1: 2010/05/02(日) 15:45:38.17 ID:hJwfDfpL0
律「あー、腹減ったなー!」

唯「ペコペコだよう・・・あずにゃんのほっぺ美味しそう~♪」

梓「きゃっ、やめてください、ちょ!  んぁ・・・」

紬(今夜のオカズktkr)

澪「はは、今日は目一杯練習したからな」
  「ん、あの行列は何だ・・・?」


瞳に確固たる意志を宿らせた人々の列。
行列の先には、黄色く目立つ看板が掲げられている。


ラ ー メ ン 二 郎

けいおん! ストーリーアンソロジーコミック (3) (まんがタイムKRコミックス)
5: 2010/05/02(日) 15:48:59.82 ID:hJwfDfpL0
澪「すごい人数だな・・・人気店なんだろうか」

律「おお、美味そうだな!食っていこーぜ!」

梓「あ、でもここは・・・」

紬「これが、“ラーメン”のお店!?私、はじめてなの!」

唯「ラーメン大好き~♪あ、夕食いらないって憂にメールしとかなきゃ」 メルメル

律「よっしゃー!突撃ぃ―!」

梓(仕方ないですね・・・団体客はロット乱調の原因ですが・・・)
  (ジロリアンの端くれとして、先輩たちを正しき道へと導かなければ・・・!)


梓の瞳には、列を成す人々が抱くものと同じ、誇り高き“意志”が宿っていた。

6: 2010/05/02(日) 15:53:48.12 ID:hJwfDfpL0
澪「みんな本を読みながら並んでる・・・」

梓「この行為は、戦士(ジロリアン)たちの“知恵”なのです」

澪「え?」

梓「二郎と向き合う前に、まずは己と向き合う・・・
  待ち時間という二郎必然の課題を克服しつつ、自らの精神を清める。
  体調と天候、ロットリズム、掲示板からの情報を総合し、その日の注文とコールを決定する・・・
  数多の戦場をくぐり抜けてきた彼らがたどり着いた『答え』です」

律「お、おい・・・梓・・・?」

梓「ハッ、す、すみません!つい・・・」
  「このお店・・・『ラーメン二郎』にはコアなファンが多くて、
  だいたい行列で並ぶことになるんです。
  常連はそれが分かってるので、本や携帯ゲーム機など、
  暇つぶしの道具を持参することが多いんですよ」


7: 2010/05/02(日) 15:54:57.90 ID:hJwfDfpL0
紬「へぇ~」

唯「あずにゃんも常連さんなの?」

梓「ま、ホームではファースト張ってますから。ちなみに店主と会話したこともありますんで(笑)」

唯「よく分からないけど、すごいんだね~」

9: 2010/05/02(日) 15:57:08.08 ID:hJwfDfpL0
澪「さて、食券を買うのか」

律「よっしゃー!大盛りいっちゃうぜー!」

梓「ギルティー!」クワッ

律「ひっ」ビクッ

11: 2010/05/02(日) 15:58:52.05 ID:hJwfDfpL0
梓「二郎のメニューは、小ラーメンでも通常店の大盛りに相当します。ましてや初心者が大なんて・・・おこがましいとは思わんかね!」

律「ひぅ・・・」

梓「初めての人は小を頼んで店の盛りを確認し、己のレベルとの比較をおこなうべし。分かりましたか!?」

律「はひ、すみましぇん・・・」ウルッ


澪(いつもの梓じゃない・・・)

紬(梓ちゃん、輝いてるわねぇ)

唯「わたし烏龍茶飲もーっと」

13: 2010/05/02(日) 16:00:06.41 ID:hJwfDfpL0
食券購入


唯:小ぶた 黒烏龍茶

澪:小ラーメン

律:小ラーメン

紬:小ぶたダブル

梓:大ぶたダブル 黒烏龍茶


16: 2010/05/02(日) 16:01:42.34 ID:hJwfDfpL0
律「お、席が空いたな・・・けど一人か。みおちゅわーん、一緒に座ろーz」

梓「何言ってるんですか!」クワッ

律「!?」


17: 2010/05/02(日) 16:03:03.06 ID:hJwfDfpL0
梓「これだけ人が並んでるのに、回転をさらに鈍くするような行為は慎んでください!ロット神がお怒りになられるでしょうが!」

律「も、申し訳ありませんでしたぁ!」

梓「とっとと座る!」

律「ハ、ハイ!ただいま!」シュバッ


紬(倒錯的ねぇ・・・ウフフ)

ガタ ゴッソサーン  ガタ  ガタガタ

唯「あ、結局みんなで座れそうだよ♪よかったねー」

20: 2010/05/02(日) 16:05:21.83 ID:hJwfDfpL0
律「もうやだ・・・早く食べて帰りたい・・・お、来たか?」

店主「お客さん、ニンニクは?」

律「ほぇ?」

店主「・・・・・・」

律「あ、え、うぅ・・・」

梓(入れてください)ボソッ

律「い、入れてください!」

店主「あいよ」

24: 2010/05/02(日) 16:10:35.18 ID:hJwfDfpL0
店主「そちらの方々は?」


梓「ニンチョモヤサイマシマシカラメアブラブラ」

澪「え、えと・・・ニンニクは無しで・・・」
梓(チッ、二郎の魅力半減じゃねーか・・・クソが)

紬「お願いします♪」

唯「じゃあ、私はましまし!」

梓「! コールを知ってるんですか?」

唯「隣のおじさんの真似してみたのさ!」エッヘン

梓(やりますね・・・さすが唯先輩)

26: 2010/05/02(日) 16:12:53.12 ID:hJwfDfpL0
店主「お待ちどぉさま」

ド ン


律「で、でかい・・・ん・・・?」


ド ド ン



律(梓の・・・本当にラーメンなのか・・・?)


それは麺というにはあまりにも大きすぎた。
大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。
それはまさに塊だった

28: 2010/05/02(日) 16:16:58.68 ID:hJwfDfpL0
律「てか、野菜の山・・・どうやって食えば・・・梓は?」チラッ


梓「・・・」スッ
パキッ チャッ  ヒュバッ


律「なん・・・だと・・・!?麺と・・・野菜が・・・・・・逆転!?」


梓「『天地返し』二郎を食す上での基本技です。
  野菜をスープに浸して味をつけると同時に、麺を冷まし、伸びを防ぐ・・・一石三鳥の技。
  もっとも、私ほどのジロリアン(レベル5)になれば、割り箸を使わずとも可能ですが・・・参考になれば、と思いまして」ニヤリ

律(ならねーよ!)

30: 2010/05/02(日) 16:18:57.13 ID:hJwfDfpL0
唯「んーと、こう・・・かな?」

ヒュバッ

唯「やった、できたよー」

梓(!!)
(一目見ただけで、天地返しを実践!?しかも箸一本で!?)
(唯先輩・・・恐ろしい子・・・!)


紬「よぉ~し!」

澪「ついていけない・・・」

35: 2010/05/02(日) 16:21:42.84 ID:hJwfDfpL0
律(あーもう、味なんていいから、早く食って出よう・・・)チュルリッ

律「あ、美味い!」


面白おかしく作られたコピペ、外見、まことしやかに囁かれる噂・・・
不本意な話題性が豊富な二郎であるが、「味」という料理本来の魅力は、それらに見劣りすることなく丼の中で輝きを放っている。


律(コシのある麺、オリジナリティを主張するスープ、味わい深いチャーシュー・・・
モヤシとキャベツのフレッシュさが嬉しい・・・そして全てを鮮やかに引き立たせる・・・ニンニク!)

全ての食材がそれぞれの個性を発揮しつつ、決してわがままではない

互いを引き立てあい、一つとなり  

食すものに感動をもたらす。

まさに、ラーメン界の「けいおん!」


38: 2010/05/02(日) 16:24:44.53 ID:hJwfDfpL0
律「ハフ、ハフ」

梓「律先輩も、理解したようですね・・・二郎の魅力を」
「さて、では私も・・・」

チュルルズズーシャクシャクハフリチュルルルゴクゴクシャキッチュルルズバー

梓(幸せだ・・・いつ氏んでもいい・・・)


唯「ふふー♪ましまし~♪」

澪「やっぱり多いな・・・ん?」


紬「うふふふふー♪」無音完食(スープ完飲)


澪(さすがお嬢様―!)

44: 2010/05/02(日) 16:30:01.75 ID:hJwfDfpL0
その夜・・・

唯「ただいま~」

憂「おかえり、お姉ちゃん!あれ、ニンニクのにおい?」

唯「うん、ラーメン二郎って美味しいんだよー!いつでも食べれたらいいのになぁ・・・」


憂(・・・・・・よし!)

お姉ちゃんに美味しいものを、自分の手で作って食べさせたい。

その情熱が憂を突き動かす・・・!


「ラーメン二郎平沢店」が開店し、ジロリアンの聖地とあがめられるようになるのは、1年後のことである。



おわり


45: 2010/05/02(日) 16:31:24.89 ID:vGmNJ1Vd0
おわったwwwwwww

52: 2010/05/02(日) 16:38:11.13 ID:TVhCAqCb0
おねえちゃんラーメンが日本から二郎駆逐するのかと思った

53: 2010/05/02(日) 16:38:35.81 ID:ySFTYQ/m0

続編に期待する

引用元: 唯「ましまし!」