1: 2014/04/29(火) 23:47:14.15 ID:SMjXqeMC0.net
八幡「そうか、じゃあ由比ヶ浜に告ってくる」

雪乃「え?」

八幡「どした?」

雪乃「あなたそれ本気で言ってるの?」

八幡「当たり前だ。無意味な嘘はつかん主義なんでな」

雪乃「今私に告白したわよね?」

八幡「したな」

雪乃「で?なんで由比ヶ浜さんに告白するって話になってるの?」

八幡「ああ、俺は別に誰でもいいんだよ」

雪乃「 」
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic(20) (サンデーGXコミックス)
2: 2014/04/29(火) 23:54:30.39 ID:SMjXqeMC0.net
雪乃「誰でも…いい?」

八幡「ああ。誰でもいい。最悪平塚先生でもいい。とりあえず難易度高そうな奴から片っ端に告白することにしたんだ」

雪乃「…だから最初に私に告白したの?」

八幡「は?いやいや、お前は6人目なんだが」

雪乃「 」

八幡「陽乃さん、めぐり先輩、海老名さん、三浦、相模、お前だよ」

雪乃「この私が…相模さん以下…?」

5: 2014/04/30(水) 00:02:59.60 ID:vWmHa3+k0.net
八幡「勘違いするなよ、お前に告白した時点ではお前が繰り上げ一番だったんだ」

雪乃「嬉しくないわよ」

八幡「と言うわけでもう一度問い直す、俺と付き合ってくれ」

雪乃「どうしてそんなに新鮮にやり直せるのか理解が追いつかないのだけれど」

八幡「本気でお前のことが好きなんだ」

雪乃「消去法でしょ」

八幡「俺にはお前しかいない」

雪乃「さっき由比ヶ浜さんがどうのこうのって言ってた気がするのだけれど」

8: 2014/04/30(水) 00:10:10.01 ID:vWmHa3+k0.net
八幡「やっぱダメか…よし!じゃあ由比ヶ浜のとこ行ってくるわ」

雪乃「いやいやいやいや、ウェイトウェイト」

八幡「なんだよ止めんなよ、由比ヶ浜帰っちゃうだろ」

雪乃「一旦状況を整理させてちょうだい」

八幡「早くしてくれよ」

雪乃「由比ヶ浜さんは7人目、つまり私は一歩リード。なるほどね」

八幡「何がなるほどねだよ、もう行っていいか?」

雪乃「いいわよ」

八幡「やっと解放された、なんだったんだ」

雪乃「待ちなさい、誰が行っていいと言ったの?」

八幡「今あなたが言いましたよね」

雪乃「付き合ってあげてもいいと言ったの」

八幡「…はい?」

10: 2014/04/30(水) 00:15:07.29 ID:vWmHa3+k0.net
雪乃「ところで八幡、今日はこの後まっすぐ帰るの?」

八幡「いやいや、なにナチュラルに名前で呼んだんだよ」

雪乃「あら、恋人とはそういうものだと思うのだけれど」

八幡「いや、まだ付き合うって決まったわけじゃ…」

雪乃「何を言ってるのかしら?あなたから告白して来たんじゃない」

八幡「確かにそうなんだが、正直引いてる」

雪乃「今日は天気がいいわね、この後ピクニックにでも行きましょうか」

八幡「おい話逸らすな」

雪乃「なによしつこいわね、私が付き合ってあげてもいいと言ってるのよ?」

八幡「ごめんなさい、やっぱりさっきの告白取り消します」

雪乃「ごめんなさいそれは無理」

八幡「えぇ…」

14: 2014/04/30(水) 00:21:31.18 ID:vWmHa3+k0.net
雪乃「今更無理に決まってるでしょ?もしここで私を捨てたら凄いことになるわよ?」

八幡「あまり聞きたくないんだが…どうなるんだ?」

雪乃「千葉県が滅ぶわ」

八幡「えげつねえ!!お前ならやりかね無いから怖え!!」

雪乃「言ったはずよ、私は虚言は吐かないと。千葉県の命運はあなたに懸かってるわ」

八幡「分かった分かったから!付き合うから!ピクニックにも行くから!千葉県を虐めないで!この子は何もしてないわ!」

雪乃「分かればいいのよ」

八幡「悪魔だ…」

雪乃「何か言ったかしら?」

八幡「いえ、なにも」

17: 2014/04/30(水) 00:29:22.22 ID:vWmHa3+k0.net
結衣「やっはろー!」

雪乃「こんにちわ」

八幡「うす」

雪乃「ところで八幡、この後どうするの?」

結衣「え?この後ってなんかあるの?っていうか何でゆきのんヒッキーのこと名前で呼んでるの?」

雪乃「あら、言ってなかったかしら。この度私たち付き合うことになったのよ」

結衣「えええ!!!???」

八幡「なにが言ってなかったかしらだよ、ついさっき付き合い始めたばっかだろうが」

雪乃「細かい事言う男の人は嫌われるわよ。私はそんな所も含めてあなたを愛しているのだけれどね」

八幡「デレ過ぎだろ!」

結衣「うぅ…ヒッキー!どういうことか説明して!」

八幡「やっぱり俺に振るんですね」

20: 2014/04/30(水) 00:37:49.92 ID:vWmHa3+k0.net
八幡「かくかくしかじか」

結衣「それって全部ヒッキーが悪いんじゃん!?サイテー!キモい!っていうかマジありえない!!」

八幡「落ち着け由比ヶ浜、あんまり騒ぐと奴に居場所がバレる」

結衣「奴って誰だし!って言うかゆきのんもゆきのんだよ!消去法で選ばれて付き合ってそれで満足なの!?」

雪乃「確かに多少の屈辱感は感じたわ。でもここで彼を野放しにしたら何処の馬の骨かも分からない女と交尾しかねないじゃない?あなたはそれでいいの?」

結衣「うぅ…それは」

雪乃「そういう理由で仕方なく付き合ってるだけよ」

八幡「おい、さっき愛してるって言わなかったか?」

雪乃「今日は天気がいいわね、この後ハイキングなんてどうかしら」

八幡「おい」

結衣「じゃ、じゃあ…あたしがヒッキーと付き合うし!!」

雪乃「ごめんなさいそれは無理」

24: 2014/04/30(水) 00:45:38.39 ID:vWmHa3+k0.net
結衣「どうしてさ!ゆきのんは仕方なくヒッキーと付き合ってるんでしょ?あたしは…あたしはヒッキーのことが」

雪乃「黙りなさい」

八幡(え、なにこの状況?これが修羅場って奴ですか?これがガーリッシュラバーってやつなの?)

結衣「ヒッキーはどうなの!?ヒッキーは本当にゆきのんの事が好きなの?」

八幡「いや、別に好きってわけじゃ…」

雪乃(ギロッ)

八幡「大好きです!今度は嘘じゃないです!」

雪乃「どこのリバウンド王よ」

結衣「今ヒッキーのこと脅したでしょ!」

雪乃「変な言い掛かりはやめて頂戴。私だって怒ることぐらいあるのよ」

結衣「それはこっちのセリフだし!」

29: 2014/04/30(水) 00:53:30.19 ID:vWmHa3+k0.net
結衣「ヒッキーもヒッキーだよ!嫌なら嫌ってハッキリいいなよ!」

八幡(俺だってそうしたいが千葉県の命運が懸かってるんだ…)

八幡「いや、本当に好きなんだって」

結衣「だってヒッキーどう見ても無理してるよ…?」

八幡「してない」

結衣「してるし!」

雪乃「由比ヶ浜さん、あまり私のダーリンを虐めないでくれるかしら」

結衣「デレ度が増した!?」

雪乃「私たちこの後デートをする予定だから今日の部活はここまでにしましょう」

八幡「お、おう。そうだな」

結衣「ね、ねえ…待ってよヒッキー…」

八幡(頼むからそんな捨てられた子犬みたいな目で見つめないでくれ…)

結衣「ねぇ、お願い。どうしたら本当のこと言ってくれる…?」

31: 2014/04/30(水) 01:03:27.69 ID:vWmHa3+k0.net
雪乃「八幡、行きましょ」

八幡「…」

結衣「ねえ、ヒッキー…」

八幡(……本当にこれでいいのか?俺はなにか間違ってないか?本当にこのルートで合ってるのか?)

八幡「雪ノ下、俺は」

雪乃(ギロッ)

八幡「くっ…」

結衣「ねぇヒッキー…?もしも、もしもだよ?わたしがずっと…ずっとヒッキーの事が好きで、今ここで付き合ってくださいってお願いしたら…そしたら、ヒッキーの本当の気持ち聞かせてくれる?」

八幡「…由比ヶ浜、お前…」

雪乃「…」

八幡(…俺が本当に守りたかったものは何だ?千葉県なのか?目の前にいるこの純粋な少女の笑顔じゃないのか?)

結衣「ねぇ、ヒッキー…?」

37: 2014/04/30(水) 01:17:02.02 ID:vWmHa3+k0.net
八幡(……そうか、俺はこの少女に、由比ヶ浜結衣に幸せになって欲しかったんだ。これが偽りのない俺の気持ち。でも俺なんかを好きでいたらこの少女は間違いなく不幸になる。なら…由比ヶ浜が幸せになる方法なんてこれしかねえだろ。)

八幡「はあ?イキナリなにいい出してんだお前?」

結衣「ヒッキー…?」

八幡(嫌だ、こんな事言いたくない。そんな悲しそうな目で見ないでくれ」

八幡「気持ち悪いから冗談でもそういうのやめろよな。反吐が出る。俺は雪ノ下の事を愛してるんだ。これ以上俺たちの邪魔をするなら俺も手段を選ばないが」

結衣「ヒッキー、冗談だよね…?冗談だって言ってよ…」

八幡(これ以上、この子を傷つけたくない…早く終わらせよう。早く決定的なセリフを言うんだ…。)

八幡「俺の気持ちが知りたいっていったな?なら聞かせてやるよ。俺は出会った時からお前の事が大嫌いだったんだ。その頭の悪そうな喋り方とか妙に馴れ馴れしいくせに無力なところとか全部含めてお前の事が大嫌いだった」

結衣「嘘…だよ…ヒッキーはいつも守ってくれて…ヒッキーは…」

八幡「まだ言ってんのかよ、行こうぜ雪乃」

雪乃「え、ええ。」

結衣「うぅ…ヒッキー…ヒッキー!!うわあああああん!!」

44: 2014/04/30(水) 01:29:46.50 ID:vWmHa3+k0.net
こうして一人の勇敢な少年のおかげで千葉の平和は守られたのだった…




陽乃「はい、カット!!」

結衣「終わった~!」

雪乃「姉さん、この脚本ツッコミ所が満載なのだけれど本当にこれで良かったのかしら?

陽乃「あー、いいのいいの!面白ければなんでもよし!」

雪乃「私の役があまりにも悪人過ぎて上手く演じられた自信がないわ」

八幡「心配するな、迫真の演技だったよ」

雪乃「それほ褒め言葉として受け取っていいのかしら」

八幡「皮肉だよ」

雪乃(ギロッ)

八幡「ひぃぃ!命と千葉だけは!!」

雪乃「千葉の命運は貴方が守ったでしょ」

46: 2014/04/30(水) 01:38:25.35 ID:vWmHa3+k0.net
こうして今回の依頼人、雪ノ下陽乃さんの映画撮影の手伝いという依頼は完遂した。

陽乃「いや~皆本当に良かったよ!特に由比ヶ浜ちゃん!」

結衣「そうですか~?えへへ」

陽乃「雪乃ちゃんと比企谷くんの演技も良かったよ~!今回限りっていうのは勿体無いぐらい!ぜひまた協力してね!」

八幡「勘弁してください」

雪乃「誠に遺憾ではあるけれど彼に同意するわ」

八幡「なんだその遺憾の意は」

結衣「私はまたやりたいけどなー。今度はアクション映画とか!」

八幡「ああ、勝手にやってくれ」

雪乃「頑張ってちょうだい」

結衣「仕方ないなぁ…じゃあ今度は彩ちゃんも呼ぼう!」

八幡「よし、やろうぜ雪ノ下」

雪乃「あなたって人は…」

49: 2014/04/30(水) 01:53:49.72 ID:vWmHa3+k0.net
陽乃「とりあえず今日はお疲れ様!協力してくれたお礼にご飯でも食べに行こうか!好きなもの奢ってあげる」

結衣「やったー!ゆきのん!なに食べたい!?」

雪乃「ボランティア活動に見返りを求める奉仕部の精神に反すると思うのだけれど」

陽乃「雪乃ちゃんったらまたそんな堅いこと言ってー!」

雪乃「姉さん、あまり近づかないでくれるかしら」

陽乃「もー雪乃ちゃんってば可愛いなあ」

結衣「ほらほら、ゆきのん早く行こ!」

雪乃「ちょっと、押さないでちょうだい」

50: 2014/04/30(水) 01:59:19.04 ID:vWmHa3+k0.net
八幡「やれやれ」

八幡「飯食べに行くなら一応小町にも連絡しとくか」

陽乃「ひーきがーやくん!」

八幡「うわ!なんですかイキナリ」

陽乃「結局、映画の中では雪乃ちゃんを選んだ形になっちゃったけど現実ではどっちを選ぶつもりなのかな?」

八幡「はい?」

陽乃「きちんと決めといた方がいいと思うよ」ニコッ

何を言ってるんだこの人は。この物語はフィクションであって現実じゃない。
どっちを選ぶもくそもないだろ。

でも、もしも、俺がこの映画の主人公だったなら、きっと俺は……


やはり奉仕部の映画撮影は間違っている

fin

52: 2014/04/30(水) 02:04:32.49 ID:0fc0KCwn0.net
きれいでいいとおもいます

53: 2014/04/30(水) 02:04:55.61 ID:wojZg0Jp0.net
次行こうか

55: 2014/04/30(水) 02:09:51.29 ID:vWmHa3+k0.net
いつも立て逃げしてたが初めて完走してしまった
改めて読み直したらキャラ崩壊し過ぎててワロタ

56: 2014/04/30(水) 02:13:35.77 ID:YuywJ3vV0.net
自分で実質攻略不可だと言ってる陽乃さんの攻略はよ

引用元: 八幡「俺の女にならんか」 雪乃「ごめんなさい、それは無理」