1: 2010/09/28(火) 01:17:13.67 ID:f6OERILI0
それは、憂が小学6年生の頃・・・




みなさんこんにちは!平沢憂です!
今日私はとても上機嫌です!
なぜかといいますと・・・うふふ。

唯「今日の夜・・・大事な話があるんだ。だからお部屋で待っててね」

ktkr!!1111
私はこの日を待っていました!
そう!お姉ちゃんから想いを告げるであろうこの日を!!
けいおん!Shuffle 2巻 (まんがタイムKRコミックス)
3: 2010/09/28(火) 01:18:05.63 ID:f6OERILI0

そして今、約束の時間が迫ってきています。

憂「お姉ちゃんまだかな・・・」

緊張が止まりません。
ああっ、緊張しすぎてだんだん頭痛が痛くなってきました。

トン・・・トン・・・トン・・・

!!
お姉ちゃんが階段を上ってくる音が聞こえてきました!

5: 2010/09/28(火) 01:19:47.76 ID:f6OERILI0
唯「ういー? おきてるー?」

憂「うん、起きてるよ」

唯「お部屋、入るね・・・」

ガチャ

憂「おおおおお姉ちゃんよく来たね」

唯「どうしたのうい?」

・・・落ち着け私。私落ち着け。

7: 2010/09/28(火) 01:20:42.65 ID:f6OERILI0
唯「・・・それでね、話なんだけど」

来た!
大丈夫!そんなに不安そうな顔しないで!
私もお姉ちゃんの事大好きだよ!

唯「憂も来年から中学生だし、知っておいた方がいいかなぁって思って・・・」

憂「う、うん?」

・・・あれ。
何か告白って雰囲気じゃないような。

唯「あのね、憂」

唯「憂と私は、血が繋がってないんだよ」

8: 2010/09/28(火) 01:21:04.65 ID:PUmm1ZHz0
!?

14: 2010/09/28(火) 01:28:54.09 ID:f6OERILI0
憂「」

唯「・・・憂?」

憂「」

唯「憂?うーいー?」

次の日、私は学校を休みました。

15: 2010/09/28(火) 01:29:59.87 ID:f6OERILI0
唯「憂」

唯「ご飯、お母さんが作ってくれたから・・・ここに置いとくから食べてね」

憂「・・・」



食欲なんてありませんでした。
今まで大好きだったお姉ちゃん。
そのお姉ちゃんが実はお姉ちゃんじゃなかったなんて。

16: 2010/09/28(火) 01:31:05.89 ID:f6OERILI0
漫画なんかでは

兄「実はお前とは血が繋がってなかったんだ」
妹「キュン」

という展開が普通なんでしょうけど・・・
でも、私は血の繋がりがあるからこその絆だと、そう信じてきました。
こんなに大好きなのは、生まれた時から一緒だったから。
こんなに愛おしいのは、血を分けた姉妹だったから。
そう思って、今まで過ごして来たのに・・・

17: 2010/09/28(火) 01:31:58.07 ID:f6OERILI0
・・・お腹すいた。

憂「さすがに何か食べないといけないかな・・・」

ドアを少しずつ開け、お姉ちゃんがいないか確認します。
今顔を合わせても、何を話せばいいか全くわかりません。
お姉ちゃんがいないのを確認して、お膳を部屋の中に。

その日の晩御飯は、何を食べていたのか全く思い出せません。

18: 2010/09/28(火) 01:33:00.59 ID:f6OERILI0
唯「あっ! 憂、もう学校行けるの?」

憂「!! あ、う・・・お、おはようございます・・・ゆ、唯、さん・・・い、行ってきます!!」

ガチャ バタン

唯「うい・・・」グスッ

唯「・・・そうだ」ピコーン

19: 2010/09/28(火) 01:33:46.53 ID:f6OERILI0
顔も合わせず家を飛び出してきてしまいました。
挙句の果て、唯「さん」なんて・・・。
「お姉ちゃん」と呼びたくなかった・・・
いや、「お姉ちゃん」と呼んで拒絶されるのが怖かっただけ。
「お前は血が繋がってないんだ。だから妹でもなんでもないんだよ」
そう言われたら、私は間違いなく生きて行けないでしょう。

21: 2010/09/28(火) 01:34:29.35 ID:f6OERILI0
純「おはよ、憂・・・どしたの、顔真っ青だけど」

憂「う、あぅ・・・なんだ純ちゃんか・・・」

なんだとはなんだよー傷付くだろーなんて言いながら私にじゃれ付いてくる純ちゃん。
純ちゃんは悩みがなさそうでいいなあ。

純「・・・何か失礼なこと考えなかった?」

憂「ううん、そんなことないよー」

純「ほんとかなぁ・・・ま、それよりさ。昨日はなんで休んだの?」

憂「・・・えっと」グスッ

純「えええ、ちょっ、な、泣かないでよ! ごめん、私が悪かったから!」

22: 2010/09/28(火) 01:35:03.05 ID:f6OERILI0
思い出すだけで涙が出てきてしまう。
ああ、私純ちゃんを困らせてるんだなぁとは思うけど、
どうしても涙が止まらない。
そういえば・・・私が子供だった頃・・・今でも子供だけど・・・
幼稚園ぐらいかな?の頃、近所のお友達と夢中になって遊んだ時、
足元も見ずに走って転んじゃって泣いたなぁ。
あの時、一緒に遊んでたお姉ちゃんが凄い勢いで走ってきて・・・ぎゅって抱き締めて・・・
わた、私・・・をっ・・・

憂「うああぁぁぁあああん!!!」ボロボロ

純「うわああああ!! ど、どうしよう」オロオロ

憂「ぁあああぅう・・・おねえぢゃぁぁあああん!!」ボロボロ

純「お願いだから泣き止んでよー!!」オロオロ

結局、お昼休みが終わるまで私が泣き止むことはありませんでした。

23: 2010/09/28(火) 01:35:48.45 ID:f6OERILI0
憂「ごめんね純ちゃん・・・学校までサボらせちゃって・・・」

純「いいっていいって・・・で、そろそろ事情話してくれない?」

憂「・・・どんな理由でも怒らない? 下らないって言わない?」

純「言わない言わない」

憂「・・・」

私は全てを話しました。
大好きなお姉ちゃんと私の間に血の繋がりがなかったこと。
その事を知らされてから、お姉ちゃんが遠くなって、
自分から離れて行ってしまうように思えたこと。
お姉ちゃんと呼んでしまっていいのか、拒絶されたら・・・って思うと不安で仕方ないこと。

54: 2010/09/28(火) 02:09:49.43 ID:f6OERILI0


純「・・・憂は、ほんとにお姉ちゃんが好きなんだね」

憂「当たり前だよ!」

純「でも、好き過ぎてお姉ちゃんのことが見えなくなってるんじゃないかな」

憂「見えなく・・・?」

純「だってほら、こんなに一生懸命に憂の事を探してるんだよ?
  そんな人が、憂のことを拒絶なんてするわけないよ」

唯「・・・はっ・・・はぁ・・・っ、憂!」ゼエゼエ

憂「!?」ビクッ

純「ちょっ、私の後ろに隠れないでよ」

25: 2010/09/28(火) 01:37:13.91 ID:f6OERILI0
お姉ちゃん、息が上がってる・・・
私の事さがしてたのかな・・・

唯「う・・・うい・・・さが・・・探したよ・・・」ゼエゼエ

唯「きょ・・・教室にいな・・・ごほっ・・・げほ・・・」ゼエゼエ

私は、お姉ちゃんの言葉を黙って聞いている事しかできませんでした。
学校サボった事を怒られるんだろうか。
もう家に帰って来なくていいよ、と言われるんだろうか。
さようならもう会う事なんてないよ、と言われるんだろうか。


「血の繋がった」お姉ちゃんがそんな事言わないなんてすぐにわかる。
なのに、「血の繋がってない」お姉ちゃんの事、何もわからない。

そう思うと、さっきまで落ち着いていた心が途端にざわつき始めます。

憂「・・・っ」ボロボロ

唯「・・・うい」ゼエ ゼエ

26: 2010/09/28(火) 01:37:49.96 ID:f6OERILI0
ギュッ

憂「!?」

唯「・・・えへへ・・・ずーっと前、憂が泣いた時あったよね」

唯「あの時も、こうやってぎゅーって抱き締めて・・・」

チュッ

唯「おでこにちゅーしたよね・・・えへへ」

憂「お姉・・・ちゃん」グス

27: 2010/09/28(火) 01:38:20.40 ID:f6OERILI0
唯「ごめんね、憂。私が『血が繋がってない』って言ったから不安になっちゃったんだよね」

唯「でもね、憂。」

唯「たとえ血が繋がってなくても、私は憂のこととーっても大好きだよ!」

憂「お姉ちゃん・・・」ボロボロ

唯「あ、あれ・・・? 泣き止まない・・・」オロオロ

憂「当たり前だよ・・・そんなこと言われたら、嬉しくて涙が出てきちゃうよ・・・」ボロボロ

唯「・・・憂」ギュ

憂「お姉ちゃん・・・」ギュウウ

その日、私とお姉ちゃんは久しぶりに手を繋いで帰りました。
あっ、純ちゃん忘れてた。まあいいや。



純「・・・別に寂しくないもん」

28: 2010/09/28(火) 01:39:07.30 ID:f6OERILI0
唯「あっ、そういえば憂。今日学校いなかったよね?」

憂「ご、ごめんね・・・サボっちゃった」

唯「う、憂が不良さんになっちゃった・・・!」ガーン

憂「えっと・・・ごめんなさい・・・」

唯「ううん、憂が無事だったならそれでいいよ」ギュ

憂「お姉ちゃん・・・心配して探してくれたの?」

唯「当たり前だよ! 帰ってくるの遅かったし・・・学校にはいなかったし・・・」

唯「もしかしたら、このまま帰ってこないんじゃないかって思っちゃった」

憂「・・・ごめんね。もう心配かけるようなことしないよ」

唯「うん・・・」

31: 2010/09/28(火) 01:41:16.62 ID:f6OERILI0
唯「ただいまー」

憂「ただいまー」

唯「あれ、お母さんたちいないのかな・・・」

ガチャ

唯「あれ、書置きが・・・」

憂「お父さんとお母さん、また旅行するんだ・・・」

唯「じゃあ、今日から2人っきりだね!」

憂「ふ、2人っきり・・・///」カアア

こ、これは・・・
神がくれたプレゼントでしょうか!
仲直りした(一方的に私が拗ねてただけだけど)私とお姉ちゃんに、
もっと深い仲になりなさいという思し召しでしょう!きっとそうです!

32: 2010/09/28(火) 01:42:29.52 ID:f6OERILI0
憂「じゃ、じゃあお姉ちゃんそこに座っててね! すぐにご飯の準備・・・」

唯「あっ、ダメ! 憂がそこに座ってて!!」

憂「えっ・・・」

唯「いい? そこから動いちゃダメだからね! あっ、目もつぶってて!」

憂「目を!? う、うん! わかったよ!」ドキドキ

ああ・・・ナニが始まるんでしょう・・・
目をつぶるって・・・もちろんアレですよね・・・き、きっす・・・しかも唇に・・・!!
て、テンション上がってきた・・・!!

33: 2010/09/28(火) 01:43:29.59 ID:f6OERILI0
コトッ

唯「もう目開けていいよ!!」

憂「えっ?」

なんだ・・・キスじゃ・・・な・・・

憂「こ、これ・・・お姉ちゃんが作ったの?」

唯「そうだよ!」フンス

目の前には一皿のカレー。
私と、お姉ちゃんの大好物。

34: 2010/09/28(火) 01:44:36.59 ID:f6OERILI0
唯「私があんな事言っちゃったから憂が落ち込んじゃったでしょ?」

唯「だから、憂が元気になるように、憂の為に何ができるかなって考えて・・・」

唯「ごめんね。ほんとは、もっと凝ったの作りたかったんだけど・・・」

憂「ううん、嬉しいよ!」

嬉しい。
料理どころか、台所にすら立ったことなかったのに。
私の為に。
・・・料理するの初めてにしては手に怪我一つないあたり、
お姉ちゃんは凄いって思う。

35: 2010/09/28(火) 01:45:30.66 ID:f6OERILI0
唯「そ、それで・・・どう?」ドキドキ

憂「・・・うん、おいしい! 凄く美味しいよお姉ちゃん!」

唯「憂があんまり美味しそうに食べるから、私もお腹空いてきちゃった・・・」

そう言って自分の分をよそいに行くお姉ちゃん。

純ちゃんの言った通りだった。
お姉ちゃんはいつも私の事を想ってくれてたんだ。
たとえ血が繋がってなくても、お姉ちゃんは私の大好きなお姉ちゃんだったんだ。

憂「お姉ちゃん」

唯「ふぇ? なーに、うい」

チュッ

憂「お姉ちゃんだいすきっ」

36: 2010/09/28(火) 01:46:15.99 ID:f6OERILI0
---------------------------------------------------------------------

紬「・・・oh」ぽわぽわ

唯「? どうしたのムギちゃん」

紬「そ、それで? そのあとどうしたの!?」ハァハァ

澪「ムギ、落ち着け」

37: 2010/09/28(火) 01:46:52.45 ID:f6OERILI0
唯「え? どうしたって・・・一緒に寝たけど・・・」

紬「それで!? それで!?」ハァハァハァ

梓「ちょっ、ムギ先輩! 袖にクリームついてますよ!」

律「ああ・・・なんかもうムギはコレが普通になってきたな」

澪「そうだな」

38: 2010/09/28(火) 01:47:28.48 ID:f6OERILI0
唯「えーっと・・・一緒に寝ただけだよ」

紬「・・・ほんと?」

唯「ほんと」

紬「・・・」シュン

梓「あ、大人しくなった」

39: 2010/09/28(火) 01:48:50.51 ID:f6OERILI0
ガチャ

憂「失礼しまーす」

唯「あ、うーいー!」ダッ

憂「おねえちゃん!」ギュー

唯「えへへー///」

憂「えへへー///」

40: 2010/09/28(火) 01:49:35.58 ID:f6OERILI0
梓「おうおう譲ちゃんたち、そういうのは外でやってくれねぇか」

律「なんだー梓、嫉妬かー?」

梓「そういうんじゃないでごわす」

澪「動揺しまくってるじゃないか・・・」

紬「oh・・・yes・・・!!!」ダバー

41: 2010/09/28(火) 01:50:06.88 ID:f6OERILI0
憂「お姉ちゃん」

唯「なあに、うい・・・んぅ・・・!」チュッ

憂「んっ・・・ふぅ。さ、帰ろ?」ギュ

紬「yheaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」ブファアアア

律「すげえ、人間スプレーだ」

澪「赤色限定のな」

42: 2010/09/28(火) 01:51:38.18 ID:f6OERILI0
梓「信じないよ。混じりっ気のないものしか、信じない」

澪「こっちはこっちでぶっ壊れたな」

律「おーい、もどってこーい・・・まあいいや、じゃ今日は解散!また明日なー」

律「さ、帰ろうぜ」ギュ

澪「ああ」ギュ

後に残されたのは、空になったスプレー缶と壊れたラジカセだけでした。

おしまい。

43: 2010/09/28(火) 01:52:52.61 ID:f6OERILI0
純「・・・へっくし!・・・ぐす」

・・・おしまい!

45: 2010/09/28(火) 01:56:16.39 ID:f6OERILI0

以上、初SSでしたがいかがだったでしょうか。
正直俺の心は>>2で折れましたが、1レス投稿したくらいで投げてちゃアレかな
って思ったんで続けさせていただきました。

最後まで見てくださった方々、ありがとうございます。
あと、レスしてくれた方!返レスできなくてごめんね!

引用元: 唯「けつえん!」