1: 2016/10/18(火) 21:40:34.38 ID:Pw3J88DO.net
血まみれになって倒れている私。
目が覚めて最初に見たその光景は、悲惨なんて言葉では言い表せないものだった。
曜 「……えっ、何…これ……?」
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目が覚めて最初に見たその光景は、悲惨なんて言葉では言い表せないものだった。
曜 「……えっ、何…これ……?」
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4: 2016/10/18(火) 21:48:01.93 ID:Pw3J88DO.net
…地区予選出場が決まった瞬間、私たちは舞い上がった。すぐに東京にいる梨子ちゃんに報告を済ませ、その後みんなでコンビニでアイスを買って食べようという話になった。
花丸 「でもよかったずら~。もしダメだったら、梨子ちゃんに合わせる顔がないもんね」
善子 「ふんっ、堕天使の加護を受けた私たちにかかれば、この結果も必然…。」
ルビィ 「地区大会かぁ…うりゅ…緊張しちゃうなぁ。」
ダイヤ 「ルビィも、みなさんも、よく頑張りましたわね。さ、今日はいつもより高いアイスでも買って、打上げといきましょう。」
千歌 「梨子ちゃんには悪いけど、一足先に、ね。」
曜 「よーしっ、そうと決まれば、コンビニまで全速前進ーっ、ヨーソロー!」
花丸 「でもよかったずら~。もしダメだったら、梨子ちゃんに合わせる顔がないもんね」
善子 「ふんっ、堕天使の加護を受けた私たちにかかれば、この結果も必然…。」
ルビィ 「地区大会かぁ…うりゅ…緊張しちゃうなぁ。」
ダイヤ 「ルビィも、みなさんも、よく頑張りましたわね。さ、今日はいつもより高いアイスでも買って、打上げといきましょう。」
千歌 「梨子ちゃんには悪いけど、一足先に、ね。」
曜 「よーしっ、そうと決まれば、コンビニまで全速前進ーっ、ヨーソロー!」
5: 2016/10/18(火) 21:48:37.29 ID:Pw3J88DO.net
私は横断歩道を渡った先にあるコンビニに向かって、みんなよりも早く走り出した。
…信号は、間違いなく青だった。
だった、はずなのに。
果南 「ッ!! 曜ちゃんッ! 危ないっ!」
曜 「えっ?」
信号無視したトラックに、私は気づけなかった。凄まじい轟音とともに、トラックは私の体めがけて突っ込んできた。
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…信号は、間違いなく青だった。
だった、はずなのに。
果南 「ッ!! 曜ちゃんッ! 危ないっ!」
曜 「えっ?」
信号無視したトラックに、私は気づけなかった。凄まじい轟音とともに、トラックは私の体めがけて突っ込んできた。
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6: 2016/10/18(火) 21:49:27.04 ID:Pw3J88DO.net
曜 「嘘…私、氏んだの…?」
曜 「てことは私…今、幽霊になってるってこと?」
果南 「曜ちゃん…曜ちゃんッ!」
花丸 「嘘…こんなの嘘だよ…。」
鞠莉 「あ…あぁあ…」
曜 「みんな……。」
みんなが、私の体の元に集まって、泣いている。驚くあまり、涙すら出ない子もいる。
曜 「みんな…私なんかのために、そんなに泣いてくれて…。」
曜 「てことは私…今、幽霊になってるってこと?」
果南 「曜ちゃん…曜ちゃんッ!」
花丸 「嘘…こんなの嘘だよ…。」
鞠莉 「あ…あぁあ…」
曜 「みんな……。」
みんなが、私の体の元に集まって、泣いている。驚くあまり、涙すら出ない子もいる。
曜 「みんな…私なんかのために、そんなに泣いてくれて…。」
8: 2016/10/18(火) 21:50:36.68 ID:Pw3J88DO.net
曜 「…そっかぁ、私氏んじゃったんだ…。」
曜 「みんなとも…お父さんにもお母さんにも…会えないんだ…。」
?? 「曜…さん? そこにいるのは…」
曜 「えっ…?」
不意に、名前を呼ばれた。
その言葉は、倒れている私の体ではなく、幽霊となった私に向けられているものであるように感じた。
曜 (そういえば、漫画とかで見たことある。氏んだ人の幽霊が、仲のいい人…幼馴染みの人とかにだけ見えるってやつ。)
曜 (もしかして…!)
私は嬉しくなって、私のことを呼んだ人物の方を向いた。
曜 「みんなとも…お父さんにもお母さんにも…会えないんだ…。」
?? 「曜…さん? そこにいるのは…」
曜 「えっ…?」
不意に、名前を呼ばれた。
その言葉は、倒れている私の体ではなく、幽霊となった私に向けられているものであるように感じた。
曜 (そういえば、漫画とかで見たことある。氏んだ人の幽霊が、仲のいい人…幼馴染みの人とかにだけ見えるってやつ。)
曜 (もしかして…!)
私は嬉しくなって、私のことを呼んだ人物の方を向いた。
9: 2016/10/18(火) 21:51:08.01 ID:Pw3J88DO.net
…目線の先にいたのは、
理想とは、一番かけ離れた人物だった
ダイヤ 「曜さん…あなた、その体は…」
曜 「ダイヤ…さん? 私のこと、見えてるんですか…?」
ダイヤ 「…そのよう、ですわね。」
理想とは、一番かけ離れた人物だった
ダイヤ 「曜さん…あなた、その体は…」
曜 「ダイヤ…さん? 私のこと、見えてるんですか…?」
ダイヤ 「…そのよう、ですわね。」
10: 2016/10/18(火) 21:51:41.70 ID:Pw3J88DO.net
…なんで。
なんで私のことが唯一見える人が
幼馴染みの千歌ちゃんや果南ちゃんでも
登下校が一緒で最近仲良くなり始めた善子ちゃんでも
心の内を打ち明けた鞠莉ちゃんでもなくて…
曜 「…なんで、ダイヤさんなのさ…。」
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なんで私のことが唯一見える人が
幼馴染みの千歌ちゃんや果南ちゃんでも
登下校が一緒で最近仲良くなり始めた善子ちゃんでも
心の内を打ち明けた鞠莉ちゃんでもなくて…
曜 「…なんで、ダイヤさんなのさ…。」
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12: 2016/10/18(火) 21:52:34.54 ID:Pw3J88DO.net
~夜 黒澤家~
ダイヤ 「…で、どうしてウチにいるんですの?」
曜 「1回、家にも帰ったんだけど…。お母さんの悲しい顔、見てられなくて。」
曜 「それにやっぱり、誰にも相手にされないのって、寂しくて。」
ダイヤ 「…ま、いいですわ。変な騒ぎを起こしたりしないでくださいね。」
曜 「……ダイヤさん、落ち着いてますね。」
ダイヤ 「…如何なる時も、平常心を心掛けていますから。」
曜 「…私が氏んで、悲しくないんですか?」
ダイヤ 「…で、どうしてウチにいるんですの?」
曜 「1回、家にも帰ったんだけど…。お母さんの悲しい顔、見てられなくて。」
曜 「それにやっぱり、誰にも相手にされないのって、寂しくて。」
ダイヤ 「…ま、いいですわ。変な騒ぎを起こしたりしないでくださいね。」
曜 「……ダイヤさん、落ち着いてますね。」
ダイヤ 「…如何なる時も、平常心を心掛けていますから。」
曜 「…私が氏んで、悲しくないんですか?」
13: 2016/10/18(火) 21:53:35.63 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「…Aqoursはこれから、どうなってしまうのでしょうか。」
曜 「無視か…。」
ダイヤ 「何か、言いましたか…?」
曜 「何も。」
ダイヤ 「忠告しておきますが、今千歌さんに会いに行くのはオススメしませんわ。」
曜 「どうしてですか? どうせ千歌ちゃんには、私のことなんて見えないし…」
ダイヤ 「あなたの為を思って言ってるのです。…きっと今の彼女は、見るに耐えないでしょうから。」
曜 「…どうも。」
曜 「無視か…。」
ダイヤ 「何か、言いましたか…?」
曜 「何も。」
ダイヤ 「忠告しておきますが、今千歌さんに会いに行くのはオススメしませんわ。」
曜 「どうしてですか? どうせ千歌ちゃんには、私のことなんて見えないし…」
ダイヤ 「あなたの為を思って言ってるのです。…きっと今の彼女は、見るに耐えないでしょうから。」
曜 「…どうも。」
16: 2016/10/18(火) 21:54:29.30 ID:Pw3J88DO.net
ピロロン
曜 「…ダイヤさん、携帯。」
ダイヤ 「あぁ…すいませんが、取っていただけませんか?」
曜 「私、もの触れないです。」
ダイヤ 「はぁ…そうでしたわね。」
曜 「誰から?」
ダイヤ 「…千歌さんからです。Aqoursの、グループチャットです。」
曜 「千歌ちゃん…!? みせて!」
曜 「…ダイヤさん、携帯。」
ダイヤ 「あぁ…すいませんが、取っていただけませんか?」
曜 「私、もの触れないです。」
ダイヤ 「はぁ…そうでしたわね。」
曜 「誰から?」
ダイヤ 「…千歌さんからです。Aqoursの、グループチャットです。」
曜 「千歌ちゃん…!? みせて!」
18: 2016/10/18(火) 21:55:10.46 ID:Pw3J88DO.net
千歌 < みんな、起きてる?
千歌 < いきなりごめんね
梨子 <ううん、平気よ
千歌 <ありがと。
千歌 <みんなも、見てるだけで、無理に返信はしなくて大丈夫だよ。
千歌 < きっとみんな、そんなことできる状態じゃないだろうし
曜 「千歌ちゃん…。」
千歌 < いきなりごめんね
梨子 <ううん、平気よ
千歌 <ありがと。
千歌 <みんなも、見てるだけで、無理に返信はしなくて大丈夫だよ。
千歌 < きっとみんな、そんなことできる状態じゃないだろうし
曜 「千歌ちゃん…。」
20: 2016/10/18(火) 21:55:58.56 ID:Pw3J88DO.net
千歌 < 既読7…うん、全員だね
ダイヤ < それで、要件はなんですの?
千歌 < うん、明日の放課後、屋上に集まってほしいの。梨子ちゃんも、明日なら来れるでしょ?
梨子 < そっちに着くのは明日の昼だから大丈夫だけど…
ルビィ < 何をするんですか?
千歌 < うん、話しておきたくて。
千歌 < Aqoursの、今後のこととか。
ダイヤ < それで、要件はなんですの?
千歌 < うん、明日の放課後、屋上に集まってほしいの。梨子ちゃんも、明日なら来れるでしょ?
梨子 < そっちに着くのは明日の昼だから大丈夫だけど…
ルビィ < 何をするんですか?
千歌 < うん、話しておきたくて。
千歌 < Aqoursの、今後のこととか。
21: 2016/10/18(火) 21:57:14.14 ID:Pw3J88DO.net
曜 「Aqoursの今後…。」
ダイヤ 「……。」
ダイヤ < わかりましたわ。みなさんも、それでよろしいですね?
千歌 < ダイヤさん、ありがとう。
千歌 < じゃあ、おやすみ
ダイヤ 「…曜さんは?」
曜 「えっ?」
ダイヤ 「どうして欲しいのですか…? Aqoursには今後。」
ダイヤ 「……。」
ダイヤ < わかりましたわ。みなさんも、それでよろしいですね?
千歌 < ダイヤさん、ありがとう。
千歌 < じゃあ、おやすみ
ダイヤ 「…曜さんは?」
曜 「えっ?」
ダイヤ 「どうして欲しいのですか…? Aqoursには今後。」
22: 2016/10/18(火) 21:57:48.70 ID:Pw3J88DO.net
曜 「…続けてほしい。勝手に氏んだ私が、言えたことじゃないかもですけど。」
ダイヤ 「…そうですか、分かりましたわ。」
ダイヤ 「その言葉が聞けて、よかったです。では、おやすみなさい。」
曜 「うん…おやすみ。」
ダイヤさんが襖を開けると、そこにはルビィちゃんがいた。どうやら、聞き耳を立てていたようだった。
ルビィ 「ぴ…ピギィッ!?」
ダイヤ 「ルビィ…? どうしたのですか、こんなところで。」
ルビィ 「そ、その…お姉ちゃんが心配で…」
ダイヤ 「心配?」
ダイヤ 「…そうですか、分かりましたわ。」
ダイヤ 「その言葉が聞けて、よかったです。では、おやすみなさい。」
曜 「うん…おやすみ。」
ダイヤさんが襖を開けると、そこにはルビィちゃんがいた。どうやら、聞き耳を立てていたようだった。
ルビィ 「ぴ…ピギィッ!?」
ダイヤ 「ルビィ…? どうしたのですか、こんなところで。」
ルビィ 「そ、その…お姉ちゃんが心配で…」
ダイヤ 「心配?」
23: 2016/10/18(火) 21:58:31.13 ID:Pw3J88DO.net
ルビィ 「今日、家に帰るまでずっと独り言みたいなこと言ってたし…。今、部屋でも…」
ダイヤ 「……。」
ダイヤさんが、私の方をちらっと見る。
ダイヤ 「なんでもありませんわ。私は大丈夫ですよ、ルビィ。」
ルビィ 「それなら…いいんだけど…。」
ダイヤ 「おやすみなさい、ルビィ。」
ルビィ 「ま、待ってお姉ちゃんっ! 今日…一緒に寝たらダメ…?」
ダイヤ 「…勿論ですわ。今日はゆっくり、心を落ち着けましょう。」
ダイヤ 「……。」
ダイヤさんが、私の方をちらっと見る。
ダイヤ 「なんでもありませんわ。私は大丈夫ですよ、ルビィ。」
ルビィ 「それなら…いいんだけど…。」
ダイヤ 「おやすみなさい、ルビィ。」
ルビィ 「ま、待ってお姉ちゃんっ! 今日…一緒に寝たらダメ…?」
ダイヤ 「…勿論ですわ。今日はゆっくり、心を落ち着けましょう。」
25: 2016/10/18(火) 21:59:36.24 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤさんは、ルビィちゃんと一緒に寝室へとあがっていった。
居間に取り残された私は、行き場を完全に失っていた。
曜 「ルビィちゃん…ごめんね、怖い思いさせちゃって…。」
曜 「…千歌ちゃんは今、どうしてるんだろう。」
ダイヤ 『きっと今の彼女は、見るに耐えないでしょうから。』
曜 「……。行こう、千歌ちゃんのとこ。」
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居間に取り残された私は、行き場を完全に失っていた。
曜 「ルビィちゃん…ごめんね、怖い思いさせちゃって…。」
曜 「…千歌ちゃんは今、どうしてるんだろう。」
ダイヤ 『きっと今の彼女は、見るに耐えないでしょうから。』
曜 「……。行こう、千歌ちゃんのとこ。」
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27: 2016/10/18(火) 22:00:23.81 ID:Pw3J88DO.net
千歌ちゃんは、ベッドで横になっていた。
その傍らには、幾つもの写真が無造作に積まれている。
…全部、私と千歌ちゃんのツーショットの写真だ。
千歌 「…あっ、これ。5歳の頃一緒にプール行った時の…。あまり覚えてないけど。」
千歌 「こっちは小学校の運動会…中学の入学式…。修学旅行…社会科見学…」
千歌 「ずっと一緒だったんだなぁ…曜ちゃんと私。」
曜 「千歌ちゃん…。」
写真を1通り眺め終わった千歌ちゃんは、大量の写真を、まるで枕を抱くように強く抱きしめた。
その傍らには、幾つもの写真が無造作に積まれている。
…全部、私と千歌ちゃんのツーショットの写真だ。
千歌 「…あっ、これ。5歳の頃一緒にプール行った時の…。あまり覚えてないけど。」
千歌 「こっちは小学校の運動会…中学の入学式…。修学旅行…社会科見学…」
千歌 「ずっと一緒だったんだなぁ…曜ちゃんと私。」
曜 「千歌ちゃん…。」
写真を1通り眺め終わった千歌ちゃんは、大量の写真を、まるで枕を抱くように強く抱きしめた。
30: 2016/10/18(火) 22:01:52.66 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「曜ちゃん…なんで…っ! なんでぇっ……! うぐっ……うぇぁぁぁぁぁっっ!!!」
曜 「千歌ちゃん…千歌ちゃんっ…!」
私は千歌ちゃんの体を、後ろからそっと抱きしめた。強くしすぎると、体をすり抜けてしまうから、うまく調整しながら。
曜 「千歌ちゃん…ごめん、ごめんっ! ごめん…ごめん…ごめん…。」
千歌ちゃんが泣き疲れて眠っても、私は謝り続けた。
…本当に、なんで千歌ちゃんには見えないんだろう。
なんで、ダイヤさんなんだろう。
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曜 「千歌ちゃん…千歌ちゃんっ…!」
私は千歌ちゃんの体を、後ろからそっと抱きしめた。強くしすぎると、体をすり抜けてしまうから、うまく調整しながら。
曜 「千歌ちゃん…ごめん、ごめんっ! ごめん…ごめん…ごめん…。」
千歌ちゃんが泣き疲れて眠っても、私は謝り続けた。
…本当に、なんで千歌ちゃんには見えないんだろう。
なんで、ダイヤさんなんだろう。
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31: 2016/10/18(火) 22:02:45.97 ID:Pw3J88DO.net
~翌日 放課後~
一足先に屋上に着いた私と千歌ちゃんは、ほかのみんなの到着を待っていた。
千歌 「…こんにちは、ダイヤさん。」
ダイヤ 「急いできたつもりでしたが、一番乗りは千歌さんでしたか。」
ダイヤ 「…それに、曜さんも。」ボソッ
千歌 「…?」
ダイヤ 「なんでもありませんわ。みなさんを待ちましょう。」
一足先に屋上に着いた私と千歌ちゃんは、ほかのみんなの到着を待っていた。
千歌 「…こんにちは、ダイヤさん。」
ダイヤ 「急いできたつもりでしたが、一番乗りは千歌さんでしたか。」
ダイヤ 「…それに、曜さんも。」ボソッ
千歌 「…?」
ダイヤ 「なんでもありませんわ。みなさんを待ちましょう。」
32: 2016/10/18(火) 22:03:55.16 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「…忠告したはずですが。」
曜 「何をですか?」
ダイヤ 「千歌さんの元へ行かない方がいいと言ったことです。」
曜 「どうしてわかるんですか。」
ダイヤ 「目を見ればわかります。異常なほど赤くなってますよ。」
曜 「えへへ…流石ダイヤさん…。」
2人でコソコソ話をしていると、いつの間にかほかのメンバーも集まっていた。
曜 「何をですか?」
ダイヤ 「千歌さんの元へ行かない方がいいと言ったことです。」
曜 「どうしてわかるんですか。」
ダイヤ 「目を見ればわかります。異常なほど赤くなってますよ。」
曜 「えへへ…流石ダイヤさん…。」
2人でコソコソ話をしていると、いつの間にかほかのメンバーも集まっていた。
34: 2016/10/18(火) 22:05:07.38 ID:Pw3J88DO.net
果南 「…で、千歌はどうしたいの?」
千歌 「うん…。Aqoursの今後…だよね。」
梨子 「………。」
千歌 「やっぱり、解散しようと思う。」
曜 「…ッ!?」
千歌 「曜ちゃんがいなくなって…なんか、私の大事な部分も、欠けちゃったような気がして…。」
千歌 「それは多分、Aqoursにとっても、同じことだと思う。」
鞠莉 「ちかっち…。」
千歌 「曜ちゃんもきっと、それを望んでるよ…。」
千歌 「うん…。Aqoursの今後…だよね。」
梨子 「………。」
千歌 「やっぱり、解散しようと思う。」
曜 「…ッ!?」
千歌 「曜ちゃんがいなくなって…なんか、私の大事な部分も、欠けちゃったような気がして…。」
千歌 「それは多分、Aqoursにとっても、同じことだと思う。」
鞠莉 「ちかっち…。」
千歌 「曜ちゃんもきっと、それを望んでるよ…。」
35: 2016/10/18(火) 22:05:54.78 ID:Pw3J88DO.net
曜 「そんな…ダメだよそんなの! ほら、善子ちゃん、反論しなきゃ!」
曜 「鞠莉ちゃんも! やっと再開できたスクールアイドルだよ!? 解散なんて…絶対…!」
ダイヤ 「曜さんっ!」
果南 「ダイヤ…?」
千歌 「ダイヤさん…?」
ダイヤ 「おやめなさい、曜さん。どんなに叫んでも、あなたの声がみんなに届くことはありません。」
曜 「ダイヤさん…っ! 私はなんとしても!」
ダイヤ 「…あなたは静かにしていなさい。あなたの言葉は、私が代わりに伝えます。」
曜 「ダイヤさん…。」
曜 「鞠莉ちゃんも! やっと再開できたスクールアイドルだよ!? 解散なんて…絶対…!」
ダイヤ 「曜さんっ!」
果南 「ダイヤ…?」
千歌 「ダイヤさん…?」
ダイヤ 「おやめなさい、曜さん。どんなに叫んでも、あなたの声がみんなに届くことはありません。」
曜 「ダイヤさん…っ! 私はなんとしても!」
ダイヤ 「…あなたは静かにしていなさい。あなたの言葉は、私が代わりに伝えます。」
曜 「ダイヤさん…。」
38: 2016/10/18(火) 22:07:15.46 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「ダイヤさん…さっきから何言って…」
ダイヤ 「私は反対ですわ。」
果南 「…!」
鞠莉 「ダイヤ…。」
ダイヤ 「さっき千歌さん、おっしゃいましたよね? 曜さんもそれを望んでいる…と。」
千歌 「…それがなにか…?」
ダイヤ 「あなた、曜さんの気持ちを、全然分かっていませんわ。」
千歌 「なっ…!」
ダイヤ 「私は反対ですわ。」
果南 「…!」
鞠莉 「ダイヤ…。」
ダイヤ 「さっき千歌さん、おっしゃいましたよね? 曜さんもそれを望んでいる…と。」
千歌 「…それがなにか…?」
ダイヤ 「あなた、曜さんの気持ちを、全然分かっていませんわ。」
千歌 「なっ…!」
40: 2016/10/18(火) 22:07:59.43 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「曜さんのために解散する…? 曜さんはそんなこと、望んでいませんわ!」
千歌 「なんでダイヤさんにそんなことが…」
梨子 「千歌ちゃん、少し落ち着いて…ダイヤさんも…」
千歌 「曜ちゃんのことは、この中で私が一番よく知ってるのッ!」
千歌 「一人でも欠けたら、もうAqoursじゃない! 曜ちゃんだってきっと…」
ダイヤ 「それがおかしいと言っているのですわ!」
千歌 「なんでダイヤさんにそんなことが…」
梨子 「千歌ちゃん、少し落ち着いて…ダイヤさんも…」
千歌 「曜ちゃんのことは、この中で私が一番よく知ってるのッ!」
千歌 「一人でも欠けたら、もうAqoursじゃない! 曜ちゃんだってきっと…」
ダイヤ 「それがおかしいと言っているのですわ!」
42: 2016/10/18(火) 22:08:39.96 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「さっきから聞いていればあなた、自分の願望を『曜さんのため』ということで、うまいこと誤魔化そうとしているんじゃありませんか?」
千歌 「そんなこと…っ!」
果南 「ダイヤ、もうそのへんに…」
千歌 「なんでそんなこと、ダイヤさんに言われなくちゃいけないんですか!?」
千歌 「そもそも、どうしてダイヤさんなんかが、曜ちゃんの気持ちがわかるんですか?」
ダイヤ 「私 “なんか”…?」ピクッ
ダイヤ 「なら教えて差し上げますわ! なぜ私が曜さんの気持ちがわかるのかっ!」
曜 「…! ダイヤさん、ダメっ! それを言ったら!」
ダイヤ 「私は…」
千歌 「そんなこと…っ!」
果南 「ダイヤ、もうそのへんに…」
千歌 「なんでそんなこと、ダイヤさんに言われなくちゃいけないんですか!?」
千歌 「そもそも、どうしてダイヤさんなんかが、曜ちゃんの気持ちがわかるんですか?」
ダイヤ 「私 “なんか”…?」ピクッ
ダイヤ 「なら教えて差し上げますわ! なぜ私が曜さんの気持ちがわかるのかっ!」
曜 「…! ダイヤさん、ダメっ! それを言ったら!」
ダイヤ 「私は…」
43: 2016/10/18(火) 22:09:48.09 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「私には、曜さんの幽霊が見えているのですわ!」
曜 「あっちゃー……。」
場が硬直した。ふたりを落ち着かせようとしていた果南ちゃんや鞠莉ちゃんでさえ、ダイヤさんに軽蔑の目を向けていた。
ダイヤ 「だから分かるのです、曜さんの気持ちが。」
果南 「ダイヤ…。」
千歌 「…ふざけないでください」
曜 「あっちゃー……。」
場が硬直した。ふたりを落ち着かせようとしていた果南ちゃんや鞠莉ちゃんでさえ、ダイヤさんに軽蔑の目を向けていた。
ダイヤ 「だから分かるのです、曜さんの気持ちが。」
果南 「ダイヤ…。」
千歌 「…ふざけないでください」
44: 2016/10/18(火) 22:10:44.65 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「曜ちゃんの氏を、面白おかしく話さないでください…。」
ダイヤ 「本当のことですわ。今も私の横に…」
千歌 「曜ちゃーんっ!? 聞こえるー!? 聞こえてるなら返事してぇーっ!!」
曜 「千歌ちゃん…。」
千歌 「……で、曜ちゃんがなんですって? ダイヤさん?」ギロッ
果南 「ダイヤ、いくらなんでもそれは…」
鞠莉 「ひどすぎるよ…」
千歌 「…もう」
ダイヤ 「本当のことですわ。今も私の横に…」
千歌 「曜ちゃーんっ!? 聞こえるー!? 聞こえてるなら返事してぇーっ!!」
曜 「千歌ちゃん…。」
千歌 「……で、曜ちゃんがなんですって? ダイヤさん?」ギロッ
果南 「ダイヤ、いくらなんでもそれは…」
鞠莉 「ひどすぎるよ…」
千歌 「…もう」
49: 2016/10/18(火) 22:11:57.90 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「私に話しかけないでください。」
千歌 「“会長さん”。」
千歌ちゃんは、静かに屋上から去った。
ダイヤ 「………帰りますわよ、曜さん。」
曜 「ダイヤさん…?」
ルビィ 「お姉ちゃん…。」
ダイヤ 「なんとかしなくては…いけませんね。」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
千歌 「“会長さん”。」
千歌ちゃんは、静かに屋上から去った。
ダイヤ 「………帰りますわよ、曜さん。」
曜 「ダイヤさん…?」
ルビィ 「お姉ちゃん…。」
ダイヤ 「なんとかしなくては…いけませんね。」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
52: 2016/10/18(火) 22:13:00.39 ID:Pw3J88DO.net
~夜 黒澤家 居間~
ダイヤ 「相変わらず居間にいるんですのね。」
曜 「…なんで、あんなこと言ったのさ。」
ダイヤ 「…私にも分かりません。気が動転していたのか…。」
ダイヤ 「何故かあの時、曜さんの気持ちを伝えなくてはならないと、強く思ったのです。」
曜 「ダイヤさん…。」
ダイヤさんは持ってきた缶を開け、一気に半分ほど飲んだ。
ダイヤ 「相変わらず居間にいるんですのね。」
曜 「…なんで、あんなこと言ったのさ。」
ダイヤ 「…私にも分かりません。気が動転していたのか…。」
ダイヤ 「何故かあの時、曜さんの気持ちを伝えなくてはならないと、強く思ったのです。」
曜 「ダイヤさん…。」
ダイヤさんは持ってきた缶を開け、一気に半分ほど飲んだ。
54: 2016/10/18(火) 22:14:01.19 ID:Pw3J88DO.net
曜 「…って、ダイヤさんそれお酒じゃ…。」
ダイヤ 「ふふっ、曜さんは意外と固いことを言うのですね。」
ダイヤ 「…いいではありませんか、今日みたいな日くらいは。」ゴクッ
曜 「……。」
ダイヤ 「…母も、なかなか可愛らしいものを飲むのですね。」
ルビィ 「お姉ちゃん…? 起きてる?」
ダイヤ 「ル、ルビィ! まだ起きてたのですか?」サッ
ルビィ 「…今日のこと、聞いておきたくて。」
ダイヤ 「ふふっ、曜さんは意外と固いことを言うのですね。」
ダイヤ 「…いいではありませんか、今日みたいな日くらいは。」ゴクッ
曜 「……。」
ダイヤ 「…母も、なかなか可愛らしいものを飲むのですね。」
ルビィ 「お姉ちゃん…? 起きてる?」
ダイヤ 「ル、ルビィ! まだ起きてたのですか?」サッ
ルビィ 「…今日のこと、聞いておきたくて。」
57: 2016/10/18(火) 22:14:46.13 ID:Pw3J88DO.net
ルビィ 「…本当なの? 曜ちゃんの幽霊って…。」
ダイヤ 「……。」
ルビィ 「ルビィ、嫌いにならないからっ! …本当のこと、教えて?」
ダイヤ 「…ルビィ、今日も2人で寝ますか?」
ルビィ 「えっ…う、うん。出来れば…」
ダイヤ 「なら、その時じっくり話しましょう。曜さんのこと。」
ルビィ 「うん…そうする。」
ダイヤ 「さ、歯を磨いて布団に行きましょう。…曜さん、おやすみなさい。」
曜 「おやすみなさい…。」
ダイヤ 「……。」
ルビィ 「ルビィ、嫌いにならないからっ! …本当のこと、教えて?」
ダイヤ 「…ルビィ、今日も2人で寝ますか?」
ルビィ 「えっ…う、うん。出来れば…」
ダイヤ 「なら、その時じっくり話しましょう。曜さんのこと。」
ルビィ 「うん…そうする。」
ダイヤ 「さ、歯を磨いて布団に行きましょう。…曜さん、おやすみなさい。」
曜 「おやすみなさい…。」
59: 2016/10/18(火) 22:15:40.02 ID:Pw3J88DO.net
ルビィちゃんはダイヤさんに連れられ、襖の奥へと消えていった。しかし途中でこちらを振り返り、笑顔を見せこう言ってきた。
ルビィ 「曜ちゃんっ! おやすみなさい!」
ダイヤ 「…!」
曜 「…うん。おやすみ、ルビィちゃん。」
ダイヤ 「…おやすみなさい、ですって。」
ルビィ 「…うん、なんとなく分かる。」
ダイヤ 「そうですか。さ、行きましょう。」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ルビィ 「曜ちゃんっ! おやすみなさい!」
ダイヤ 「…!」
曜 「…うん。おやすみ、ルビィちゃん。」
ダイヤ 「…おやすみなさい、ですって。」
ルビィ 「…うん、なんとなく分かる。」
ダイヤ 「そうですか。さ、行きましょう。」
ーーーーーー
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62: 2016/10/18(火) 22:16:43.37 ID:Pw3J88DO.net
~深夜 千歌の部屋~
結局、またここに来てしまった。
やっぱり、千歌ちゃんと一緒にいると、安心する。
私は横になっている千歌ちゃんに、そっと寄り添う。
千歌 「…いるんでしょ? 曜ちゃん。」
曜 「…!?」
千歌 「なんとなくわかるよ。今も…今日屋上にいた時も。」
千歌 「一緒にみんなのこと待っててくれてたんだよね、曜ちゃん。」
曜 「千歌ちゃん…。」
結局、またここに来てしまった。
やっぱり、千歌ちゃんと一緒にいると、安心する。
私は横になっている千歌ちゃんに、そっと寄り添う。
千歌 「…いるんでしょ? 曜ちゃん。」
曜 「…!?」
千歌 「なんとなくわかるよ。今も…今日屋上にいた時も。」
千歌 「一緒にみんなのこと待っててくれてたんだよね、曜ちゃん。」
曜 「千歌ちゃん…。」
64: 2016/10/18(火) 22:17:28.36 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「あの時は、カッとなってあんなこといっちゃったけど…。」
千歌 「ダイヤさんの言うこと、あながち嘘じゃない気がするんだ。」
千歌 「なんかあの時、8人しかいないのに、いつも通り、9人みんな揃ってる気がしたんだ。」
千歌 「必氏に言い聞かせたよ。もう曜ちゃんはいないんだって。…もう、会えないんだって。」
千歌 「でも、私無理してたのかも。」
千歌 「ダイヤさんの言うこと、あながち嘘じゃない気がするんだ。」
千歌 「なんかあの時、8人しかいないのに、いつも通り、9人みんな揃ってる気がしたんだ。」
千歌 「必氏に言い聞かせたよ。もう曜ちゃんはいないんだって。…もう、会えないんだって。」
千歌 「でも、私無理してたのかも。」
66: 2016/10/18(火) 22:18:18.28 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「………よし。」
千歌ちゃんは携帯を手に取り、誰かに電話をかけた。
千歌 「…もしもし、夜遅くにごめんなさい。」
千歌 「…今日はごめんなさい、ダイヤさん。」
曜 「…! ダイヤさん…?」
千歌ちゃんは携帯を手に取り、誰かに電話をかけた。
千歌 「…もしもし、夜遅くにごめんなさい。」
千歌 「…今日はごめんなさい、ダイヤさん。」
曜 「…! ダイヤさん…?」
67: 2016/10/18(火) 22:18:59.25 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「いえ、こちらこそデリカシーが足りませんでしたわ。」
ダイヤ 「…それで、ご要件は?」
千歌 「はい。明日、また放課後に屋上に来てください。みんなもまた呼びます。」
千歌 「それと…」
ダイヤ 「それと?」
千歌 「……曜ちゃんも、連れてきてください。お願いします。」
ダイヤ 「千歌さん…。」
千歌 「…それではおやすみなさい。」
ダイヤ 「…それで、ご要件は?」
千歌 「はい。明日、また放課後に屋上に来てください。みんなもまた呼びます。」
千歌 「それと…」
ダイヤ 「それと?」
千歌 「……曜ちゃんも、連れてきてください。お願いします。」
ダイヤ 「千歌さん…。」
千歌 「…それではおやすみなさい。」
68: 2016/10/18(火) 22:19:39.78 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「ふぁぁーっ! 緊張したぁ…。」
千歌 「…曜ちゃん、あと1度だけでいいの。」
千歌 「もう一度、会いたい。」
曜 「千歌ちゃん…。」
曜 「…うん。必ず会おう、明日。」
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千歌 「…曜ちゃん、あと1度だけでいいの。」
千歌 「もう一度、会いたい。」
曜 「千歌ちゃん…。」
曜 「…うん。必ず会おう、明日。」
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69: 2016/10/18(火) 22:20:37.11 ID:Pw3J88DO.net
~翌日 屋上~
ダイヤ 「…おはようございます。」
千歌 「おはようございます。今日は一番最後でしたね。」
ダイヤ 「生徒会の仕事が、急に入りましてね。」
梨子 「それにしては、早くないですか?」
ダイヤ 「ふふっ、すっぽかしてきましたわ。」
千歌 「えへへ、ダイヤさんも悪ですねぇ。」
ダイヤ 「…おはようございます。」
千歌 「おはようございます。今日は一番最後でしたね。」
ダイヤ 「生徒会の仕事が、急に入りましてね。」
梨子 「それにしては、早くないですか?」
ダイヤ 「ふふっ、すっぽかしてきましたわ。」
千歌 「えへへ、ダイヤさんも悪ですねぇ。」
70: 2016/10/18(火) 22:21:26.59 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「…曜ちゃん、来てますか?」
千歌 「ううん。…来てますよね、曜ちゃん」
曜 「千歌ちゃん…。」
ダイヤ 「はい。千歌さんの目の前にいますよ。」
千歌 「そう…ですか。ねぇ、曜ちゃん。」
曜 「何、千歌ちゃん?」
千歌 「今日ここに曜ちゃんに来てもらったのはね、私たちに聞かせて欲しかったからなんだ。曜ちゃんの気持ち。」
曜 「私の…?」
千歌 「ううん。…来てますよね、曜ちゃん」
曜 「千歌ちゃん…。」
ダイヤ 「はい。千歌さんの目の前にいますよ。」
千歌 「そう…ですか。ねぇ、曜ちゃん。」
曜 「何、千歌ちゃん?」
千歌 「今日ここに曜ちゃんに来てもらったのはね、私たちに聞かせて欲しかったからなんだ。曜ちゃんの気持ち。」
曜 「私の…?」
71: 2016/10/18(火) 22:22:26.08 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「曜ちゃんは、私たち…Aqoursに、今後どうしてもらいたいのか。」
千歌 「…ダイヤさん、お願いできますか?」
ダイヤ 「さしずめ、通訳といったところですわね。わかりましたわ、私が…」
曜 「待って、ダイヤさん。」
ダイヤ 「曜さん…?」
曜 「私の気持ちは、私が伝えたい。…私の声で、ちゃんとみんなに。」
千歌 「ダイヤさん? 曜ちゃんはなんて?」
千歌 「…ダイヤさん、お願いできますか?」
ダイヤ 「さしずめ、通訳といったところですわね。わかりましたわ、私が…」
曜 「待って、ダイヤさん。」
ダイヤ 「曜さん…?」
曜 「私の気持ちは、私が伝えたい。…私の声で、ちゃんとみんなに。」
千歌 「ダイヤさん? 曜ちゃんはなんて?」
72: 2016/10/18(火) 22:23:27.66 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「自分の気持ちは、自分で伝えたいと。…聞いてくださいますか?」
千歌 「曜ちゃん…。うん、聞くよ、ちゃんと。」
曜 「千歌ちゃん…ありがとう。」
曜 「………。」ゴクッ
曜 「私は…解散して欲しくない。私がいなくても、8人でAqoursを続けてほしい。」
曜 「だって、せっかくここまでき…」
千歌 「…曜ちゃん、まだ?」
曜 「…! 聞こえて…ないの? やっぱり、無理なのかな…。」
千歌 「曜ちゃん…。うん、聞くよ、ちゃんと。」
曜 「千歌ちゃん…ありがとう。」
曜 「………。」ゴクッ
曜 「私は…解散して欲しくない。私がいなくても、8人でAqoursを続けてほしい。」
曜 「だって、せっかくここまでき…」
千歌 「…曜ちゃん、まだ?」
曜 「…! 聞こえて…ないの? やっぱり、無理なのかな…。」
73: 2016/10/18(火) 22:24:18.30 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「曜さんっ!!」
曜 「ダイヤさん?」
ダイヤ 「諦めてはダメですわ! あなたが言ったのですよ、自分の意思は自分で伝えると!」
曜 「ダイヤさん…。」
ダイヤ 「さ、もう一度。」
曜 「…ありがとう、ダイヤさん。」
曜 「………。」スゥー
曜 「千歌ちゃんっ!! みんなっ!!」
千歌 「…っ!?」
曜 「ダイヤさん?」
ダイヤ 「諦めてはダメですわ! あなたが言ったのですよ、自分の意思は自分で伝えると!」
曜 「ダイヤさん…。」
ダイヤ 「さ、もう一度。」
曜 「…ありがとう、ダイヤさん。」
曜 「………。」スゥー
曜 「千歌ちゃんっ!! みんなっ!!」
千歌 「…っ!?」
74: 2016/10/18(火) 22:25:01.94 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「今…曜ちゃんの…!」
花丸 「マルにも、確かに!」
ルビィ 「聞こえた…曜ちゃんっ!?」
ダイヤ 「曜さん、もう少しですわ! あと、もう一歩!」
曜 「ダイヤさん…。」
曜 「千歌ちゃんっ! 私はここだよ!」ガシッ!
花丸 「マルにも、確かに!」
ルビィ 「聞こえた…曜ちゃんっ!?」
ダイヤ 「曜さん、もう少しですわ! あと、もう一歩!」
曜 「ダイヤさん…。」
曜 「千歌ちゃんっ! 私はここだよ!」ガシッ!
76: 2016/10/18(火) 22:25:43.54 ID:Pw3J88DO.net
ダイヤ 「曜さん…あなた!」
曜 「触れた…千歌ちゃんの肩に!」
千歌 「………。」
千歌ちゃんは、私を見ていた。
さっきまで、私を探してキョロキョロさせていた視線は、一つの場所に固定されていた
…たしかに、私の目を見ていた。
曜 「触れた…千歌ちゃんの肩に!」
千歌 「………。」
千歌ちゃんは、私を見ていた。
さっきまで、私を探してキョロキョロさせていた視線は、一つの場所に固定されていた
…たしかに、私の目を見ていた。
77: 2016/10/18(火) 22:26:21.58 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「曜…ちゃん?」
曜 「千歌ちゃん…私のこと…!」
善子 「嘘!」
果南 「曜ちゃん!」
ダイヤ 「みなさんにも、曜さんの姿が!」
千歌 「うぐっ……曜ちゃん…! うわぁぁぁぁんっ!!」
曜 「千歌ちゃん…私のこと…!」
善子 「嘘!」
果南 「曜ちゃん!」
ダイヤ 「みなさんにも、曜さんの姿が!」
千歌 「うぐっ……曜ちゃん…! うわぁぁぁぁんっ!!」
79: 2016/10/18(火) 22:27:28.97 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「曜ちゃんのバカっ! 勝手にいなくなって、急に出てきて…っ! うぐっ…うわぁぁぁっ!!」
曜 「千歌ちゃん…ごめんね、本当。」
曜 「千歌ちゃん、私ね、Aqoursを続けてほしい。」
千歌 「曜ちゃん…。」
曜 「せっかくここまで来たんだから。…やっと、輝ける時が来たんだから。」
千歌 「でも、わたし…!」
曜 「千歌ちゃんは優しいから。私のために、Aqoursを終わりにしようとしたんだよね。」
曜 「千歌ちゃん…ごめんね、本当。」
曜 「千歌ちゃん、私ね、Aqoursを続けてほしい。」
千歌 「曜ちゃん…。」
曜 「せっかくここまで来たんだから。…やっと、輝ける時が来たんだから。」
千歌 「でも、わたし…!」
曜 「千歌ちゃんは優しいから。私のために、Aqoursを終わりにしようとしたんだよね。」
80: 2016/10/18(火) 22:28:05.53 ID:Pw3J88DO.net
曜 「でもね、私は見てみたい。Aqoursとしてのみんなが、輝くのを。」
曜 「そこにいることが出来ないのは、たしかに残念だけど。」
曜 「千歌ちゃん、続けて…くれる?」
千歌 「曜ちゃん…。みんなは…」
果南 「…続けよ、Aqours。」
鞠莉 「うん、私も賛成だよっ!」
梨子 「曜ちゃん、任せて。最高の景色を、見せてあげるから。」
曜 「ありがとう…みんなっ…!」
曜 「そこにいることが出来ないのは、たしかに残念だけど。」
曜 「千歌ちゃん、続けて…くれる?」
千歌 「曜ちゃん…。みんなは…」
果南 「…続けよ、Aqours。」
鞠莉 「うん、私も賛成だよっ!」
梨子 「曜ちゃん、任せて。最高の景色を、見せてあげるから。」
曜 「ありがとう…みんなっ…!」
81: 2016/10/18(火) 22:29:10.30 ID:Pw3J88DO.net
曜 「ねぇ、みんな。最後に一つ、わがまま言っていいかな?」
千歌 「なに、曜ちゃん?」
曜 「最後に “コレ”。やりたいんだ。」
私は、親指と人差し指を立てて、千歌ちゃんに見せた。
千歌 「うん、やろう! みんな!」
花丸 「ずらっ!」
ルビィ 「うん! お姉ちゃんも!」
ダイヤ 「準備出来てますわよ、曜さん。」
千歌 「なに、曜ちゃん?」
曜 「最後に “コレ”。やりたいんだ。」
私は、親指と人差し指を立てて、千歌ちゃんに見せた。
千歌 「うん、やろう! みんな!」
花丸 「ずらっ!」
ルビィ 「うん! お姉ちゃんも!」
ダイヤ 「準備出来てますわよ、曜さん。」
82: 2016/10/18(火) 22:30:06.56 ID:Pw3J88DO.net
曜 「ありがとう…みんな!」
曜 「私、みてるから! みんなの活躍…輝きを! 楽しみにしてるよ。」
千歌 「うんっ! さ、いくよ!」
曜 「私、みてるから! みんなの活躍…輝きを! 楽しみにしてるよ。」
千歌 「うんっ! さ、いくよ!」
83: 2016/10/18(火) 22:31:31.36 ID:Pw3J88DO.net
千歌 「 1 !」
曜 「 2 !」
梨子 「 3 !」
花丸 「 4 !」
ルビィ 「 5 !」
善子 「 6 !」
ダイヤ 「 7 !」
果南 「 8 !」
鞠莉 「 9 !」
曜 「 2 !」
梨子 「 3 !」
花丸 「 4 !」
ルビィ 「 5 !」
善子 「 6 !」
ダイヤ 「 7 !」
果南 「 8 !」
鞠莉 「 9 !」
84: 2016/10/18(火) 22:31:58.03 ID:Pw3J88DO.net
曜 「アクアーっ!」
9人 「「「「サーンシャイーンッ!」」」」
…天に向け高く伸ばした指先に太陽の光が当たり、キラリと光る。
残された8人は、涙を流しながら、笑いあっていた。
終
9人 「「「「サーンシャイーンッ!」」」」
…天に向け高く伸ばした指先に太陽の光が当たり、キラリと光る。
残された8人は、涙を流しながら、笑いあっていた。
終
85: 2016/10/18(火) 22:32:26.00 ID:Pw3J88DO.net
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ちゃんとした曜ちゃんも、たまにはいいかな…?
過去作も、是非お願いします。改めて、ありがとうございました。
ことり 「私の来世!?」
穂乃果 「もし世界から、ラブライブ!が消えたら」
真姫 「歌に捧ぐ、私の未来」
過去作も、是非お願いします。改めて、ありがとうございました。
ことり 「私の来世!?」
穂乃果 「もし世界から、ラブライブ!が消えたら」
真姫 「歌に捧ぐ、私の未来」
引用元: 【SS】曜 「幽霊は、輝けないですか?」
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