1: ◆9Q1bhvyMH2 2022/12/08(木) 01:29:29.26 ID:G7gKkRXb0

2: 2022/12/08(木) 16:46:37.22 ID:pGepgAeb0
「ここは……どこだ」

比企谷八幡は目の前の光景を前に途方にくれていた
少なくともさっきまで居た千葉の街とは思えない
いわゆるタイムスリップとかいうものだろうか

(むしろこの風景は……)

(TVの時代劇くらいでしか見たことないが……)

(いや、それが普通なんだけどさあ)

「――誰じゃ」

「ひっ!」

「何じゃ、珍妙な恰好をしとるのう。何者だ」

(やっべ、何と言おうか……)

3: 2022/12/08(木) 16:47:22.41 ID:pGepgAeb0
正直に答えても信じてもらえるとは思えないが
何も言わずにいても事態が好転するとは思えない

(てかそのまま言ってもやばくね、たしかこの当時の人って苗字とか無いし)

「あ、あのう八幡と申します」

「八幡、八幡といえばあの八幡大菩薩の……」

(あー、しまったー!)

「ふむ、大方あやかってつけたのだろうが適当なものだ」

適当なところだけ合ってる――と思いながらも

「あのう、どちら様なんでしょうか」

「俺は……新九郎という」

4: 2022/12/08(木) 16:47:53.30 ID:pGepgAeb0
それから新九郎は色々なことを話してくれた
この荏原の地に来たばかりのこと、都で育ったこと、仕事で試行錯誤していること

「いや、つい話し込んでしまったな」

「いえ、とんでもございません」

実のところ話を合わせるのがやっとだったがそれでも右も左もわからないところで
出会って気にかけてくれたことが八幡の気をいくらか楽にしてくれていたのだ

「おっと、そろそろ戻らねば」

「あっ、そ、そうですね」

「ではな」

「あ……」

5: 2022/12/08(木) 16:48:23.40 ID:pGepgAeb0
行ってしまった……

(こーゆー時異世界転移ものだと館とかに招かれたりするもんじゃないのかよ……)

(どうしたものか……あれ?)

(立ち眩みか……意識が遠のいて……)

6: 2022/12/08(木) 16:48:54.48 ID:pGepgAeb0
「あれ、ここは……」

再び目を開くとそこにはいつもの見慣れた千葉の街が広がっていた


(夢……だったのか)

(いや、それにしては土汚れとか付いてるし……)

(何だったんだろうな、一体)

7: 2022/12/08(木) 16:49:25.78 ID:pGepgAeb0
後日

「何か新しいラノベとか出ているかねえ……」

いつもの様に本屋を物色していたところ一冊の本が目に留まった

――新九郎、奔る――

(もしかして……あの人を題材にしているのかね)

そう思い、比企谷八幡はその本を手に取るのだった

8: 2022/12/08(木) 16:50:49.04 ID:pGepgAeb0
以上です

歴史モノのクロスオーバーって結構難しいですね

引用元: 八幡、東荏原へ行く