「なら、鼻の穴に指を突っ込んでも問題ないですよね?」


まゆ「!?」


部長「!?」


武内P「!? 今、鼻をつまんだ時に、声が!」


まゆP「お前ちょっと黙っててくんない!?」

905: 2018/10/22(月) 21:25:42.85 ID:QGHjuQ5Eo
武内P「……この人形は、まさか本物では!?」

武内P「神崎さんに似せて作られた、精巧な人形ではなく……」

武内P「本物の、神崎さんでは!?」

まゆP「よっし! この流れ! この流れだよ!」

まゆP「良いよー! 大事にしていこう、はい、もう一本!」


蘭子「我は、堕天使の魂を宿す人形」

蘭子「真なる姿、力の解放には未だ至っていない」

蘭子「偽りのこの身なれど、我は求める」

蘭子「命の錬成、蘇りの秘法を!」


武内P「っ!?……本当に、良い出来ですね」

まゆP「俺の話聞いてた!?」

906: 2018/10/22(月) 21:32:55.93 ID:QGHjuQ5Eo
まゆP「……ああもう! 部長!」

部長「何だね?」

まゆP「人工呼吸も大事ですけどね、あっちが先じゃないですか?」

武内P「あっち、とは?」

まゆP「そりゃお前、決まってんだろ。心肺蘇生法なめてんの?」

まゆP「人工呼吸の前にやる事っつったら、アレしかねえだろ」


まゆP「――心臓マッサージだよ」


蘭子・まゆ「……」

蘭子・まゆ「!?」

907: 2018/10/22(月) 21:39:04.60 ID:QGHjuQ5Eo
蘭子「そ、それは……///」ボソッ

まゆ「む、胸を……///」ボソッ

蘭子・まゆ「……!///」モジモジ!


武内P「……確かに、彼の言う通りです」

部長「う、うむ……まあ、そうだね」

まゆP「まあ、適切な心臓マッサージは……」

武内P「ええ」


武内P「肋骨を骨折する可能性もある、と」

武内P「……そう、聞いています」


蘭子・まゆ「……」

蘭子・まゆ「!?」

908: 2018/10/22(月) 21:46:28.08 ID:QGHjuQ5Eo
まゆP「だけど、命にゃあ代えられねえ……だろ?」

武内P「はい、その通りです」


武内P「肋骨が折れても、笑顔は出来ます」


蘭子・まゆ「……!?」

蘭子「……!……!」ソギャンコトイワレテモ!

まゆ「……!……!」ムリデスヨゥ!


部長「ま、待ちたまえ! 落ち着きなさい!」


まゆP「馬鹿野郎、人形が相手なんだ」

まゆP「むしろ、折ってやる、位じゃねえと練習にならねえさ」


蘭子・まゆ「……!?」

909: 2018/10/22(月) 21:55:25.95 ID:QGHjuQ5Eo
武内P「確か……胸が、最低5センチは沈むように押す、と」


蘭子・まゆ「……」

蘭子・まゆ「ごっ……!?」


まゆP「一分間で、大体100~120回のテンポだってな」

武内P「では、練習ですので120回にしましょう」


蘭子「……!……!」ムリッチャモン! ムリ!

まゆ「……!……!」シンジャイマス!


部長「……」

部長「確実性を上げるため、10センチで200回いっておこうか」


蘭子・まゆ「!?」

910: 2018/10/22(月) 22:02:31.91 ID:QGHjuQ5Eo
部長「私にも家族がある……わかるね?」

武内P「はあ……?」

まゆP「わかります」


蘭子・まゆ「……!?」

蘭子・まゆ(こ、殺される……!?)


武内P「――それでは」

まゆP「――やるか」

部長「少し、懲らしめてやりなさい」


蘭子・まゆ「……!」

911: 2018/10/22(月) 22:10:23.21 ID:QGHjuQ5Eo
蘭子・まゆ「あっ……あっ……!?」


武内P・まゆP「……」

カツン、カツン…


蘭子・まゆ「あっ……!」

蘭子・まゆ「――ふうっ」

…カクンッ

蘭子・まゆ「」


武内P「気を失った……ようですね」

まゆP「……何でえ、やっぱり気付いてたんじゃねえか」

913: 2018/10/22(月) 22:16:05.98 ID:QGHjuQ5Eo
部長「これで、今回は一見落着かな」

武内P「いえ、ですが……」

まゆP「このまま、放っておくわけにもいきませんから」


武内P・まゆP「心肺蘇生法の、最初の手順」

武内P「反応があるか――」

まゆP「――確認しないと」


蘭子・まゆ「」


武内P「――神崎さん! 神崎さん!」

まゆP「――起きろ! おーい!」


蘭子・まゆ「……」

蘭子・まゆ「っ!? こ……殺さないで!」



おわり

引用元: 武内P「ムラムラ、ですか」