233: 2017/11/17(金) 22:57:51.50 ID:Z43aXat3o

234: 2017/11/17(金) 23:00:02.92 ID:Z43aXat3o
未央「そう! プロデューサーなら、凄い威力が出そうじゃない!?」

凛「威力が出る技じゃないでしょ」

武内P「その……人を睨みつけるというのは」

未央「あ、やっぱり駄目?」

卯月「プロデューサーさん、優しいですもんね♪」

武内P「……」

235: 2017/11/17(金) 23:02:08.62 ID:Z43aXat3o
武内P「そうですね……人を本気で睨みつけた経験はありません」

未央「えっ、その顔で!?」

凛「コラ! 未央!」

卯月「未央ちゃん! 失礼ですよ!」

武内P「……」

未央「あーっ! ごめんごめん、プロデューサー!」

武内P「……いえ、仰っている事は、何となくですがわかりますので」

236: 2017/11/17(金) 23:06:14.58 ID:Z43aXat3o
未央「お、お詫びと言ったらなんだけど、私の事睨みつけてみてよ!」

武内P「本田さんを……ですか?」

凛「それの何がお詫びになるの」

未央「ほら! 本当に怖い人に囲まれた時のための練習、とかさ?」

卯月「もー、未央ちゃんも自分で言ってる事がわかってないじゃないですか」

未央「あっははは!」

武内P「……」

未央「ってことで、お詫びと興味本位で、本気で睨みつけてみてよ!」

凛・卯月「未央(ちゃん)!」

武内P「……」

237: 2017/11/17(金) 23:09:53.46 ID:Z43aXat3o
武内P「しかし……本田さんを本気で睨みつけるというのは……」

未央「お願い! 私も、演技の参考になるかもしれないしさ!」

武内P「……そういう事でしたら、努力してみます」

卯月「未央ちゃんったら、調子が良いんですから」

凛「いつかバチが当たるよ」

未央「えへへ……さあ、プロデューサー! 本気で睨みつけちゃって!」

武内P「……はい、では――」


武内P「!」ギンッ!


未央「」


じょぱっ!


凛・卯月「失禁!?」

238: 2017/11/17(金) 23:14:02.11 ID:Z43aXat3o
武内P「ほ、本田さん!?」

未央「」

凛「駄目……完全に気を失ってる……!?」

卯月「水風船が破裂した時みたいでしたよ……!?」

武内P「お、お二人とも! 本田さんを――」


武内P「――お願いします!」ギンッ!


卯月「」


じょぱっ!


凛「卯月ーっ!?」

239: 2017/11/17(金) 23:17:12.69 ID:Z43aXat3o
凛「ちょっと! どうして卯月まで睨みつけたの!?」

武内P「ご、誤解です! そ……そんなつもりは……!?」

凛「何、まさか慣れない事をしたから、顔が戻らなくなってるって言うの!?」

武内P「お、恐らく……そうではないかと」


未央・卯月「」


凛「とにかく、なんとかするからプロデューサーは見ないで!」

武内P「わ、わかりました!」

240: 2017/11/17(金) 23:21:02.88 ID:Z43aXat3o
凛「でも……この状態からどうしたら……!?」


未央・卯月「」


武内P「誰か、助けを呼ぶというのはどうでしょうか?」

凛「それは駄目。結果が見えてる」

武内P「ですが……!」

凛「二人だけでも手に負えない状況なのに、これ以上増えられたら困るって言ってるの!」

武内P「す、すみません」


未央・卯月「」

242: 2017/11/17(金) 23:25:49.90 ID:Z43aXat3o
凛「もう……! 二人共全身ビチャビチャだよ……!」


未央・卯月「」


武内P「申し訳ありません……まさか、こんな事態になるとは」

凛「多分、言い出した未央本人も全く思ってなかっただろうね」

武内P「本田さんと島村さんには、本当に申し訳ない事を……」

凛「未央は自業自得だけど、卯月は完全に余波だから後でちゃんと謝って」

武内P「はい……勿論です」


未央・卯月「」

243: 2017/11/17(金) 23:31:08.50 ID:Z43aXat3o
  ・  ・  ・

凛「……ふぅ、終わったよ」

未央・卯月「」

武内P「……本当に、助かりました」

凛「体を拭いて、服は着替えさせた。まだ、気を失ってるけどね」

武内P「……お疲れ様です」

凛「まさか、友達のこんな後始末をするとは思わなかった」

武内P「……今後、このような事が起こらないよう、徹底して行きたいと思います」

凛「うん、そうして」

武内P「……」

244: 2017/11/17(金) 23:35:56.74 ID:Z43aXat3o
凛「ふふっ、でも、どれだけ怖い顔してるのか気になるかも」

武内P「や、やめておきましょう!」

凛「当たり前でしょ。私は、ひどい目にはあいたくないから」

武内P「……」

凛「でも、そろそろ顔も戻ったんじゃない? 大分時間も経ってるし」

武内P「そうですね、恐らく――」


コンコン、ガチャッ


みく「おはようにゃPチャン!」

李衣菜「おはようございまーす」


武内P「――戻っていると思います」ギンッ!


みく・李衣菜「」


じょぱっ!


凛「アスタリスク――っ!」

245: 2017/11/17(金) 23:41:33.78 ID:Z43aXat3o
  ・  ・  ・

凛「……これでよし、と」

未央・卯月・みく・李衣菜「」

武内P「その……渋谷さん、大変申し訳ありません」

凛「今日で、一生分の友達のこういう後始末をしたと思う」

武内P「……」

凛「本当は、顔を見て文句を言いたいんだけど」

武内P「すみません……自分では、よくわからないものですから」

凛「どれだけ不器用なの」

武内P「……」

246: 2017/11/17(金) 23:48:45.81 ID:Z43aXat3o
凛「……自撮りして、自分で確認するのはどうかな?」

武内P「! なるほど、その手が……!」

凛「自分の顔だから、怖いとは思わないんじゃないの」

武内P「そうですね。いつも、見慣れている顔ですから」

凛「……」

武内P「では、撮ります」

カシャッ!

武内P「……撮れました。では、確認を――」

凛「待って!」

武内P「? 渋谷さん?」

凛「嫌な予感がするから、自分で確認するのは待って」

247: 2017/11/17(金) 23:53:15.05 ID:Z43aXat3o
凛「今から私が連絡先を送るから、そのLINEに写真を送って」

武内P「……わかりました」

凛「……はい、送ったよ」

武内P「あの……神谷、と書いてあるのですが」

凛「奈緒なら大丈夫。加蓮がついてるから」

武内P「あの……本当に大丈夫なのでしょうか?」

凛「大丈夫、あの二人なら」

武内P「……わかりました」

248: 2017/11/17(金) 23:58:16.19 ID:Z43aXat3o
  ・  ・  ・

武内P「……既読がついた瞬間に、北条さんから電話がかかってきましたね」

凛「うん、あんなに焦ってる加蓮の声、初めて聞いたよ」

武内P「……」

凛「『奈緒の膀胱が爆発した! 奈緒の膀胱が爆発した!』ってさ」

武内P「全く大丈夫ではなかったのでは……!?」

凛「大丈夫だよ。加蓮、落ち着いたら奈緒の様子を写真で送ってきたし」

武内P「……北条さんは冷静ですね」

凛「言ったでしょ、あの二人なら大丈夫だって」

武内P「……」

249: 2017/11/18(土) 00:02:41.81 ID:dyitIIzoo
凛「でも……本当、いつ戻るんだろうね」

武内P「私にも……皆目検討がつきません」

凛「皆が目を覚ました時のために、」


未央・卯月・みく・李衣菜「」


凛「ちゃんと顔、隠しておいてよね」

武内P「……はい、もうご迷惑をおかけする訳にはいきませんから」

凛「……」

武内P「……渋谷さん?」

凛「いや……どんな顔してるのかな、って思っただけ」

250: 2017/11/18(土) 00:10:20.78 ID:dyitIIzoo
武内P「い、いけません! 危険です!」

凛「でも、見た人間が全員こうなっちゃう程だよ?」


未央・卯月・みく・李衣菜「」


凛「普通は気になるでしょ」

武内P「……」

凛「まあ、私は見ないけどね」

武内P「それを聞いて安心しました」

凛「……」

251: 2017/11/18(土) 00:13:27.41 ID:dyitIIzoo
  ・  ・  ・

未央「いやー、本当迷惑かけたねしぶりん」

卯月「うぅ……ありがとうございます……!」

凛「良いって、気にしてない」

みく「それにしても……うぅ、思い出しただけでチョロッと出そうになるにゃ」

李衣菜「わかる! っていうかやめて! 私もチョ口リといきそうになるから!」

未央「はっはっは!……ねえ、本当やめよう?」

卯月「は、はい! この話はもうやめましょう!」

凛「……」

252: 2017/11/18(土) 00:17:40.05 ID:dyitIIzoo
みく「あーもー! 見て、鳥肌!」

李衣菜「私だって指先の震えが止まらないもん!」

未央「私なんて膝まで震えてるよ!」

卯月「ふふ……プロデューサーさんには悪いですけど、変に仲良くなれましたね♪」

みく・李衣菜・未央「……だね!」

凛「……」

卯月「凛ちゃん? どうかしましたか?」

凛「……別に? 何でもないよ」

253: 2017/11/18(土) 00:21:53.34 ID:dyitIIzoo
凛「……」

未央「もしかして、しぶりんも見たかったりする?」

凛「み、未央!? べ、別に……そういうわけじゃないけど」

みく「凛ちゃん、今はみく達がついてるにゃ!」

凛「みく……」

李衣菜「遠慮なくじょぱっても、助けるのが私のロックだよ!」

凛「李衣菜……いや、そこは見るなら普通に準備してからにするよ」

卯月「さすが凛ちゃん、冷静です♪」

凛「卯月……なんだかほんのりバカにしてない?」

254: 2017/11/18(土) 00:29:24.59 ID:dyitIIzoo
未央「でも、絶対プロデューサーはもうあの顔してくれないよね」

凛「それなら……多分、奈緒のLINEに写真が残ってると思う」

みく「なるほど。それを送って貰えば良いんだね」

李衣菜「早速、送ってくれるよう頼んでみなよ!」

凛「そうだね。先に、奈緒に送ってくれるようLINEしておく」

卯月「……あれ? でも、確認する時に――」

凛「……」

ズットツーヨク♪ソウツーヨク♪

凛「ん? 加蓮から着信が……」

255: 2017/11/18(土) 00:37:29.34 ID:dyitIIzoo
凛「……あ、あー……うん……うん」

凛「うん……わかった、すぐ行く」

未央「? どうしたのしぶりん?」

凛「奈緒と加蓮、クローネのプロジェクトルームに居たんだって」

みく「? それがどうかしたの?」

凛「写真を確認する前に、奈緒が高笑いしたから……人が集まってきたんだって」

李衣菜「……まさか」

凛「うん、だから、助けに行かないと」

卯月「凛ちゃん、頑張ってください!」

凛「え、私一人でいくの?」

256: 2017/11/18(土) 00:45:51.45 ID:dyitIIzoo
未央「そんな事言われても、ほら見てよ」ガクガク

みく「クローネのプロジェクトルームには、あの顔があるんでしょ?」ブルブル

李衣菜「ロックじゃないとは思うんだけど……」ガタガタ

卯月「そう思うと、足が動かないんです」ビクビク

凛「……」

凛「!」キッ!

未央・みく・李衣菜・卯月「?」

凛「……」


凛「私もちょっと気絶してくる」



おわり

258: 2017/11/18(土) 08:08:42.78 ID:SLICD1T50

引用元: 武内P「大人の魅力、ですか」