改蔵「お菓子のない相手ならイタズラし放題！」

改蔵「ねりけしを顔に乗せたり、ズボンのすそを五回くらい折ったり、本のしおりの代わりに強欲な壺を挟んだり！」

すず「またえらく微妙なイタズラね」

改蔵「ハ・ロ・ウィン！ハ・ロ・ウィン！」しゅっしゅっ

羽美「またバカなこと考えて……」

改蔵「バカ…？あまり僕を怒らせないほうがいい……」

改蔵「誕生日の写真をネット上にばら撒いて、色んな人にコラ画像作らせるイタズラをするぞ！？」

羽美「あったなぁ、そんなCM」

すず「ドコモだっけ？」

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地丹「松風寒く日は暮れて～♪っと」

？？「オイ、そこの小人」

地丹「ハイ？ボクですか…？」

すっ
？？「お菓子を受け取れ！」ねちょーん

地丹「えぇ？何でお菓子なんて受け取らなきゃいけないんだよぉ！」

地丹「しかも人肌に暖まったチョコレート！M&M'sじゃないから絶対ベタつくよぉ！」

？？「お菓子を受け取らないというなら……」じり…

？？「オレにイタズラしろ！！」


地丹「キャーーー！！」

ｷｬｰｰｰ

改蔵「ん？あの悲鳴は地丹！？」

羽美「別にほっといてもいいんじゃない？」

改蔵「まぁ、地丹ならいいか」

すず「それもそうね」


……

ガラッ
地丹「ちょっと！みんなヒドいじゃないか！」

羽美「なんだ、悲鳴上げてたわりに無事そうじゃない」

地丹「だってイタズラをさせられてただけだから……」

羽美「させられてた？イタズラされたんじゃなくて？」

地丹「お菓子を受け取らなければイタズラしろ！って……」

改蔵「それで、一体どんなイタズラをしたんだ？」

地丹「し、尻に……言えない！言えないよぉ！」ぶんぶん

すず「そう、最近この界隈ではイタズラを乞う事件が多発しているの」

改蔵「……まさか、アイツが帰ってきたのか！？」

羽美「アイツ？」


ガラッ
？？「お菓子を受け取れ！でなければイタズラしろ！」

地丹「ひいい！また出たぁ！」

改蔵「やはりはっとり君！元天才塾のはっとり君じゃないか！」ぺちっ

はっとり「おや、そういう君は改蔵くん！！」

羽美「やっぱり知り合いなんだ、そのヘンタイ」

改蔵「そう、彼は元天才塾 海外留学コースのはっとり君だ」

地丹「……っていうか、ハロウィンではっとり君って、どこかから怒られない？」

すず「触れなければ問題ないし、最近の子ならその事件は知らないだろうから大丈夫よ」

羽美「大々的に触れちゃってるんだけど、今！」


改蔵「それはそうとして、はっとり君は何故帰国を？」

はっとり「実は、日本でもハロウィンを流行らせようと思って」

羽美「ちょっと待ってよ。ハロウィンって『お菓子をくれなきゃイタズラするぞ』でしょ？」

羽美「それが何で『お菓子を受け取らないならイタズラしろ』になるのよ！」

はっとり「家で子供らを待たずに自らお菓子を与えに行く、ポジティブハロウィンです！」

改蔵「本来守る側が攻める……つまり逆ハロウィンですな！」

羽美「逆ハロウィン！？」

はっとり「それに本質的にはどちらも同じ、トリックオアトリートですよ」

羽美「ま、まぁ確かに……」

すず「納得しちゃうんだ」

地丹「っていうか何で最初にボクを襲ったんだよ？こういう役割は山田さんじゃないか！」

はっとり「山田さん？もしかしてヒロインみたいな子ですか？」

羽美「知ってるの？」

はっとり「その子ならちょうどキミの前にトリックオアトリートしましたよ」

はっとり「何の迷いもなくお菓子を選んでいきました」

改蔵「あぁ、山田さんならどんなお菓子でも受け取るだろうな……」

はっとり「っと、ここで突然トリックオアトリート！！」

羽美「えぇ？私に！？」

はっとり「お菓子を受け取れ！でなければイタズラしろ！」すっ

羽美「お、お菓子を受け取ればイタズラしなくていいんでしょう？」

改蔵「そのとおりだが羽美、よく見ろ！」

羽美「これは……揚げたスニッカーズ！？いやぁ！カ口リー超高い！」

改蔵「しかもホコリや毛が付いている…！」

すず「ブリーフ一丁なのにどこから出したのかしら」

はっとり「受け取らないならオレにイタズラしろ！！」ばっ！

はっとり「さぁ、ブリーフを思いっきり上に引っ張れ！引っ張れぇ！」

羽美「何そのイタズラ！？」

はっとり「イタズラしないならお菓子を……」

羽美「わ、わかったわよ！引っ張ればいいんでしょう！」ぎゅむぅぅぅ

はっとり「はーん！たまらん！！」

すず「嫌々ながらもイタズラするのね」

はっとり「そこの小人にももう一度トリックオアトリート！！」さっ

地丹「なんでまたボクに！？っていうか小人じゃないし！」

はっとり「いいからお菓子を受け取れ！」

地丹「く、臭くてキモい…！何のお菓子だよぉ？」

はっとり「ポンテギだよ」にやっ


羽美「あぁ、カイコのサナギを煮た奴……」

すず「お隣の国では一般的なおつまみらしいわね」

地丹「うえぇ、まずい……」くっちゃくっちゃ

改蔵「つーかお菓子かそれ？」

はっとり「改蔵くんにもトリックオアトリート！！さぁお菓子を受け取れぃ！」ささっ

改蔵「お菓子……こ、これはバナナ！？」

改蔵「馬鹿野郎！バナナはおやつに入らないだろ！！」

はっとり「しまった！そうだった！」

改蔵「よってこれはノーゲームということで」

羽美「なんじゃそりゃ……」


改蔵「そう、お菓子のようでお菓子ではないモノも沢山あるのです！」

・ケーキ　　　　　　　 ←パンの代わりだからお菓子ではない
・ザッハトルテ　　 　 ←名前がカッコよすぎるからお菓子ではない
・柿ピー　　　　　　　 ←つまみであってお菓子ではない
・じゃが○こ　　　　　←ポテトサラダの原料なのでお菓子ではない
・卵焼き　　　 　 　　 ←甘ければお菓子
・カレー 　 　 　 　 　 ←飲み物
・おでん　　　　　　　 ←おかずではない
・ピーコ 　 　 　 　 　 ←おすぎではない

羽美「後半ちょっとおかしいから！」

はっとり「しかし、こんなに楽しいハロウィンがなぜ流行らないのでしょうか？」

羽美「楽しんでるのはアンタだけでしょ！」

改蔵「うーむ、やはり日本人にはウケないんだよなぁ……」

はっとり「何故？」

改蔵「ズバリ、日本人にはイタズラ心が足りない！！」

はっとり「た、確かに…！」

改蔵「北欧の神話ではイタズラの神がいるんですよ！？」

改蔵「ハンマー持った兄と始終喧嘩してるイタズラの神が！」

地丹「それアメコミのヤツじゃないか！」

羽美「映画もやってたよね」


改蔵「それに比べて日本の神は、裸踊りをする程度のイタズラ心しか持ち合わせていません……」

改蔵「しかも会議で決めたんですよ？裸踊りするのを！事務的過ぎるでしょう！」

すず「それはそれでイタズラ心があると言えるかもしれないけどね」

羽美「…で、つまりどういう事なのよ？」

改蔵「つまり、欧米的イタズラ心がなければハロウィンは楽しめないのです！」

改蔵「俳優で言うと、ジ○・キャリーやロビ○・ウィリアムズくらいのイタズラ心が必要ですな」

羽美「ハードル高っ！」

すず「柳○慎吾や高○純次じゃダメなの？」

改蔵「うーん、どちらもいい線は行ってますがもう一つって所ですね」

はっとり「そんな、じゃあ日本でハロウィンを流行らせるのは無理なのか……」

改蔵「諦めるな、まだ手はある！」

はっとり「しかしどうすれば……」

改蔵「イタズラ心溢れるスターを輩出すれば良いのだ！」

改蔵「ひいてはとらうま町を代表するイタズラっ子の僕が……」

すず「スターなら地丹くんが適任ね」

地丹「えぇ！？ボクですか！？」

ガーン
改蔵「何故！何故僕じゃないんですか！？」

地丹「……まぁ確かに、ボクはイタズラ心に溢れていますからな！」

地丹「自由帳にマス目を書いちゃうほどのイタズラっ子ですよ！」

改蔵「そ、それはかなりのイタズラっ子！！」

改蔵「僕なんかは、ゲーセンのトイレの清掃チェックシートに勝手にチェックするくらいしか出来ません…！」

すず「迷惑だからやめようね」

地丹「イタズラ心でボクと肩を並べられるのは、日ハムのときの新庄くらいなもんだね！！」かーっかっかっかっ

羽美「まーたすぐつけあがる……」

地丹「イタズラしちゃうぞ！イタズラしちゃうぞ！！」

地丹「消しゴムにシャープペンの芯埋め込むぞ！」
地丹「展示品のペンタブで奇妙な絵描くぞ！」
地丹「渡らないのに手押し式信号のボタン押すぞ！！」


すず「いまいちイタズラが小さいわね」

地丹「イタズラ心が足りないか！？それならば！」

地丹「バイト先の食材で遊ぶぞ！」
地丹「コンビニのアイスに埋もれるぞ！」
地丹「パトカーの上に乗るぞ！」

地丹「うーん、ボクってトリックスター！」

トントン

地丹「ん？トリックスターのボクに何か用かい？」

警察「逮捕」


ぱーぷーぱーぷー


改蔵「最近多いよなぁ、イタズラのつもりで犯罪する人……」

すず「限度ってモノがあるわよね」



地丹「え？ふざけて線路に下りるヤツ？氏刑だね」



おわり

乙
いい仕事だった

最後まで駄文読んじゃった皆さん
お疲れ様でした。そしてすいませんでした



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