958: 2018/04/16(月) 22:50:53.09 ID:UPydNCuto

959: 2018/04/16(月) 22:54:37.37 ID:UPydNCuto
かな子「ええっ!? 食べてませんよ!」ホワ~ン

武内P「三村さん」

かな子「ねっ? 私、お菓子食べてないよね?」ホワ~ン

智絵里「あぁ、かな子ちゃん凄く良い匂いがする……!」クンカクンカ

杏「飴も良いけど、クリームの匂いがたまらないよねぇ……!」クンカクンカ


かな子「ケーキだから大丈夫です」


武内P「もっと駄目ですよ!?」

960: 2018/04/16(月) 22:57:36.42 ID:UPydNCuto
かな子「ええっ!? 駄目なんですか!?」ホワ~ン

武内P「わかってください、三村さん!」

かな子「ねっ? ケーキなら、良いよね?」ホワ~ン

智絵里「うん、良い……凄く良い匂いだよ、かな子ちゃん……!」クンカクンカ

杏「悪い事なんて無いよ……大丈夫大丈夫……!」クンカクンカ


かな子「ほら、二人もこう言ってます!」ホワ~ン


武内P「明らかに様子がおかしいじゃないですか!」

961: 2018/04/16(月) 23:01:02.48 ID:UPydNCuto
かな子「ええっ!? 様子がおかしい!?」ホワ~ン

武内P「おかしいです! とても!」

かな子「ねっ? 最近は、こんな感じだよね?」ホワ~ン

智絵里「ねえ、そろそろペロペロして良い? 良いかな?」クンカクンカ

杏「やっぱりさ、舐めるならかな子ちゃんだよね~」クンカクンカ


かな子「ほら! いつも通りです!」ホワ~ン


武内P「待ってください! いつも通り!?」

962: 2018/04/16(月) 23:05:07.25 ID:UPydNCuto
かな子「ええっ!? 驚く所ですか!?」ホワ~ン

武内P「驚きますよ!?」

かな子「ねっ? 別に、おかしくないよね?」ホワ~ン

智絵里「お菓子? 舐め、えっ、お菓子? ケーキ?」クンカクンカ

杏「かな子ちゃんのお菓子、おか、お、美味しい?」クンカクンカ


かな子「美味しいから大丈夫です」ホワ~ン


武内P「いけません! ちょっ、あの、いけません!」

964: 2018/04/16(月) 23:10:44.70 ID:UPydNCuto
  ・  ・  ・

武内P「……これで、落ち着いて話が出来ますね」

かな子「あの……二人は、どうしたんですか?」

武内P「……今は、別室で拘束させて貰っています」

武内P「そうでもしないと、暴れて手がつけられないので」

かな子「そんな……二人共……!」

武内P「三村さん、貴女にお聞きしたいことがあります」


武内P「一体、いつからあのような感じになっていたのですか?」


かな子「それは……」

スッ…

武内P「鞄の中のお菓子は没収させていただきます」

965: 2018/04/16(月) 23:15:35.88 ID:UPydNCuto
かな子「……私も、ハッキリとは覚えていません」

武内P「そんなに、前からなのですか!?」

かな子「だけど、一つだけハッキリ覚えてます!」

武内P「! それは、一体?」


かな子「ザッハ・トルテには、甘くない生クリームが合う、って!」


武内P「……あの、だから、何でしょうか?」

かな子「凄く、すっごく美味しいんです!」

武内P「なるほど……」


武内P「あの、だから!?」

966: 2018/04/16(月) 23:20:26.04 ID:UPydNCuto
武内P「……いつからかは、また後ほどにしましょう」

かな子「えっと、それじゃあ、マフィンを食べても?」

武内P「よくありません」

かな子「ええっ!? すっごく美味しいのに!?」

武内P「三村さん、まずは、話を」

かな子「話が終わったら、パウンドケーキを食べても?」

武内P「よくありません」

かな子「ええっ!? すっごく美味しいのに!?」

武内P「三村さん! まずは! 話を!」

967: 2018/04/16(月) 23:25:05.28 ID:UPydNCuto
武内P「何故……こんな事になってしまったのか……!」

かな子「プロデューサーさん……すみません」

武内P「ちなみに、今日、隠れて何を食べたのですか?」

かな子「バタークリームのケーキを……」

武内P「それは……また、随分と……!」

かな子「ホールで……コッソリと」

武内P「ホールで!? コッソリという量ではないですよ!?」


かな子「えへへっ♪ 美味しいから、大丈夫でした♪」ニコッ


武内P「良い、笑顔です」

武内P「……いえ、全然大丈夫ではないですよ!?」

968: 2018/04/16(月) 23:30:55.23 ID:UPydNCuto
武内P「まさか……最近は、そうやって隠れて?」

かな子「……えへへっ」

武内P「……」

かな子「で、でもっ! 太ってはないんですよ!」

武内P「それは……はい、確かに、その通りだと思います」

武内P「しかし……何故……?」

かな子「きっと、美味しいから、大丈夫になったんですよ!」

武内P「……」

970: 2018/04/16(月) 23:34:53.47 ID:UPydNCuto
武内P「……三村さん、試しに何かを食べてみましょう」

かな子「ええっ!? バニラアイスが乗った、ハニートーストを!?」

武内P「そこまでガッツリとではなく」

かな子「一斤じゃなく、半分ってことですか?」

武内P「そういう話ではなく」

かな子「……まさか、二斤?」

武内P「冷蔵庫に入っている、千川さんのショートケーキで試しましょう」

かな子「か、勝手に食べちゃうんですか?」

かな子「それは悪いので、ハニートーストにしませんか?」

武内P「しません」

972: 2018/04/16(月) 23:38:17.87 ID:UPydNCuto
  ・  ・  ・

武内P「どうぞ、食べてみてください」

かな子「それじゃあ……いただきま~す♪」

武内P「……」

かな子「あ~んっ♪」

ぱくっ!

武内P「まさか、一口で平らげるとは思いませんでした」

かな子「美味しいから大丈夫ですよー♪」

武内P「……何も、変化はありませんね」

かな子「あー、ショートケーキ美味しい~♪」

武内P「……」

973: 2018/04/16(月) 23:43:10.14 ID:UPydNCuto
かな子「こんなに美味しいなんて、幸せだな~♪」

武内P「……」

かな子「この幸せをわけてあげたいな~♪」…ホワッ

武内P「! 甘い、匂いが……!」

かな子「プロデューサーさんに、わけてあげたいな~♪」ホワ~ン

武内P「なんて……良い匂いなんだ……!?」

かな子「美味しいですよ~プロデューサーさ~ん♪」ホワ~ン

武内P「こ、このままでは……鼻をつまんで――」

武内P「――っ!? 何故、鼻をつまんでも甘い匂いが!?」


かな子「プロデューサーさ~ん甘いですよ~美味しいですよ~♪」ホワ~ン


武内P「っ……!?」

974: 2018/04/16(月) 23:50:42.31 ID:UPydNCuto
武内P「あ、あぁ……! この匂いをもっと近くで……!」

フラフラ…

武内P「っ!? わ、私は、今、何を!?」


かな子「甘いですよ~美味しいですよ~♪」ホワ~ン

かな子「もっと近くに来れば、もっと美味しいですよ~♪」ホワ~ン


武内P「これは……三村さんの、想い……!」

武内P「甘い物が美味しいという想いと――」

武内P「――それを分かち合いたいという、優しさ……!」

武内P「そんな想いが、溢れ出しているのか……!?」


かな子「プロデューサーさ~ん美味しいですよ~♪」ホワ~ン

かな子「美味しいから大丈夫ですよ~♪」


武内P「だから、食べても太らな……ああ、なんて良い匂いなんだろう」

武内P「アイドルと、プロデューサーだが……」


武内P「美味しいから、大丈夫だろう……」

フラフラッ…

975: 2018/04/16(月) 23:56:12.50 ID:UPydNCuto
かな子「美味しいから大丈夫ですよ~♪」ホワ~ン


武内P「大丈夫……大丈夫、美味しいから大丈夫……」

武内P「甘い匂い……味は? 舐めたら、甘いのだろうか……?」

フラフラっ…


かな子「甘いですよ~美味しいですよ~♪」ホワ~ン


武内P「そうか……甘いのか、美味しいのか……」

武内P「食には、関心があります……」

フラフラっ…


ガチャッ!


凛「ちょっと! 智絵里と杏が縛られてたんだけど!?」

凛「あの状況は何なの!? わかるように説明して!」


武内P「――っ!」

武内P「……渋谷さん?」

976: 2018/04/17(火) 00:05:06.51 ID:VCAFjJNMo
かな子「美味しいから大丈夫だよ~♪」ホワ~ン


武内P「……はい……美味しいから、大丈夫かと……」


凛「そんな訳ないでしょ。有り得ない、何なの?」

凛「ねえ、アンタ、私のプロデューサーでしょ?」

凛「だったら、どうしてあんな事したか説明してよ」

凛「出来ないなんて言わせないから。ほら、早く」


武内P「……あ、あれには理由が……」

かな子「甘くて美味しいから大丈夫ですよ~♪」ホワ~ン

武内P「……そ、そうですね、美味しいから――」


凛「逃げないでよ! 早く説明してよ!」

凛「アンタ、ああいう事するのが趣味だったの!? ねえ!」ワクワク

凛「どうして、そういう事はもっと早く言ってくれないの!?」ワクワク

凛「プロデューサー! どうなの!?」ワクワク


武内P「……」

977: 2018/04/17(火) 00:10:48.30 ID:VCAFjJNMo
  ・  ・  ・

ちひろ「……それで、私のケーキがなくなってたんですね」

武内P「……申し訳、ありません」

ちひろ「許しません」

武内P「……」

ちひろ「お昼休みに、カフェでケーキセットを所望します」

武内P「……ええ、喜んで」

ちひろ「ちょっと、甘いお仕置きですかね? なんて」

武内P「……」

978: 2018/04/17(火) 00:18:02.36 ID:VCAFjJNMo
ちひろ「でも、早めに発見出来て良かったですね」

武内P「はい。解決方法も、見つかりましたし」

ちひろ「えっ? どんな解決方法なんですか?」


武内P「三村さんに、甘い物を食べさせない、というのは難しいです」

武内P「なので、一緒に醤油煎餅を食べていただくことで――」

武内P「――甘い匂いではなく、ぽたぽた焼きの匂いになる事がわかりました」


ちひろ「……はあ」


武内P「人は、おばあちゃんの前では、甘えが出ます」

武内P「その甘さこそが、甘い匂いへの対抗手段になるとわかりました」


ちひろ「何言ってるんですか?」


武内P「……私にも、よくわかりません」

武内P「ですが……これ意外、方法が見つからなかったもので」

ちひろ「それは……大変ですね」

979: 2018/04/17(火) 00:27:38.87 ID:VCAFjJNMo
ちひろ「だけど、アイドルの声で正気に戻るなんて……」

ちひろ「プロデューサーの鑑、ですね?」

武内P「……」

ちひろ「甘くて優しい想いを吹き飛ばしてくれたんですものね」

武内P「……ええ、それはもう――」


ちひろ「うふふっ、蒼い風が――」


武内P「苦々しい想いが――」


武内P「――駆け抜けるように」


ちひろ「――駆け……抜け……ん、んんっ、んっ」


武内P・ちひろ「……」


ちひろ「……色々、そんなに甘くは無いって事ですね」



おわり

引用元: 武内P「クローネの皆さんに挨拶を」