1: 2016/07/16(土) 01:43:38.40 ID:r9MGIgBw.net
3: 2016/07/16(土) 01:44:19.17 ID:r9MGIgBw.net
千歌 (どうしよう…まっっったく分からないっ…!)
千歌は苦難していた。
机の上に置かれた1枚の小テスト用紙に、額から垂れた汗がポツポツと落ちる。
ここ最近、スクールアイドルのことに気を取られすぎていたせいで、数学の小テストの存在を、すっかり忘れていたのだ。
千歌 (…なぁんて言っても、言い訳にしかならないよねぇ…。先生だって認めてくれないだろうし…。)
大問1から、一向にペンが進まない。
しかし時は無情にも過ぎていき、ついに教師が 「残り10分」 と口にした。
千歌 (まずい……これは本当に…)
ーーーーーー
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千歌は苦難していた。
机の上に置かれた1枚の小テスト用紙に、額から垂れた汗がポツポツと落ちる。
ここ最近、スクールアイドルのことに気を取られすぎていたせいで、数学の小テストの存在を、すっかり忘れていたのだ。
千歌 (…なぁんて言っても、言い訳にしかならないよねぇ…。先生だって認めてくれないだろうし…。)
大問1から、一向にペンが進まない。
しかし時は無情にも過ぎていき、ついに教師が 「残り10分」 と口にした。
千歌 (まずい……これは本当に…)
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4: 2016/07/16(土) 01:44:48.36 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「まずいよぉぉぉぉっ!!!!」ガバッ!
…目が覚めた。窓の外から、小鳥のさえずりが聞こえてくる。
千歌は布団の中で、汗まみれになっていた。
千歌 「ゆ……夢かぁ…。」
母 「千歌ー!? いつまで寝てるの! 早く起きないと遅刻するわよー!」
千歌 「えっ…うわぁぁぁ! もうこんな時間!?」
…目が覚めた。窓の外から、小鳥のさえずりが聞こえてくる。
千歌は布団の中で、汗まみれになっていた。
千歌 「ゆ……夢かぁ…。」
母 「千歌ー!? いつまで寝てるの! 早く起きないと遅刻するわよー!」
千歌 「えっ…うわぁぁぁ! もうこんな時間!?」
5: 2016/07/16(土) 01:45:28.23 ID:r9MGIgBw.net
千歌が慌てて身支度をしていると、家のインターホンが鳴った。
千歌 「ん…? 曜ちゃんかな?」
千歌が玄関の扉を開けると、そこには長髪の美少女がいた。
千歌 「梨子ちゃん!」
梨子 「おはよう、高海さん。」
千歌 「おはよう! どうしたの、こんな早くに…。」
梨子 「いや、一緒に学校に行こうかなー…なんて思ったんだけど…。」
梨子は千歌の格好を見て、軽くため息をついた。
スカートのチャックはしまっていない。それどころか、上半身はパジャマのままだ。
髪にいたっては、いつも以上にくせっ毛がひどいことになっている。
千歌 「ん…? 曜ちゃんかな?」
千歌が玄関の扉を開けると、そこには長髪の美少女がいた。
千歌 「梨子ちゃん!」
梨子 「おはよう、高海さん。」
千歌 「おはよう! どうしたの、こんな早くに…。」
梨子 「いや、一緒に学校に行こうかなー…なんて思ったんだけど…。」
梨子は千歌の格好を見て、軽くため息をついた。
スカートのチャックはしまっていない。それどころか、上半身はパジャマのままだ。
髪にいたっては、いつも以上にくせっ毛がひどいことになっている。
6: 2016/07/16(土) 01:45:59.00 ID:r9MGIgBw.net
梨子 「その様子じゃ、今日は先に行った方がいいかな…?」
千歌 「うわぁぁ! ちょ、ちょっと待って! すぐ準備するから!」ピシャン!
梨子 「えっ…ちょっ…」
梨子の言葉を待たず、玄関の扉は閉められてしまった。
梨子 「えぇっと…こ、ここで待つの…?」
梨子が困惑していると、また勢いよく扉が開いた。
千歌 「ごめん忘れてた! 中で待ってて!」
梨子 「う、うん…。」
梨子 (本当に大丈夫かな…この子。)
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千歌 「うわぁぁ! ちょ、ちょっと待って! すぐ準備するから!」ピシャン!
梨子 「えっ…ちょっ…」
梨子の言葉を待たず、玄関の扉は閉められてしまった。
梨子 「えぇっと…こ、ここで待つの…?」
梨子が困惑していると、また勢いよく扉が開いた。
千歌 「ごめん忘れてた! 中で待ってて!」
梨子 「う、うん…。」
梨子 (本当に大丈夫かな…この子。)
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7: 2016/07/16(土) 01:46:27.75 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「ほへぇー…。間に合ったぁ…。」
曜 「ごめんねぇ…私が遅れたばかりに。」
梨子 「あはは…。」
梨子が千歌の家に訪れた数分後に、曜も千歌の家にやって来た。
3人は学校前へと向かうバスに揺られていた。
千歌 「うぅー…寝坊したのもあの夢のせいだぁ…!」
曜 「いや、寝坊はいつもじゃないかな。」
梨子 「夢って?」
千歌 「よくぞ聞いてくれた梨子ちゃん!」
曜 「ごめんねぇ…私が遅れたばかりに。」
梨子 「あはは…。」
梨子が千歌の家に訪れた数分後に、曜も千歌の家にやって来た。
3人は学校前へと向かうバスに揺られていた。
千歌 「うぅー…寝坊したのもあの夢のせいだぁ…!」
曜 「いや、寝坊はいつもじゃないかな。」
梨子 「夢って?」
千歌 「よくぞ聞いてくれた梨子ちゃん!」
8: 2016/07/16(土) 01:46:58.75 ID:r9MGIgBw.net
曜 「数学の小テストの夢?」
千歌 「そうなの! いやー、夢だってわかって安心したよー。」
曜 「心臓に悪いねぇ。」
梨子 「……。」
千歌 「り、梨子ちゃん? どうしたの、そんな顔して…。」
梨子 「いや、その…数学の小テストだけどさ…。」
曜・千歌 「「…??」」
梨子 「今日あるよ?」
千歌 「そうなの! いやー、夢だってわかって安心したよー。」
曜 「心臓に悪いねぇ。」
梨子 「……。」
千歌 「り、梨子ちゃん? どうしたの、そんな顔して…。」
梨子 「いや、その…数学の小テストだけどさ…。」
曜・千歌 「「…??」」
梨子 「今日あるよ?」
9: 2016/07/16(土) 01:47:33.21 ID:r9MGIgBw.net
曜と千歌は顔を見合わせた。お互い最初は無表情だったが、次第にその表情は絶望に染まり始めた。
曜・千歌 「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
梨子 「本当に忘れてたの…。」
曜 「どどどどどうしよう!? 確か範囲は…」
曜は慌てて鞄から数学の教科書を取り出し、ペラペラとページをめくり始めた。
千歌 「梨子ちゃぁんっ! どこだっけ!?」
梨子 「はぁ…12から20ページでしょ。しかも、その中の応用問題から3つそのまま出されるらしいよ。」
曜 「本当に!? こ、これはもうヤマをはるしか…うぬぬ…!」
千歌 「……?」
梨子 「千歌ちゃん? どうしたの?」
曜・千歌 「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
梨子 「本当に忘れてたの…。」
曜 「どどどどどうしよう!? 確か範囲は…」
曜は慌てて鞄から数学の教科書を取り出し、ペラペラとページをめくり始めた。
千歌 「梨子ちゃぁんっ! どこだっけ!?」
梨子 「はぁ…12から20ページでしょ。しかも、その中の応用問題から3つそのまま出されるらしいよ。」
曜 「本当に!? こ、これはもうヤマをはるしか…うぬぬ…!」
千歌 「……?」
梨子 「千歌ちゃん? どうしたの?」
10: 2016/07/16(土) 01:48:06.55 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「…曜ちゃん、ちょっと貸して。」
千歌は曜から教科書をかり、自分のペンで応用問題3つに印をつけた。
曜 「ち、千歌ちゃん…?」
千歌 「ここと…ここと…ここ…。」
梨子 「…?」
千歌 「今日の夢で出てきた小テストの問題! これと全く同じだった!」
曜 「おぉ…! すごいよ千歌ちゃん! これで100点間違いなしだ!」
梨子 「えぇ…。」
千歌は曜から教科書をかり、自分のペンで応用問題3つに印をつけた。
曜 「ち、千歌ちゃん…?」
千歌 「ここと…ここと…ここ…。」
梨子 「…?」
千歌 「今日の夢で出てきた小テストの問題! これと全く同じだった!」
曜 「おぉ…! すごいよ千歌ちゃん! これで100点間違いなしだ!」
梨子 「えぇ…。」
11: 2016/07/16(土) 01:48:35.30 ID:r9MGIgBw.net
梨子 「えっと…つまり千歌ちゃんの夢に出てきた小テストの問題が、この3つだったってこと?」
千歌 「そう! つまり、今日のテストの問題もこれなんだよ!」
曜 「すごいよ! まるで予言者だ!」
梨子 「いや…でもだからって…」
千歌 「いや、もうこれを信じるしかないよ!」
応用問題は全部で20問あった。そこから3つとなると、ヤマが当たる確率はおよそ1/7。
もはや2人には、夢に出てきた小テストしか頼りがなかった。
千歌 「そう! つまり、今日のテストの問題もこれなんだよ!」
曜 「すごいよ! まるで予言者だ!」
梨子 「いや…でもだからって…」
千歌 「いや、もうこれを信じるしかないよ!」
応用問題は全部で20問あった。そこから3つとなると、ヤマが当たる確率はおよそ1/7。
もはや2人には、夢に出てきた小テストしか頼りがなかった。
12: 2016/07/16(土) 01:49:04.53 ID:r9MGIgBw.net
曜 「よし、この問題の答えだけ覚えておけばいける! 頑張ろう、千歌ちゃん!」
千歌 「うん! みんなで100点をとろう!」
梨子 「えっ、私も含まれてるの…?」
曜 「勿論だよ! ふぁいっ、おー!」
千歌 「おーっ!」
梨子 「お…おー。」
運転手 『えー…車内ではお静かにお願い致します。』
3人 「「「す…すいませーん……。」」」
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千歌 「うん! みんなで100点をとろう!」
梨子 「えっ、私も含まれてるの…?」
曜 「勿論だよ! ふぁいっ、おー!」
千歌 「おーっ!」
梨子 「お…おー。」
運転手 『えー…車内ではお静かにお願い致します。』
3人 「「「す…すいませーん……。」」」
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13: 2016/07/16(土) 01:49:35.63 ID:r9MGIgBw.net
~数学の時間~
教師 「よーし、テスト用紙行き渡ったかー?」
梨子 (2人とも、あんなこと言ってたけど大丈夫かな…。)
教師 「今から20分だぞ。テスト始め!」
教師の合図で、全員がテスト用紙をめくり、問題を解き始めた。
…その問題を見て、梨子は大きく目を見開いた。
梨子 「こ…これって…!」
ーーーーーー
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教師 「よーし、テスト用紙行き渡ったかー?」
梨子 (2人とも、あんなこと言ってたけど大丈夫かな…。)
教師 「今から20分だぞ。テスト始め!」
教師の合図で、全員がテスト用紙をめくり、問題を解き始めた。
…その問題を見て、梨子は大きく目を見開いた。
梨子 「こ…これって…!」
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14: 2016/07/16(土) 01:50:04.18 ID:r9MGIgBw.net
~昼休み~
曜 「ありがとうございますぅ…神さま仏さま、高海千歌さまぁ…!」
千歌 「ふっふーん! もっと崇めよー! フハハハ!」
曜 「ははぁーっ、千歌さまぁー!」
梨子 「まさか、本当に夢のとおりになるなんて…。」
曜 「すごいよ! 千歌ちゃんがいれば、もうテストなんて怖くないっ!」
千歌 「これでテストはオール100点だ!」
梨子 「…ちゃんと勉強しなさい。ていっ。」
梨子は軽く二人の頭を叩いた。
曜 「ありがとうございますぅ…神さま仏さま、高海千歌さまぁ…!」
千歌 「ふっふーん! もっと崇めよー! フハハハ!」
曜 「ははぁーっ、千歌さまぁー!」
梨子 「まさか、本当に夢のとおりになるなんて…。」
曜 「すごいよ! 千歌ちゃんがいれば、もうテストなんて怖くないっ!」
千歌 「これでテストはオール100点だ!」
梨子 「…ちゃんと勉強しなさい。ていっ。」
梨子は軽く二人の頭を叩いた。
15: 2016/07/16(土) 01:50:30.02 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「うぅ…ひどいよ梨子ちゃん…。」
梨子 「こんな偶然が何度も続くわけないでしょ? ちゃんと勉強しないと、いつか痛い目にあうからね?」
千歌 「はぁーい…。」
曜 「でも、偶然にしてもすごいよね。夢に見たことが、そのまま現実に起こるなんて。」
梨子 「多分…“予知夢” ってやつじゃないかな?」
千歌 「予知夢…?」
梨子 「こんな偶然が何度も続くわけないでしょ? ちゃんと勉強しないと、いつか痛い目にあうからね?」
千歌 「はぁーい…。」
曜 「でも、偶然にしてもすごいよね。夢に見たことが、そのまま現実に起こるなんて。」
梨子 「多分…“予知夢” ってやつじゃないかな?」
千歌 「予知夢…?」
16: 2016/07/16(土) 01:51:00.39 ID:r9MGIgBw.net
梨子 「未来に起こることを夢に見る…それが予知夢だよ。」
曜 「じゃあ千歌ちゃんは、夢の中で未来を予知したってこと?」
千歌 「すごい! 私超能力者だ!」
梨子 「誰にでも、たまにあることらしいよ。だから、今回に味を占めて勉強しないってのはダメだからね?」
曜・千歌 「「うぐっ…。」」
梨子 「はぁ…本当にこの人達と一緒で大丈夫かなぁ…。」
千歌 「だ、大丈夫だってー! そうだ、昨日の作詞のことだけどさ…」
ーーーーーー
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曜 「じゃあ千歌ちゃんは、夢の中で未来を予知したってこと?」
千歌 「すごい! 私超能力者だ!」
梨子 「誰にでも、たまにあることらしいよ。だから、今回に味を占めて勉強しないってのはダメだからね?」
曜・千歌 「「うぐっ…。」」
梨子 「はぁ…本当にこの人達と一緒で大丈夫かなぁ…。」
千歌 「だ、大丈夫だってー! そうだ、昨日の作詞のことだけどさ…」
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17: 2016/07/16(土) 01:51:27.75 ID:r9MGIgBw.net
~夜 千歌部屋~
千歌 「うぅーんっ! 今日はテストもいい感じだったし、なんかいい気分!」
千歌 「…今日も“予知夢” ってやつ、見られるかな?」
千歌 「まっ、それは寝てからのお楽しみ!」
千歌 「おやすみー……」
ーーーーーー
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千歌 「うぅーんっ! 今日はテストもいい感じだったし、なんかいい気分!」
千歌 「…今日も“予知夢” ってやつ、見られるかな?」
千歌 「まっ、それは寝てからのお楽しみ!」
千歌 「おやすみー……」
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18: 2016/07/16(土) 01:51:55.00 ID:r9MGIgBw.net
曜 『本当に!? もう曲できたの!?』
梨子 『うん。まだ試作品って感じだけど。』
曜 『すごいよすごいよ! これで遂に、ライブが出来るね!』
梨子 『ラ…ライブ?』
曜 『そりゃそうだよ。アイドルなんだから、ライブをするのは当然でしょ?』
曜 『ねっ、千歌ちゃん?』
千歌 『そうだよ! 梨子ちゃん、頑張ろうね!』
梨子 『うん。まだ試作品って感じだけど。』
曜 『すごいよすごいよ! これで遂に、ライブが出来るね!』
梨子 『ラ…ライブ?』
曜 『そりゃそうだよ。アイドルなんだから、ライブをするのは当然でしょ?』
曜 『ねっ、千歌ちゃん?』
千歌 『そうだよ! 梨子ちゃん、頑張ろうね!』
19: 2016/07/16(土) 01:52:40.74 ID:r9MGIgBw.net
曜 『よーし、そうと決まったら、早速生徒会に講堂の利用許可を貰いに行こう!』
梨子 『あっ、曜さん! ちゃんと前見て歩かないと…』
曜は嬉しさのあまり、前をよく見ず走り出した。…その時だった。
凄まじい轟音とともに、曜の体めがけ、トラックが突っ込んできた。
千歌と梨子は、咄嗟に手を差し伸べた。
曜もその手を握ろうと、手を伸ばした。
しかし、曜の手は、千歌と梨子のどちらとも触れることは無かった。
…千歌と梨子の2人の制服の所々に、赤いシミがついた。
ーーーーーー
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梨子 『あっ、曜さん! ちゃんと前見て歩かないと…』
曜は嬉しさのあまり、前をよく見ず走り出した。…その時だった。
凄まじい轟音とともに、曜の体めがけ、トラックが突っ込んできた。
千歌と梨子は、咄嗟に手を差し伸べた。
曜もその手を握ろうと、手を伸ばした。
しかし、曜の手は、千歌と梨子のどちらとも触れることは無かった。
…千歌と梨子の2人の制服の所々に、赤いシミがついた。
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20: 2016/07/16(土) 01:53:12.76 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「あぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!」
千歌は絶叫しながら目を覚ました。
…全身に汗をかいていた。しかしそれは、前日目覚めた時の汗とは、違う汗だった。
全身の震えが止まらない。両手で二の腕部分を強く握り、震えを止めようとする。
その時、外から声が聞こえてきた。
曜 「おーい、千歌ちゃーん! 起きてるー?」
千歌 「…ッ!」
千歌は今にも転びそうな体制で階段を駆け下り、玄関の扉を開いた。
曜 「千歌ちゃん、おはよ…」
千歌 「曜ちゃぁんっっ!!!」
千歌は思わず、曜に抱きついた。
千歌は絶叫しながら目を覚ました。
…全身に汗をかいていた。しかしそれは、前日目覚めた時の汗とは、違う汗だった。
全身の震えが止まらない。両手で二の腕部分を強く握り、震えを止めようとする。
その時、外から声が聞こえてきた。
曜 「おーい、千歌ちゃーん! 起きてるー?」
千歌 「…ッ!」
千歌は今にも転びそうな体制で階段を駆け下り、玄関の扉を開いた。
曜 「千歌ちゃん、おはよ…」
千歌 「曜ちゃぁんっっ!!!」
千歌は思わず、曜に抱きついた。
21: 2016/07/16(土) 01:53:39.65 ID:r9MGIgBw.net
曜 「えっ…ち、千歌ちゃん? どうしたのさ急に…。」
千歌 「ひぐっ…うぇぇ……。」
言うべきだ。また予知夢かもしれない。
曜ちゃんに、今見た夢の内容を話すべきだ。そんなことはわかっている。
…だが、千歌は曜にそれを話すことが出来なかった。むしろ、話したくなかったのかもしれない。
一刻も早く、その残酷な現実…いや、夢を忘れてしまいたかったのだ。
梨子 「どうしたの? 2人とも。」
曜 「あっ、梨子ちゃん。おはよう。いや、それが私にもさっぱり…。」
千歌 「曜ちゃん……うぅぅ…。」
千歌 「ひぐっ…うぇぇ……。」
言うべきだ。また予知夢かもしれない。
曜ちゃんに、今見た夢の内容を話すべきだ。そんなことはわかっている。
…だが、千歌は曜にそれを話すことが出来なかった。むしろ、話したくなかったのかもしれない。
一刻も早く、その残酷な現実…いや、夢を忘れてしまいたかったのだ。
梨子 「どうしたの? 2人とも。」
曜 「あっ、梨子ちゃん。おはよう。いや、それが私にもさっぱり…。」
千歌 「曜ちゃん……うぅぅ…。」
22: 2016/07/16(土) 01:54:19.59 ID:r9MGIgBw.net
~通学路~
千歌は暗い表情をしたまま、2人と一緒に学校へと向かっていた。
曜 「本当に!? もう曲できたの!?」
梨子 「うん。まだ試作品って感じだけど。」
曜 「すごいよすごいよ! これで遂に、ライブが出来るね!」
梨子 「ラ…ライブ?」
曜 「そりゃそうだよ。アイドルなんだから、ライブをするのは当然でしょ?」
曜 「ねっ、千歌ちゃん?」
千歌 「えっ…あっ、うん…。」
千歌は暗い表情をしたまま、2人と一緒に学校へと向かっていた。
曜 「本当に!? もう曲できたの!?」
梨子 「うん。まだ試作品って感じだけど。」
曜 「すごいよすごいよ! これで遂に、ライブが出来るね!」
梨子 「ラ…ライブ?」
曜 「そりゃそうだよ。アイドルなんだから、ライブをするのは当然でしょ?」
曜 「ねっ、千歌ちゃん?」
千歌 「えっ…あっ、うん…。」
23: 2016/07/16(土) 01:54:52.04 ID:r9MGIgBw.net
曜 「よーし、そうと決まったら、早速生徒会に講堂の利用許可を貰いに行こう!」
梨子 「あっ、曜さん! ちゃんと前見て歩かないと…」
千歌 「……! 待ってえぇっ!!」
千歌は一目散に走る曜の体を、後ろから抱きしめた。曜は驚き、その場に留まった。
曜 「えっ、ど、どうしたの千歌ちゃ…」
その時、曜の目と鼻の先を、トラックが轟音とともに通り過ぎた。
それを見た千歌は、曜の体から離れ、尻もちをついて倒れ込んだ。
千歌 「よ…よかったぁ…。」
曜 「千歌ちゃん!?」
ーーーーーー
ーーーー
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梨子 「あっ、曜さん! ちゃんと前見て歩かないと…」
千歌 「……! 待ってえぇっ!!」
千歌は一目散に走る曜の体を、後ろから抱きしめた。曜は驚き、その場に留まった。
曜 「えっ、ど、どうしたの千歌ちゃ…」
その時、曜の目と鼻の先を、トラックが轟音とともに通り過ぎた。
それを見た千歌は、曜の体から離れ、尻もちをついて倒れ込んだ。
千歌 「よ…よかったぁ…。」
曜 「千歌ちゃん!?」
ーーーーーー
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ーー
24: 2016/07/16(土) 01:55:21.68 ID:r9MGIgBw.net
~教室~
梨子 「ということは、あれも夢で見たことだったの?」
千歌 「うん…なんとなくだけど、ふたりの会話の内容も同じだった気がする。」
曜 「千歌ちゃん…本当にありがとうっ!」
梨子 「二日続けて予知夢を見るなんて…しかも、こんなに正確なものを…。」
千歌 「もしかして私、本当に…。」
曜 「千歌ちゃん?」
…そうだ、この力を無駄にしてはいけない。
もし、毎日予知夢を見れるのだとしたら、私はみんなの力になれるかもしれない。今回のように、人の命を救う事だって出来るかもしれない。
梨子 「ということは、あれも夢で見たことだったの?」
千歌 「うん…なんとなくだけど、ふたりの会話の内容も同じだった気がする。」
曜 「千歌ちゃん…本当にありがとうっ!」
梨子 「二日続けて予知夢を見るなんて…しかも、こんなに正確なものを…。」
千歌 「もしかして私、本当に…。」
曜 「千歌ちゃん?」
…そうだ、この力を無駄にしてはいけない。
もし、毎日予知夢を見れるのだとしたら、私はみんなの力になれるかもしれない。今回のように、人の命を救う事だって出来るかもしれない。
25: 2016/07/16(土) 01:55:51.25 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「…決めた!」
梨子 「千歌ちゃん?」
千歌 「私、この力をみんなのために使う!」
曜 「おぉ…千歌ちゃんがいつにもなくたくましい…!」
梨子 「それも大事だけど、ライブの件はどうなったの?」
曜 「あっ…。」
梨子 「はぁ、そんなことだろうと思った。」
梨子 「千歌ちゃん?」
千歌 「私、この力をみんなのために使う!」
曜 「おぉ…千歌ちゃんがいつにもなくたくましい…!」
梨子 「それも大事だけど、ライブの件はどうなったの?」
曜 「あっ…。」
梨子 「はぁ、そんなことだろうと思った。」
26: 2016/07/16(土) 01:56:22.29 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「そうだ、明日は土曜日だし、どこかで振り付けの練習しない?」
曜 「そうだね、あと歌の練習も。」
梨子 「あぁー…。」
千歌 「ん? どうかしたの、梨子ちゃん。」
梨子 「ごめんなさい! 私、明日からお父さんとお母さんと一緒に千葉に行くの。」
千歌 「そんなー!」
曜 「旅行?」
梨子 「まぁ、そんなところ。遊園地に行くの。ごめん! お土産ちゃんと買ってくるから…。」
ーーーーーー
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ーー
曜 「そうだね、あと歌の練習も。」
梨子 「あぁー…。」
千歌 「ん? どうかしたの、梨子ちゃん。」
梨子 「ごめんなさい! 私、明日からお父さんとお母さんと一緒に千葉に行くの。」
千歌 「そんなー!」
曜 「旅行?」
梨子 「まぁ、そんなところ。遊園地に行くの。ごめん! お土産ちゃんと買ってくるから…。」
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27: 2016/07/16(土) 01:56:51.10 ID:r9MGIgBw.net
~夜 千歌部屋~
千歌 「よーし、どんな夢でもどんとこい!」
千歌 「救世主 高海千歌様が、運命を変えて見せるっ!」
千歌 「ふぁーあ、おやすみぃー…。」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
?? 『本当に大丈夫なのか?』
??? 『安心しろ、この家に住んでる奴らは全員、千葉に旅行中。明日の午後まで帰ってこない。』
?? 『さっすが、下調べは完璧だな。』
??? 『盗みに入る家の事はとことん調べる。常識だろ?』
千歌 (なに、この夢。私の視点じゃない…。)
千歌 「よーし、どんな夢でもどんとこい!」
千歌 「救世主 高海千歌様が、運命を変えて見せるっ!」
千歌 「ふぁーあ、おやすみぃー…。」
ーーーーーー
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ーー
?? 『本当に大丈夫なのか?』
??? 『安心しろ、この家に住んでる奴らは全員、千葉に旅行中。明日の午後まで帰ってこない。』
?? 『さっすが、下調べは完璧だな。』
??? 『盗みに入る家の事はとことん調べる。常識だろ?』
千歌 (なに、この夢。私の視点じゃない…。)
28: 2016/07/16(土) 01:57:19.66 ID:r9MGIgBw.net
2人の男は、ある家の前で話していた。
千歌にはその家に、見覚えがあった。
千歌 (ここって…梨子ちゃんの家? しかもこの人たち、盗みに入るって…!)
強盗A 『時間は…22時。予定通りだ。』
強盗B 『よし、入るぞ。』
二人の強盗は、鉄で出来た道具で玄関の鍵を開け、梨子の家に入っていってしまった。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
千歌にはその家に、見覚えがあった。
千歌 (ここって…梨子ちゃんの家? しかもこの人たち、盗みに入るって…!)
強盗A 『時間は…22時。予定通りだ。』
強盗B 『よし、入るぞ。』
二人の強盗は、鉄で出来た道具で玄関の鍵を開け、梨子の家に入っていってしまった。
ーーーーーー
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29: 2016/07/16(土) 01:57:46.21 ID:r9MGIgBw.net
~朝~
千歌 「…!」ガバッ!
千歌 「まずい…このままだと、今夜梨子ちゃんの家に強盗が…。」
千歌 「警察…は無理か…。『今から強盗が入ります!』って言っても信じてもらえっこないし…。」
千歌 「取り敢えず、梨子ちゃんに教えなきゃ!」
千歌 「…!」ガバッ!
千歌 「まずい…このままだと、今夜梨子ちゃんの家に強盗が…。」
千歌 「警察…は無理か…。『今から強盗が入ります!』って言っても信じてもらえっこないし…。」
千歌 「取り敢えず、梨子ちゃんに教えなきゃ!」
30: 2016/07/16(土) 01:58:17.42 ID:r9MGIgBw.net
梨子 『もしもし、高海さん?』
千歌 「梨子ちゃん! 今どこ!?」
梨子 『どこって…今ちょうど千葉に向かってるとこだけど…。』
千歌 「大変なの! 今日の夢、梨子ちゃんの家に強盗が入る夢だったの!」
梨子 『えっ…それって本当!?』
千歌 「このままだと、今日の夜、強盗に入られちゃう…!」
梨子 『でも…お父さんやお母さんに言っても、信じてもらえるか…。』
千歌 「梨子ちゃん! 今どこ!?」
梨子 『どこって…今ちょうど千葉に向かってるとこだけど…。』
千歌 「大変なの! 今日の夢、梨子ちゃんの家に強盗が入る夢だったの!」
梨子 『えっ…それって本当!?』
千歌 「このままだと、今日の夜、強盗に入られちゃう…!」
梨子 『でも…お父さんやお母さんに言っても、信じてもらえるか…。』
31: 2016/07/16(土) 01:58:43.71 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「もし戻ってこれるなら、戻ってきて! 家に誰かいれば、強盗も諦めるかも…!」
梨子 『うん…一応、言ってみる。ありがと。』
ーーー
千歌 「どうしよう…やっぱり、警察に!」
千歌 「…でも私、強盗の特徴とか、何もわからない…。」
千歌 「…そうだ! もう一度寝れば!」
千歌 「もう一度寝れば、さっきの続きが見られるかもしれない。そうしたら…」
千歌 「よし、そうと決まれば早速…」
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梨子 『うん…一応、言ってみる。ありがと。』
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千歌 「どうしよう…やっぱり、警察に!」
千歌 「…でも私、強盗の特徴とか、何もわからない…。」
千歌 「…そうだ! もう一度寝れば!」
千歌 「もう一度寝れば、さっきの続きが見られるかもしれない。そうしたら…」
千歌 「よし、そうと決まれば早速…」
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32: 2016/07/16(土) 01:59:09.84 ID:r9MGIgBw.net
強盗A 『おいっ、ガキが逃げたぞっ!』
強盗B 『どういうことだ!? 明日まで帰ってこないんじゃなかったのかよ!?』
強盗A 『予定が変わったんだろ…。とにかく、姿を見られた以上、生かしとくわけには!』
千歌 (えっ…ど、どういうこと? 梨子ちゃんが…見つかっちゃった…?)
強盗B 『どういうことだ!? 明日まで帰ってこないんじゃなかったのかよ!?』
強盗A 『予定が変わったんだろ…。とにかく、姿を見られた以上、生かしとくわけには!』
千歌 (えっ…ど、どういうこと? 梨子ちゃんが…見つかっちゃった…?)
33: 2016/07/16(土) 01:59:39.71 ID:r9MGIgBw.net
強盗A 『おい、こっちに逃げたぞ!』
強盗は、トイレのドアの鍵を強引に壊し、勢いよく扉を開けた。
するとそこには、涙目になりながら震える、一人の少女がいた。
強盗A 『…手間かけさせやがって。』
強盗はその少女にナイフを向け、そのまま彼女の腹部を刺した。
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強盗は、トイレのドアの鍵を強引に壊し、勢いよく扉を開けた。
するとそこには、涙目になりながら震える、一人の少女がいた。
強盗A 『…手間かけさせやがって。』
強盗はその少女にナイフを向け、そのまま彼女の腹部を刺した。
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34: 2016/07/16(土) 02:00:08.52 ID:r9MGIgBw.net
~夕方 千歌部屋~
千歌 「……まずい。」
千歌 「私が戻ってきてなんて言ったばかりに…梨子ちゃんが家に戻ってきちゃったんだ。」
千歌 「いや…今ならまだ間に合う! 強盗が来るまで、あと5時間はある!」
ーー
千歌 「もしもし梨子ちゃん!?」
梨子 『高海さん? 今度はどうしたの…?』
千歌 「お願いっ! やっぱり戻ってこないで!」
梨子 『えぇっ!? ど、どっちなの…。』
千歌 「とにかく、戻ってきたらダメ! 大変なことになるから!」
千歌 「……まずい。」
千歌 「私が戻ってきてなんて言ったばかりに…梨子ちゃんが家に戻ってきちゃったんだ。」
千歌 「いや…今ならまだ間に合う! 強盗が来るまで、あと5時間はある!」
ーー
千歌 「もしもし梨子ちゃん!?」
梨子 『高海さん? 今度はどうしたの…?』
千歌 「お願いっ! やっぱり戻ってこないで!」
梨子 『えぇっ!? ど、どっちなの…。』
千歌 「とにかく、戻ってきたらダメ! 大変なことになるから!」
35: 2016/07/16(土) 02:00:38.60 ID:r9MGIgBw.net
梨子 『で、でも強盗は…』
千歌 「それは……私が何とかする!」
梨子 『なんとかって…。』
千歌 「大丈夫、私にはこの力がある!」
梨子 『高海さん…。』
梨子 『…分かった。高海さんの言う通り、戻らない。でも絶対無理しないで。』
千歌 「うん…。ありがと、梨子ちゃん。」
ーー
千歌 「…よし、これで大丈夫。」
千歌 「それは……私が何とかする!」
梨子 『なんとかって…。』
千歌 「大丈夫、私にはこの力がある!」
梨子 『高海さん…。』
梨子 『…分かった。高海さんの言う通り、戻らない。でも絶対無理しないで。』
千歌 「うん…。ありがと、梨子ちゃん。」
ーー
千歌 「…よし、これで大丈夫。」
36: 2016/07/16(土) 02:01:12.52 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「警察に行くにしても、まず信じてもらえない。」
千歌 「梨子ちゃんには悪いけど…強盗には1度盗みに入ってもらおう。」
千歌 「そしてその瞬間を、このカメラに収める!」
千歌 「それを警察に見せれば、きっと強盗は捕まる。…よし、完璧だ!」
千歌 「…強盗が来るまであと4時間。」
千歌 「もう少しだけ…情報があった方がいいよね。」
千歌は家の薬箱から睡眠薬を取り出し、それを飲んだ。
千歌 「梨子ちゃんには悪いけど…強盗には1度盗みに入ってもらおう。」
千歌 「そしてその瞬間を、このカメラに収める!」
千歌 「それを警察に見せれば、きっと強盗は捕まる。…よし、完璧だ!」
千歌 「…強盗が来るまであと4時間。」
千歌 「もう少しだけ…情報があった方がいいよね。」
千歌は家の薬箱から睡眠薬を取り出し、それを飲んだ。
37: 2016/07/16(土) 02:02:11.78 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「梨子ちゃん…。絶対に、私がなんとかしてみせるから!」
千歌 「私…に……ま…か……」
ーーーーーー
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ーー
ーーーーーーー
ーー
ーーーー
ーーーーーー
千歌 「……。ん…?」
千歌 「あれっ…私…。」
千歌は枕元にあった時計を見た。時計は21時を指している。
千歌 「今私、確かに寝たはず…でも…。」
千歌 「夢を…見られなかった…。」
千歌 「最悪…このタイミングで予知夢が見られないなんて…。」
千歌 「私…に……ま…か……」
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千歌 「……。ん…?」
千歌 「あれっ…私…。」
千歌は枕元にあった時計を見た。時計は21時を指している。
千歌 「今私、確かに寝たはず…でも…。」
千歌 「夢を…見られなかった…。」
千歌 「最悪…このタイミングで予知夢が見られないなんて…。」
38: 2016/07/16(土) 02:02:42.04 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「悔やんでもしょうがない。…行かなきゃ。」
千歌は部屋の窓から身を乗り出した。
千歌 「ごめん…梨子ちゃん! たぁっ!」
千歌は、窓から隣の梨子の家のベランダへと、飛び移った。
千歌 「ひ、ひぃ…。高いよぉ…。」
千歌 「窓、しっかり鍵しまってる。当たり前だよね…。ごめん、今度バイトして修繕費払うから…。」
千歌は肘で窓ガラスの一部を割り、そこから手を通し、鍵を開けた。
千歌は部屋の窓から身を乗り出した。
千歌 「ごめん…梨子ちゃん! たぁっ!」
千歌は、窓から隣の梨子の家のベランダへと、飛び移った。
千歌 「ひ、ひぃ…。高いよぉ…。」
千歌 「窓、しっかり鍵しまってる。当たり前だよね…。ごめん、今度バイトして修繕費払うから…。」
千歌は肘で窓ガラスの一部を割り、そこから手を通し、鍵を開けた。
39: 2016/07/16(土) 02:03:12.02 ID:r9MGIgBw.net
千歌 「あとはここで強盗が来るのを待つだけ…。そしたらこのカメラで…。」
その時だった。
1階から、なにやら物音が聞こえた。
それは、玄関の鍵が、ゆっくりと開けられる音だった。
千歌 「……! 来た…!」
急に鼓動が早くなる。
全身に冷や汗をかきつつも、千歌はゆっくりと階段をおり、強盗の姿を探し出した。
…何もかも予定通り…のはずだった。
強盗を発見し、カメラを構えたその時、手の汗がカメラをすべらせた。
そしてカメラは、床に叩きつけられ、大きな音を立てた。
強盗A 「…!? おいっ、誰かいるぞ!」
千歌 「……! ま…まずいっ!!」
その時だった。
1階から、なにやら物音が聞こえた。
それは、玄関の鍵が、ゆっくりと開けられる音だった。
千歌 「……! 来た…!」
急に鼓動が早くなる。
全身に冷や汗をかきつつも、千歌はゆっくりと階段をおり、強盗の姿を探し出した。
…何もかも予定通り…のはずだった。
強盗を発見し、カメラを構えたその時、手の汗がカメラをすべらせた。
そしてカメラは、床に叩きつけられ、大きな音を立てた。
強盗A 「…!? おいっ、誰かいるぞ!」
千歌 「……! ま…まずいっ!!」
40: 2016/07/16(土) 02:03:36.75 ID:r9MGIgBw.net
必氏に逃げた。もう足音などは気にせず、全力で走った。
強盗A 「おいっ、ガキが逃げたぞっ!」
強盗B 「どういうことだ!? 明日まで帰ってこないんじゃなかったのかよ!?」
強盗A 「予定が変わったんだろ…。とにかく、姿を見られた以上、生かしとくわけには!」
千歌 「このままじゃまずい…。どこかに隠れなきゃ…!」
千歌は慌てて、2階のトイレに身を潜め、鍵をかけた。
強盗A 「おいっ、ガキが逃げたぞっ!」
強盗B 「どういうことだ!? 明日まで帰ってこないんじゃなかったのかよ!?」
強盗A 「予定が変わったんだろ…。とにかく、姿を見られた以上、生かしとくわけには!」
千歌 「このままじゃまずい…。どこかに隠れなきゃ…!」
千歌は慌てて、2階のトイレに身を潜め、鍵をかけた。
41: 2016/07/16(土) 02:04:06.11 ID:r9MGIgBw.net
強盗A 「おい、こっちに逃げたぞ!」
千歌は頭を抱え、泣き出した。
…もう、どうしようにもない。なぜ武器もなにも持たずに来たのか…。
トイレの部屋の鍵が、外から何か鈍器のようなもので殴られている。開けられるのも時間の問題だろう。
千歌 「やめてやめてやめてやめて……お願いしますお願いします許して許して許して許して…!!!!」
…ドアが開けられた。
強盗はナイフをこちらに向けている。
千歌はただ頭を抱え、涙目で強盗を見上げていた。
強盗A 「手間かけさせやがって。」
千歌は頭を抱え、泣き出した。
…もう、どうしようにもない。なぜ武器もなにも持たずに来たのか…。
トイレの部屋の鍵が、外から何か鈍器のようなもので殴られている。開けられるのも時間の問題だろう。
千歌 「やめてやめてやめてやめて……お願いしますお願いします許して許して許して許して…!!!!」
…ドアが開けられた。
強盗はナイフをこちらに向けている。
千歌はただ頭を抱え、涙目で強盗を見上げていた。
強盗A 「手間かけさせやがって。」
42: 2016/07/16(土) 02:04:31.88 ID:r9MGIgBw.net
…今やっとわかった。なぜ最後、予知夢を見られなかったのか。
あれが…
あの時見た夢が…
私が最後に見た景色だったからだ
ーーーーーー
ーーーーー
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ー
あれが…
あの時見た夢が…
私が最後に見た景色だったからだ
ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー
ー
43: 2016/07/16(土) 02:05:00.01 ID:r9MGIgBw.net
~朝~
曜 「……ッ!!!」ガバッ!
目が覚めた。…全身に汗をかいていた。
ここまで長い夢は久しぶりだったし、ここまでリアルな夢は初めてだったからだ。
…いや、それ以上に、親友が酷い目にあう夢を見たことが、一番の苦痛だった。
曜 「今のは…夢…?」
曜 「…ってやばい! 早く千歌ちゃんの家に行かないと遅れちゃう…!」
曜は慌てて準備をし、千歌の家へと向かった。
テストの予習をしようと持ち帰ったまま、何も手をつけなかった数学の教科書と一緒に。
ーーーーー
終
曜 「……ッ!!!」ガバッ!
目が覚めた。…全身に汗をかいていた。
ここまで長い夢は久しぶりだったし、ここまでリアルな夢は初めてだったからだ。
…いや、それ以上に、親友が酷い目にあう夢を見たことが、一番の苦痛だった。
曜 「今のは…夢…?」
曜 「…ってやばい! 早く千歌ちゃんの家に行かないと遅れちゃう…!」
曜は慌てて準備をし、千歌の家へと向かった。
テストの予習をしようと持ち帰ったまま、何も手をつけなかった数学の教科書と一緒に。
ーーーーー
終
44: 2016/07/16(土) 02:06:27.73 ID:r9MGIgBw.net
短いですが、これにて完結です。読んでいただき、ありがとうございました。
サンシャインのアニメが始まったということで、試しにサンシャインのSSを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
各キャラの喋り方だとか、まだ甘い部分があるので、次回作からは改善していきます
改めて、ありがとうございました
なにか感想等あれば、是非お願いします
サンシャインのアニメが始まったということで、試しにサンシャインのSSを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
各キャラの喋り方だとか、まだ甘い部分があるので、次回作からは改善していきます
改めて、ありがとうございました
なにか感想等あれば、是非お願いします
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