1: 2016/03/03(木) 02:40:15.99 ID:xXsZE1xI0

2: 2016/03/03(木) 02:41:10.50 ID:xXsZE1xI0
八幡子「みなさんごきげんよう、私はみんなのヒーロー八幡子さんよ!」
(花子ボイス)

八幡子「よく私のことを、冴えない四白眼をした比企谷八幡とかいう男と勘違いする人がいるけど、全くの別人よ」

小町「お兄ちゃん、さっきから一体誰に向かって話してるの?」キョトン

八幡子「ああ、これは妹の小町よ。さて、今回は人食いランドセルのお話を紹介するわよ」

小町「え、人食いランドセルッ!?」
『やがて、季節は移ろい、雪は解けゆく。』
3: 2016/03/03(木) 02:42:25.29 ID:xXsZE1xI0
ある日の奉仕部にて……


いろは「はぁ……」

結衣「あれ、いろはちゃんため息なんかついて一体どうしたの?」

いろは「結衣先輩、聞いてくださいよぉ〜」

いつもの八幡「その前に、なんで当たり前のように一色が部室にいるんだよ」

いろは「酷くないですかそれぇ〜〜! せっかく可愛い後輩がわざわざ遊びに来たんですよ」ブリブリ

4: 2016/03/03(木) 02:43:26.10 ID:xXsZE1xI0
八幡「はいはい、可愛い可愛い」

いろは「ちょ、全然気持ちがこもってない! 棒読みじゃないですかぁ〜!」

雪乃「一色さん、何か用があって来たのではなかったのかしら?」

いろは「はい、いつも通り先輩に生徒会の仕事を押し付け……コホン、手伝ってもらおうと思ってきたんですけどぉ〜」

八幡「何この子、途中で自分の言ったことなかったことにして話進めたよ」

5: 2016/03/03(木) 02:44:39.16 ID:xXsZE1xI0
いろは「そしたら美味しそうな紅茶とクッキーがあったんで、こうして頂いてるってわけです。んん〜〜美味しい」モグモグ

八幡「何この子、この堂々としたあざとさ」

結衣「まあまあ、紅茶もクッキーもたくさんあるしね」モグモグ

八幡「食ったささっさと生徒会室へ戻れよ」モグモグ

いろは「もう、どうして先輩はそんなに私に冷たいんですか!?」
プンプン

八幡「相談者じゃねえんなら長居は無用だろ」シッシッ

6: 2016/03/03(木) 02:45:19.03 ID:xXsZE1xI0
雪乃「そういえば一色さん、先程ため息をついてたわね?」

結衣「あ、そうだし! それを私が聞こうとしたんだよ」

いろは「そうですよ、それを比企谷先輩のせいで話が脱線したんですよ!」

八幡「なんなの、何で俺は意味もなくいじめられるの……助けて戸塚」

7: 2016/03/03(木) 02:45:55.61 ID:xXsZE1xI0
結衣「それでいろはちゃん、何か悩み?」

いろは「はい。悩みってほどじゃないんですけど、今使ってるカバンが古くなったんで、新しく買おうと思ってて」

八幡「カバンって通学用のか?」

いろは「はぁッ!?結衣先輩や雪ノ下先輩相手にわざわざ通学用のカバンなんていうデザインも統一されててどうでもいいようなのの話をするわけないじゃないですか。先輩馬鹿なんですか、今時の女子の会話も理解出来ないんですか、そんなんだからいつまでたっても友達も彼女も出来ないんですよ。あ、ひょっとして無理矢理女子の会話に入ってモテようとか考えてんたんですか?ごめんなさい先輩なりに前に進もうと僅かながらに努力した姿勢は認めますが全然女子のことわかってないしなんかウザいから無理です!」

結衣「ちょ、ヒッキー全然女子力足んないし! まあヒッキーは男だけど」

雪乃「二人とも、そもそも彼女どころか友達すらまともに出来ないヒキガエル君にそんなことを期待する方が間違っているというものわ。この男に年頃の乙女の心境など………あら、私としたことが、この生物は人間であることすら疑わしいというのに」








八幡「……………………助けて戸塚」ウゥゥ

8: 2016/03/03(木) 02:46:50.08 ID:xXsZE1xI0
いろは「それで話を戻しますけど、どういうカバンにしようか迷ってて。そこで女子である結衣先輩と雪ノ下先輩に参考程度に意見を聞こうと思って」

雪乃「私はそういうのはあまりわからないわ。普通の女子ではない自身があるもの」

いろは「というわけで、結衣先輩の意見を聞かせてください〜!」

結衣「えへへ、よしっ、こういう時こそ私の出番だね!」ドヤッ

八幡「こういう時以外じゃ出番ねぇだろ、このビXチ!」

結衣「なァッ、ビXチって言うなし、ビXチのバカ、マジキモいーーー!!」プンプン

雪乃「ヒキガエル君、いくら冗談だとしても女子相手に『ビXチ』と言うだなんて最低よ!人の気持ちを考えてものを言いなさい!」

八幡「その前にお前が俺の気持ちを考えてものを言えよ! お前の発言だと俺人ですらねぇからな」

9: 2016/03/03(木) 02:47:35.74 ID:xXsZE1xI0
いろは「あんまり高くなくて、でも可愛くて洋服にも合いそうなのがいいかなって思うんですけど、一応雑誌も持ってきたんです」っ

結衣「う〜〜ん、この中だとこれがいろはちゃんに似合いそうかな!」

いろは「あぁ〜やっぱりコレですかぁ〜! 私もこれが良いかなって思ってたんですよぉ〜〜」


八幡(なら最初からそれ選べよ、これだから女子という生き物は面倒くさいんだ……)

いろは「……………ウフフ」チラッ

八幡(一色がこっちの方を見た……嫌な予感しかしねぇ)

10: 2016/03/03(木) 02:48:18.91 ID:xXsZE1xI0
いろは「せんぱ〜〜い、参考までに聞きたいんですけど、先輩はどのカバンがいいと思いますかぁ?」

八幡(ほら来たよ、いろはすあざとい!そしてウザい!)

八幡「お前さっき、俺に会話に入るな的なこと言ってなかったっけ?」

いろは「やだなぁ〜そこまでは言ってませんよ。私はただ、先輩の好みを知りたいだけというかぁ〜」

結衣(えッ!?)ビクッ

雪乃(比企谷君の好み………)ビクッ

11: 2016/03/03(木) 02:48:57.60 ID:xXsZE1xI0
八幡「そんなの葉山に聞けばいいだろ」

いろは「もう、ケチケチしないで教えてくださいよ。葉山先輩には後で聞きますし」

八幡「結局葉山に聞くんじゃねえかよ」

雪乃「比企谷君、一色さんがそこまで聞きたがっているのだし、ここは潔く答えてあげてもいいのではないかしら」ソワソワ

結衣「そうだよヒッキー、せっかくだし答えてあげなよ!」ワクワク

12: 2016/03/03(木) 02:49:37.69 ID:xXsZE1xI0
八幡「はぁ?お前らまで突然何だよ」

結衣「いいから、さっさと答えろし!」

雪乃「そうよ、さっさと答えなさい優柔不断谷君!」

いろは「ほら、結衣先輩も雪ノ下先輩もこう言ってるわけだし、早く答えてくださいよ」

八幡(たく、面倒くせえな。こんなの適当に選んどねばいいよな)

13: 2016/03/03(木) 02:50:20.05 ID:xXsZE1xI0
八幡「あぁーーこの赤い奴とかいいんじゃねえのか」

結衣「こよ赤いカバン!? ヒッキーは赤いのが好きなの?」

八幡「あぁーそうだな、うん。赤いのが似合うのが良いと思うぞ(適当)」

結衣「ふ、ふ〜〜ん………そうなんだ」モジモジ

いろは「へぇ〜〜、そうなんです」モジモジ


結衣(そうなんだ、ヒッキーって赤いカバンが似合うのがタイプなんだね。今度の休みの日に赤いカバンでヒッキーの家に遊びに行こうかな………えへへ///)

いろは(なるほど、先輩ってヘタレだと思ってたけど意外と情熱的な色が好みなんですね……ふふ///)






雪乃(私……赤色のカバンだなんて持ってないわ)シュン

14: 2016/03/03(木) 02:51:24.94 ID:xXsZE1xI0
そして部活が終わり、雪ノ下は帰路へ着いていた。





雪乃「まさか比企谷君が赤色が好きだったなんて思わなかったわ……」テクテク

雪乃「赤いカバンだなんて持っていなしい、それに私のイメージ的に赤色はあまり似合わないわよね」

雪乃「でもこのままでは由比ヶ浜さんや一色さんに遅れを取ってしまうわね。ここは思い切って赤色のカバンを買おうかしら」


怪しい老人「ちょいと、そこのお嬢さん?」

雪乃「?」

15: 2016/03/03(木) 02:52:32.03 ID:xXsZE1xI0
振り返ると、そこにはコート姿の怪しい老人が立っていました。
すると老人は、雪ノ下の前に新品の赤いランドセルを差し出してこう言いました。



老人「この赤いランドセルを貰ってはくれませんかね?私には必要のないものでして」

雪乃「赤色ッ!?」ビクッ

雪乃(って、いやいやいや!何を感がているのよゆきのん! いくら比企谷君好みの赤色とはいえランドセルじゃないの。それにこんな如何にも怪しげな老人から貰うわけにはいかないわ)

雪乃「あいにくですけど私は見ての通り高校生ですし、ランドセルはつかいません。それに見知らぬ女子高生にランドセルを渡そうとするだなんて怪しいにの程があるわよ。警察に通報しても良いのだけれど」

17: 2016/03/03(木) 02:57:09.70 ID:xXsZE1xI0


老人「今ならこの特性パンさんのぬいぐるみも付けますよ」

雪乃「ありがたく頂戴するわ!」ササッ


こうして雪ノ下は、その老人から何の疑いもなくランドセルを貰いました。
パンさんのぬいぐるみを貰って上機嫌となった雪ノ下は、その老人を警察に通報することもなく、るんるん気分でその場を後にしました。


雪乃「うふふ、今日はなんて素敵な日なのかしら♪」

18: 2016/03/03(木) 02:58:13.89 ID:xXsZE1xI0
そしてその日の夜……


雪乃「うふふ、なんて素敵な赤いランドセルなのかしら♪」ルンルンユキノン

雪乃「ランドセルも一応カバンよね?ならば問題ないわ、今度の休日にこのランドセルで比企谷君の家へ遊びに行こうかしら」

雪乃「これで比企谷君は私に釘付けね…………うふふ///」


そして雪ノ下は、老人からもらったランドセルとパンさんのぬいぐるみを机の上に置いて眠りにつきました。

19: 2016/03/03(木) 02:59:14.54 ID:xXsZE1xI0
そして深夜……


ガタガタガタガタ

雪乃「うぅ〜ん……何かしら、この物音は?」

???「フフフフ……ギャハハァァァーーーーーー!!」

雪乃「パ、パンさんのぬいぐるみが動いてるわ! しかも唇が変ッ!!」


何と、あの老人からランドセルと一緒にもらったパンさんのぬいぐるみが勝手に動き出し、雪ノ下を襲い出したのです。
しかも、唇がまるでダウンタウンの浜田のように分厚くなり、雪ノ下を見て不気味に笑うのでした。

20: 2016/03/03(木) 03:00:45.29 ID:xXsZE1xI0
雪乃「た、助けてぇーー!」ドタバタ

パンさん「ガブッ!!」

雪乃「きゃあーー!!」


何と、パンさんのぬいぐるみは雪ノ下の足に噛み付いたのです。


雪乃「助けて……比企谷君助けてーーー!!」

しかし、雪ノ下の抵抗はかなわずパンさんは雪ノ下の身体をのみ込み、そのまま消えて消えてしまいました。

それから数日後、学校にも来ず誰とも連絡がつかない雪ノ下を心配し、陽乃がマンションへ様子を見に行きましたが、雪ノ下の姿はそこにはなく、さらにあのパンさんのぬいぐるみもどこにもありませんでした。

21: 2016/03/03(木) 03:02:04.77 ID:xXsZE1xI0
八幡子「そう、あのパンさんのぬいぐるみは人食いぬいぐるみだったの」

八幡子「かわいそうに……雪ノ下はもうこの世に帰ってこれないわ」




見知らぬ人からのプレゼントに、ご注意を………














小町「ランドセル関係なくね?w」

END

引用元: 比企谷八幡「人食いランドセル」