1: 2010/09/25(土) 17:16:49.76 ID:M/XXRYt00
唯「あーずにゃん、あーずにゃん! やったよ、やったよ!」ドバタバ

梓「なんですか先輩? 部室内で走らないで下さいよ」ゴソゴソ

唯「見てみて、ゲームウォッチで新記録が出たよ! すごいでしょ」バッ

梓「ゲームウォッチ? あの上から竹やりとか刀が振ってくる忍者のやつですか」

唯「そうそう。どう、褒めてもいいんだよあずにゃん!」

梓「んっふ……」

唯「あっ! いま鼻で笑ったね、ひどい娘だよ!」

梓「なんとでも言ってくださいよ。私はもうそんなモノに興味はないですから」
けいおん!Shuffle 2巻 (まんがタイムKRコミックス)

3: 2010/09/25(土) 17:24:01.74 ID:M/XXRYt00
律「あぁ、よく言ったぜ梓。もう時代はゲームウォッチじゃないだ」

唯「えぇ、律っちゃんまでそんな事言うの!? 私の才能に嫉妬してるんじゃないの」

律「ちげーよ。これからは、このシュウォッチの時代だぜ!」バッ

唯「シュ…シュオッチ!? なんなのその黄色いゲームウォッチは!」

律「正式名称は、シューティングウォッチ。自分の連射能力を測ってくれるスグレモノなんだぜ!」

唯「ま、まさかあずにゃんも、このシュオッチを?」クルッ

梓「ぶっふ……ぷっぷー!」

律「あ! あきらかに馬鹿にした笑いするんじゃねーよ中野!」

梓「だ、だって、二人ともそんな白黒の液晶で満足してるんですもの…。ぷっぷー」

5: 2010/09/25(土) 17:27:41.52 ID:M/XXRYt00
唯「いったいどういう事なの、あずにゃん! ゲームは白黒じゃないの」

律「そうだぜ。シュオッチを持ってないからって負け惜しみ言うんじゃねーよ」

梓「チッチッチ…。もうゲームウォッチもシュオッチも時代遅れなんですよ」

律「なんだと、言っていいことと悪い事があるぞ! ハドソンを侮辱するのかよ」

唯「そうだよ~。今謝ればあずにゃんにもやらせてあげるからさ」

梓「言ったでしょう時代遅れだって…。これからはこのファミリーコンピューターの時代なんですよ!」バッ

唯「ファ…ファミリーコンピューター!?」

6: 2010/09/25(土) 17:32:58.92 ID:jqpvG6wo0
シュウォッチ持っててファミコン知らないとか時系列がぶっ壊れてるな

7: 2010/09/25(土) 17:32:59.07 ID:M/XXRYt00
律「なんだコレ? でっかいコントローラーが付いてるけど」

唯「これもゲームウォッチの一種なのかな? でも画面がないよ」

梓「画面なんか必要ありませんよ」

律「いや、必要だろうが。どうやってゲームをするんだよ」

梓「このファミコンは、テレビに接続してゲームをするんです!」バッ

唯「テ、テレビでゲームを!? あの大きな画面でゲームができるの!」

律「まじかよ…、こいつはすげぇぜ…」ゴクリ

梓「驚くのはまだですよ。しかも、同時発色数が25色。つまり色がつくんです!」

唯「カ、カラーでゲームを!?」ビクッ

10: 2010/09/25(土) 17:37:16.08 ID:M/XXRYt00
梓「それじゃさっそく、このポータブルテレビに接続っと…」ゴソゴソ

唯「いいなぁ…、あずにゃんのゲームだけ。ずるいよね律っちゃん!」

律「べ、べつにぃ…。私は、このシュオッチがあるから関係ないぜ」

唯「えー。私もカラーでゲームがしたいよぉ」

梓「んーと…、こうやって、こうだから…。あれ?」ゴソゴソ

唯「どうしたのあずにゃん? 困ってるみたいだけど」

梓「上手くテレビと接続できないんですよ…。どうやるのかな」ゴソゴソ

11: 2010/09/25(土) 17:43:06.65 ID:M/XXRYt00
唯「そんなケーブルじゃ、入るわけないじゃない。この四角いパーツを使うんじゃない?」

梓「四角の? あぁ、これならテレビ側に刺さりますね」ガチャ

唯「これで大丈夫かな。いっかいスイッチを入れてみてよ」

梓「いや、待ってくださいよ唯先輩。この四角いのは刺さりましたけど、ケーブルはどうすんですか?意味無いですよ」

唯「あ、そっか。でも、部品はこれくらいしか入ってないみたいだよ」ゴソゴソ

梓「えー…。どういうことなんですか、これじゃテレビとケーブルが接続できないじゃないですか!」

唯「わ、私に言われても困るよぅ」

律「ぷ……、ぷっぷーぷ!」

梓「あ、何ですかその可哀相な子を見るような笑い方は!」

13: 2010/09/25(土) 17:48:54.56 ID:M/XXRYt00
律「いやーゴメンゴメン。お前らの様子が滑稽だったからね」ツヤツヤ

梓「なんですかその勝ち誇ったような顔は…。なんだか腹が立ちますね」

唯「ひどいよ律っちゃん。律っちゃんなら接続できるっていうの?」

律「あぁ、そりゃもちろんだぜ。こんなの朝飯前過ぎてヘソで茶を沸かせるぜ!」

梓「ほ、本当ですか!? だったら、やってくださいよ。早く!」

律「おーっと、ちょっと待つんだな。ひとつ条件がある」サッ

梓「条件ですか? なんなんですかそれは」

17: 2010/09/25(土) 17:53:07.81 ID:M/XXRYt00
律「接続できたら、まず一番最初に私にやらせること。いいな」

梓「えー、なんですかソレ! ずっこいですよ、興味ないみたいな事言ってて」

律「だったらいいんだぜ。私はシュオッチで楽しんどくから」

梓「ぐっ…、なんて卑怯な。それでも部長ですか!」

唯「あずにゃん落ち着いて。ここは冷静になるんだよ。ここで断ったらファミコンできないんだよ」

梓「そ、それはそうですけど…」

唯「条件を飲めば、あずにゃんは私の後。つまり三番目にプレイできるんだからさ」

梓「ちょっと待って下さいよ! なにさりげなく割り込んでるんですか。私が二番です!」

唯「ちぇ~。さすが鋭いねあずにゃん」

律「おっし、それじゃ取引成立って事だな」

梓「仕方ないですねぇ。わかりましたよ」

19: 2010/09/25(土) 17:58:09.67 ID:M/XXRYt00
律「んじゃ、準備しないとな。確か、倉庫の中にニッパーとかがあったっけか…」ゴソゴソ

梓「準備? なんでファミコンをするのにニッパーなんて必要なんですか」

律「少しは説明書でも読むんだな。ほれ、ここに書いてあるだろ」サッ

唯「RFスイッチにアンテナプラグを取り付ける…。うわっ、ナニコレ!」

梓「こんなの子供だけで出来る訳ないじゃないですか! 一体何を考えてるんですか」

唯「酷いよねぇ。でも律っちゃんが居てくれて助かったよ」

梓「そうですね、こういう事だけは器用ですから」

律「だけは余計だってーの。コレをこうやって。………あ!」ブッチ

23: 2010/09/25(土) 18:05:51.07 ID:M/XXRYt00
梓「…………え?」

律「……あ、うん」グイグイ

梓「うん。じゃないですよ? 大丈夫なんですか。なにか今、やっちゃったなぁみたいな声出しませんでした?」

律「……ん? ばっかだなぁ、ぁずさ。そんな訳ないじゃぁ…」グイグイ

梓「え? 何ですか、語尾が小さすぎて聞き取れなかったんですけど、本当に大丈夫なんですか?」

律「……ぇぃ」プチッ

唯「…!? け、ケーブルがぁ! り、りっちゃぁん、ケーブルが切れっちゃたよ!!」ガダダダッ!

梓「な、なにやってんですか先輩!! ケーブルはこの一本しか無いんですよ!」グイッ

律「あぁ……、今は後悔してる」

25: 2010/09/25(土) 18:12:16.76 ID:M/XXRYt00
梓「航海でも何でもして来て下さいよ! そんな事よりファミコンが!!」

律「……人生何が起きるか分かんねぇな」

唯「待って、あずにゃん! セロハンテープでくっつかないかな!」サッ

梓「無理に決まってるじゃないですか! ファミコンは精密機器なんですよ、子供の工作じゃないんですから!」

唯「で、でももしかしたら。……ってあれ?」

梓「どうしたんですか? 何か方法でも!」

唯「このケーブルって金太郎アメみたいになってるよ」

梓「金太郎アメ? どういう事ですか」

唯「間違って切断しちゃっても、切断した部分からまた保護ビニールを剥けばいいんだよ」

律「……!?」ガバッ

26: 2010/09/25(土) 18:18:30.67 ID:M/XXRYt00
律「あ、あぁ! 実はそういう事だったんだぜ。つまり、お前らは私に踊らされただけなんだぜ!」ビッ

唯「そ、そうだったんだぜ!? てっきり騙されちゃったよ!」

梓「ハッタリに決まってるじゃないですか…。一番踊らされてたのは律先輩でしょ」

律「うるせー。こんなややっこしいケーブルにするからイケナイんだよ! なんで最初から接続されてないんだ」

梓「う~ん…、コスト削減とかそういう事なのかな? F1並のスペックを大衆車の価格で売ってるようなものですから」

唯「へー、そうなんだ。オモチャ会社も大変なんだね」

梓「まぁ、推測ですけど。それよりも今度は気をつけてくださいね。ちょっと短くなっちゃったんですから」

律「分かってるって。私のドラムさばきは知ってるだろ。こういう小手先の作業は朝飯前だぜ」

梓「思いっきり失敗してましたけど…」

29: 2010/09/25(土) 18:26:30.71 ID:M/XXRYt00
唯「あずにゃぁーん! 汗っ!」グルッ

梓「え? あぁ、はいどうぞ。…というかこんな近いんだから聞こえますよ」サッ

唯「律っちゃん、大丈夫かな! 頑張って、律っちゃんならきっと出来るよ!」フキフキ

律「し、集中力が乱れる…。唯ちょっと静かに…」サクサク

唯「ここからは、カッターで慎重にいったほうがいいかな!?」

律「あぁ、そうだな…。ニッパーだとまたケーブル事いっちまう…」サクッ

唯「あずにゃぁぁーん!! メスぅ!」グルッ

梓「だから、聞こえますってば……」サッ

律「後は、こうやって一周して…。ケーブルを剥がせば…」キュキュ

唯「あーずにゃぁぁんっ!! ピンセットぉおぉ!!」グルッ

梓「だ・か・ら、うるさいですっ! そんなのありませんよ!」

30: 2010/09/25(土) 18:32:58.80 ID:M/XXRYt00
律「おっしゃー! 出来た、出来たぜ!」バッ

唯「おぉ、すごいよ律っちゃん! さすが部長だよ!」

梓「ふぅ……。なんだかドッと疲れましたね」

唯「えー、なんであずにゃんが疲れるのさー。助手の助手なのに」

梓「誰のせいですか…誰の。あ、そういえば」

律「ん? なんだ梓」


31: 2010/09/25(土) 18:35:42.85 ID:M/XXRYt00
梓「さっきから思ってたんですけど。このニッパーの刃の途中で空いてる穴ってなんなんですかね」ヒョイ

律「……………え?」

唯「あ、ホントだ。なんだろコレ? 不良品なのかな、ねぇ律っちゃん」

律「…………ぁ、うん?」

梓「んー…、でもホームセンターとかで売ってるのも全部こんな形だったような…。ねぇ律先輩」

律「そ…、そいやぁぁ!!」ブォン

ガシャコーン!

梓「ちょ、ちょっと、そんな乱暴に工具箱に仕舞わないで下さいよ!」

律「さ、さて。そんじゃさっそくファミコンやろーぜ! ファミコン!」

唯「そうだね! テレビ画面でカラーだなんて夢のようだよ!」

梓「まったくもう…。仕方ない先輩ですね」

34: 2010/09/25(土) 18:43:59.59 ID:M/XXRYt00
唯「さてさて、いよいよですなぁ。あずにゃんや」ワキワキ

梓「なんですか、その妙な手の動きは?」

唯「ふふーん、ゲームウォッチで鍛えた腕がなってるんだよ! このファミコンっていうのはどういうゲームが入ってるの?」

梓「ファミコンに? そんなの入ってませんよ」

唯「…え。えぇっ!? ゲームが入ってないって!」

律「おいおい、待てよ梓! 私の苦労はなんだったんだよ!?」

唯「そうだよ! このコントローラーをポチポチするだけなの、ファコンコンって!」カチカチカチッ

梓「ちょっと落ち着いて下さいよ。……ぷっぷぷぅ…」

律「あ、また含み笑いしてるぞコイツ! 先輩をからかうんじゃねーよ!」

36: 2010/09/25(土) 18:53:01.81 ID:M/XXRYt00
梓「ここが先輩たちのモノと違って、次世代機と言われる所以なんですよ」チッチッチ

唯「人差し指でチッチしてる!? あずにゃんなのにチッチしてる!」

梓「いいですか、良く聞いてくださいよ。ファミコンというのはこのファミコンカセットを差し替えていろんなゲームが出来るんですよ」

唯・律「な、なんだってーー!!」ガッタタッ

唯「それじゃ、ファミコンとカセットさえあればこの先ずっと色んなゲームを楽しめるというの!?」

梓「まさに、その通りなんですよ。ここがゲームウォッチなどとは違う、最大の特徴なんです!」

律「す、すげぇぜ…ファミリーコンピューター…。こいつはいままでのゲームの全てを覆すんじゃないのか」

梓「そうです。オクトパスにパラシュート、オイルパニックなどと、全てのゲームがファミコンに集まるんですよ!」バッ

唯「こんなにあずにゃんが眩しく見えるなんて初めてだよ…」ゴクッ

37: 2010/09/25(土) 19:03:41.12 ID:M/XXRYt00
梓「もっとも、値段も相応なんであんまり持ってないですけどね」ゴソゴソ

唯「いやいや、今はそれで十分だよぉ。律っちゃん何のゲームする?」

律「これは…。ギャラクシアンにゼビウス…?こ、コイツはゲーセンに置いてあるゲームじゃないか!」

梓「さすが律先輩、眼の付け所が鋭いですね。そう、ファミコンはアーケードのゲームを移植しているんです」

唯「お家でアーケードのゲームが出来るなんて…。すごすぎて言葉を失うよ、ファミリーコンピュータ!」

律「ど、どれにしようか!? マッピー…、いやエキイトバイクも捨てがたいぜ」ゴソゴソ

梓「ふふっふ。そんなに慌てなくてもファミコンは逃げませんよセンパイ」

唯「律っちゃん、コレにしようよ! スーパーマリオブラザーズ!」サッ

梓「それを選ぶとは…。やはり唯先輩、鋭い感をしていますね」

39: 2010/09/25(土) 19:09:05.66 ID:M/XXRYt00
律「えっと…、ここのカバーを外して、カセットに接続っと」ガチャ

唯「んでんで!? どうするの。コレ? コレを押せばいいの!?」ガチャチャチャッ!

梓「ちょっと! そんな適当にボタンを押さないで下さいよ! 壊れちゃうでしょう!」ペチン

唯「はふぅん!」

律「唯の押してたのはリセットボタンだな。スイッチは隣のボタンだ」ペラペラ

唯「分かったよ律っちゃん! えいしゃおらぁー!」バンッ

梓「だから、そんなに乱暴にも押しちゃダメ! 精密機器なんですよ」

唯「いやーゴメン、ゴメン。ついついテンションが上がっちゃって」

律「……ん? なんだコレ」


41: 2010/09/25(土) 19:18:36.87 ID:M/XXRYt00
唯「どうしたの律っちゃん! 始まった? まりおぶらざーず始まった!?」グイッ

律「なんか画面が一面緑色なんだけど…。どうなってんだ?」

唯「ありゃ。何だろうねコレ。これがまりおぶらざーず? むしろ白黒よりも一色減ってるじゃない、あずにゃん!」

梓「私に言われても…。おかしいな、純の家で遊んだ時はちゃんと表示されたのに…」オロオロ

律「ボタン押しても何も動かないぞ。あーずさー、どうすんの? 私達のだだ上がりになったテンションどうしてくれるの?」

梓「だから私に言わないで下さいってば。もしかして唯先輩がバンバン叩くから壊れたんじゃないですか?」ビッ

唯「えぇー? 違うよ、あれは愛情がこもってたんだもん! 壊れるわけないじゃない!」

梓「そんな無機物に愛情なんか関係ないですよ! どうしてくれるんですか先輩!」

律「落ち着けよお前達…。お前の話だと、佐々木さんはちゃんとゲームできたんだろ?」

梓「鈴木ですよ。それがどうしたんですか?」

律「だったら電話して聞いてみなよ。原因が分かるかもしれないだろ」

唯「そ、そうか!? さすが律っちゃんだよ、ナイス提案だね!」

42: 2010/09/25(土) 19:25:45.72 ID:M/XXRYt00
梓「そう…うん、動かないのよ、きっと唯センパイが。…え、違う? そうなの……うん」

唯「あ、あずにゃんまだ私の事疑ってるよ!」

律「コラ、電話中なんだから静かにしろよ」

梓「分かった、うん。ありがとね、それじゃ…」ピッ

唯「どうだったあずにゃん! 治るの? このファミリーコンピュータ治るの!?」グイッ

梓「えっとですね。どうやら、良く起きる現象らしいですよ。カードリッジと本体の接触が原因らしいです」

律「そっか、安心したぜ…。でも接触って言われても、私はちゃんと奥まで差し込んだぞ」

唯「きっとまだ足りないんだよ。私に任せて! えいしゃおらー!!」ババッバン!

梓「だーかーらー! そんな乱暴に扱ちゃだめって言ってるでしょ!」ペチン

唯「はぅん…!」

45: 2010/09/25(土) 19:30:34.88 ID:M/XXRYt00
梓「おそらく原因は接触部に詰まったホコリが原因だと思います」

律「ホコリかぁ。なるほどな、ファミコンは梓の言う通りの精密機器。小さなホコリでも命取りになるって訳か」

唯「そっかー。だったら一回カセットを取って…っと!」ガチャコン!

梓「あーあー! ダメですよ強引に抜いちゃ、取り出すレバーがあるでしょ!」

唯「あ、ホントだ! ごめんよあずにゃぁん!」

梓「…なんだか、もう怒る気力もないですよ」ガックシ

律「そんな事じゃ軽音部としてやっていけないぞ。んで、唯そいつをどうするんだ」

唯「こうやって逆さまにして振るんだよ!」シャカシャカ

律「なるほど、これでホコリが落ちるわけだな」

48: 2010/09/25(土) 19:37:39.72 ID:M/XXRYt00
唯「よっしゃー! これで完璧なはずだよ、えいしゃおらぁー!!」ガチャコン!

梓「……もう、何も言うまいですよ」

律「梓もこれで一歩、真の軽音部に近づいたわけだ。喜べ」

梓「何ですか、真のって…。そんなの近づきたくありませんよ。それじゃ、電源付けますよ」ポチッ

唯「あれれー?あずにゃん、今度は青一色だよ」

律「うーん、おっかしいな。 本体も逆さにしてみるか?」

唯「なるほど! 了解だよ、律っちゃん、私に任せて!」グイッ

梓「………せいっ!」ブン

スパコーン!

唯「はふぅん! な、なに…あずにゃん。上靴で叩かないでよぉ」

律「またさらに一歩…。末恐ろしい部員だぜ」

52: 2010/09/25(土) 19:46:39.35 ID:M/XXRYt00
梓「いちいちツッコんでたらキリがないんで。とにかく逆さに振るのはダメです。今度こそ壊れちゃうでしょ」

唯「えー。でもそれじゃどうすればいいのさ、あずにゃん」

梓「…あ、そだそだ」ポンッ

律「ん? どうしたんだ梓。何か閃いたのか」

梓「いえ、閃いたっていうか。純のウチでやってた時に、カセットに息をフーフーしてたような気が…」

唯「フーフー? おかしな佐々木さんだね。カセットにフーフーしなくても別に熱くないのに」

梓「鈴木ですよ。いや…でも今思えば、あの息をフーフーって…」

律「そ、そうか!? そうだよ梓! 佐々木の方法を使えばいいんだよ!」

梓「鈴木ですよ! まさか、純の方法って、カセットに息を吹きかける事により…」

律「あぁ、そのまさかだ! 息を吹きかける事により…」

唯「…え? どうしたのさ二人とも!?」

54: 2010/09/25(土) 19:55:07.12 ID:M/XXRYt00
律・梓「口から噴出す風圧で、本体に触れることなく接続部のホコリを取り除けるんだ(です)よっ!!」

唯「な、なんてだい!? そうだよ、それなら本体もカセットも振動を与えて壊す恐れがないよ!」

梓「いやいや…、純に助けられたよ。まさか、あの無意味に思える行動にも重要な意味があるなんて」

律「あぁ、まったくだぜ。でも、その些細な行動をしっかり記憶していた梓もたいしたもんだ」

梓「ふふっ、おだてても何も出ませんよ」

律「私は本当の事を言ったまでさ…」

唯「な、なんだかズルイよ! 私も褒めてよ律っちゃん! んじゃ私がこの本体にフー…」

サッ!

梓「……なんだか嫌な予感がするので私がやります」

唯「ぶーぶー。あずにゃんの才能に嫉妬しちゃうよ!」

梓「なんの才能ですか…。それじゃいきますね…せーのーっと」スーーッ…

フーフー

56: 2010/09/25(土) 20:01:12.26 ID:M/XXRYt00
律「よし、それじゃスイッチを入れるぜ。覚悟はいいか二人とも…」

唯「うん。任せたよ律っちゃん、これできっと映るはずだよ!」

律「よいっしょっと…!」ポチッ

ブォォォォォン……!

梓「あ、凄い。本当に映りましたね。……あれ?」

唯「凄いよあずにゃん! カラーだよ、色がいっぱい付いてるよ! カラー一杯だよ……、でも。…なんの統一性もなくメチャクチャに並んでるだけにしか見えなくて、目がチカチカするよぉぉぉ!!?」ゴロゴロゴロ!

梓「ちょっと、映っただけで、どれだけテンション上がってるんですか!? 落ち着いて下さいよ!」

律「うーん…。映ったはいいけど、どう見てもゲームが出来るような画面じゃないよな」

梓「そうですね。私が見たのはもっと綺麗で、タイトル画面が表示されてたんですよ」

唯「目がぁぁ! 目がチカチカするよぅ!」ゴロゴロ

63: 2010/09/25(土) 20:08:33.66 ID:M/XXRYt00
梓「うーん…、でも一応、画面が映ったんだから前進はしてるんですよね」

律「そうだな。吹き込みが足りなくて、まだ端子にホコリが残ってるのかもしれないな」

唯「ふ……ふふ…。そ、そういう事なんだ…ね。ぜぇ…ぜぇ…」フラフラ

梓「少しは落ち着きましたか? 唯センパイ、ほらお茶でも飲んで下さいよ」サッ

唯「ありがとうあずにゃん…! でも、その原因はあずにゃんだったんだよ…ゴギュゴギュ」

梓「わ、わたしですか…? どういう事なんですか」

唯「あずにゃんのその小さな身体じゃ…ゴギュゴ……ブッパンー!!」ビチャチャ

梓「あ、コラっ!! 飲みながら喋るからそうなるんですよ、もうっ!!」

律「ヤバイ、ファミコンに掛かったら一発で壊れちまうぜ! 梓、はやく雑巾とか拭くものを!」

梓「は、はいぃぃ!」ダッ

65: 2010/09/25(土) 20:13:09.45 ID:M/XXRYt00
唯「ゲッポ…ゲッポン…。あずにゃんや…、モノを飲みながら喋ると危ないね」フキフキ

梓「知ってますよ! それで、さっきは何を言いかけたんですか」フキフキ

唯「そうそう、それだよ! あずにゃんの小さな身体じゃきっと肺活量が足りなかったんだよ!」

律「なるほど、それは一理あるかもな。小さい風圧でいくら長い間吹きかけても、取れないホコリはあるもんな」

梓「だったら……、一気に全てを吹き飛ばすほどの風圧が必要って事ですか」

唯「そう! その通りなんだよ! あずにゃんはついてるねぇ、ここにはあずにゃんのより年上のセンパイがいるんだから!」グイッ

梓「まぁ、それは否定できませんね…。中身はともかく、外見なら唯センパイの方が大きいですから」

唯「そういう事なんだよ! というわけで次は私が吹くよ。いいよね律っちゃん!」ビッ

律「ん? いいぜ、私と唯は年齢一緒だし、どっちがやって同じだよ」

69: 2010/09/25(土) 20:20:31.27 ID:M/XXRYt00
唯「よーしぃ! それじゃ二人とも待っててね! 準備してくるからさ!!」ダッ

バッタン!

タッタッタッタッタ……

梓「え!? あ、ちょっと。どこ行くんですか唯センパイ!!」

律「さてさて、んじゃちょっと休憩でもするか。飴食うか? 飴」

梓「な、なんなんですかその落ち着きようは…? どっか行っちゃいましたよ唯先輩!」

律「まー、別に今に始まった事じゃないからなぁ。お前もいずれ慣れるさ」

梓「慣れたくないですよ…。ま、別にそんな唯も嫌いじゃないけどけど……」

律「だったら大丈夫だ。あれだけ振り回されてそんな事言えるんなら、また一歩近づいたわけだ」

梓「真の軽音部ですか…? 完全に私の理解の範疇を超えてますよ」

律「いずれ分かるさ…。ほら、飴食え、飴」ヒョイ

梓「まったくもう…」モシャモシャ

73: 2010/09/25(土) 20:27:26.99 ID:M/XXRYt00
ふぁいとー……ふぁいとー……ふぁいとー……

梓「いやはや、今日も運動部の人たち頑張ってますねぇ」モシャモシャ

律「頑張ってるのは運動部だけじゃないぞ。私達も種類は違えど、日々精進する仲間なんだからな」モシャモシャ

梓「とてもそうとは思えませんが…。あ、律先輩の天敵の若王寺先輩だ」サッ

律「なっ!? 違ぇよ、私がいちごの天敵なの! 私がパーでいちががグーなの!」

梓「バトン部も走りこみしてるのか…。すごい一位ですよ、律先輩完全に負けてますよ」

律「くっそ、私も筋トレしようかな。……って、おいアイツ抜かれてるぞ、二位になってるぞ! ぷっぷー」

梓「本当ですか!? 一体だれが!」グイッ


若王寺『ふぁいとー……ふぁいとー……! ふぁいとー……』タッタッタッ…

唯『ファイトぉー! ファイトー! えいしゃおらーー!!』ダッダッダッダッダ!


梓「………………え?」

76: 2010/09/25(土) 20:31:55.77 ID:M/XXRYt00
ガチャリ…

唯「やっ…、やったよ…あ、あずにゃん…。 私、一位に……」ドサッ

梓「何でバトン部の走りこみに紛れ込んでるんですか!? 準備があるんじゃなかったの!」

律「いや…、よくやったぜ唯。お前は最高の相棒だぜ…」ギュッ

唯「り、…りっちゃん…。やっと、褒めてくれたね…」ギュッ

梓「ちょっと、律先輩まで唯センパイみたいな事何いってるんですか!?」

律「あの、いちごの悔しそうな顔ったらないぜ…。ぷっぷーぷ!」

梓「………私、帰ってもいいのかな」

78: 2010/09/25(土) 20:37:32.43 ID:M/XXRYt00
律「ほら、ほら、唯ちゃん。クッキーとマドレーヌもあるのよぉ」サッ

唯「ふぃぃぃ…、生き返ったよ。有難う律っちゃん!」ゴギュゴギュ

梓「何ですかその妙なモノマネは…。それに勝手にお菓子も開けちゃって…」

唯「さてさて、これで準備は完了だよ、あずにゃん!」

梓「準備? これのどこが準備なんですか、いつものティータイムにしか見えませんよ」

唯「甘いねあずにゃん…。私が意味もなくバトン部と走り込みをしていたと思っているの!」チッチッチ

梓「思ってますよ。あとチッチ真似しないで下さい」

唯「はふぅん…、あずにゃんは身もふたも無いね!」

律「んで、その走り込みがどういう意味があるんだよ? 私にはいちごをギャフンと言わせたようにしかみえないケド」

79: 2010/09/25(土) 20:45:58.43 ID:M/XXRYt00
唯「私が、こうやって適度の運動をこなすことによって、身体はより多く血液中に酸素取り込もうとするんだよ!」

梓「は、はぁ…。それで?」

唯「つまり、今の私の肺は沢山の空気を求めてるの。よって、肺活量は普段の数倍にも膨れ上がっているんだよ!」

梓「……一つ聞いてもいいですか?」

唯「なんだいあずにゃん! なんでも答えるさね!」ビッ

梓「……だったら、ティータイムして休憩しちゃったら意味無いんじゃないですか?」

唯「……………ぇ?」

梓「いや、…え? じゃなくて」

唯「……ぅん。…吹いてもいいかな。今から。…カセット」

梓「……どうぞ」サッ

81: 2010/09/25(土) 20:52:06.47 ID:M/XXRYt00
律「心配無用だ梓。唯はウチのバンドで何を担当しているんだ?」

梓「何って…ギターじゃないんですか?」

唯「すぅーーー………。はぁーーー……」クイックイッ

律「それだけじゃ無いはずだぜ。それはお前が一番良く知ってるはずだ」

梓「知ってるって……、そ、そうだ!! 唯先輩は…唯先輩は……!」

唯「ふぁわ……ふぁわ……。たぁぁぁぁぁいふぅーーーーーーーッ!!!」ブォォォォォッォオオ!

ビュビュビュビュドビューッーーー!!

梓「す、すごい! さすがです、さすがですよセンパイ! そうですよ、唯先輩はヴォーカルだったんですよ!」

律「あぁ、そうだ! 肺活量は元から折り紙つきだったんだよ!」

唯「ふぁわふぁわ、たぁぁぁぁぁいふぅーーーーーッ!!」ヴィォォォォォッヴィォオオ!

ビュビビチャビチャ……

梓「…………ん?」

83: 2010/09/25(土) 20:57:00.55 ID:M/XXRYt00
梓「だ、ダメです! 先輩、ストップゥ! ストップですよっ!!」

唯「ばびばぼお、ばぶにゃん! でぼ、ばば、ぶんぼーぶぶぅぶぼぅぃば!!(ありがとう、あずにゃん! でも、まだ、アンコールは早いよ!)」

梓「なに言ってるか、分かりません……よっ!!」ブン

スパコーン!!

唯「はふぅん! ……ちょっと、あずにゃんイキナリ何するの」

梓「それはこっちのセリフですよ! ほら、唯先輩が加減しないから、唾液も一緒に飛んで、少し濡れてるじゃないですか!」

律「あーあ…、唯の肺活量がアダになったな。諸刃の剣だぜ」

唯「ふっふんふん。慌てるのはまだ早いよ二人とも」

梓「なんですか? 言い訳なら後で聞きますよ。とりあえず拭き取らないと…」

84: 2010/09/25(土) 21:01:26.66 ID:M/XXRYt00
唯「そんなことしたら、タオルの繊維がまた詰まっちゃって海の藻屑だよ!」

梓「だって仕方ないじゃないですかぁ。唯先輩が加減しないから…」

唯「ふふっ。まぁいいから見ていなよ、あずにゃんくん」

梓「な、何なんですか。その妙な余裕は?」

唯「この、唾液の付いたカセットを……。えいしゃおらぁーー!!」ガチャコーン!!

梓「ちょちょちょ、ちょっとぉ!! なんてことを、唯先輩のおたんこなす!!」

律「待て梓、唯は意味も無い行動をするヤツじゃない…、コレには何か…!」

唯「放課後テーィタイム……、スイッチ、オォォォオォンッ!!」バチンッ

梓「で、電源を入れたぁぁ!!?」

85: 2010/09/25(土) 21:08:23.36 ID:M/XXRYt00
ブォォォォッォン……ッパ!

律「こ、……これは……コイツの画面は! まさかコイツが…」

梓「そ、そうですよ…。この画面、忘れもしません…。コレが…このヒゲおじさんが…」

唯「スーパー…マリオ…。ついに、ついに私達はたどり着いたんだよ。ファミコンという名の桃源郷に…」

梓「わ…、私忘れません…。今日という日を絶対に忘れま…せん……」

律「な、何泣いてんだよぉ、梓…。私達なら…とうぜん…だろ…」

唯「律っちゃんだって…、泣いてるじゃ…ない。…ふふっ…」

梓「そ、そうだ胴上げしましょう! 唯先輩ほら!」サッ

唯「え、私が? 恥ずかしいよぅ…」

律「何を言ってるんだよ、お前にはその資格があるんだからさ…」サッ

唯「り、律っちゃん……」

86: 2010/09/25(土) 21:13:12.65 ID:M/XXRYt00
梓「おめでとうですっ! おめでとうですっ!」グイッグイッ!!

律「やったな唯! お前はやっぱりスゲェヤツだよ!!」グイッグイッ!

唯「あ、ありがとう皆!! ありがとぅ…み!」ズルッ

ガラガラガラ…ドッシャーーーン!!


梓「………………あ」

律「………………え?」

唯「いだたたたたたたぁ…、もー二人とも、しっかり胴上げしよぉ。

梓「………………」

律「………………」

唯「…ん?どしたの二人とも。幽体離脱した後のような顔をして」

律「………あれ。唯、あれ……」サッ

くぁwせdrftgyふじこlp

唯「……が、画面が。……また、スーパーカラフルワールドになってるよ」

88: 2010/09/25(土) 21:18:05.66 ID:M/XXRYt00
梓「ちょっと唯先輩! どうしてくれるんですか、私達の桃源郷を!」

唯「わ、わたしのせいじゃないよぉ!? 二人が胴上げ失敗するからぁ…」

律「待て待て、終わっちまったもんはしょうがないだろ。これは事故だったんだ」

梓「そんなこと言っても…。いつになったらファミコンが出来るんですか!」

律「それより、唯。お前はなんで画面が映る様に出来たんだ?」

唯「うん。それはね唾液の効果なんだよ」

梓「だ、唾液!? どういう事なんですか、そんなの汚いだけじゃないですか!」

唯「正確には、水分を接続部に付けて電気の通りを良くしてるんだよ」

律「ほー、なるほどなぁ。でもなんで唯がそんな事知ってるんだよ」

唯「さっき走り込みしてた時にいちごちゃんに聞いたんだぁ」

律「いちごか…、あいつもファミコン持ってるんだな。こいつはぁ絶対に負けられないぜ」

91: 2010/09/25(土) 21:23:40.45 ID:M/XXRYt00
梓「もうこうなったらナリフリ構ってられないです! ちょっとカセット貸してください!」バッ

唯「ちょっと、あずにゃん、一体なにをするの!?」

梓「水分で電気の通りが良くなるっていうんだったら、こうすれば良いんですよ!」ペロペロ

唯「な! 直接カセットの端子をペロペロするだなんて!?」

律「これなら、肺活量の劣る梓でも水分を散らす事が出来る…。考えたな梓」

梓「あはひまえへふ、やふほひはやふんほほへふ!」ペロペロ

唯「た…頼もしいよあずにゃん! これなら、私達が卒業しても安泰だね!」

梓「よっしゃー、出来ましたよ!! えいしゃおらぁーーですぅッ!!!!」ガッチャコーーン!!

93: 2010/09/25(土) 21:28:31.88 ID:M/XXRYt00
梓「ふぃ…まだ舌がピリピリします…」

律「良く頑張ったな梓。後は私達に任せろ」

梓「た、頼みます…。これで映ればいいんですけど…」

唯「大丈夫だよ、私と律っちゃん。そして、あずにゃんのもてる力を全て注ぎ込んだんだもの…」

梓「ゆ、唯先輩…」

律「そうだな、これで無理だったらたとえ神様にだって無理だぜ」

唯「行くよ…皆。手を…、皆の手を私に重ねてくれるかな」

梓「分かりました…。スイッチを入れるときは三人一緒ですね」

律「おうよ。あたりまえじゃないか…、だって私達は」

唯・律・梓「放課後ティータイムなんだからぁああぁ!!」ブォン

94: 2010/09/25(土) 21:35:26.00 ID:M/XXRYt00
澪「ファミコンカセットに息をフーフーすると壊れちゃうゾ」パリパリ


梓「……………え?」

律「……………うん?」

唯「……………ふぇ?」


紬「ごめんなさいね皆。ちょっとウチにゲーム機を取りに帰ってたのよ」

澪「私は差し入れのお菓子とコーラをな。悪いなムギにばかり重たいものを持たせてしまって」

紬「ううん、いいのよ。こういうのは得意だから」

澪「それより何でファミコンなんか置いてあるんだ。しかも、変な文字列がテレビに羅列されてるけど?」

紬「あら、本当ね。ファミコンって中々映らない事があるわよね」

唯「……え?…ぁ……あぁ。ホント……だ…」

99: 2010/09/25(土) 21:46:02.25 ID:M/XXRYt00
律「ってオイィ!? お前達、なに後から来てアッサリばらしてるんだよ! 失敗だったとしても、こうドラマチックにだな…!」グイッ

紬「えっ? ご…ごめんなさい、何かまずかったのかしら」

澪「別に気にすることないよムギ。どうせ律の事だから大したことないさ」パリパリ

律「大したことに決まってるだろ! 全体の80%くらい占めてるんだぞ!」

唯「澪ちゃんのポテチおいしそうだなぁ。私も分けて欲しいよぅ…」

梓「はぁ…、もういいですよ。疲れましたよ…。結局私達ゲームが出来ない星の元に生まれていたんですよ…」ガックシ

唯「せっかくいちごちゃんに勝っても、ゲームが出来ないんじゃ意味ないよぅ…」

紬「ど、どうしたの皆、元気ないわね…。ゲームなら私が持ってきたから元気だしてよ」サッ

律「……!? そ、そうだ。そういやそんな事言ってたな!」ガバッ

唯「ム、ムギちゃんのゲーム! ま、まさかそのゲームって…!!」ガバッ

梓「一体何のゲームなんですか!? ゲームウォッチとかシュオッチって言うんじゃないでしょうね!!」ガバッ

紬「え…? 何のことかしら。違うけれども」ビクッ


唯・律・梓「ひゃ……、ひゃっほーーーぅ!!」

101: 2010/09/25(土) 21:53:01.26 ID:M/XXRYt00
澪「だから、さっきから何を言ってるんだお前達は。……ゲームウォッチ?」パリパリ

唯「ふっふーん! 安心して、ムギちゃん。テレビにRFスイッチを取り付けるなら、律っちゃんがお手の物だよ!」

律「あぁ、まっかしとけってーの! 今度は一発でアンテナプラグに取り付けてやるぜ!」バッ

紬「あーる…えふ? あ、あの、テレビに取り付けるのは、HDMIケーブルなんだけど…?」サッ

梓「………え? えいち……なに?」

澪「ムギー。プラズマテレビはこの辺りに置いていいのかな?」

紬「うん、ありがとうね。後はこの端子を、背面の所にっと…」カッチ

唯「…………え? もう終わりなの、もう取り付けられたの?」

紬「えぇそうよ。…どうしたの、そんな驚いた様な顔をして?」

105: 2010/09/25(土) 22:01:24.35 ID:M/XXRYt00
澪「後はソフトだな。やっぱり、大人数でやるならガチャろく5か、桃太郎電鉄かな?」ゴソゴソ

律「ソ、ソフト!? おい澪おぉ! お前いま、ソフトって言ったな! 言ったよな!!?」ガバッ

澪「な、なんだよ…? 言ったけど、それがどうしたんだ」

梓「ふっほふー、そへほほまひっひへふらはい! はへっほをへほへほすふほほは、ははひが!」ペロペロ

澪「あ、…梓は何を言ってるんだ? …それに、その舌の動きはなんだよ」

唯「ふっふーん、その役目は任せてください! カセットをペロペロするのは、私が! って言ってるんだよ! あずにゃんの水分散布能力は凄いんだから!」

澪「カセットって……、持ってきたの全部CD媒体なんだけど…?」

律「し……しーでぃ…? な、なに言ってるのぉ、みおちゅわぁん…。しーでぃーはみゅーじっくを聞くもんじゃね?」

唯「そ、それじゃあ端子は! 本体とソフトをつなぐ端子は無いの!?」

澪「無いよ…? だって、DVD-ROMを光学レンズで読み取るからね」

梓「…………………………」ペロペロ

110: 2010/09/25(土) 22:15:53.35 ID:M/XXRYt00
澪「さて、それじゃ使うコントローラーを決めようか。どれがいいかなぁ」

紬「ねぇ、唯ちゃん達? もうゲーム機が…・。プレイステーション3が起動できたわよ。一緒に遊びましょう」

唯「な…、なんだかムギちゃんの声が聞こえるような気がするよ…。ぷれいすてーしょんだって…」フーフー…

律「騙されんな唯…、しーでぃーでゲームが出来るわけねぇんだ…、私達三人ともキツネに馬化かされてるんだよ…」フーフー…

澪「どうしたんだよお前達。やらないんなら残りはコンピューターにするぞ?」ポリポリ

紬「もしかして、唯ちゃん達は、3DOとかバーチャルボーイの方が好みだったのかしら。悪い事をしたわね…」

澪「そんなわけ無いじゃないか。そんな化石ハードなんかよりも、Xboxやwiiの方が良いに決まってるよ」ポリポリ

111: 2010/09/25(土) 22:19:18.66 ID:M/XXRYt00
唯「ふぁ…ふぁ……たぃ…むぅ……」フーフー…

律「唯…、なにフーフーしてるんだ…?」

唯「ポパイの英語遊びだよぉ…律っちゃんは…?」

律「4人打ち麻雀……、3人なのに4人打ちなんだぜ…」フーフー…

梓「ははは…、笑えますね…。私のポートピア連続殺人事件も最高に笑えます……よ」フーフー…

澪「だ・か・ら。ファミコンカセットに息をフーフーすると壊れちゃうゾ」

=おしまい=



さわ子先生の一言コーナー

さわ子「唯ちゃん達は恵まれてるわね…。私の時代は、ネジ式VHF端子のテレビしか無かったのに」

114: 2010/09/25(土) 22:20:51.97 ID:M/XXRYt00
おわりー。合間のレスを色々と使わせてもらいましたぜサンクス

そいではー

115: 2010/09/25(土) 22:21:26.02 ID:p943K2bz0
ワロタwww
おっさんには良いssだったwww


116: 2010/09/25(土) 22:21:33.21 ID:6yaxXkrR0
乙!

引用元: 澪「ファミコンカセットに息をフーフーすると壊れちゃうゾ」