1: 2017/04/07(金) 01:45:43.863 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ「雨やまない……はぁーあ……まあた傘持っていかれちゃいました……」
ガヴ(まったく優等生も疲れますね……ゼル姉さんがあんなだから……)
ラフィ「あら……?」
ガヴ「雨やまない……はぁーあ……まあた傘持っていかれちゃいました……」
ガヴ(まったく優等生も疲れますね……ゼル姉さんがあんなだから……)
ラフィ「あら……?」
2: 2017/04/07(金) 01:46:18.057 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ(私だって頑張ってるんですよ?成績だってダントツじゃない……でも……疲れちゃうよ……)ブツブツ
ガヴ(子供の世界では出る杭は燃やされるのがオチ……ゼル姉さんがうまくいったからって私がうまくいくとも……)ブツブツ
ラフィ「あの……?」
ガヴ「ふあ!?」ビクッ
ラフィ「えっと……ガヴリールさん……ですよね?」
ガヴ「あ……はい」ニッコリ
ラフィ「……傘わすれちゃったんですか?」
ガヴ「えぇ……ついうっかり……」ニコニコ
ガヴ(私だって頑張ってるんですよ?成績だってダントツじゃない……でも……疲れちゃうよ……)ブツブツ
ガヴ(子供の世界では出る杭は燃やされるのがオチ……ゼル姉さんがうまくいったからって私がうまくいくとも……)ブツブツ
ラフィ「あの……?」
ガヴ「ふあ!?」ビクッ
ラフィ「えっと……ガヴリールさん……ですよね?」
ガヴ「あ……はい」ニッコリ
ラフィ「……傘わすれちゃったんですか?」
ガヴ「えぇ……ついうっかり……」ニコニコ
4: 2017/04/07(金) 01:46:56.586 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ(誰でしたっけ?この子は……ここまで出てるんだけど……)
ラフィ「あ……私白羽です、白羽=ラフィエル=エインズワースです」ニコ
ガヴ「え?ああ……えっと、天真です。ガヴリール=ホワイト」
ガヴ(白羽……?ああ……あの名家のお嬢様かぁ……)
ラフィ「うふふ♪知ってますよ~あのゼルエル様の妹君にして天使の中の天使!主席候補のガヴリールさん……この学校で知らない人なんていませんよ?」
ガヴ「あ……そうなんですね……すみません」
ガヴ(なんだろ……この子ちょっと苦手かも……)
ガヴ(誰でしたっけ?この子は……ここまで出てるんだけど……)
ラフィ「あ……私白羽です、白羽=ラフィエル=エインズワースです」ニコ
ガヴ「え?ああ……えっと、天真です。ガヴリール=ホワイト」
ガヴ(白羽……?ああ……あの名家のお嬢様かぁ……)
ラフィ「うふふ♪知ってますよ~あのゼルエル様の妹君にして天使の中の天使!主席候補のガヴリールさん……この学校で知らない人なんていませんよ?」
ガヴ「あ……そうなんですね……すみません」
ガヴ(なんだろ……この子ちょっと苦手かも……)
6: 2017/04/07(金) 01:48:25.083 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ラフィ「……あの……よかったら傘使いませんか?」
ガヴ「へ?ああ……いえ……走って帰るので平気ですよ」
ラフィ「だめです!風邪引いちゃいますよ!せめて途中まで一緒に帰りましょう?」
ガヴ「それじゃ二人とも濡れちゃいますよ……うーん……そのうち止むとは思うので大丈夫ですよ」
ラフィ「むー!」プクー
ガヴ「そ……そんなにむくれなくても……」
ガヴ(うっとおしいし……可愛いけどわざとらしい……)イラッ
ラフィ「……あの……よかったら傘使いませんか?」
ガヴ「へ?ああ……いえ……走って帰るので平気ですよ」
ラフィ「だめです!風邪引いちゃいますよ!せめて途中まで一緒に帰りましょう?」
ガヴ「それじゃ二人とも濡れちゃいますよ……うーん……そのうち止むとは思うので大丈夫ですよ」
ラフィ「むー!」プクー
ガヴ「そ……そんなにむくれなくても……」
ガヴ(うっとおしいし……可愛いけどわざとらしい……)イラッ
8: 2017/04/07(金) 01:51:15.958 ID:QTPRHv520.net
ガヴ「私は大丈夫だからラフィエルさん先に帰ってください」ニッコリ
ラフィ「じゃあ……私もここで止むのを待ちます!」
ガヴ「えー!」
ガヴ(本当にうざい!なんなの?同情?もしかして傘を隠したのはこの子?)
ラフィ「今日は授業ちょっと厳しかったですねー」
ガヴ「え!?ええ……そうですねー」
ラフィ「…………」
ガヴ「…………」
ラフィ「じゃあ……私もここで止むのを待ちます!」
ガヴ「えー!」
ガヴ(本当にうざい!なんなの?同情?もしかして傘を隠したのはこの子?)
ラフィ「今日は授業ちょっと厳しかったですねー」
ガヴ「え!?ええ……そうですねー」
ラフィ「…………」
ガヴ「…………」
10: 2017/04/07(金) 01:52:41.663 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ(終わりぃ!?ええ!?今の何!?)
ラフィ「あ……一緒のクラスですし……その……」
ガヴ「はい?」
ラフィ「ガヴちゃんって……呼んでいいですか?」
ガヴ「ええ?もちろん……“好きに”呼んでください」
ラフィ「…………」
ガヴ「…………えっと?」
ラフィ「あ……私のことはラフィってよんでくださいね!」
ガヴ「え……?ああ……ええ……」
ガヴ(えぇ……何これ……)
ガヴ(終わりぃ!?ええ!?今の何!?)
ラフィ「あ……一緒のクラスですし……その……」
ガヴ「はい?」
ラフィ「ガヴちゃんって……呼んでいいですか?」
ガヴ「ええ?もちろん……“好きに”呼んでください」
ラフィ「…………」
ガヴ「…………えっと?」
ラフィ「あ……私のことはラフィってよんでくださいね!」
ガヴ「え……?ああ……ええ……」
ガヴ(えぇ……何これ……)
11: 2017/04/07(金) 01:55:50.569 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ(はぁ……めんどくさい……教書読んでたい……雨止むまで図書館にいるべきだった……)
ラフィ「……雨やみませんねぇ……」
ガヴ「そーですねー……」
ガヴ(滅私奉公は天使の基本ですけど……この子はいったい何がしたいんだろう……)
ガヴ「はぁ……」
ラフィ「あ……すっすみません……退屈ですよね!えっと……しりとりでもします?」アセアセ
ガヴ「え?」
ガヴ(退屈なのはあなたのせいかもですよ……“ラフィ”さん?)
ガヴ「えぇ……じゃあお先にどうぞ?」
ラフィ「えっと!じゃあ……りんご!」
ガヴ(はぁ……めんどくさい……教書読んでたい……雨止むまで図書館にいるべきだった……)
ラフィ「……雨やみませんねぇ……」
ガヴ「そーですねー……」
ガヴ(滅私奉公は天使の基本ですけど……この子はいったい何がしたいんだろう……)
ガヴ「はぁ……」
ラフィ「あ……すっすみません……退屈ですよね!えっと……しりとりでもします?」アセアセ
ガヴ「え?」
ガヴ(退屈なのはあなたのせいかもですよ……“ラフィ”さん?)
ガヴ「えぇ……じゃあお先にどうぞ?」
ラフィ「えっと!じゃあ……りんご!」
12: 2017/04/07(金) 01:56:40.166 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ「ごりらー」
ラフィ「らっぱ!」
ガヴ「ぱいなぽー」
ラフィ「ぽー?」
ガヴ「パイナップル……ル」
ラフィ「えっと……ルビー」
ガヴ「び?い?」
ラフィ「どちらでも~」
ガヴ「じゃあ……イカ」
ラフィ「……かさ」
ガヴ「……」ドキッ
ガヴ「ごりらー」
ラフィ「らっぱ!」
ガヴ「ぱいなぽー」
ラフィ「ぽー?」
ガヴ「パイナップル……ル」
ラフィ「えっと……ルビー」
ガヴ「び?い?」
ラフィ「どちらでも~」
ガヴ「じゃあ……イカ」
ラフィ「……かさ」
ガヴ「……」ドキッ
14: 2017/04/07(金) 02:03:52.621 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ「えっと……さ……さ……」
ラフィ「傘盗られちゃったんですか?」
ガヴ「え?」
ラフィ「傘を忘れるなんて……ありえませんよ……昨日からずっと降ってますもの」
ガヴ「……っ!」
ラフィ「実は私も盗られちゃったんですよね」
ガヴ「……え!?でも……その傘は?」
ラフィ「ええ……なので私も盗ってきちゃいました」テヘ
ガヴ「え?……ええ!?い……いけませんよ!白羽さん!」
ラフィ「ラフィ」
ガヴ「ふえ!?」
ラフィ「ラフィ……ですよ?ガヴちゃん」
ガヴ「えぇ……?」
ガヴ「えっと……さ……さ……」
ラフィ「傘盗られちゃったんですか?」
ガヴ「え?」
ラフィ「傘を忘れるなんて……ありえませんよ……昨日からずっと降ってますもの」
ガヴ「……っ!」
ラフィ「実は私も盗られちゃったんですよね」
ガヴ「……え!?でも……その傘は?」
ラフィ「ええ……なので私も盗ってきちゃいました」テヘ
ガヴ「え?……ええ!?い……いけませんよ!白羽さん!」
ラフィ「ラフィ」
ガヴ「ふえ!?」
ラフィ「ラフィ……ですよ?ガヴちゃん」
ガヴ「えぇ……?」
15: 2017/04/07(金) 02:13:10.238 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ラフィ「後ろみてください……傘置きにいっぱい置き傘ありますよ?どうしてもっていかないんですか?」
ガヴ「は……はぁ!?私たちは天使ですよ!人のものをもっていくことは許されません!その傘も返してきて下さい!」
ラフィ「いやですよ~」ダッ
ガヴ「しらは……ラフィ!」
ラフィ「うふふ!ほらガヴちゃん!とり返しに来てください!」
ガヴ「ぐ……っこの!」ダッ
ラフィ「あはは!ほ~ら!こっちですよ!」
ラフィ「後ろみてください……傘置きにいっぱい置き傘ありますよ?どうしてもっていかないんですか?」
ガヴ「は……はぁ!?私たちは天使ですよ!人のものをもっていくことは許されません!その傘も返してきて下さい!」
ラフィ「いやですよ~」ダッ
ガヴ「しらは……ラフィ!」
ラフィ「うふふ!ほらガヴちゃん!とり返しに来てください!」
ガヴ「ぐ……っこの!」ダッ
ラフィ「あはは!ほ~ら!こっちですよ!」
16: 2017/04/07(金) 02:14:53.150 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ「ラフィ!待ちなさい!っまてぇ!」ガバッ
ラフィ「きゃ……!あっ!」ビチャ!
ガヴ「きゃあ!」ビチャ!
ラフィ「けほっ……ドロが……」
ガヴ「あ……ご……ごめんなさいラフィ?大丈夫?」
ラフィ「はい……大丈夫ですよ……うふふ、ガヴちゃん泥だらけですよ~」
ガヴ「ラフィ……?あなた一体……」
ラフィ「許せませんよね……」ボソッ
ガヴ「えっ?」
ラフィ「どうして正しいことをしているだけなのに辛いんでしょうね……」
ガヴ「は?」
ガヴ(やめて?そんなこと知らない)
ラフィ「そうしろと教えられてそうしてるだけなのにね……ぐすっ」ポロポロ
ガヴ(ラフィ?泣いてるの?雨のせいで……わからない……)
ガヴ「ラフィ!待ちなさい!っまてぇ!」ガバッ
ラフィ「きゃ……!あっ!」ビチャ!
ガヴ「きゃあ!」ビチャ!
ラフィ「けほっ……ドロが……」
ガヴ「あ……ご……ごめんなさいラフィ?大丈夫?」
ラフィ「はい……大丈夫ですよ……うふふ、ガヴちゃん泥だらけですよ~」
ガヴ「ラフィ……?あなた一体……」
ラフィ「許せませんよね……」ボソッ
ガヴ「えっ?」
ラフィ「どうして正しいことをしているだけなのに辛いんでしょうね……」
ガヴ「は?」
ガヴ(やめて?そんなこと知らない)
ラフィ「そうしろと教えられてそうしてるだけなのにね……ぐすっ」ポロポロ
ガヴ(ラフィ?泣いてるの?雨のせいで……わからない……)
18: 2017/04/07(金) 02:20:50.866 ID:QTPRHv520.net
ザァー……――
ガヴ「ラフィ?泣いてるんですか?」
ラフィ「泣いてませんよ?……ひっく……雨粒が目に入っちゃうんです……離してくれませんか?」パチパチ
ガヴ「……傘は返してくれますよね?」
ラフィ「はい……もちろん持ち主に返します」
ガヴ「わかりました……立てますか?」
ラフィ「はい……ぐすっ」
ガヴ「……それ……本当はあなたの傘ですよね?」
ラフィ「あら~さすがガヴちゃん!どうしてわかったんですか?」
ガヴ「わざとらしいからですよ……」
ガヴ「ラフィ?泣いてるんですか?」
ラフィ「泣いてませんよ?……ひっく……雨粒が目に入っちゃうんです……離してくれませんか?」パチパチ
ガヴ「……傘は返してくれますよね?」
ラフィ「はい……もちろん持ち主に返します」
ガヴ「わかりました……立てますか?」
ラフィ「はい……ぐすっ」
ガヴ「……それ……本当はあなたの傘ですよね?」
ラフィ「あら~さすがガヴちゃん!どうしてわかったんですか?」
ガヴ「わざとらしいからですよ……」
20: 2017/04/07(金) 02:24:53.181 ID:QTPRHv520.net
サァ…………
ガヴ「……もう帰ってください……」
ラフィ「いやですよ?」
ガヴ「っ!?あなたは何がしたいんですか!?」
ラフィ「わかりませんか?」
ガヴ「わかるわけないでしょう!全く!あーあー私を泥だらけにしたかったとか怒らせたかったとか!?」
ラフィ「うーん?違いますよ」
ガヴ「じゃあなんですか!?まさか私を亡き者にしてしまおうとか!」
ラフィ「違いますねぇ……」
ガヴ「じゃあなんだっていうんですか!」
ラフィ「わかりません」
ガヴ「は?」
ガヴ「……もう帰ってください……」
ラフィ「いやですよ?」
ガヴ「っ!?あなたは何がしたいんですか!?」
ラフィ「わかりませんか?」
ガヴ「わかるわけないでしょう!全く!あーあー私を泥だらけにしたかったとか怒らせたかったとか!?」
ラフィ「うーん?違いますよ」
ガヴ「じゃあなんですか!?まさか私を亡き者にしてしまおうとか!」
ラフィ「違いますねぇ……」
ガヴ「じゃあなんだっていうんですか!」
ラフィ「わかりません」
ガヴ「は?」
21: 2017/04/07(金) 02:32:09.240 ID:QTPRHv520.net
ポツポツポツ…………
ラフィ「ガヴちゃんなら……わかるかなーって……」
ガヴ「は?」
ラフィ「私の家……いわゆるイイトコなので……私も結構期待されちゃって……結構厳しくって」
ガヴ「ああ……」
ラフィ「ガヴちゃんも最初は同じかなって思ったんですよ……お姉さんはあのゼルエル様で……」
ガヴ「……」
ガヴ(でしょうね……)
ラフィ「私も結構がんばってるのに……ガヴちゃんには勝てなくて……」
ラフィ「だからガヴちゃんならわかるかなって思ったんです……色々と!」
ガヴ「…………」
ガヴ(きっと誰にも一生わかりませんよ……ラフィ……でも……言いません)
ラフィ「ガヴちゃんなら……わかるかなーって……」
ガヴ「は?」
ラフィ「私の家……いわゆるイイトコなので……私も結構期待されちゃって……結構厳しくって」
ガヴ「ああ……」
ラフィ「ガヴちゃんも最初は同じかなって思ったんですよ……お姉さんはあのゼルエル様で……」
ガヴ「……」
ガヴ(でしょうね……)
ラフィ「私も結構がんばってるのに……ガヴちゃんには勝てなくて……」
ラフィ「だからガヴちゃんならわかるかなって思ったんです……色々と!」
ガヴ「…………」
ガヴ(きっと誰にも一生わかりませんよ……ラフィ……でも……言いません)
23: 2017/04/07(金) 02:34:41.913 ID:QTPRHv520.net
ポツ……ポツ……
ガヴ(雨……止みそう……これだけドロドロだともうどうでもいいけど)
ラフィ「ああ……雨……やんじゃいそう……もっとふってー?」
ガヴ「クスッ」
ラフィ「なんて……ふふっ」
ガヴ「もう……ラフィったら!また降ったらいつまでたっても帰れないですよ!」
ラフィ「もうびしょびしょだからあんまり関係ないですけど……」
ガヴ「ふふっ……あははっ!ほんとですね」
ラフィ「くすっ……じゃあ……ガヴちゃん、一緒に帰りましょう?」
ガヴ「……ん!」
完
ガヴ(雨……止みそう……これだけドロドロだともうどうでもいいけど)
ラフィ「ああ……雨……やんじゃいそう……もっとふってー?」
ガヴ「クスッ」
ラフィ「なんて……ふふっ」
ガヴ「もう……ラフィったら!また降ったらいつまでたっても帰れないですよ!」
ラフィ「もうびしょびしょだからあんまり関係ないですけど……」
ガヴ「ふふっ……あははっ!ほんとですね」
ラフィ「くすっ……じゃあ……ガヴちゃん、一緒に帰りましょう?」
ガヴ「……ん!」
完
24: 2017/04/07(金) 02:35:08.577 ID:qKsQ5Oeu0.net
おつ
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