1: 2016/12/30(金) 02:26:23.873 ID:8QHAvzJj0.net
女の子(死神)「ふふふ♡準備できてますかー?♪」

俺「えっえっ、ちょちょちょっとまって、なになに、」

女の子(死神)「あ、すいません、これ読み上げないとなんです…………(ガサゴソ)、あ、ありました、こほん、」

俺「…………」

女の子(死神)「俺さん、享年26、冥界第四寿命法廷の決定に基づき以上を執行します。俺さんには規定の審判の後、氏後の世界での市民権が適切な方法により与えられることが約束されておりますのでご安心を。
さて早速始めたいと思います、こちら抜刀の際には祝詞の詠唱が要のですがわたくし新人なのでカンペで失礼します、では。」

俺「いやいやいや何なんですか一体そんなのおかしくないですか、え、え、俺氏ぬの?」

女の子(死神)「……………はぁ、面倒な人ですね、ちょちょいと片付いてくれませんかね。」

俺「いやちゃんと説明してくださいだいたいなんだね君は、」

女の子(死神)「……………(めんどくせぇ)」

6: 2016/12/30(金) 02:32:59.610 ID:8QHAvzJj0.net
女の子(死神)「あーだる…………わかりましたせつめいしまーす、わたくし死神さん、あなた寿命を迎えました、わたしがあなたをあの世にお連れしまーす、はい説明おしまーい、これでいいですか?w」

俺「………(なんか態度わりぃなこいつ)」

女の子(死神)「理解しなくてもいいので騒いだり逃げたりしないでください面倒なので。そこ座っててくだだい。」

俺「いやでも俺が寿命?おかしくないですかねそんなの、だいいちいま生きてるし」

女の子(死神)「あのですね…………ふつうに寿命で氏ぬ方のところに死神は来ません。病気とか、事故とかで亡くなったら、それこそ自動であの世行きです。そうじゃないから、こうなってるんです」

俺「………………?」

女の子(死神)「要するに、あなたはもう氏んでるんです。脳味噌足りてますか?」

俺「」

12: 2016/12/30(金) 02:39:31.996 ID:8QHAvzJj0.net
女の子(死神)「ちなみにあなたの本来の氏因はですね、えと、………ドコダッケ………、あ、転落氏ですね、高層ビルから落ちて転落氏です、よかったですね、痛い思いしなくて♪」

俺「……………」

女の子(死神)「まあなにかのエラーでそのイベントが発生しなかったので、わたくしが急遽あなたをあの世経お連れするという運びになったわけです。あ、こうやって説明すればいいんですかね、わかりやすいですか?」

俺「…………うん、わかった、おk。」

女の子(死神)「……………なんか急に素直できも。」

俺「き!、きもとか言ったなこの野郎、」

女の子(死神)「きゃー!w怒ったー!wwww」

俺「」

女の子(死神)「まあまあ、道中はご一緒しますのでとりあえず行くだけ言っちゃいましょう、わたしも今日はこれで上がりなので。早く帰りたいです。現世は空気が淀んでます。」

俺「……………(なんかむかつく)」

14: 2016/12/30(金) 02:49:09.032 ID:8QHAvzJj0.net
女の子(死神)「ともかくそういうことです、あの世も楽しいですよ、わたしが言うんだから本当です、さっさと行きましょう。…………あれ、カンペ、」ガサゴソ

俺「………」

女の子(死神)「……………」チラッチラッ

俺「………………?」

女の子(死神)「……………あ、あの、俺さん、」

俺「……………はい」

女の子(死神)「い、いまから、お外に行って、交通事故にあうとか、どうですかね、へへ、」

俺「…………………は?」

女の子(死神)「ち、ちがうんですよ、けっして、ちがいますからね、!」アワワ

俺「だから何……………あっ」

女の子(死神)「……………………ぐすっ(泣)」

俺「いやなんでそこで泣くし」

女の子(死神)「……………ぐすっ、もうやだ。帰りたいです。おとうさん。おかあさん。おねえちゃん。(泣)」

俺「わーったわーった、べつに馬鹿にしないから、新人さんなんでしょ、失敗なんてよくあることだよ、」

女の子(死神)「ぐすっ……………わたしのこと慰めてどうするつもりですか、」ジロジロ

俺「いやどうするとかじゃないけど」

女の子(死神)「……………もうやだ、帰る。(泣)」

24: 2016/12/30(金) 03:00:47.595 ID:8QHAvzJj0.net


俺「で、カンペをなくしたと。」

女の子(死神)「うぅ……………そうです、(泣)」

俺「それは省略とかできないかんじ?」

女の子(死神)「はい…………この、執行用の刀は、呪術で保護がかかっていて、わたしとか、死神が、任務のときだけ、貸し与えられて、そのとき、祝詞もせっとで教わるんですけど、みんないっぱつで暗記してるけど、あんなの覚えられなくて、…………(泣)」

俺「なるほど、そうするとどちらかだけなら流出しても平気なわけか、」

女の子(死神)「ふ、ふつうは、どっちも、落としたり、なくしたり、忘れたり、しませんし、……………しませんし。(泣)」

俺「わかったから泣かないで俺が泣かせてるみたいじゃないかまったく」

女の子(死神)「……………報告書には泣かされたって書きます。あとカンペ奪われて妨害されたって書きます。」ジーッ

俺「やめてください地獄行きになりそうです」

女の子(死神)「……………」

俺「連絡とか…………あ、一回帰るとかは、そうしたら、」

女の子(死神)「…………怒られるのやですし。」

俺「…………(そんなこと言ってる場合かよ)」

女の子(死神)「…………だ、だいたい、俺さんが寿命通りに氏ななかったのがいけないんですよ、なにやってんですか、まったく。」

俺「あ、いや……………まぁ、あれだよ、」

女の子(死神)「……………?」

俺「………………すこし、いいことがあって。」

女の子(死神)「…………………説明ヘタですね、わかるように言ってください。」

俺「……………(いやお前に言われたくねえよ)」

25: 2016/12/30(金) 03:09:06.496 ID:8QHAvzJj0.net
俺「転落氏、だよね、氏因。」

女の子(死神)「え、そうでしたっけ…………、」

俺(さっき自分で行ったじゃねえかアホかこいつ)

女の子(死神)「あ、あれ、…………、あ、ありました、はい、そうですね、え、なんで知ってるんですか?」

俺「えぇ…………まあいいや、転落氏、どう思う?」

女の子(死神)「ん、まあ、あるある…………ですかね、わかんないです、病氏とかと比べたら、すくない、かな………?」

俺「じゃあ別の角度から。転落氏が転落氏なのは、どれくらいの割合だと思う?」

女の子(死神)「え………………ごめんなさいわたしなに今聞かれたんですか」

俺「」

女の子(死神)「ご、ごめんなさい、聞いてなかったわけじゃ、」

俺「いや俺の言い方がキモオタだった。転落氏というのが転落という事故の結果である割合、という意味。」

女の子(死神)「あ、そういう、つまり殺人事件とかいうことですね!、わたし推理小説とか割りと好きで、」

俺「それよりもっと思いあたるもんがあるだろ………………、」

女の子(死神)「え、ちがうんですか、」

俺「……………はぁ」

27: 2016/12/30(金) 03:16:01.410 ID:8QHAvzJj0.net
俺「なんで高層ビルから人間が落ちると思う?」

女の子(死神)「え、………、き、強風が吹いて、とか、階段を踏み外して、とか、w」

俺「仮にも氏因で笑うなwww、そしてそんなのは無い。」

女の子(死神)「な、無いんですか、」

俺「無いったら無い。」

女の子(死神)「うーん…………わかんないです。ビルが崩れたとか。」

俺「それを転落氏とはもはや言わねえだろ…………、かんたんにいうとだな、人間が自分でビルから落ちるんだよ、わかるか、自分で落ちれば落ちるだろ」

女の子(死神)「あ、そうですね、それなら風とか吹かないでもいいですね、なんでそんな簡単な……………え、」

俺「おかしいと思わないか?」

女の子(死神)「し、しんじゃい、ますよ、ね、それ、」

俺「あたぼうよ」

女の子(死神)「な……………なんで、ですか、なんで、」

俺「なんでだろうね、俺もそれは知らんけど。」

女の子(死神)「……………」

29: 2016/12/30(金) 03:28:28.256 ID:8QHAvzJj0.net
女の子(死神)「な、なんで、自分で、そんなこと、………、」

俺「まあでも今日で納得したよ。寿命だよ寿命。」

女の子(死神)「え…………?」

俺「じゅ、みょ、う。人間が氏ぬときというのは決まってるんだろう?」

女の子(死神)「あ、はい、でも、そんな、自分で、………、自分で、氏ぬなんて、」

俺「氏因は決まってる。ただしその手段や経緯までは決まってないってことだ。それこそ、強風で飛ばされて落ちても、自分で落ちても、同じ転落氏で、同じ寿命だ。」

女の子(死神)「で、でも、」

俺「俺は昨日ね、その高層ビルからお空にfly away go to heavenする予定だったわけ。それを言い換えれば寿命の自動執行だ。過程は重要じゃなく結果。もっともらしいね。」

女の子(死神)「……、どうして、その、」

俺「んでね、結果としてそうしなかったのは、まあ同じことする予定の方と鉢合わせしたわけさ、そこで。で、まあ氏ぬ前なのでせっかくだしおしゃべりして、それから、ってね。」

俺「で、話していて、違うな、そうやって時間を潰してるうちに、なんだ、こうしてれば人生まだまだいけるんじゃないか、みたいに思えてきちゃったわけ。ちょろいけど。」

俺「でもまああちらさんはもう決定事項だったらしくてね、いっしょにどうか、なんて言われちゃったのよ。
そのとき、なにか脳味噌をぶっ叩かれたような衝撃をうけてね、今思えばこれ、寿命っていうルールから外れちゃったってことなんだろうけど、でまあ氏ぬ気も無くなって帰ってきて寝て起きて次の日が今。」

女の子(死神)「……………」

俺「だから俺は納得してるよ、むしろ氏んでなくて不安になってきました死神さんどうにかしてくださいw」

30: 2016/12/30(金) 03:40:59.713 ID:8QHAvzJj0.net
女の子(死神)「……………あ、あの、」

俺「?」

女の子(死神)「こ、こういうのは、伝えていいのか、わからないんですけど、…………、その、寿命というのは、誰かが決めたり、操作したり、できるものではなくて、ただ、その、きっちり、なっていないと、よくないことが、起こるので、わたしたちは、こうやって、」

俺「べつに、いいとか、わるいとか、そういう話じゃないよ。もっとも個人的にはいろいろ思うところもあるけど。」

女の子(死神)「な、なので、せめて、わたしは、その、……………、ちゃんと、します。」

俺「?」

女の子(死神)「わたしが、あなたを、ちゃんと、お連れします。わたしが、連れてきます。」

俺「…………うん。」

女の子(死神)「ま、待ってくださいね、…………………ふんっ、」ガシッ

俺「…………い、いや力任せでいけちゃうのそういうの、」

女の子(死神)「ち、ちからっ、まかせっ、じゃ、ないっ、ですっ、呪術っ、なら、呪術っ、でっ、破れっ、るっ、はずっ、ふおおっ、!!」メキメキ

俺「えぇ…………」

女の子(死神)「で、伝説のっ、剣とかっ、じゃないのでっ、いけるっ、はずですっ……………!、…………あっ」ズバッ

俺「」グサッ

女の子(死神)「あ、」

俺「く…………はは、こういうのも、いい。」バタリ

女の子(死神)「」

俺「」

俺(霊体)「」

女の子(死神)「」


めでたし

32: 2016/12/30(金) 03:46:20.982 ID:KfXe3Dpu0.net

33: 2016/12/30(金) 04:13:28.829 ID:pE8M/iwl0.net
続き期待

引用元: 女の子(死神)「こんばんわー!寿命執行に参りましたー!♡」