1: 2015/10/07(水) 00:16:58.971 ID:tFGlLfwR0.net
僕は殴った。涼宮さんを思い切り殴った。

唖然とする彼と鶴屋さん。朝比奈さんは
まだ酔いが回ってるのか、起こったことがよくわかってなさそうだが
長門さんまで少し驚いたような表情をしている。

古泉「はぁっ……はぁっ……朝比奈さんは……あなたのオモチャではないでしょう!」

キョン「お、おい。古泉……」

涼宮さんによる映画撮影でコキ使われていた僕たちだったが、
僕はもう堪忍袋の緒が切れた。

5: 2015/10/07(水) 00:21:32.643 ID:tFGlLfwR0.net
ハルヒ「あ……あ……」

涼宮さんがドバドバと鼻血を流しながら
何が起こったのかわからないと言う様な表情で
視線をうろうろさせている。



古泉「あなたは今までの人生で、相手に報復されたことが無いんでしょうね。
   やりたい放題他人を傷つけて、人の痛みがわからないから
   平気でああいう事ができるんだ」

7: 2015/10/07(水) 00:22:53.709 ID:tFGlLfwR0.net
鶴屋「ハルにゃん!上向いちゃだめだよ!畳汚れても
   構わないからさ!ティ、テッシュと氷のうもってくるから
   待ってておくれ!」

ハルヒ「あ……ああ……」

ハルヒは今にも泣きそうな目で僕を見て、

ハルヒ「うあああああああああああああああああああああん!!
    あああああああああああああああああああああああん!!」


ダムが決壊するかの如く一気に、幼児みたいに大泣きしだした。
全く見苦しい。

10: 2015/10/07(水) 00:25:50.927 ID:tFGlLfwR0.net
ハルヒ「古泉くんが殴った……うぐっ……ぐすっ……殴ったよぉ……
    うわああああああああん!!あああああああああああん!!」

みくる「すじゅみやしゃん~どうちてないてるのお~?
    よしよし……ふぇ……ふぇえ……」

キョン「おい、古泉。謝ったほうがいいんじゃないか……」

古泉「知りませよ。涼宮さんが悪いんだ。あなただってイライラしていたでしょう?」

キョン「俺は別に……」

鶴屋「涼宮さん、痛む?病院行こうか?
   ……古泉くん!女の子を殴るなんて最低さ!」

16: 2015/10/07(水) 00:45:14.055 ID:tFGlLfwR0.net
古泉「鶴屋さん。女の子にアルコール飲ませて
   強引にキスするのはいいんですか?まるでレOプではないですか」

鶴屋「えっ……それは……」

キョン「……早く謝んないと、
   閉鎖空間が発生して大変なことなにるんじゃないか?……いいのかよ」

古泉「だから知りませんよ。もう僕の知ったことではない。
   涼宮さんの精神が幼稚だからそのようなものが出来るのでしょう?
    というわけで僕は帰らせていただきます。僕はもう2度と映画作りには関わりません」

キョン「…………」

18: 2015/10/07(水) 00:49:03.019 ID:tFGlLfwR0.net
翌日、涼宮さんは学校を休んだ。
僕は部室に行かなかった。
朝比奈さんから電話があって、あたしが悪いから怒るならあたしに、だの
お願いだから涼宮さんに謝って欲しいと泣きながら言っていたが、
僕はこう返した。



古泉「いつまで涼宮さんを甘やかすんですか?そうやって
    下手に出てるから彼女は調子に乗るんですよ。
    涼宮さんは、人格に問題がある異常者なんですよ?
    朝比奈さんが未来からきたのは、彼女をどうしようもない
    クズな人間にするためですか?」



朝比奈さんは何も言い返さず、『すいません……』とだけ言って電話を切った。
朝比奈さんに当たるのは良くないとわかってるが、涼宮さんの言う事を
なんでも聞いて嫌々従ってたら、みんなが辛い思いをするんですよ、朝比奈さん

22: 2015/10/07(水) 00:54:30.188 ID:tFGlLfwR0.net
キョンside

その翌日、ハルヒは登校はしたものの、ずっと机に突っ伏して
メソメソと泣いていた。あの涼宮ハルヒのとんでもない行動に
クラス全員の顔が引きつっていたが、誰も声を掛けるものはいなかった。


クラスにこいつの味方なんていないだろうし当然といえば当然か。これはお前の行動が
招いた結果であり、イジメなんて無く大人しい良い奴らが集まってるこのクラスでも、
ハルヒを慰めてやろうなんて奴は居ないのだ。


特に谷口はハルヒに相当怒っていた。ハルヒの映画作りに
無償で協力させられ、池に落ちた挙句、一切の労いや感謝の言葉も無く
『まだ居たの?帰っていいよ』って感じでポイされたのだ。
どんな聖人でも怒って当然だろう


古泉は谷口と国木田に頭を下げ謝罪していたが、谷口は
『お前やキョンの苦労がわかったよ』と逆に慰められていた。良い奴だな、お前。

26: 2015/10/07(水) 01:14:25.446 ID:tFGlLfwR0.net
その日の放課後、僕は朝比奈さんに呼び出された。
昨日の話の続きをされるのは嫌だったが、朝比奈さんは
何も言わず部室に僕を連れていき、



みくる「涼宮さんが……お話したいことがあるそうです……。
    あのっ!……どうか、怒ったり……しないでください……」

そういって僕と涼宮さんを二人にした。



古泉「…………」

ハルヒ「…………」

流れる沈黙。涼宮さんは机に伏したままだ。

古泉「……話が無いのでしたら帰らせていただきます」

ハルヒ「…………」

27: 2015/10/07(水) 01:16:14.380 ID:tFGlLfwR0.net
古泉「……では」

ハルヒ「……待って」

古泉「なんですか」

ハルヒ「古泉くん……ごめんね」

古泉「あなたは人に謝罪する時、寝たままなのですか?」

ハルヒ「……えと……ごめん」

顔を上げた彼女は、目を真っ赤に腫らして
ボロボロと涙を流していた

29: 2015/10/07(水) 01:22:00.937 ID:tFGlLfwR0.net
ハルヒ「ごめん……ぐすっ……ごめんね……古泉くん」

古泉「ごめんだけではわかりませんよ。何に対して謝りたいのか」

ハルヒ「えっと……古泉くんを……怒らせて……古泉くんを困らせて……
    あたし、古泉くんの気持ちわからなかった……ごめん、ごめんね……」


彼女がここまで一方的に泣きながら謝るなんて予想外だった。
考えが幼稚でワガママでイライラしますが、彼女だって
女の子であり、ここまで凹んでいるとさすがに許したくなる。



古泉「そうですか、あなたがそこまで反省しているのであればもういいです
    僕も殴ったのはやりすぎましたし」

ハルヒ「そんな……あたしが悪いもの……ごめんね……
    あたし、古泉くんに嫌われるのが怖いの……ぐすっ……
    嫌わないで……良い子にするから……ううっ……」

30: 2015/10/07(水) 01:27:02.664 ID:tFGlLfwR0.net
古泉「もういいです。泣かないでください。あなたらしくありませんよ。
    僕ももう怒ってはいませんし嫌いになってもいません」

ハルヒ「ほんとに……?これからあたし気をつけるから……ごめんね」

古泉「ところで、ちゃんと朝比奈さんには謝罪しましたか?
    一番謝るべき相手は朝比奈さんですよ。
    それと長門さん鶴屋さんにもです」



ハルヒ「…………」

古泉「…………謝ってないのですか?」

32: 2015/10/07(水) 01:29:51.312 ID:tFGlLfwR0.net
ハルヒ「…………みくるちゃんは、自分が悪いですって言ってきたわ……
    有希に聞いても、あたしは悪くないっていうし、
    …………あたし、古泉くんを怒らせちゃったのは反省してる。
    でも、みくるちゃんに何か悪い事したかな……?有希や鶴屋さんに悪い事したかな……?」



こ、こいつ……!!

古泉「迷惑かけたでしょう!みんなに!あなたのワガママで!!」

ハルヒ「だって……だって……みんな、怒ってないし……
    怒ってるの古泉くんだけだし……ぐすっ……
    古泉くん……怖い……怒鳴ったら怖いわよ……ぐすっ……」

33: 2015/10/07(水) 01:34:00.282 ID:tFGlLfwR0.net
古泉「あなたっ……!何もわかってないじゃないですか!
    そうやって自分がなぜ相手を怒らせたかもわからずに、
    形だけ謝って……!人を馬鹿にするのもいい加減にしてくれ!!」

ハルヒ「怒らないで……嫌いにならないで……古泉くんが謝れっていうなら
    謝るから……みんなに……ぐすっ……うっ…………
    うわああああああああああん!!ああああああああああああん!」




だめだ。何も分かってない。
『悪い事した』というのを理解できない脳らしい……
今まで彼女に、本気で怒れる人間がいなかった、誰もいなかったんだ。
だから、こんな人間になってしまったんだ……涼宮さんは……!

35: 2015/10/07(水) 01:38:46.540 ID:tFGlLfwR0.net
バタンとドアが開き、彼と朝比奈さんが慌てて入ってくる。

朝比奈「こ、古泉くん!ダメ!あたしが、あたしが全部悪いんです!
    あたしが悪いから……お願い……!」

キョン「ちょっと言いすぎなんじゃないか?
   こいつを追い詰めてどうするんだ……。
   お前の個人的感情と
   世界の存亡、どちらが大事か……お前もわかってるはずだろ?」




古泉「…………彼女をこんなにしたのは誰でしょうか」

みくる「え……」

キョン「…………」



古泉「もう僕は限界だ。退団します」

37: 2015/10/07(水) 01:45:42.001 ID:tFGlLfwR0.net
みくる「そ、そんなっ!あたしが、あたしが悪いんですから!」

キョン「お、おい!待てよ!とりあえずハルヒに謝……」



古泉「そうやってずっと甘やかしてればいいんですよ。それでは」





と、いう事件があり、僕はSOS団を抜けた。
皆の事は好きでしたし、はっきり言って楽しかった
悔いがないとはいえなかったが、僕にはもう耐えられなかった。

38: 2015/10/07(水) 01:48:45.918 ID:tFGlLfwR0.net

引用元: ハルヒ「うああっ!!」