1: 2010/06/11(金) 03:07:50.42 ID:8gPrNSHYO
死は誰にでも突然訪れる。
街を幸せそうに歩いているカップルにも家で誕生日会をやっている家族にも突然氏は訪れる。
2009年の6月11日。
私が高校二年の頃に私の妹が事故で氏んだ。
私が憂が氏んだ事を電話で聞かされたあの日。
どうかなりそうだった。
ショックで自分自身をかき消してしまいそうだった。
1年年経った今も憂が氏んでしまったショックから立ち直れずにいる。
けいおん!!コンパクト・コレクションBlu-ray

10: 2010/06/11(金) 03:14:32.03 ID:8gPrNSHYO
私は憂が氏んでしまった苦しみから逃げていた。
学校に行かず友達とも会わず、ただ憂の部屋で一日を過ごしていた。
憂がもういない事は分かってる分かってるんだけど、何故か憂の部屋にいると感じるんだ。
私の側に憂がいるんじゃないかって錯覚してしまうんだ。

12: 2010/06/11(金) 03:23:12.77 ID:8gPrNSHYO
唯「憂…いるよね?」

誰もいない部屋で私はポツリと呟く。
返事は当然無く静かな部屋に私の声が消えていくだけ。
分かってる……。
氏んでしまった憂を私が呼んでも返事が無い事ぐらい分かってる。
分かってる…だけど、私は憂の声が聞きたい。
あの明るく元気な声を私はもう一度聞きたい…。

13: 2010/06/11(金) 03:34:24.85 ID:8gPrNSHYO
朝、私が寝ていると憂が私を起こしに来てくれる。
食卓には憂が作った朝ご飯。
私はそれを食べて憂と一緒に学校へ行く。
それが日常だった。
今でも時々だけど夢を見る。
憂が生きていた頃の夢を見る。
本当にあの頃に戻りたい。
憂が生きていた頃に戻ってもう一度、憂と話したい遊びたい二人で色んな事をしたい。

16: 2010/06/11(金) 03:49:56.05 ID:8gPrNSHYO
私の願いは叶う事は無いと分かってる…でも、私はこれから何年も同じ事を思い続けるだろう。
憂の事が大好きだから。

唯「……………電話だ」

ケータイの着信音が微かに自分の部屋から聞こえる。
私は憂の部屋から出て自分の部屋へと行く。

唯「誰からだろ……」

ベットの上に置いてあるケータイを手に取る。
電話を掛けて来たのはりっちゃんだ。

19: 2010/06/11(金) 03:56:48.66 ID:8gPrNSHYO
唯「もしもし?」

律「あ、唯か?」

唯「うん」

律「今日は学校…来ないんだよな?」

唯「うん、ごめん」

律「そ、そっか…わかった…」

唯「ごめん……」

律「別に謝る事じゃ無いぞ!じゃあ切るからな」

唯「うん…バイバイ」

律「バイバイ」

21: 2010/06/11(金) 04:04:46.55 ID:8gPrNSHYO
唯「はぁ…………」

今日も学校に行かなかった自分にもの凄く嫌気がさす。
ケータイをベットの上に投げ捨て憂の部屋へと戻る。

唯「あれ……?」

憂の机の上にノートがある。
確か憂の机の上にはノートは無かった筈だ。

23: 2010/06/11(金) 04:16:23.32 ID:8gPrNSHYO
ノートの表紙には平沢憂と名前が書かれている。
多分、憂が学校で使っていた物だと思う。
ノートを手に取り開く。
まだ何も書かれていないみたいだ。
憂がまだ生きてればこのノートも使われていたのかなぁ…そう思うとまた憂鬱な気分になる。

26: 2010/06/11(金) 04:26:28.76 ID:8gPrNSHYO
突然、ノートに文字が浮かび上がった。
私は何もしていないしペンも持っていない。
私はただ、ノートに次々と浮かび上がる文字を目で追っていた。
一つ一つ浮かび上がる文字……それを全て繋げると文章になった。
ノートに書かれた文章はこう書かれていた。
『お姉ちゃん元気?』
不思議だノートに急に文字が浮かび上がった事…それに憂が私の側にいる気がする。
錯覚や勘違いじゃ無く本当に私の側にいる気がする。

28: 2010/06/11(金) 04:40:24.04 ID:8gPrNSHYO
憂『あ…憂だよ』

またノートに文字が浮かび上がる。

唯「…憂?」

憂『うん、久しぶりお姉ちゃん』

唯「本当に憂?」

憂『そうだよお姉ちゃん』

31: 2010/06/11(金) 04:48:42.40 ID:8gPrNSHYO
本当に不思議だ……。
憂が…憂が…ノートを通じて私に話しかけているなんて。

唯「本当の本当に憂?」

憂『そうだよ…嘘じゃないよ!』

唯「憂……夢だよね?」

憂『夢なんかじゃないよ…信じてくれる?』

唯「う、うん!信じるよ」

34: 2010/06/11(金) 04:59:29.06 ID:8gPrNSHYO
憂『ありがとう!』

唯「うん……でもまだ、夢なんじゃないかな?って思うよ…憂がこうしてノートで話しかけてくれるなんて……」

憂『ううん…夢じゃないよ……私、お姉ちゃんとずっとお話したかった』

唯「私も……私も憂と沢山お話したかったんだよ!本当に夢みたいだよ…」

35: 2010/06/11(金) 05:09:16.43 ID:8gPrNSHYO
唯「うぅ…憂…ひっぐ…寂しかったよぉ……」

憂『お姉ちゃん…私も寂しかった……』

唯「憂が氏んだ日から…こうして憂とお話が出来る日を…ずっと願ってた…」

憂『お姉ちゃん……私が氏んだ日から元気無かったもんね…』

唯「憂は今…何処にいるの?」

憂『お姉ちゃんの側にいるよ』

38: 2010/06/11(金) 05:17:28.10 ID:8gPrNSHYO
唯「そうなんだ……何だかそんな気がしてたよ…」

確かに…側に憂がいる。
姿も見えないし、声も聞こえないけど確かに憂が私の側にいる。

唯「ねぇ……憂?」

憂『なに?』

唯「聞きたい事があるんだ…」

憂『何でも聞いていいよ』

唯「氏んだ後の世界ってどうなのかなぁ?」

39: 2010/06/11(金) 05:27:08.09 ID:8gPrNSHYO
憂『えーと…わからないよ』

唯「わからないの?」

憂『うん…何故か氏んでからこの部屋から出られないんだ…だから天国とか地獄とか言われてもわからない…氏んだ後も私の部屋から出られ無い事を除けば何時もと変わら無いよ』

唯「そーなんだぁ…」

42: 2010/06/11(金) 05:36:45.02 ID:8gPrNSHYO
憂『氏んだ後の世界知りたかったの?』

唯「ううん…ただ興味があっただけだよ!憂はきっと天国に行くと思うよ!』

憂『ありがとう、お姉ちゃん…天国ってどんな所なのかな?』

唯「わかんないよー」

憂『そうだよね…何だか不安だな』

43: 2010/06/11(金) 05:46:36.79 ID:8gPrNSHYO
唯「憂が天国に行っちゃったら…ノートでお話出来ないのかなぁ?」

憂『わからない、でも私はまだ天国に行かないよ』

唯「うん…ずっとノートでお話したいもんね!」

憂『うん、そうだね』

唯「私が氏んだ時に一緒に天国行こうね!」

憂『そうだね』

44: 2010/06/11(金) 05:51:07.96 ID:8gPrNSHYO
憂『あ、お姉ちゃん今日も学校行ってないんだね』

唯「ご、ごめん……」

憂『私が氏んでから、まともに学校行って無いもんね』

唯「うん……」

憂『私からお願いがあるんだ』

唯「なぁに?」

憂『明日からは、ちゃんと学校行ってくれる?』

唯「うん、いいよ!」

49: 2010/06/11(金) 06:02:40.79 ID:8gPrNSHYO
唯「私、憂が氏んだ事からずっと逃げてた…学校にも行かず、憂の部屋でただぼーっと過ごしてた」

憂『うん』

唯「だけど…明日から学校行くよ!」

憂『約束だよ』

唯「うん!絶対行くよ!みんなにも迷惑かけたから謝らないとダメだよね」

憂『頑張って!応援してる』

51: 2010/06/11(金) 06:09:54.17 ID:8gPrNSHYO
唯「憂?」

憂『なに?』

唯「あずにゃんや純ちゃんと話したい?」

憂『うん、話したいよ』

唯「明日あずにゃんと純ちゃんにこのノート見せるよ!」

憂『本当に?ありがとう!』

53: 2010/06/11(金) 06:17:25.95 ID:8gPrNSHYO
唯「きっと喜ぶよ!」

憂『うん!』

唯「あ…あのね、憂が氏んでから…毎日が楽しく無かった…学校に行ってる時も部活やってる時も憂の事が頭から離れ無くて楽しめる気分じゃ無かった…でも今は楽しいよ凄く楽しいよ」

憂『私もだよお姉ちゃん』

54: 2010/06/11(金) 06:25:41.43 ID:8gPrNSHYO
憂『お姉ちゃんご飯とかどうしてる?』

唯「お母さんがいる時はお母さんが作ってくれてるよ!」

憂『お母さんが作ってくれてるんだ今はお母さんいる?話したいな』

唯「今は…お父さんの仕事で遠くにいるよ…ごめんね」

憂『お姉ちゃんが謝る事じゃ無いよ!お母さんがいない時はどうしてる?』

唯「えーと…コンビニでお弁当買ってる」

55: 2010/06/11(金) 06:31:37.27 ID:8gPrNSHYO
憂『コンビニなんだ…』

唯「う、うん…料理は今まで憂が作ってくれたからね…私あまり料理上手じゃないから」

憂『でも自分で作らなきゃダメだよ』

唯「うん…」

憂『私が教えるよ!』

58: 2010/06/11(金) 06:38:39.30 ID:8gPrNSHYO
唯「本当に?」

憂『うん、お姉ちゃんには早く一人で何でも出来るようになって貰いたいから』

唯「私には憂がいないとダメだからね!」

憂『お姉ちゃん…これからは私がいなくても一人で料理作れるようにならなきゃダメだよ?』

唯「うん!」

61: 2010/06/11(金) 06:47:40.78 ID:8gPrNSHYO
唯「でも…どうやって料理を私に教えるの?」

憂『私は自分の部屋から出られ無いから…あ、ノートにレシピを書くよ』

唯「うん!」

憂『冷蔵庫には何がある?』

唯「豚肉があったよ!」

憂『じゃあ豚のしょうが焼きにしようねレシピ今から書くからね』

63: 2010/06/11(金) 06:50:58.04 ID:8gPrNSHYO
憂『これで終わりだよ』

唯「分かりやすいよ!ありがとう」

憂『どういたしまして』

唯「もうお昼だし早速作って来るよ!」

憂『うん、火には気をつけてね!包丁も危ないし落とさ無いようにしてね』

唯「もぉー大丈夫だよ!じゃあ作ってくる」

憂『頑張ってね』

66: 2010/06/11(金) 06:59:17.49 ID:8gPrNSHYO
・・・・・・・・・

唯「出来たよー!」

憂『よかったね!』

唯「憂しょうが焼き見えてるー?」

憂『うん、見えてるよ美味しそうなしょうが焼きだね』

唯「ありがとー!」

憂『お姉ちゃん食べてみて』

唯「うん、いただきまーす」

68: 2010/06/11(金) 07:03:05.36 ID:8gPrNSHYO
唯「美味しかったぁ!」

憂『よかったね!』

唯「憂のレシピのおかげだよー」

憂『お姉ちゃんが頑張ったからだよ』

唯「えへへ~ありがとぉ!」

憂『うん、これからお姉ちゃんがいっぱい料理出来るようにレシピを沢山書くからね』

唯「うん!ありがとう!」

72: 2010/06/11(金) 07:19:04.09 ID:8gPrNSHYO
それから私達は夜中まで話した。
今まで憂に話したかった事を全て話した。
とっても楽しかった。
憂が氏んでる事なんか忘れるぐらい楽しかった。
それに、明日が本当に楽しみだ。
姿は見え無いけど憂が喜ぶ顔が目に浮かぶ。
あずにゃんや純ちゃんもきっと驚くだろうなぁ…。

唯「憂おやすみ~」

憂『おやすみお姉ちゃん』

憂から返事が来た事を確認すると私は瞼を閉じた。

74: 2010/06/11(金) 07:27:48.35 ID:8gPrNSHYO
翌朝。

唯「うぅ……」

私は目を覚ましノートを探す。

唯「あれ?…ノート何処やったっけ?」

確かノート抱いて寝た筈だ。
だけど無い…布団をめくりノートを探すが何処を探しても無い。

唯「ノートが…ノートが無いよぉ…」

76: 2010/06/11(金) 07:40:08.87 ID:8gPrNSHYO
唯「ベットに無いよ…あ!ベットの下にあるかも」

ベットの下を覗くとノートはあった。
私はほっと一息付いてノートを開く。

憂『お姉ちゃんおはよう、このノートは大切なノートだから、決まった場所に置いて無くさ無いようにしなきゃダメだよ!』

唯「ご、ごめん…」

憂『それじゃあ、制服に着替えよっか』

唯「うん!」

79: 2010/06/11(金) 07:47:27.69 ID:8gPrNSHYO
唯「ねーねー憂」

憂『なに?』

唯「このノートの事みんな信じるかなぁ?」

憂『信じると思うよ!お姉ちゃんが信じてくれたように私の友達も信じてくれるよ』

唯「そーだよね!じゃあこのノート学校に持って行くね」

憂『うん!』

80: 2010/06/11(金) 07:54:25.23 ID:8gPrNSHYO
唯「じゃあ…行ってくるね」

憂『うん!』

唯「バイバイ憂」

憂『バイバイお姉ちゃん今日の夜ご飯のレシピ書いとくからね』

唯「うん!行ってきまーす」

憂『行ってらっしゃい』

82: 2010/06/11(金) 08:00:09.56 ID:8gPrNSHYO
唯「あ…りっちゃんから電話だ」

律「あ、もしもし」

唯「りっちゃんおはよう…えーと今日ね」

律「今日も学校休むのか?」

唯「ううん…行くよ今向かってる途中だよ」

律「そっか!!よかった…じゃあ学校で待ってるからな!」

唯「うん!バイバイ」

律「じゃあなー!」

86: 2010/06/11(金) 08:07:31.65 ID:8gPrNSHYO
学校。

律「今日唯が学校に来るって!」

紬「ほ、本当?」

律「あぁ!本当だ!」

澪「よかった…最近学校に来て無かったから心配してたんだ」

紬「梓ちゃんも喜ぶわね!」

和「本当によかったわ…私達が今まで遅れてた分の勉強教えないとね」

律「そうだな!」

唯「み、みんなおはよう」

律「来た!」

88: 2010/06/11(金) 08:16:59.52 ID:8gPrNSHYO
唯「えーと……」

律「久しぶりだな!」

澪「元気にしてたか?」

唯「う、うん…今まで迷惑かけてごめんなさい」

紬「迷惑だなんて…そんな事ないわ!」

律「あぁ!むしろ沢山迷惑かけていいからな!」

澪「うん…私達が唯を支えるから」

和「だから謝ら無くていいのよ?」

唯「みんな…ありがとう…」

91: 2010/06/11(金) 08:26:39.26 ID:8gPrNSHYO
唯「明日からは学校ちゃんと行くから」

律「そうかー!部活は大丈夫か?」

唯「うん!これからもよろしく!」

紬「えぇ!唯ちゃんよろしくね」

唯「あ…でも、今日は部活出来無いよ…ごめん」

澪「だ、大丈夫だって!」

唯「明日からは部活ちゃんとするね!」

92: 2010/06/11(金) 08:33:19.36 ID:8gPrNSHYO
唯「あ…みんなに見せたい物があるんだ」

律「何だ?」

唯「ほら、このノート凄いんだ!」

和「憂ちゃんの名前…」

唯「うん…憂のノート何だけど…とりあえず中を見てよ」

律「うん…」

94: 2010/06/11(金) 08:42:42.77 ID:8gPrNSHYO
紬「不思議ね…勝手に文字が…」

律「あ、あぁ…透明人間が書いてるみたいだ」

和「じゃがいも…砂糖…料理のレシピを書いてるのかな?」

澪「み、みたいだな…」

唯「これ…憂が書いてるんだ!」

和「え…憂ちゃんが?」

唯「うん!」

97: 2010/06/11(金) 08:58:12.45 ID:8gPrNSHYO
唯「ごめん…いきなりこんな事言っても信じる分け無いよね」

律「いや…信じるぞ」

唯「りっちゃん…」

律「だって…ほら普通の紙だし…」

紬「私も信じるわ…」

唯「ありがとう…みんな今日は私の家に来て欲しいんだ…あずにゃんや純ちゃんも誘って」

澪「どうしてだ?」

唯「私の家に憂がいるから…」

98: 2010/06/11(金) 09:06:40.95 ID:8gPrNSHYO
和「でも…憂ちゃんは……」

唯「うん…姿は見えないけど家にいるんだよ」

澪「姿は見えないって…お化けか!?」

唯「そうだけど…憂は悪いお化けじゃ無いよ!」

澪「そ、そうだよな…」

和「………わかった、みんなで唯の家に行きましょ」

99: 2010/06/11(金) 09:11:30.87 ID:8gPrNSHYO
唯「じゃあ…放課後みんなで私の家に行こうね」

律「わかった!」

唯「あずにゃんと純ちゃんは私が誘うから」

澪「うん……」

唯「みんな本当にありがとう」

和「大丈夫よ…もうHRが始まるから席に付きましょう」

唯「……うん!」

100: 2010/06/11(金) 09:17:25.73 ID:8gPrNSHYO
すみません寝ます完結は必ずさせます

145: 2010/06/11(金) 19:10:47.36 ID:U4v0HK7TO
昼休み。

唯「じゃあ私、あずにゃんと純ちゃんがいる教室に行くからね」

律「あ…あぁ」

紬「行ってらっしゃい唯ちゃん」

唯「うん!」

澪「すっかり元気になったな」

和「えぇ……」

146: 2010/06/11(金) 19:13:29.31 ID:U4v0HK7TO
あれ?ID変わってるけど1です

148: 2010/06/11(金) 19:21:02.12 ID:U4v0HK7TO
和「唯…大丈夫かな?」

澪「………………」

律「大丈夫だろ!」

和「でも…憂ちゃんがノートを書いているなんて…信じられないわ」

澪「うん…」

紬「そうね…でも私は唯ちゃんを信じるわ、あのノートの事も唯ちゃんの家に憂ちゃんがいるって事も信じるわ」

和「そうよね……唯が嘘を言う分け無いよね」

149: 2010/06/11(金) 19:25:56.61 ID:U4v0HK7TO
二年教室。

唯「あ…あずにゃん?」

梓「ゆ、唯先輩!」

唯「ごめんね迷惑かけて…」

梓「迷惑なんて…そんな事無いですよ」

唯「純ちゃんいる?」

梓「いますよ、今呼んで来ますね」

152: 2010/06/11(金) 19:36:47.79 ID:U4v0HK7TO
純「どうしたんだですかー?」

唯「うん、今日は二人にお話があるんだ」

梓「お話?」

唯「憂とお話したくない?」

梓「え………?」

純「憂と…?」

唯「う、うん…あのね不思議なノートがあるんだ!」

153: 2010/06/11(金) 19:43:38.18 ID:U4v0HK7TO
梓「唯先輩…憂は……」

唯「うん…でもこのノートがあれば憂とお話出来るだよ」

梓「どういう事ですか?」

唯「えーと…このノートに文字が浮かび上がるんだ!憂が文字を書いていて…えーと…えーと…」

純「……憂とお話出来るんですよね?」

唯「うん!」

154: 2010/06/11(金) 19:50:54.30 ID:U4v0HK7TO
唯「とにかく今日は私の家に来れる?」

梓「は、はい行けます」

純「私も大丈夫です…」

唯「じゃあ今日は私の家に来てね!みんなも行く予定だから」

梓「澪先輩達もですか?」

唯「うん!放課後みんなで私の家に行こうね」

梓「はい…分かりました…」

156: 2010/06/11(金) 19:57:02.20 ID:U4v0HK7TO
唯「じゃあ私は教室に戻るね」

梓「は、はい!」

唯「放課後また会おうね」

純「わ、わかりました……」

梓「あ…唯先輩!」

唯「なぁに?」

梓「元気になったみたいで…よかったです」

唯「ありがとうあずにゃん!じゃあバイバイ」

梓「さようなら…」

159: 2010/06/11(金) 20:06:42.81 ID:U4v0HK7TO
梓「純はどう思う?」

純「ノートの事?」

梓「う、うん…」

純「あまり…信じて無いかなぁ」

梓「そうだよね…ノートで憂とお話が出来るなんて…」

純「うん……」

161: 2010/06/11(金) 20:11:43.02 ID:U4v0HK7TO
放課後。

唯「あ…みんな来た来たぁ!」

紬「おまたせ唯ちゃん」

唯「うん!じゃあ行こうよ!」

梓「はい……」

唯「みんなきっと憂の部屋に入ったらびっくりするよ!」

澪「憂ちゃんの部屋に憂ちゃんがいるのか?」

唯「うん!」

162: 2010/06/11(金) 20:16:27.04 ID:U4v0HK7TO
唯「着いたよー!」

和「…………………」

唯「みんな急に立ち止まってどうしたの?」

律「……早く入ろうぜ」

唯「うん!どーぞ!」

一同「お邪魔します」

164: 2010/06/11(金) 20:22:09.49 ID:U4v0HK7TO
唯「みんな憂の部屋だよー」

純「…………………」

唯「どうしたの?入ら無いの?」

律「いや…入りにくてな…」

唯「そっかぁ…大丈夫だよ憂がこの部屋にいるから!」

和「えぇ……じゃあ入るわね」

唯「うん!」

168: 2010/06/11(金) 20:42:49.95 ID:U4v0HK7TO
和「……………」

律「ど、どうしたんだ?」

和「入って見て……」

律「あ、あぁ……」

唯「憂が側にいる感じがするでしょ?」

律「本当だ…それに寒いな…クーラー付けてるのか?」

唯「付けて無いよ!」

172: 2010/06/11(金) 20:50:03.94 ID:U4v0HK7TO
梓「憂……ぐすっ…」

唯「あずにゃん……泣かないで」

梓「はい…本当に憂が側にいる気がします」

純「…………うん」

唯「ほら、ノート見て」

憂『皆さん今日は来てくれとありがとうございます』

梓「ノートが……」

純「本当に文字が…勝手に………」

175: 2010/06/11(金) 20:55:44.52 ID:U4v0HK7TO
憂『梓ちゃんも純ちゃんも来てくれてありがとう』

純「憂…………」

唯「あ…三人で話したい事が沢山あると思うから、みんなは私の部屋でお話しようよ!」

紬「そうね…」

憂『お姉ちゃんありがとう』

唯「ううん大丈夫だよ!三人でいっぱいお話しててね!」

梓「はい…ありがとうございます」

177: 2010/06/11(金) 21:01:05.58 ID:U4v0HK7TO
唯「じゃあ…私の部屋に行こうよ」

澪「う、うん…」

律「だな…」

唯「じゃあ行こ!ギターとか勉強とか教えて欲しい事いっぱいあるから」

和「えぇ……」

唯「憂たくさんお話ししててね」

憂『うん!』

180: 2010/06/11(金) 21:07:24.14 ID:U4v0HK7TO
梓「本当に憂なんだよね?」

憂『うん、梓ちゃん純ちゃん久しぶり』

純「私、ずっと話したかったよ…」

憂『私もだよ本当に嬉しいよ』

梓「憂……今何処にいるの?」

憂『梓ちゃんの後ろにいるよ』

梓「そうなんだ…私達一緒にいるんだね」

憂『うん』

185: 2010/06/11(金) 21:22:27.21 ID:U4v0HK7TO
純「憂はお化けなの?」

憂『うん、そうみたい』

梓「お化けって怖いイメージがあるけど憂なら怖く無いよ」

憂『ありがとう梓ちゃん』

純「でも…本当に不思議だね」

梓「うん……」

188: 2010/06/11(金) 21:30:36.76 ID:U4v0HK7TO
憂『私が氏んだ後のお姉ちゃんってどうだった?』

梓「たまにしか…学校に来なくて元気も無かったよ…」

憂『そうなんだ』

梓「でも今は元気だよ、きっと憂のおかげだね」

憂『梓ちゃんありがとう』

189: 2010/06/11(金) 21:40:10.76 ID:U4v0HK7TO
純「また三人で遊びに行きたいなぁ…」

梓「うん」

憂『ごめんね、私自分の部屋から出られ無いから』

梓「出られ無いの?」

憂『うん』

純「……じゃあ毎日憂の部屋に来て、憂とノートでお話するよ」

梓「うん!毎日来るね」

憂『あのね、二人に大事なお話があるんだお姉ちゃんに言っちゃダメだよ』

191: 2010/06/11(金) 21:47:03.35 ID:U4v0HK7TO
梓「大事な話?」

憂『うん、私が今から書く事は切り取ってね』

梓「急にどうしたの?」

憂『ごめんね突然で、私ね成仏しなくちゃダメなんだ』

純「成仏…?」

憂『うん……』

194: 2010/06/11(金) 22:02:35.56 ID:U4v0HK7TO
梓「成仏って…憂はいなくなっちゃうの?」

憂『うん、ごめんね』

純「ずっと…ずっとこの部屋にいる事は出来ないの?」

憂『出来るよ、でも悪いお化けになっちゃうから』

梓「どういう事?」

憂『あのね、時々だけど思うんだお姉ちゃんが氏なないかなって……』

196: 2010/06/11(金) 22:16:31.55 ID:U4v0HK7TO
憂『ごめんねこんな事』

梓「憂……」

憂『でもね…お姉ちゃんとノートじゃなくて声でお話したい、お姉ちゃんから抱きしめられたい』

純「………………」

憂『お姉ちゃんが氏ねば私のこの願いは叶うんだよ』

202: 2010/06/11(金) 22:54:30.54 ID:U4v0HK7TO
梓「憂…唯先輩をどうするつもりなの?」

憂『わからないよ!お姉ちゃんと一緒にいたいって気持ちが前より段々強くなってきて頭がモヤモヤするんだ』

純「……………」

憂『このままじゃお姉ちゃんを傷付けてしまう気がするよ…』

梓「………………」

憂『だから、お姉ちゃんを傷付けてしまう前に成仏したい』

205: 2010/06/11(金) 23:07:19.04 ID:U4v0HK7TO
梓「憂…いつ成仏するの?」

憂『分からないよ、それに成仏の仕方が分からないよ』

純「そっかぁ……」

憂『ごめんね折角来て貰ったのにこんな暗い話し』

梓「ううん…いいよ」

憂『お姉ちゃんにはこの話し内緒だよ』

梓「うん…このページは切り取るね」

憂『あ…まだ書きたい事があるんだ』

209: 2010/06/11(金) 23:37:38.46 ID:U4v0HK7TO
梓「書きたい事?」

憂『手紙だよ』

梓「手紙は誰に書くの?」

憂『お姉ちゃんにだよ、もし私が成仏したら渡してくれる?』

梓「わ、わかった」

210: 2010/06/11(金) 23:45:21.63 ID:U4v0HK7TO
唯「あずにゃんまだ話してる?」

梓「あ…唯先輩が来たよ憂」

憂『うん、梓ちゃん頼んだからね』

梓「うん…」

憂『ありがとう』

唯「開けるよ?」

梓「は、はい!」

212: 2010/06/11(金) 23:49:59.35 ID:U4v0HK7TO
唯「憂楽しかった?」

憂『うん、楽しかったよありがとうお姉ちゃん』

唯「ううん…憂の為だもん」

澪「なぁ…唯、私達はそろそろ帰るから」

唯「うん!あずにゃんと純ちゃんも帰る?」

梓「はい、もう遅いですし帰ります」

純「憂また来るからね」

憂『うん、バイバイ今日はありがとう』

梓「うん……」

213: 2010/06/11(金) 23:58:52.45 ID:U4v0HK7TO
憂『澪さん律さん紬さん和さんもわざわざ来ていただいてありがとうございます』

和「ううん、いいのよ」

律「私達も時々来るからな」

憂『はい、あの…お姉ちゃんをよろしくお願いします』

唯「えへへ~みんなよろしくね」

憂『それじゃあみなさんさようなら』

唯「うんバイバイ!」

216: 2010/06/12(土) 00:11:19.82 ID:p1+vvhNVO
唯「みんな帰ったね」

憂『うん、お姉ちゃん今日の夜ご飯だけどレシピはもう書いてあるから一人で頑張れるよね?』

唯「うん!頑張ってみるよ!」

憂『うん、頑張ってみてね』

唯「ありがとう!ご飯作って来るよ」

229: 2010/06/12(土) 02:13:01.97 ID:p1+vvhNVO
唯「出来たよー!」

憂『今回も上手に出来たね』

唯「えへーありがとう」

憂『いいよ食べてみてお姉ちゃん』

唯「うん!……美味しいよ!」

憂『お姉ちゃんもう一人でご飯作れるようになったね!』

唯「うん!ありがとう」

232: 2010/06/12(土) 02:18:36.47 ID:p1+vvhNVO
憂『私もお姉ちゃんの料理食べたいな』

唯「……氏んだらご飯食べれないの?」

憂『うん、私食べたいよお姉ちゃんの料理食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい』

唯「ど、どうしたの!?」

憂『食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい』

唯「憂!憂ってばぁ!!!」

233: 2010/06/12(土) 02:24:19.32 ID:p1+vvhNVO
憂『お姉ちゃんごめんね…』

唯「いいよ!でも、どうしたの?」

憂『頭が急に痛くなって手が勝手に動き出したんだよ』

唯「大丈夫!?」

憂『うん、もう大丈夫だよ』

唯「うん…よかった!」

235: 2010/06/12(土) 02:30:53.39 ID:p1+vvhNVO
唯「……本当に大丈夫なの?」

憂『うん、大丈夫だよ』

唯「そういえば…私が風邪で学校休んでる時、憂が看病してくれたね」

憂『学祭の時の?』

唯「うん…もう一回だけ憂に看病してもらいたいなぁ……」

236: 2010/06/12(土) 02:38:33.33 ID:p1+vvhNVO
唯「憂が作ってくれたお粥美味しかったなぁ…憂が私のマネして部室に来た時もあったよね」

憂『うん』

唯「憂の顔見たいなぁ…声も聞きたいなぁ…やっぱり文字だけじゃ物足りないよ…」

憂『お姉ちゃん…』

唯「ごめんね贅沢だよね今はこうして文字で話せる事だけでも嬉しいよ!」

憂『氏ねば私に会えるよ』

唯「…………え?」

242: 2010/06/12(土) 02:49:39.58 ID:p1+vvhNVO
憂『ごめん、本当に頭が痛いよお姉ちゃん』

唯「………大丈夫?」

憂『うん、お化けも頭痛くなるんだね今日は休ませて』

唯「うん…わかった」

憂『お姉ちゃん、さっき私が書いた言葉、本気で思って書いたわけじゃ無いからね』

唯「うん……私お風呂入って来るね」

憂『うん』

244: 2010/06/12(土) 03:03:46.48 ID:p1+vvhNVO
お姉ちゃんと一緒に居たいって気持ちが日に日に強くなって来ている。

憂「お姉ちゃん……」

私の声はお姉ちゃんに届かないし姿だって見えない。
お姉ちゃんの肩に手を置いても通り抜けるだけでお姉ちゃんに触れない。
ギュッと抱きしめたい。
お姉ちゃんをギュッと力強く抱きしめたい。
それに、私はおかしくなって来てる。
頭や体がおかしくなって来てる。

248: 2010/06/12(土) 03:10:20.59 ID:p1+vvhNVO
お姉ちゃんが氏ねば私はお姉ちゃんに会える。
多分、抱きしめる事も出来るし声で話す事も出来る。
一緒に笑って泣いて励まして。
お姉ちゃんが氏ねば私の願いは叶う。
そんな事思っちゃダメだ…でもこのままじゃ私…お姉ちゃんを頃してしまいそうだよ。
私のお姉ちゃんへの愛情が歪んだ形となって頃してしまいそうだよ。
嫌だよ…そんなの。

250: 2010/06/12(土) 03:15:13.82 ID:p1+vvhNVO
唯「憂お風呂から上がったよ」

憂『うん』

唯「じゃあ私…寝るよ」

憂『うん、おやすみお姉ちゃん』

唯「うん!」

憂『いい夢見るといいね』

254: 2010/06/12(土) 03:26:42.57 ID:p1+vvhNVO
憂「お姉ちゃんの寝顔可愛いなぁ…」

本当に可愛い…でも一緒に寝れる事も無いんだよね。

憂「明日のご飯のレシピ書かないと…」

今は私がお姉ちゃんに出来る事を精一杯やらないと。
お姉ちゃんには早く一人で何でも出来るようになって貰いたいから…。

256: 2010/06/12(土) 03:35:34.46 ID:p1+vvhNVO
憂「終わった……」

これでお姉ちゃんがコンビニのお弁当を食べる事は無いよね。
お姉ちゃんは料理は下手じゃないから大丈夫だよね。
もう…私がいなくても大丈夫だよね。
ちゃんと学校に行く約束もした、ご飯も私のレシピがあるし大丈夫だよね。

憂「一人で大丈夫だよね…お姉ちゃん」

258: 2010/06/12(土) 03:58:59.98 ID:p1+vvhNVO
私が氏んでから心配だった。
お姉ちゃんの事が心配で心配で堪らなかった。
一人でご飯作れるか?学校に遅刻せずに行けるか?色々心配だった。
だって…お姉ちゃん何時も私を頼ってばかりいるんだもん。
でも大丈夫だよね私がいなくても、もう大丈夫だよね。
………今わかったんだ私が成仏出来ない理由がわかった。
お姉ちゃんの事が心配で成仏出来なかったんだ。
今は心配してないよ。
だってお姉ちゃんは私がいなくても大丈夫だと思うから。

263: 2010/06/12(土) 04:19:52.83 ID:p1+vvhNVO
憂「明日………」

私のお姉ちゃんへの愛情が歪んでしまう前にお姉ちゃんを傷付け無い為に本当は今すぐ成仏したい。
でも…それ以上に私はお姉ちゃんと一緒に居たい。
ずっとずっとお姉ちゃんと一緒に居たい。
私はこのままじゃお姉ちゃんを傷付ける悪いお化けになってしまう。
だから…明日お姉ちゃんとお別れだ。

265: 2010/06/12(土) 04:27:44.88 ID:p1+vvhNVO
翌日私は学校に行くお姉ちゃんに今日お別れする事を言えなかった。
だって…お姉ちゃん凄く楽しそう何だもん。
言えるわけ無いよ…でも言わなくちゃ。
何も言わないでお姉ちゃんとお別れするのは嫌だ。
だから…言わなくちゃ。

憂「お姉ちゃん……」

266: 2010/06/12(土) 04:36:18.43 ID:p1+vvhNVO
・・・・・・・・・・

唯「憂ー!おかえり」

憂『おかえりお姉ちゃん』

唯「あずにゃんと純ちゃん来てるよー!」

梓「憂今日も話そう」

純「いっぱい話そうね!」

憂『うん!』

267: 2010/06/12(土) 04:40:12.86 ID:p1+vvhNVO
憂『お姉ちゃん三人で話したい事があるんだ』

唯「うん!私はギターの練習してるね」

憂『うん、ありがとう』

唯「えへへーいいよ!じゃあ終わったら呼んでね」

憂『うん!』

269: 2010/06/12(土) 05:00:54.22 ID:p1+vvhNVO
憂『今日は来てくれてありがとう』

梓「いいよ私達友達でしょ?」

憂『うん、そうだよね友達だよね』

純「そうそう友達!」

憂『今日…私、成仏するんだ』

270: 2010/06/12(土) 05:03:10.97 ID:p1+vvhNVO
純「成仏って…いなくなるの?」

憂『うん、急でごめんね』

梓「急過ぎるよ…本当の本当に今日なの?」

憂『ごめんね』

梓「……………ぐすっ」

純「い、嫌だよ!」

271: 2010/06/12(土) 05:13:18.22 ID:p1+vvhNVO
憂『ごめんね、でもこのまま私がこの世にいたら私お姉ちゃんを傷付けちゃうから』

梓「憂ぃ…行かないでぇ…」

純「ひっぐ…うぅ……」

憂『ごめんね梓ちゃん純ちゃんごめんね』

梓「嫌だよぉ……」

憂『ごめんね、みんなと友達になれて嬉しかったよ』

274: 2010/06/12(土) 05:19:10.65 ID:p1+vvhNVO
憂『泣かないで二人共泣かないで』

梓「うぅ……憂が…憂が……」

純「…………………」

憂『お姉ちゃんには言わないでね私の口から言いたいから』

梓「わかった…わかったよ……バイバイ憂」

純「…………バイバイ」

憂『本当にいい友達だったよバイバイ梓ちゃん純ちゃん』

275: 2010/06/12(土) 05:24:53.96 ID:p1+vvhNVO
唯「二人共お茶入れてみたんだけど………」

梓「唯先輩……」

唯「ど、どうしたの?何で泣いてるの?」

梓「………私達帰りますね」

唯「え……帰るの?」

梓「うん…さようなら唯先輩……憂もさようなら」

純「……さようなら憂」

唯「あ…うん、バイバイ」

279: 2010/06/12(土) 05:41:31.59 ID:p1+vvhNVO
純「よ、よかったの?こんなに早く帰って、憂ともっと話したかったんじゃないの?」

梓「そうだけど…大丈夫だよ」

純「私…もっと話したかったけどお別れ言えただけでも嬉しいな」

梓「うん………これで憂といっぱい話せるね唯先輩」

純「え?…何か言った?」

梓「ううん…今日は憂のお墓参り行こうよ」

純「うん!わかった」

280: 2010/06/12(土) 05:46:26.30 ID:p1+vvhNVO
憂『お姉ちゃん?』

唯「憂…このノートに書いてる事って本当なの?」

憂『うん、本当だよ』

唯「成仏…しちゃうんだ……私と一緒に天国行けないんだ……」

憂『ごめんね』

唯「…………………」

憂『ごめんねお姉ちゃん』

281: 2010/06/12(土) 05:55:14.68 ID:p1+vvhNVO
唯「…………憂」

憂『なぁに?』

唯「何時…天国に行っちゃうの?」

憂『お姉ちゃんが寝てから逝くよ』

唯「じゃあ…今日は寝ない!私が寝なかったら憂は天国に行かないんだよね?」

憂『お姉ちゃん本当にごめんね』

唯「嫌だよぉっ!嫌だよ……」

285: 2010/06/12(土) 06:15:38.17 ID:p1+vvhNVO
憂『ごめんね』

唯「嫌だよ……行かないでよ…もっと一緒に居たいよ……」

憂『私もにお姉ちゃんと一緒に居たいよ』

唯「じゃあ…行かないでよ…」

憂『あのね、私このままだとお姉ちゃんを傷付けてしまうかも知れないんだ…』

唯「なんで…憂が私を傷付けるのぉ?」

286: 2010/06/12(土) 06:30:50.52 ID:p1+vvhNVO
憂『お姉ちゃんが好き過ぎて傷付けてしまいそうだからだよ』

唯「私も憂の事がだぁーい好きだよ!でも…傷付けたりなんかしないよ…憂もきっと私を傷付けたりなんかしないよ!」

憂『ううん、私ねお姉ちゃんが好き過ぎて氏んで欲しい』

唯「……………憂」

憂『私のお姉ちゃんへの愛情が違う方向に行ってしまってるんだよ』

289: 2010/06/12(土) 06:42:13.44 ID:p1+vvhNVO
憂『ずっとね頭の中でお姉ちゃんが氏ねば一緒にいられる、こんな事ばかり考えてる』

唯「私が氏ねば……」

憂『だからね、私の頭がまだ正常な内に成仏しないとお姉ちゃんを傷付けてしまう』

唯「…………傷付けていいよ、だから一緒に居ようよ」

憂『嫌だよ!私はお姉ちゃんを傷付けたく無い』

唯「……………嫌だよ」

290: 2010/06/12(土) 06:51:46.45 ID:p1+vvhNVO
唯「ずっと一緒に居ようよ!」

憂『ごめんね』

唯「私また一人だよ…」

憂『みんなが居るよお姉ちゃんは一人じゃ無いよ』

唯「憂が居ないと…憂が居ないと……私何も出来ないよ」

憂『お姉ちゃんは何でも出来るよ!』

唯「…………………」

292: 2010/06/12(土) 07:00:02.78 ID:p1+vvhNVO
憂『料理も上手だしお姉ちゃんは私が居なくても大丈夫だよ』

唯「…………………」

憂『お姉ちゃん私が居なくなっても学校ちゃんと行ってね?』

唯「うん………約束したもんね」

憂『うん』

唯「憂わかったよ……今日でバイバイだね」

憂『ごめんね…』

唯「謝まら無くて大丈夫だよ…憂今までありがとう」

294: 2010/06/12(土) 07:05:08.98 ID:p1+vvhNVO
唯「………最後だからいっぱい話そうよ」

憂『うん』

唯「最後だから……うぅ…ひっぐ…最後…だから……」

憂『お姉ちゃん…』

唯「今日…学校でね…ぐすっ……りっちゃんが…うぅ…転んだんだ……」

憂『お姉ちゃん泣かないで…私まで悲しくなるよ』

295: 2010/06/12(土) 07:11:51.12 ID:p1+vvhNVO
それから夜中まで私達は話し合った。
笑ったり泣いたりしながら…とにかく話し続けた。

憂「ごめんね…お姉ちゃん」

お姉ちゃんは私の机で寝ている。
嫌だよ…お姉ちゃんと別れるのは嫌だ。
でも…お姉ちゃんを傷付けるのはもっと嫌だ。

憂「そろそろ逝かないと……」

299: 2010/06/12(土) 07:25:00.19 ID:p1+vvhNVO
憂「お姉ちゃん…今までありがとう……」

光が私を包む。
暖かくて優しくてお姉ちゃんみたいな光。

唯「憂…………」

憂「お姉ちゃん……」

お姉ちゃんが寝言でポツリと呟いた。

唯「大好きだよ……」

憂「私もお姉ちゃんの事が大好き」

この言葉がお姉ちゃんに届くといいな。

憂「さようなら……」

300: 2010/06/12(土) 07:37:03.14 ID:p1+vvhNVO
朝、私は目を覚ました。

唯「憂!!!?」

ノートを見ても返事は無い。
ただ…バイバイって文字が書いてあるだけだった。

唯「憂…いるよね?」

ノートに返事は無い。

唯「………天国に行っちゃったんだね」

302: 2010/06/12(土) 07:41:55.38 ID:p1+vvhNVO
唯「じゃあ…行って来ます」

制服に着替えた私は学校へ向かう。
快晴、雲一つ無い青空を見上げて私は思う。
憂が空から見てくれていると。
そう思うだけでこれからの人生が何だか上手く行く気がした。

唯「憂が見守ってくれてる」

きっと…そうだよね憂?

304: 2010/06/12(土) 07:48:11.15 ID:p1+vvhNVO
唯「おはよう」

学校に着いた私は校門の前であずにゃんと会った。

梓「あの…唯先輩」

唯「どうしたの?」

梓「これ…憂からの手紙です」

あずにゃんから渡された憂からの手紙を丁寧折ってにポケットに入れる。

唯「ありがとうあずにゃん」

307: 2010/06/12(土) 08:25:50.88 ID:p1+vvhNVO
唯「じゃあ私は教室に行くね」

梓「今読まないんですか?」

唯「うん……後で読みたいんだ」

梓「そうですか…あの憂の事は知ってますよね?」

唯「うん…でも寂しくないよ」

梓「な、何でですか?」

唯「あずにゃんやみんなが居るからだよ!…じゃあバイバイ」

梓「…………はい!」

308: 2010/06/12(土) 08:28:23.73 ID:p1+vvhNVO
唯「みんなおはよう」

律「おはよう唯」

唯「今日から部活行けるよ!」

澪「そーなんだよかった…」

紬「唯ちゃんの為に美味しいお菓子持って来たのよ」

唯「うん…みんなありがとう!」

309: 2010/06/12(土) 08:34:56.28 ID:p1+vvhNVO
授業と部活が終わり私は真っ先に憂が眠ってるお墓に向かった。

唯「憂…聞こえてる?」

大丈夫…きっと私の声は憂に届いてる。

唯「憂が書いた手紙…読むからね」

私は手紙を取り出し読み始めた。

313: 2010/06/12(土) 08:56:53.65 ID:p1+vvhNVO
『お姉ちゃんへ…私達は生まれた日からの仲良しだったね。私達が出会った事は絶対に運命そう信じてる。お姉ちゃんと一緒だと何でも楽かった宿題も楽しかった。私お姉ちゃんの姉でよかった。生まれ変わる時もお姉ちゃんの妹がいいな。今までありがとうそしてさようなら』

315: 2010/06/12(土) 09:01:44.97 ID:p1+vvhNVO
唯「私も今までありがとう憂…そしてさようなら」

この手紙は一生大事にするよ。
そして憂の事はずっと忘れ無いよ。

唯「だって…憂は私の大事な妹だから」





END

316: 2010/06/12(土) 09:04:31.99 ID:9f6vSG8C0

鬱ENDじゃなくて良かった

318: 2010/06/12(土) 09:07:52.30 ID:3gRkrLi90

321: 2010/06/12(土) 09:11:39.81 ID:p1+vvhNVO
読んでくれた人ありがとね

引用元: 唯「憂…いるよね?」