455: 2017/11/22(水) 20:50:22.52 ID:c1Cq8yxQo

456: 2017/11/22(水) 20:51:49.81 ID:c1Cq8yxQo
凛「うん」

武内P「ですが……渋谷さんは、とても良い笑顔をしています」

凛「私の練習じゃなくて、プロデューサーの」

武内P「私の……ですか?」

凛「そう」

武内P「……」

457: 2017/11/22(水) 20:53:33.85 ID:c1Cq8yxQo
凛「聞いたよ。美穂、プロデューサーの顔を見て気絶したんだって?」

武内P「それは……はい」

凛「それについてどう思ってるの?」

武内P「小日向さんには……はい、大変申し訳無いことをしたと思っています」

凛「それで、その後にさ」

武内P「?」

凛「いい笑顔で笑った、って聞いた」

武内P「……」

458: 2017/11/22(水) 20:55:31.14 ID:c1Cq8yxQo
武内P「ですが……それは意識しての事ではなかったので」

凛「だから、それを意識して出せるようにすれば良いんじゃないかな」

武内P「……」

凛「これから二期生の相手もしなきゃいけないんでしょ?」

武内P「……」

凛「また、気絶させるつもり?」

武内P「……」

459: 2017/11/22(水) 20:57:14.02 ID:c1Cq8yxQo
武内P「ですが……」

凛「言い訳は聞きたくない」

武内P「……」

凛「良いからほら、やってみせてよ」

武内P「……」

武内P「……」ニゴォ

凛「……ひどいね」

武内P「……」

460: 2017/11/22(水) 20:59:27.22 ID:c1Cq8yxQo
武内P「あの、やはり意識しては……」

凛「こうだよ、こう」ニコッ

武内P「……」

凛「どうかな?」ニコッ

武内P「はい、とても、いい笑顔です」ニコッ

凛「!?」

461: 2017/11/22(水) 21:02:15.90 ID:c1Cq8yxQo
凛「っ!? 今の、何!?」

武内P「? はい? どうか、されましたか?」

凛「ちょ、ちょっともう一回」

武内P「……はぁ」

凛「こうだよ、こう」

凛「……」ニヘラッ

武内P「!? 渋谷さん!?」

凛「ん?」ニヘラッ

462: 2017/11/22(水) 21:04:45.42 ID:c1Cq8yxQo
武内P「あの、失礼ですが……笑顔が、とても下手になっています」

凛「……えっ? 嘘っ?」

武内P「下手というか、こう、締りの無い感じに……」

凛「締まりがない!?」

武内P「はい……残念ながら」

凛「えっ……なんで……?」

武内P「……」

463: 2017/11/22(水) 21:06:28.45 ID:c1Cq8yxQo
凛「ちょっ、ちょっともう一回見て!」

武内P「はい」ジーッ

凛「……」

武内P「……」ジーッ

凛「……」ニヘラッ

武内P「下手、ですね」

凛「……まさか、プロデューサーに笑顔が下手って言われるなんて……!」

武内P「……」

464: 2017/11/22(水) 21:08:54.31 ID:c1Cq8yxQo
武内P「スランプ、でしょうか」

凛「……笑顔のスランプなんて聞いたことないよ」

武内P「もう一度、先程の流れをなぞってみましょう」

凛「?」

武内P「先程の、いい笑顔を思い出すためです」

凛「……なるほど」

武内P「このままでは、仕事に支障が出てしまいますから」

凛「……」

465: 2017/11/22(水) 21:11:56.24 ID:c1Cq8yxQo
武内P「まず、私が笑顔を……」

武内P「……」ニゴォ

凛「うん、やっぱり下手だね」

武内P「……そして、渋谷さんがお手本を」

凛「こう?」ニコッ

武内P「はい……! とても、いい笑顔です」ニコッ

凛「……」ニヘラ

武内P「ああっ、惜しい!」

凛「……わざとやってる?」

武内P「……はい?」

凛「……」

466: 2017/11/22(水) 21:16:53.55 ID:c1Cq8yxQo
武内P「あの……何か、問題でも?」

凛「そう言うんじゃないから」

武内P「……?」

凛「……ぷ、プロデューサーって私の普段の笑顔はどう思う?」

武内P「渋谷さんの普段の笑顔……ですか」

凛「うん、そう」

武内P「そうですね……凛とした外見とは裏腹な、とても朗らかで優しい笑顔だと思います」

凛「……ふーん」ニヘラ

武内P「ああっ……! また……!」

凛「ぷ、プロデューサーは見ないでいいから!」

467: 2017/11/22(水) 21:21:06.99 ID:c1Cq8yxQo
凛「今のは、そう言うのじゃないから」

武内P「すみません、仰っている意味がよく……?」

凛「……もう、今は私の話じゃないでしょ」

武内P「いえ、ですが……!」

凛「じゃあ、プロデューサーがお手本を見せてよ」

武内P「私が笑顔の……ですか……!?」

凛「そう。担当アイドルのため、頑張ってよね」

武内P「……」

468: 2017/11/22(水) 21:24:20.65 ID:c1Cq8yxQo
武内P「私では力不足かもしれませんが……努力させて頂きます」

凛「うん、見てるから」

武内P「……」キリッ

凛「……」ニヘラ

武内P「!」ニッゴォ

凛「ぷっ!? な、なにそれ!? ふっくくく……!」ニコニコ

武内P「! それです、その笑顔です!」ニコニコ

凛「……」ニヘラッ

武内P「ああっ!? また!?」

469: 2017/11/22(水) 21:30:46.06 ID:c1Cq8yxQo
凛「……うん、わかった」

武内P「あの、何がでしょうか?」

凛「プロデューサーは、笑顔が下手なままで良いよ」

武内P「あの、それは……?」

凛「プロデューサーが笑顔がうまくなった方が……大変だろうから」

武内P「はぁ……?」

凛「わからなくていいよ」

武内P「……」


470: 2017/11/22(水) 21:34:52.61 ID:c1Cq8yxQo
凛「他の子に言われても、笑顔の練習はしちゃ駄目だから」

武内P「それは……」

凛「良い? わかったらほら、返事」

武内P「……はい、わかりました」

凛「よし」ニコッ

武内P「……良い、笑顔です」ニコッ

凛「……」ニヘラッ

武内P「……あの、渋谷さん」

凛「えっ? な、何?」



武内P「笑顔の練習をしますか?」




おわり

引用元: 武内P「大人の魅力、ですか」