881: 2017/11/30(木) 14:12:22.60 ID:0kXFt9DTo

882: 2017/11/30(木) 14:15:35.34 ID:0kXFt9DTo
専務「そうだ。そして、これはほぼ決定事項でもある」

武内P「待ってください! それは、あまりに強引すぎます!」

専務「君は、アイドルの個性を大事にしたいと言ったな?」

武内P「それは……はい、その通りですが」

専務「その言葉に、偽りは無いな?」

武内P「勿論です」

専務「そんな君ならば、加えたいメンバーを輝かせる事も出来るだろう」

武内P「……」

883: 2017/11/30(木) 14:21:15.66 ID:0kXFt9DTo
武内P「一つ、質問しても良いでしょうか?」

専務「良いでしょう、言ってみなさい」

武内P「その、何故シンデレラプロジェクトの二期生に?」

専務「ふむ……推薦する程のメンバーならば、クローネでも良いのでは、という意味かな」

武内P「はい」

専務「そうだな……プロジェクトの一員として動く姿を見たいと思っている子達が居る」

武内P「……」

専務「けれど、私が面倒を見るのは御免被るから、君に任せたい」

武内P「……はい?」

専務「この答えでは不服かね?」

武内P「あの、不服に思わないと思いますか?」

884: 2017/11/30(木) 14:25:41.86 ID:0kXFt9DTo
専務「君ならば、実績、実力ともに問題は無い。胸を張りなさい」

武内P「私は今、貴女の頬を張り飛ばしたいと思いました」

専務「全てのメンバーを私の推薦する人間で構成しろ、という訳ではない」

武内P「……それを聞いて、少し安心しました」

専務「そうだな、各属性3人ずつと言った程度だ」

武内P「多いです! それでは合計で9人になります、専務!」

専務「それでは、メンバーの紹介に移る」

武内P「聞いてください!」

885: 2017/11/30(木) 14:33:21.30 ID:0kXFt9DTo
専務「まずはキュートタイプのメンバーだが」

武内P「……」

専務「池袋晶葉くん、一ノ瀬志希くん、棟方愛海くんの三名だ」

武内P「氏んでしまいます!」

専務「? 何故だね?」

武内P「物理的にせよ、精神的にせよ、尋常ではない負担が予想されます」

専務「しかし、実力的には申し分無い」

武内P「ですが……!」

専務「君は、アイドルの個性を大事にするのでは?」

武内P「専務、私の事も少しは大事にしてください」

886: 2017/11/30(木) 14:39:04.43 ID:0kXFt9DTo
専務「次に、パッションタイプのメンバーだが」

武内P「……」

専務「財前時子くん、村上巴くん、佐藤心くんの三名だ」

武内P「明らかに頃しに来ているじゃないですか!」

専務「確かに、前者二人は君が傷つく危険もある」

武内P「豚と罵られながら、どてっ腹に風穴があきますよ」

専務「そんな君をスウィーティーに癒やす、完璧な布陣と言えるだろう」

武内P「焼け石に水です!」

専務「しかし、全員実力的にも、個性も申し分無い」

武内P「……」

887: 2017/11/30(木) 14:50:31.82 ID:0kXFt9DTo
専務「最後に、クールタイプのメンバーだが」

武内P「……」

専務「ヘレンくん、木場真奈美くん、高峯のあくんの三名だ」

武内P「専務は、私が憎いのですか?」

専務「ヘレンくんは言わずもがな、世界レベルな上にダンサブルだ」

武内P「木場さんも……そうですね、とても優秀でパワフルな方ですね」

専務「そして、欠かせないおもしろクール枠の高峯のあくん、完璧な布陣だ」

武内P「……」

専務「以上が、シンデレラプロジェクト二期生のメンバーに加えられる」

武内P「……」

888: 2017/11/30(木) 14:54:26.46 ID:0kXFt9DTo
専務「この仕事、やってくれるね?」

武内P「このお話、お受け出来ません」

専務「……何故だ?」

武内P「確かに、彼女たちは素晴らしいアイドルです」

専務「ならば、何故」

武内P「専務は、彼女たち全員をクローネに加えて面倒が見切れますか?」

専務「ふむ……君は、私に氏ねと言うのかな?」

武内P「それが理由です! ご自身でもわかっているじゃないですか!」

889: 2017/11/30(木) 14:58:41.07 ID:0kXFt9DTo
武内P「ハッキリ申し上げますと、全員を同じプロジェクトに入れるのは無謀すぎます」

専務「しかし、私はそれが見たい」

武内P「確かに、上手く行けばとても素晴らしいステージが見られるでしょう」

専務「ふむ、君もそれはわかっているか」

武内P「しかし、その過程で壊れてしまう者が出ます」

専務「まさか、彼女達や他のメンバーに悪影響が出るとでも?」

武内P「いえ、私の心が壊れます」

専務「君ならば大丈夫だ。私が保証しよう」

武内P「そんなテキトーな保証は聞いたことがありませんよ!」

890: 2017/11/30(木) 15:03:15.48 ID:0kXFt9DTo
専務「しかし、これは既に重役会議で決定事項だ」

武内P「ウチの重役の方達はチャレンジャブル精神に溢れ過ぎでは?」

専務「挑戦無くして、未来は掴めない」

武内P「しかし、明日も見えずして未来が掴めるでしょうか?」

専務「未来を掴むのは君ではない、主役はアイドルだ」

武内P「……そのための犠牲になれ、と?」

専務「察しが良いな。やはり君は優秀なようだ」

武内P「……」

891: 2017/11/30(木) 15:08:04.04 ID:0kXFt9DTo
専務「はじめは、君以外の者に任せようという方向で話が進んでいた」

武内P「! それは、本当ですか?」

専務「事実だ」

武内P「では、私以外の者に……」

専務「しかし、メンバーを聞いた途端、首が千切れるかと思う程横に振る者ばかりでな」

武内P「……それは」

専務「そこで、佐久間まゆくんの担当プロデューサーが、君ならばやってくれる、と」

武内P「!?」

専務「その言葉を聞いた他のプロデューサーも、君ならば、と全員一致で推薦していたぞ」

武内P「!!?」

892: 2017/11/30(木) 15:13:03.30 ID:0kXFt9DTo
専務「だから、この件を任せられるのは君しかいない」

武内P「いえ、ですが……」

専務「仮に他の者が臨んだとしても、1クール保たずに入院するだろう」

武内P「そんな過酷な事を私にやれ、と……?」

専務「その通り、私も見たいんだもん」

武内P「……もん、などと付けないでください」

専務「ただのお茶目だ。許しなさい」

武内P「……」

893: 2017/11/30(木) 15:19:33.09 ID:0kXFt9DTo
武内P「……お話は、わかりました」

専務「肉体的に耐えられる者が君しかいない、当然の結論だ」

武内P「もし放送するとしたら、どのような形態で?」

専務「分割2クールを予定している」

武内P「……なるほど」

専務「1クール終了と同時に病院に緊急搬送、2クール開始までに治療とリハビリを済ませて貰う」

武内P「……」

専務「治療こちらで最高の病院と医療スタッフを用意しよう」

武内P「……」

894: 2017/11/30(木) 15:30:20.68 ID:0kXFt9DTo
武内P「……他のメンバーは、こちらで選考しても?」

専務「良いでしょう」

武内P「体と……心の準備期間は頂けるのでしょうか?」

専務「ふむ……出来るだけ早くしたまえ、私はあまり気が長い方ではない」

武内P「……努力します」

専務「……君は、こんな提案をした私が憎いかね?」

武内P「専務?」

専務「……」

895: 2017/11/30(木) 15:33:38.12 ID:0kXFt9DTo
専務「今西部長から聞いてな。君は、私を憎いと思った事は無い、と」

武内P「……はい、確かにそう言いました」

専務「今回の事を含めても、それは変わらないと?」

武内P「はい、私の答えは変わりません」

専務「そ……そうか」

武内P「……」

専務「ふふっ……君は、変わった男だな……」ニコリ

武内P「私は、貴女を憎いと思った事はありません。……ですが」

専務「?」


武内P「普通に嫌いです」



おわり

引用元: 武内P「大人の魅力、ですか」