1: 2016/02/26(金) 18:00:30.91 ID:PT+wrCcZ.net
・元ネタ : 世にも奇妙な物語 悪魔のゲームソフト
・キャラ崩壊あり
・キャラ氏亡表現あり
・前作リンク : ことり 「私の来世!?」

2: 2016/02/26(金) 18:01:23.42 ID:PT+wrCcZ.net
~とある日の朝 (水)~


ことり 「……。はぁ…。」

海未 「ことり? 起きてますか…?」コンコン

ことり 「起きてるよー。」

海未 「朝ごはん、リビングに置いてありますからね。」

ことり 「ありがと、海未ちゃん。」

海末 「それでは、私は会社に行きますね。何かあったら…」

ことり 「電話してください、でしょ? 大丈夫。私この部屋から基本出ないし。」

海未 「そうですか…。ですが、たまには外に出ることも大切ですよ。…それでは。」

ことり 「いってらっしゃーい。」


私の名前は南ことり。今年で27になる私は、幼馴染みの海未ちゃんの家に居候中だ。

3: 2016/02/26(金) 18:02:04.16 ID:PT+wrCcZ.net
あれはもう、3年前になるだろうか。
私の両親が、交通事故で亡くなった。24の私は、独り身になってしまった。

私は、何も出来なくなった。生きる気力というものを失ってしまったのだ。そのせいで、会社も辞めた。

そんな私を助けてくれたのが海未ちゃんだった。海未ちゃんは、私が社会復帰できるようになるまで一緒に暮らしましょうと言ってくれた。

…それから3年、私はずっと、こんな感じだ。

4: 2016/02/26(金) 18:05:37.70 ID:PT+wrCcZ.net
ゲーム機 「ピコーン! テレレレーレーン!」

ことり 「あっ、氏んだ。」

ことり 「まぁいいや、もう一回やり直せばいいんだもんね。」

ことり 「…ゲームはいいよね。何回でもやり直せるんだもん。」

ことり 「……ゲームはもうやめよ。」


ことりがテレビの電源を落とすと、外から元気な声が聞こえてきた。


不良 「ギャハハ!マジやべぇ!」
「さすが兄貴!」
「マジ悪っすわぁー!」

ことり 「うるさいなぁ…もう。」


携帯 『メールだよっ!』


ことり 「…ん? 海未ちゃんからかな。」

ことり 「…何、これ。」

5: 2016/02/26(金) 18:08:30.23 ID:PT+wrCcZ.net
『人生が嫌になってるあなたへ! 私共が面白いゲームを提供いたしましょう。お値段たったの8,000円! 詳しくは下記URLまで!』


ことり 「迷惑メール? …でも面白そう。」

ことり 「ここをタップすればいいのかな。」


ことりがURLをタップすると、少し怪しげなページに飛ばされた。


『私共が提供するのは、この “悪魔のゲーム”! このゲームはなんと、現実の人間をキャラクター化し、遊ぶことが出来るのです!』


ことり 「現実の人間をキャラクター化…? どういうことだろう。」

ことり 「あっ、これ着払いもできるんだ。ちょうど残りのお小遣いの半分…。」


気付けば、ことりは購入ボタンを押していた。買った理由は、「面白そうだったから。」
ただ、それだけ。

…まさか、あんな事になるなんて。

6: 2016/02/26(金) 18:11:16.44 ID:PT+wrCcZ.net
~穂むら前~


穂乃果 「あっ、海未ちゃん! おはよう!」

海未 「穂乃果、おはようございます。今日も元気ですね。」

穂乃果 「それが私の取り柄だもん! そうだ、会社にこれ持ってって! 今日は会心の出来なんだ。」

海未 「ほむまんですか。ありがとうございます。」

穂乃果 「…ねぇ、海未ちゃん。ことりちゃん、まだあの時のままなの?」

海未 「…はい。まだ復帰は見込めませんね。」

穂乃果 「そっか…。なんで、私の声は届かないんだろ。あんなに仲良しだったのに…。」

海未 「穂乃果……。」


穂乃果 「…あっ! ご、ごめんね! 私は大丈夫だから!」

海未 「…ことりのことは、私に任せてください。穂乃果はいつも通りにしてくれてるだけで、私は嬉しいです。」

穂乃果 「ありがとう…よろしくね、海未ちゃん。」

海未 「えぇ。それでは、行ってきます。」

7: 2016/02/26(金) 18:13:40.27 ID:PT+wrCcZ.net
ピンポーン

…呼び鈴の音で目を覚ました。いつの間にか寝てしまっていたようだ。


ことり 「ん…? 海未ちゃんもう帰ってきたのかな?」


ピンポーンピンポーン!


ことり 「今行くって…。」

ことり 「はーい。」

男 「こんにちは。この度はご注文、ありがとうございます。ご注文の品をお届けに参りました。」

ことり 「…えっ?」

男 「あなたが頼んだんですよ? この“悪魔のゲーム”。」

ことり 「もう届いたんですか…。待っててください、今お金持ってきます。」

9: 2016/02/26(金) 18:15:20.79 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「これが…“悪魔のゲーム”?」


箱から出てきたのは、ファミコンのような形をしたゲーム機。それと、スーパーのレジなどでバーコードを読み取るときに使う物に、よく似た機械だ。


ことり 「えっと、説明書は…あった。」

『このゲームの遊び方は極めて特殊! まずはキャラクターにしたい人物の写真を、付属の機械でスキャンしてください。するとあら不思議。その人物が、ゲームの登場キャラとなって現れます! そしてあなたがその人物を操作できるのです!』

ことり 「へぇ…面白そう。…誰にしよう。自分は嫌だしなぁ。」


不良 「いやぁ、昼に飲む酒は最高だな!」
「兄貴マジやべぇっすわ!」


ことり 「…あの人でいいか。」


ことりは携帯で不良グループのリーダーと見られる人物の写真を撮った。
ゲーム機をテレビにつなぎ、電源をつけると、“悪魔のゲーム” というタイトルロゴが画面に表示された。
そしてことりは、さっき撮った不良の写真を機械でスキャンした。すると…
画面にその不良が表示された。

11: 2016/02/26(金) 18:17:32.93 ID:PT+wrCcZ.net
NEW ENTRY !
田村 清 [タムラ キヨシ] : 人間
HP 20 攻 7 守 3


ことり 「…何これ、強いのか弱いのか分かんないや。でもこのゲーム凄い!」

ことり 「よーし、ゲームスタート!」


魔物 『ギャォォォォォス!』

不良 『う、うわぁぁぁぁぁっ!?』


ことり 「うわぁ、叫び声もリアルだなぁ。」

ことり 「いけっ! パンチだ!」


不良 『う、うぉりゃぁっ!』

魔物 『…? グォァァッ!』

不良 『ひ、ひぃぃっ! うわぁぁぁ!』

GAME OVER

12: 2016/02/26(金) 18:19:03.49 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「なーんだ。弱いなぁこの人。リトライっと…あれ?」

ことり 「リトライ出来ないや…説明書は…。」


『命は一つ限り! 一度氏ぬと、そのキャラは二度と使えません! 新しいキャラクターを登録してください。』


ことり 「やたらリアルだなぁ…。」

ことり 「…お腹空いた。もうお昼か。ご飯作ろっと。」

ことり 「続きはまた明日やろうかな。また新しい人見つけないと。」

13: 2016/02/26(金) 18:20:41.66 ID:PT+wrCcZ.net
~その日の夜~

海未 「美味しいですか、ことり?」

ことり 「うん。海未ちゃん、やっぱりお料理上手だね。」

海未 「ありがとうございます。」

ことり 「……。」

海未 「今日通勤途中、穂乃果に会いました。」

ことり 「…ふーん。」

海未 「ことりのこと、心配してくれてましたよ。今度、顔だけでも見せに…」

ことり 「……っ!」ガシャン!

海未 「こ、ことり!?」

14: 2016/02/26(金) 18:21:53.99 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「私のことで…穂乃果ちゃんにこれ以上迷惑かけたくないの!」

ことり 「ただでさえ、海未ちゃんにも迷惑ばかり…。」

海未 「そんなこと…。」

ことり 「うぅん…ごめんね。…穂乃果ちゃんには、私のことは忘れてって伝えといて。」

海未 「ことり…。」

ことり 「海未ちゃんには、ちゃんといつか恩返しするから…。」

海未 「恩返しだなんて、そんな…。」

ことり 「早く元気になれるように頑張るから…。おやすみ。」

海未 「…おやすみなさい。」

15: 2016/02/26(金) 18:23:34.54 ID:PT+wrCcZ.net
~翌朝 (木)~

『…次のニュースです。本日未明、千代田区の路上で、大学生の田村 清さんが氏亡した状態で発見されました。氏因は出血多量によるショック氏とされ、下半身には噛みちぎられたような跡が見つかっており…』


海未 「物騒な事件もあるものですね。…さて、そろそろ行かなくては。」


海未はことりのいる部屋の前に行き、いつものように、扉を開けずに外から声をかけた。


海未 「ことりー? 私はそろそろ会社に行きますね。」

ことり 「はーい…。」

海未 「朝ごはん、今日は冷蔵庫の中に入れてありますから。」

ことり 「うん、ありがとう。」

海未 「それでは、行ってきます。」

ことり 「行ってらっしゃい。」


ことり 「…さて、ご飯食べよ。」

16: 2016/02/26(金) 18:25:25.59 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「新しいキャラクターにする人見つけないと…。やっぱり、強い人じゃなくちゃダメだよね。」モグモグ

ことり 「そういえば、この前買った雑誌にボクサーの写真が載ってたっけ。それでもいいのかな?」

ことり 「…取り敢えず、試してみよ。」

~~~~~~

不良 「…本当なんすよ! 昨日ここで話してたら急に消えちゃって!」

警察 「それで、見つかった時には既に亡くなっていた…と。」

不良 「信じてくれよ! 俺も信じられてねぇけどさぁ!」

警察 「そう言われましても…。」

18: 2016/02/26(金) 18:27:22.57 ID:PT+wrCcZ.net
ボクサー『どりゃぁっ!』

魔物 『グォァァッ!』


ことり 「いけっ…! 倒しちゃえ!」


STAGE CLEAR !

ボクサー 『はぁっ…はぁっ…! な、何なんだよいきなり!』


ことり 「よし! ステージ1クリア!」


STAGE 2

魔物 『『『グォォォ!』』』

ボクサー 『う、うわぁぁぁっ!?』


ことり 「なにこの数…! ダメだ…一人だけじゃどうしようも!」


ボクサー 『や、やめろ来るなぁ! うわぁぁぁっ!』

魔物 『グルルォォァッ!』

GAME OVER


ことり 「うーん…このステージは数で押し通さないとだめかなぁ。」

ことり 「…あ、もうこんな時間。そろそろ海未ちゃんも帰ってくるし、おしまいにしよっと。」

19: 2016/02/26(金) 18:29:33.09 ID:PT+wrCcZ.net
~夜~


『試合中に突然姿を消した、プロボクサーの加藤選手。今日の午後、試合会場の近くで遺体となって発見されました。全身に何者かに噛まれたような跡があり、氏因は出血多量によるショック氏と見られております…』


ことり 「あれっ、この人って…。」

海未 「知っているのですか?」

ことり 「う、うん。この間雑誌でね…。」

海未 「全身に噛まれた跡…そういえば、この近くでも似たような事件がありましたね。」

ことり 「そうなの?」

海未 「はい。ことりも気をつけてくださいね。」

ことり 「うん…ありがとう。…ご馳走様。」

海未 「あっ、ことり。明日は飲み会で帰りが遅れますので、晩ご飯は自分で用意してもらえますか? お金は置いていきますので。」

ことり 「うん、分かった。気をつけてね。おやすみなさい。」

海未 「おやすみなさい。」

20: 2016/02/26(金) 18:30:18.20 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「全身に噛まれた跡…。確か、ゲームで氏んだ時もそんな感じだったような…。」

ことり 「偶然…だよね。きっと。」

ことり 「でも、もし私の考えが当たってたら…。」

ことり 「ちょっと面白いかも。」クスッ


~翌朝 (金)~


ことり 「さてと…夜出掛けるのもめんどくさいし、今のうちにお弁当とかでも買いに行こうかな。」

ことり 「…ついでに新しいキャラクターにする人でも見つけに行かなきゃ。」


ことりはパジャマの上に上着をはおり、写真を撮るための携帯と、財布を持って外に出た。

21: 2016/02/26(金) 18:31:27.94 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「うぅぅ…やっぱり寒いなぁ。」

ことり 「…いてっ。」ドンッ

男1 「あぁ? いってぇなお前。」

ことり 「あぅ…すいません。」

男2 「おっ、 コイツめっちゃ可愛くね?」

男3 「マジじゃん! あれ、コイツどっかで見たような…。」

男1 「おい、もう行くぞ。遅刻する。おい女。」

ことり 「は、はい。」

男1 「急いでるから今日は見逃してやるが、今度あった時はタダじゃおかねぇからな。」

ことり 「ごめんなさい…。」

男1 「チッ! 行くぞお前ら。」

ことり 「……。」パシャリ

22: 2016/02/26(金) 18:33:19.45 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「あっちからぶつかって来たのに…。許せない!」

ことり 「このゲームでひどい目に遭わせちゃうもん!」


NEW ENTRY !
安村 英明 [ヤスムラ ヒデアキ]
HP 15 攻 5 守 5

天野 新 [アマノ アラタ]
HP 25 攻 3 守 8

須藤 潤 [スドウ ジュン]
HP 17 攻 4 守 4


ことり 「同じ写真に写ってれば、複数同時に登録できるんだ。」


『複数同時に登録された場合、ランダムで選ばれた1人を操作できます。他のキャラクターは、各々の意思で動きます。』


ことり 「なるほど…。よーし、ゲームスタート!」

23: 2016/02/26(金) 18:35:06.15 ID:PT+wrCcZ.net
STAGE 3

ドラゴン 『ゴゥォァァァァ!』

安村 『くそっ! さっきから何なんだよいきなり!』

天野 『ヒデ、危ない!』

須藤 『もう嫌だぁっ!』

ドラゴン 『ズォォォォ!!』

安村 『うわぁっ! あ、熱いぃぃ!』

天野 『かぁちゃぁぁぁん!!』

須藤 『ぎゃぁぁぁぁぁっ!』

GAME OVER


ことり 「あーあ。ステージ2クリアしたから、行けると思ったんだけどなぁ。」

ことり 「もう夜か。ご飯食べてお風呂入って寝ようかな。」

24: 2016/02/26(金) 18:37:16.56 ID:PT+wrCcZ.net
~翌朝 (土)~


ことり 「んぅ…。あれっ、海未ちゃんまだ帰ってないのかな?」

ことり 「でも靴はある。じゃあまだ寝てるんだ、珍しいな。」

ことり 「よし、今日はことりが朝ごはん作ってあげよっと。」

26: 2016/02/26(金) 18:38:58.53 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「よし、できた!」

ことり 「…そういえば、昨日の3人はどうなったんだろう。」

ことり 「…ニュースを見れば分かるよね。あれが偶然なのか、それとも…。」


『…昨日発生した、焼氏体事件の続報です。氏亡していたのは、都内在住の高校生であることが、新たに分かりました。』


ことり 「焼氏体…。確か昨日氏んだ人達はドラゴンの火で…。」


『被害者は、安村英明さん、天野新さん、須藤潤さん の3名です。新しい情報が入り次第、詳しくお伝えします。』


ことり 「…! やっぱり…。」

27: 2016/02/26(金) 18:40:17.21 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「あのゲームで氏んだ人は、現実でも氏んじゃうんだ…。」

ことり 「…ってことは、あの不良も、ボクサーさんも…私が頃しちゃったってこと…?」


ことり 「……最っ高。」


海未 「ことり…?」

28: 2016/02/26(金) 18:41:30.45 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「あっ、海未ちゃん! おはよう。」

海未 「おはようございます…。あの、今のは一体…?」

ことり 「? なんのこと?」

海未 「今、私が頃したとかなんとか…。」

ことり 「あっ、うぅん、違うの! ゲームの話だよ!」

海未 「そうですか…。」

ことり 「ほら! ことり、朝ごはん作ったんだ。食べて食べて!」

海未 「なんと…ありがとうございます。」

30: 2016/02/26(金) 18:42:47.72 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「美味しい? 海未ちゃん。」

海未 「…はい。ありがとうございます、ことり。」

ことり 「海未ちゃん、元気ない…? 」

海未 「えぇ…ちょっと。」

ことり 「昨日何かあったの? よかったら話して。」

海未 「いえ、大したことではないです…。ただ、飲み会の席で、上司の方にこっぴどく叱られてしまいまして。」

ことり 「そうだったんだ…。大変だったね。」

海未 「いえ、原因は私ですから。」

ことり 「…ねぇ、海未ちゃん。」

海未 「何でしょう?」


ことり 「その上司の写真、あったら私にくれない?」

31: 2016/02/26(金) 18:44:19.94 ID:PT+wrCcZ.net
海未 「私の上司のですか…?」

ことり 「うん! 無いかな…?」

海未 「丁度、昨日の飲み会で撮った写真がありますね。…でも、これをどうするんですか?」

ことり 「ちょっとね! 貸してくれない?」

海未 「…分かりました。では、ことりにメールで送りますね。」

ことり 「…届いた! ありがとう、海未ちゃん。」

海未 「はい。…それでは、私は少し横になってきます。まだ少し疲れてまして。」

ことり 「うん、ゆっくり休んでね。」

32: 2016/02/26(金) 18:46:35.22 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「…この人が悪いんだよ。海未ちゃんに辛い思いをさせるから。」

ことり 「これで…恩返しできるかな?」

ことり 「よし、この写真をスキャンしてっと…。」


NEW ENTRY !
工藤 真樹 [クドウ マサキ]
HP 10 攻 4 守 2

結城 剛 [ユウキ ゴウ]
HP 12 攻 8 守 3

園田 海未 [ソノダ ウミ]
HP 13 攻 5 守 4

佐藤 心美 [サトウ ココミ]
HP 11 攻 3 守 3


ことり 「あれっ? 上司さんだけのはずなのに、どうしてこんなに? …あっ。」

ことり 「そっか、この写真に映ってる人みんな登録されちゃったんだ…。」

33: 2016/02/26(金) 18:48:14.56 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「どうしよう…関係ない人まで。」

ことり 「…まぁいっか! 海未ちゃんの為だもんね! よーし、ゲームスタート!」


STAGE 3

工藤 『な、なんだここ!?』

結城 『部長!? どうして僕の部屋に…って、あれ!? 俺の部屋じゃない!』

海未 『みなさん、どうして…! 私は寝ていたはずでは…。』

佐藤 『何ここ…怖いぃ!』


ことり 「エヘヘ、みんな怖がってるなぁ。」

ことり 「……えっ」

34: 2016/02/26(金) 18:50:09.45 ID:PT+wrCcZ.net
ことり 「そんな…嘘、人違いだよね…!?」

ことり 「海未ちゃん!」ダダッ


ことり 「いない…。どこにもいない!」

ことり 「…! 写真! さっきの写真!」

ことり 「…映ってる! さっきの写真、小さくだけど、海未ちゃんも映ってる!」

ことり 「キャンセル! キャンセルしてぇっ! お願いだからぁっ!!!」


『一度登録したキャラクターは、キャンセルできません!』

35: 2016/02/26(金) 18:52:03.02 ID:PT+wrCcZ.net
ドラゴン 『グォァァッ!!』

佐藤 『きゃぁぁぁっ!』

海未 『な、何なんですか一体…!』

結城 『みんな下がって! …ぐぁぁっ!』

工藤 『結城君ッ! み、みんな、逃げるぞ!』


ことり 「操作操作…! 何で!? なんで誰も操作できないの!?」


『複数登録時、操作可能キャラが氏亡した場合、もうそのゲームでは誰も操作できないぞ! 温かく、みんなの勇姿を見届けよう!』

36: 2016/02/26(金) 18:53:44.92 ID:PT+wrCcZ.net
佐藤 『きゃぁぁぁっ!』

工藤 『うわぁぁっ!』


ことり 「海未ちゃん逃げて! お願い…! 頑張ってぇっ!」


海未 『はぁっ、はぁっ…!』

海未 『…ッ! 行き止まり…!?』

海未 『…これまでの、ようですね。』


ことり 「…!? 海未ちゃんっ! 何言ってるの!?」


海未 『ことり…ごめんなさい。』


ことり 「…! 何で…何で海未ちゃんが謝るのっ!?」

37: 2016/02/26(金) 18:54:48.35 ID:PT+wrCcZ.net
海未 『あなたが元気になるまで…そばにいれず、申し訳ありません。』

海未 『…ことりに聞こえている訳ありませんが…。』

海未 『私の分まで…強く生きてください。』


ことり 「何言ってるの…。嫌だっ!嫌だぁぁっ!」


海未 『あなたといれて私は…幸せでした。』

ドラゴン 『グォァァッ!』

GAME OVER


ことり 「…へ? ……嘘だよ。嘘だよね…? 嫌…。」


ことり 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ーーーーーーーー
ーーーーー
ーー

38: 2016/02/26(金) 18:56:13.09 ID:PT+wrCcZ.net
次の日、海未は自室で焼氏体となって発見された。同時に、ことりが行方不明となった。

…海未の家の一室、ことりが居候していた部屋のテレビがつけっぱなしになっていた。


NEW ENTRY !
南 ことり [ミナミ コトリ]
HP 10 攻 5 守 3


~終わり~

39: 2016/02/26(金) 18:58:02.47 ID:PT+wrCcZ.net
短いですが、これにて完結です。最後までありがとうございました。

楽しんでいただけたなら、幸いです

引用元: 【世にも奇妙なSS】ことり 「悪魔のゲームソフト」