1: 2010/07/03(土) 18:23:25.13 ID:5UVJrxj70
梓「中野梓です。昆虫系女子です」
の書ききれなかった分を引き伸ばした番外編です。

虫分が足りないことを先に断っておきます、ごめんなさい。

2: 2010/07/03(土) 18:25:14.14 ID:5UVJrxj70
おひるやすみ!


梓「冬、かぁ」モグモグ

梓「冬が来ると虫はみんな氏んじゃう。氏なない子たちも冬眠する」

梓「冬って、退屈」ハァ

純「梓ー、何黄昏ちゃってんのさ」

梓「あ、純…とか言う人」

純「私たち、半年以上友達やってるよね?」

4: 2010/07/03(土) 18:29:26.58 ID:5UVJrxj70
ワイワイガヤガヤ

梓「…」モグモグ

純「…」モグモグ

ワイワイガヤガヤ

梓「…」モグモグ

純「イチゴオレうめえ」チューゴクゴク

梓「…ねえ知ってる?」

純「急にハイトーンな声出してどうしたの?」

梓「イチゴオーレは染色にコチニールカイガラムシを潰して作った染料を使ってるんだって」

純「…ふーん」ズゾゾープハッ

梓「……ッハァ゛ーーーー」

純「え、何そのあからさまにつまんなさそうな顔とため息」

5: 2010/07/03(土) 18:34:19.24 ID:5UVJrxj70
―――


純「そういや憂はここ数日休んでるよね、梓なんでか知ってる?」

梓「純とか言う人はそんなことも知らないなんて、本当に憂の友達?」

純「その呼び方やめて、地味に傷つくから」

梓「オーストラリアに旅行に行ってるんだってさ、唯先輩が昨日言ってた」

純「アンタも昨日知ったんかい。にしても学校を堂々と休んで、いいご身分だねー」

純「また大好きなお姉ちゃんのためだったりして」

純「そこで私は考えた!今から話すことは、もしかしたら真理大発見な哲学!!」

梓(あ、どうでもよさそう。ご飯食べよう)

純「私が思うに!憂は存在しない!!あれは憂のお姉ちゃん、唯先輩の一部である!」キリッ

梓「ふんふん」モグモグ

純「あれに意思は存在せず、ただ唯先輩の…ナワバリ?を主張するために独立した(ry」

純「いわば…ファンネル、でもなく…分身、でもない……子機?」

梓「へー、純とか言う人は発想がおもしろいなー」

純「なんか私のことじゃないみたいだからやめて」

6: 2010/07/03(土) 18:39:58.64 ID:5UVJrxj70
ほうかご!


純「じゃねー」

梓「うん、また明日。……さて、部活いこ」

ドアガチャバタン

憂「よかったー!梓ちゃんまだ残ってた」

梓「あれ、憂?帰ってきてたんだ」

憂「うん、さっきね。梓ちゃんに会いたくなって学校来ちゃった♪少しお話しよ?」

梓「(ちょっと嬉しいかも…)えっと、いいよ。…オーストラリア、楽しかった?」

憂「うん!お土産も買ってきたよ!」

憂「はい、成田空港のペナント」

梓「」

梓「あ、ありがとう(喜ばなくちゃ…)」

憂「オーストラリアのお菓子も持ってきたよ、一緒に食べよっか?」ガサゴソ

8: 2010/07/03(土) 18:46:38.88 ID:5UVJrxj70
―――


憂「…ってことらしいよ?面白いよねー」

梓「ふーん、誰もが杖を持っている、ねえ…」モグモグ

梓「あ、そういえばさ。唯先輩、最近あの薬」

憂「ビタミン剤だよ、梓ちゃん」

梓「…ビタミン剤、飲んでないよね?唯先輩」

梓「冬は虫が少ないし、確保大変でしょ?大丈夫なの?薬で抑えなくて」

憂「対策してるから大丈夫だよ!それに…飽きちゃった♪」

梓「何に」

9: 2010/07/03(土) 18:53:16.22 ID:5UVJrxj70
憂「そういえば梓ちゃん、クリスマスって、予定ある?」

梓「ううん、特にないけど…親もいないし」

憂「あは♪やっぱりそうなんだー!」

梓「」イラッ

梓「…で、何?」

憂「うん、今年のクリスマスも、家でどうかなって話」

梓「えっと…何の話?」

憂「あ、ゴメンネ、梓ちゃんは今年が初めてだよね。
  去年、軽音部の皆さんと一緒にクリスマスパーティをやったの!」

梓「へぇー、そんなこともしてたんだ」

憂「それを、梓ちゃんから軽音部の皆さんに伝えてほしいなって」

梓「うん、構わないけど…なんで唯先輩じゃないの?」

憂「伝言の類は絶対忘れるお姉ちゃん可愛いっ!」

梓「うん、大体わかった」

10: 2010/07/03(土) 19:01:10.36 ID:5UVJrxj70
―――



梓「今日は、クリスマスについて憂から伝言があります」

唯「そうなんだー?憂そんなの言ってなかったけどなー」

律「クリスマスってことは、あれか」

紬「まぁまぁ、話は後にしてお茶にしましょう。今日は趣向を凝らしてみました!」

紬「…っせい!」ドンッ

紬「と、いうことで今日は、コタツとミカンよー♪」

律「すげぇ!」

澪「よくこんなの持ち運んだな…」

ドアガチャバタン

さわ「みんな久しぶりー…って、ずいぶん様変わりしたわね、この部屋
  とりあえず私もおコタ入れてー」

唯「悪いねさわちゃん、このコタツ、6人用なんだ」

さわ「足りてるじゃん!」

13: 2010/07/03(土) 19:07:22.86 ID:5UVJrxj70
律「コタツの中、あったかいナリィ…」ヌクヌク

澪「ミカン、おいしい…」モソモソ

唯「あずにゃん食べさせてー」

梓「…ミカンを見てると思い出します。幼さゆえに、残酷だったあの日」

澪「今日は何もない日常で終わってくれると思ってたのに!」

唯「断りすらされない」

14: 2010/07/03(土) 19:25:43.82 ID:5UVJrxj70
梓「アブラムシ、知ってますよね」

さわ「ゴキブリのことでしょ?」

梓「ババア乙」

さわ「」

梓「あれ、紫とか黄色とかいて、カラフルですよね。それが梅の木なんかに大量に集まってて…」

澪「うわああああ…やめろー…」ガタガタ

梓「もう、そんなに怖がらなくても…わかりました、やめますよ」ハァ

澪「ほ、ほんとか…?」

梓「ただ、大量に集まった姿がそのミカンみたいだな、って話ですから」ニヤリ

澪「」

律(…あれ?残酷、ではないよな。それに見た目もたぶんそんなに…)

唯(なんであずにゃん途中でやめたんだろ…よし)

16: 2010/07/03(土) 19:32:49.70 ID:5UVJrxj70
唯「澪ちゃん、いいこと教えてあげる!」

唯「まず、このりっちゃんのスティックと、ミカン一切れをまとめて澪ちゃんの手に乗せます!」

澪「?…あ、あぁ」

唯「…」ガシッ

澪「ヒッ…な、なんでそんなに私の手を強く掴むんだ…」

唯「ダメだよ力抜かなきゃー。リラックスリラーックス♪」

さわ「何々?面白そうね」

梓(何するつもりだろ、この人)

唯「こうやって手で包んで…わかる?柔らかいでしょ…」スッ

澪「あ…///」

紬「なんだか工口ティックな光景ね…」ウットリ

律「ミカンとスティック握ってるだけだけどな」

17: 2010/07/03(土) 19:38:20.27 ID:5UVJrxj70
唯「さて澪ちゃん。…突然だけどさっきのアブラムシの話、続きがあってね?」

澪「えっ」

唯「こっちが枝でぇ…ハァハァ、す、すすすごく気持ちいいんだよぉー///」ジュルリ

梓「まさか…しまった!(おとなしかったから気づかなかった!)」

唯「イメージしてね!今、澪ちゃんが握ってるのは…」

澪「な、なんd」

唯「アブラムシさんだよぉぉっ!!」

澪「へぅっ」ガクン

18: 2010/07/03(土) 19:39:40.46 ID:5UVJrxj70
梓「澪先輩!!」ダッ

澪「」

梓「…白目むいて気絶してる」

律「なまじ想像力が高いばかりに…あいつしばらくミカン食えねーな」

唯「かか可哀想なアブラムシさん…私がお汁をすすってあげるよぉ///」ペロペロゴクゴクグチュグチュ

紬「この状況、見た目だけなら十分いけるっ!」

さわ(こんな気持ち悪い部活になってたんだ)

20: 2010/07/03(土) 19:47:00.19 ID:5UVJrxj70
唯「はぁーはぁー…やっぱりニセモノじゃ我慢できないよぉ…」

梓(来るかも…)ササッ

唯「虫、むしぃ…!」ダダッ

梓「あれ…、かばんの方に…?」

唯「はぁ、はぁ、虫ぃ……ああ!ははっあったああ♪ひひひ!」ダラダラ

プシッギーッカパッ カランカラン

唯「…はあああ…」ザラーッ クチャクチャゴクン

唯「………っ!っっ!」ブルブルッ

唯「っはぁ…落ち着いたよぉ」

梓律紬さわ「」

梓「あ、あの…何食べたんですか…?」

唯「ただのミルワームの缶詰だよ?むき栗みたいな香りがしておいしいんだぁ」

梓(あれが憂の対策か。…ヤバい薬とか入ってないよね?)

21: 2010/07/03(土) 19:57:36.48 ID:5UVJrxj70
律「っと、いっけね。梓の話忘れるところだった、それで、クリスマスが何だって?」

梓「あ、はい。クリスマスパーティの話です。今年もうちでどうですか、と」

律「そうなんだ?いやあ二年連続だとさすがに悪いかなって思ってたんだけど、
  憂ちゃんがいいって言うなら今年もお願いするか!」

唯「やったぁ!ぐっじょぶだよ憂ー!他のみんなも大丈夫?」

紬「私は大丈夫よ♪」

さわ「私はパス。先約があるの…性なる夜の、ね」キリッ

律「たぶんさわちゃんは誘われてないと思うけど」

さわ「フヒヒ、ごめんなさいねぇ?あなたたちはせいぜい子供らしく楽しんでちょうだい♪」

律(うぜぇ…)

唯「澪ちゃん…はいいや。もちろんあずにゃんは参加s…あずにゃん?」

梓「……はっ!ボーっとしてました、すいません!私は大丈夫です、空いてます」

律「よーし、んじゃあクリパは唯ん家に決定!各自交換用プレゼント忘れんなよ!」

律「では解散!」

梓「クリスマス、かぁ…」

23: 2010/07/03(土) 20:05:44.94 ID:5UVJrxj70
クリスマス!

梓「たしか、ここが集合場所だよね」

梓(去年の今頃は山に冬眠中の虫を探しに行ってたっけ)

梓(クリスマスパーティに呼ばれるなんて初めて…)

梓「…えへへ」

律「お、不審者はっけーん!なぁにニヤニヤしてるんだよ!」

梓「なっ…律先輩!?ニヤニヤなんてしてません!」

シテマシター シテナイモン ワーワー

紬「梓ちゃん、ニヤつきながら怒ってる」

澪「嬉しいんだろうけど、ちょっと怖い…」

24: 2010/07/03(土) 20:14:09.75 ID:5UVJrxj70
律「そんなに一人でニヤニヤしてるとなぁ」

律「毎日ニヤつきながらパソコンばっかりしてる『妖怪ニタニタボッチ』になるぞー!!」

梓「なりませんー!私はそんな寂しい人生歩みませんー!」

紬「澪ちゃんって妖怪だったのね!すごい!」

澪「」


律「…なー、梓」

梓「…なんですか、律先輩」ムスッ

律「楽しみ、だな」ニッ

梓「…!」

澪「二人とも、早く行くぞー?」

律「今行くー!…ほら、梓も」

梓「……はいっ!!」

26: 2010/07/03(土) 20:22:52.23 ID:5UVJrxj70
―――


梓「ここが、唯先輩と憂の家…」キョロキョロ

梓(あ、この軒下…間違いなく越冬地になってるな)

澪「家の前に誰か…あ、さわ子先生だ」

さわ「ブツブツ…」ドンヨリ

律「今日は不審者のバーゲンセールだなぁ」

澪「(声かけづらい…)あ、あの…さわ子先生?」

さわ「グスッ、みんな、今年もよろしくね…」

紬「さわ子先生、信じてた!」

さわ「ちくしょう」

梓「石の下は…こんなところにゴミムシダマシが…!」ゴロッ

律「梓も。本当の不審者になってるから」

28: 2010/07/03(土) 20:31:18.56 ID:5UVJrxj70
ひらさわけ!


憂「皆さんいらっしゃーい♪もう準備は出来てますから、どうぞあがってください!」

和「先にお邪魔してるわ」

唯「みんなー、待ってたよー!」

律「お、唯ー。どうせ今年もほとんど憂ちゃん任せだろー?」

唯「失礼なっ!今年は全く手伝っていません!」フンス

律「いや、自慢げに言うなよ」

憂「いいんです律さん、それでいいんです!」

憂「イチゴ乗せた程度で手伝った気になったお姉ちゃんも可愛いけど、
  糞の役にも立たないお姉ちゃんも可愛いよっ♪」

唯「ういー」

憂「お姉ちゃん!」

律「憂ちゃん、実は疲れてない?」

30: 2010/07/03(土) 20:38:39.30 ID:5UVJrxj70
―――


律「…と、言うわけで乾杯といたしましょう!かんぱーい!!」

「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」

憂「じゃあ私、お料理持ってきますね!」

律「待ってましたぁ!憂ちゃんの料理、うまいんだよなー♪」

澪「わかりやすいなあ…でも、本当においしいんだ、梓は食べたことある?」

梓「いえ、だから楽しみです!(あれ、でも最近の憂の料理って…)」

31: 2010/07/03(土) 20:47:21.48 ID:5UVJrxj70
憂「お待たせしましたぁ」

律「わーー!ぁあー…?」

憂「ユスリカ団子、タガメのフライ、佃煮草原ミックスetc…パニも欲しかったんですけど」

憂「こっちはジャイアントワームの踊り食い、体液ソースです。頑張りました♪」

梓律澪紬さわ「」

唯「ひゃあああああ憂天才っ!愛してるよおぉぉぉぉ!!」ギュー

憂「もう、お姉ちゃんったら!デザートにはお土産のミツアリもあるよ♪」

和「二人とも、相変わらずね…ふふ」

律「どうしてこうなった」

33: 2010/07/03(土) 20:55:57.29 ID:5UVJrxj70
唯「おいしいねー!」モッチャモッチャ

律「うーん、ちょっと抵抗あるなあ」

紬「…ええい、ままよ!」パクッ

紬「………あ、このフライおいしい」

律「ほんと?…ほんとだ、いけるなこれ」パリパリ

律(踊り食いは絶対しないけど)

和「憂、おいしいわ。唯が喜ぶのも納得できるわね」モッチャモッチャ

梓(心が痛い…でもこうなった以上、食べなきゃ可哀想だよね…)モグモグ

憂「皆さんおかわりはいっぱいありますからね♪」ニコニコ

さわ(帰りたい)

34: 2010/07/03(土) 21:01:53.10 ID:5UVJrxj70
唯「…あれー?澪ちゃんさっきから全然食べてないよ?」

澪「ん、あはは。ちょっとな」

唯「ふーん…憂の料理おいしいんだけどなぁ」モグモグ

律「おい澪、気持ちはわかるが少しは食っとけ、唯が訝ってる」ボソボソ

澪「でも…こんなの絶対無理…」ボソッ

唯「そっかー。憂ー、澪ちゃんの料理替えてあげてー?」

憂「あ、ごめんなさい…お口に合いませんでしたよね、あはは…」シュン

紬「憂ちゃん…」

梓「澪先輩、気持ちはわかりますが食べなきゃ虫たちに失礼です」モグモグ

律(唯のやつ、気遣うふりをしながらも澪を孤立させようとしている…!?)

憂「皆さん、いいんです。誰にでも食べられないものってありますから」

憂「すぐに新しいの作りますね!」

澪「え、いいのか?じゃあよろs」

律「待てい」ガシッ

39: 2010/07/03(土) 21:33:33.97 ID:5UVJrxj70
律「だからお前はぼっちなんだよこのバカ」ボソボソ

澪「ぼっちは関係ないだろぼっちは!?だって食べたくないし…」ボソボソ

律「はぁ…わかったよ、あたしがフォローしてやっから余計なこと言うなよ?」ボソボソ

律「あ、あの憂ちゃん?」

憂「…はい?」

律「実はこいつダイエットしててさ、ケーキ以外食べるつもりなかったんだって!な、澪?」

澪「そ、そうなんだ!」コクコク

律「それにそろそろあたしもケーキがほしいなー、なーんて…あはははー」

澪(律ぅ///)キュン

憂「なぁんだ、そういうことだったんですね!それならそうと言ってくれればよかったのに」

唯「へー、部活のときケーキバカみたいにバクバク食べてるから気づかなk」

律「あーあー早くケーキがたべたいなー!!ケーキ!ケーキ!!」

憂「律さんったら、そんなにはしゃがなくてもケーキは逃げませんよ♪」

45: 2010/07/03(土) 21:48:05.71 ID:5UVJrxj70
憂「ではお待ちかね、イチゴ乗せまで私がやった不純物なしの10割憂ケーキです♪」ドンッ

梓紬さわ(やっとまともな食べ物が…)

律「わー待ってましたー!!」ヒューヒュー

澪「はしゃぎすぎだっ!」ゴツン

律「」


律「…グスッ」モグモグ

梓(律先輩涙目でケーキ食べてる…)

49: 2010/07/03(土) 21:58:52.85 ID:5UVJrxj70
梓(…そういえば)

唯「うめー」モグモグ

梓(最近唯先輩は虫に対しての欲求が食欲寄りになったような気がする)

唯「…」ジーッ

ウネウネ

唯「このお皿に、と」ポトポトッウネウネ

梓(マシになった、って考えていいのかな?)

唯「ハァ…ハァ…」クパァ

ザラーッ ウネウネ

唯「あっ///ミルワームさんたちが私の中に入ってくるぅ///」

梓(やっぱりダメだこの人)

憂「成長が楽しみだねお姉ちゃん♪」

和「母体回帰を表しているのかしら。深いわね…さすが唯」

梓「おまえらは何を言っているんだ」

51: 2010/07/03(土) 22:03:02.62 ID:5UVJrxj70
梓「憂、ほんとおいしいねこのケーキ。色と風味が独特だけど」

憂「でしょー?新しい料理を考えてるときに思いついちゃったんだ」

梓「これも虫料理だったりして?あはは」モグモグ

憂「わかる?さすが梓ちゃん♪」

梓「えっ」

澪「」

52: 2010/07/03(土) 22:05:52.97 ID:5UVJrxj70
憂「さっきのジャイアントワーム踊り食いのソース、体液って言ったでしょ?」

憂「あれはこのケーキの余りなの」

憂「って言ってもジャイアントワームじゃないよ!みんなよく知ってる虫だよ」

憂「液状化したサナギの中身、使ってるの。梓ちゃんも好きだよね?」

梓「待って、まっt」

憂「ク・ワ・ガ・タ♪」

梓「」

澪「っ…!」ガタッダダダダッ

和「あら、クラスメートの秋山さんっていつもギリギリまで我慢する人?」

55: 2010/07/03(土) 22:10:11.74 ID:5UVJrxj70
律「…グスッ」

ジャーゴボゴボオエエエッオエェェジャーッ

梓「ごめんなさい…グスッごめんなさいっ…」ポロポロモグモグ

さわ「冷蔵庫の中身はっと…」ゴソゴソ

唯「ミルワームさんが口の中で大暴れだよぉ///」クチュクチュ

和「唯、可愛いわ」

紬「………」

憂「紬さん、楽しんでますか♪」

紬「 こ れ は ひ ど い 」

56: 2010/07/03(土) 22:11:23.24 ID:jFX5Nvpy0
こ れ は ひ ど い

57: 2010/07/03(土) 22:14:04.20 ID:5UVJrxj70
紬「あの…憂ちゃん」

憂「はい、何ですか?」

紬「ちょっと言いにくいんだけど…こういうのって、よくないと思うの」

憂「えっと、どういうことでしょうか?」

紬「その、料理とか、みんなが楽しめるように、頑張ってくれたのは嬉しいんだけど」

憂「あぁ!…お姉ちゃん?」

唯「んー、いいんじゃないかなー?そろそろ」

憂「…そっか♪」

58: 2010/07/03(土) 22:16:54.18 ID:5UVJrxj70
唯憂「みなさんちゅうもーく!」

紬「え?」

唯「サプラーーーイズ!!」

憂「皆さんごめんなさいっ!皆さんが食べている料理、佃煮と踊り食い以外は全て虫じゃありません!」

梓「…へ?」

唯「みんなに虫の良さを知ってもらおうと思って憂に協力してもらいました!」

憂(ケーキは本当にサナギなんだけど黙っておこう)

律「えっ?ちょっと待って、サプライズしすぎて何がなんだか」

唯「ちょっとしたジョークって奴だよぉー」

律「そのジョークのせいで最悪のクリスマスになりかけたんですけど!」

憂「スリリングでしたねっ♪」

律紬「」

梓「よ、よかったぁ…」

60: 2010/07/03(土) 22:23:16.69 ID:5UVJrxj70
―――


ドアガチャ

澪「ふぅ…(これからどうしよう)」

梓「憂あんまりだよー…二度とこんなことしないでよね!」

梓(ちょっと澪先輩の気持ちがわかった気がする…)

憂「あはは、泣くほど嬉しいのかと思ってた♪でも、おいしいでしょ?ほら、あーん」

梓「…うん」パクッ

紬「唯ちゃん大変よ、梓ちゃんが取られちゃう!」ワクワク

唯「あー憂ずるいー!あずにゃんも、私にあーんしたら許してあげる!」

梓「別に許さなくていいです」

律「ハハ、梓は厳しいなー!」

ワイワイ

澪「…なんでさっきと空気が一変してるんだ?」

律「あ、澪ー!早くこっち来て食べようぜ!」

澪「えっヤダ」

63: 2010/07/03(土) 22:27:58.98 ID:5UVJrxj70
和「…唯。そろそろいい頃合じゃないかしら?」

唯「そうだね!みんなー、プレゼント交換しようよ!!」

憂「うん、そうだね!」

梓律澪紬さわ(唯(先輩)(ちゃん)のだけは絶対に嫌だ)


~プレゼント交換中~


さわ「はいストップ!じゃありっちゃんから逆時計周りで発表よ」

律「おーし、あたしのは…」ビリビリゴソッ

律「可愛い置物だ。なんて言うんだっけ」

憂「スノーグローブです。私が作ったんですけど…」

律「自作なんだ!すげー…」

憂「こういうのって金額とか難しく考えちゃうから、自分で作るようにしてるんです」

梓(ペナント贈った子のセリフとは思えない)

64: 2010/07/03(土) 22:32:31.45 ID:5UVJrxj70
紬「顔の形をした入れ物…?中身は…」

和「糊よ」

唯「あ、去年の海苔とかけてるんだね!和ちゃんおもしろーい!!」

和「唯が楽しんでくれて何よりだわ」ニコッ

紬「そ、そうなんだ…ありがとう(つまんねえ…)」

梓(ムギ先輩微妙そうな顔してる…それにしても懐かしいなぁ、小学校のとき使ったっけ)

65: 2010/07/03(土) 22:35:56.82 ID:5UVJrxj70
さわ「次は…私ね。この重量感…っ、高級品のニオイ!」パカッ

さわ「」

梓「手、のおもちゃ?『加藤○の手』…誰?」

憂「マッサージ機だよ!」

紬「私のです…こないだ、冬のお祭りが珍しかったから、そこの射的で…」

さわ「クリスマスには独りがお似合いってかちくしょおおおおおお!!!」

紬「…で、使ってみたんだけどあんまり良くなくて」

さわ「しかも中古かよおおおおおおおお!!!!!」

カチッウィィィン

さわ「あっ///」

律「使うんかいっ!!」

67: 2010/07/03(土) 22:40:07.23 ID:5UVJrxj70
憂「私は、シルバーのアクセサリーですね。…男物の」

唯「うーん、憂には似合わないよぉ」

さわ「本当はこんな場にあるべきじゃないんだけどね…ふふっ」ウィィィン

憂「いえ。でも私がつけるわけにもいきませんし、父親にプレゼントしても構いませんか?」

さわ「ええ、有効活用してくれるならそれで構わないわ」

律「ちょっとさわちゃんスイッチ切ってくれる?」

さわ「寂しいの」ウィィィン

70: 2010/07/03(土) 22:46:56.72 ID:5UVJrxj70
唯「次は私だね!おっきな箱だなー」ワクワクパカッ

律「…」ニヤリ

ビョーンボコッ

唯「がぅっ」

澪「今年もそれかっ!」

律「あははははっ!学習しろよ唯ー!」ケラケラ

梓「ひ、酷いですよ律先輩っ…ププッ」

唯「あうー…舌噛んだ…」

憂「…」プルプル

唯「…憂?」

憂「ブフッ」

憂「ックヒッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャwwww」

唯梓律澪紬さわ「」

和「こんなに楽しそうな憂、久しぶりに見たわ」ホロリ

憂「ブエーッブエーッwww」

72: 2010/07/03(土) 22:53:13.69 ID:5UVJrxj70
梓「私は…服がいっぱい…」

律(澪だな…服はサイズとかセンスとかの違いあるからやめたほうがいいのに)

澪「それは私だな。私のセンスでオシャレなのを選んでみたんだけど…気に入らなかったか?」

梓「そんなことないです!私こういうのって今まで親に買ってもらってばっかりだったから嬉しいです!」

澪「そ、そうか!いつもはしまむらなんだけど…奮発してユニk」

憂「わぁー、カラフルでステキな雑巾ですね♪梓ちゃんよかったね!」

梓澪「」

74: 2010/07/03(土) 22:58:44.24 ID:5UVJrxj70
和「じゃあ、私ね。私は…本ね、『クワガタの育て方』。それと…虫かごかしら?」

梓「コクワガタの幼虫です。本来持ち運ぶべきものではないのですが…」

唯「あ、あずにゃんの子供?」ドキドキ

梓「そんなわけないでしょう!」

唯「そっかぁ良かったぁー」ホッ

梓(私を何だと思ってるんだろ、この人)


和「でも、クリスマスプレゼントに虫なんて、季節外れで面白いわね」

梓「すみません。でもやっぱり、もっと皆さんに虫を知ってもらいたいと思って…」

梓「一から育てることで、少しでも興味を持ってくれたらって」

梓「わからなかったら、その本を読んでもらって、私も、協力しますから、その…」

和「…ありがとう。あなたの気持ちは十分わかったわ、
  この幼虫は責任を持って育てるから、何かあったらあなたも協力して頂戴ね?」

梓「…はいっ!」

76: 2010/07/03(土) 23:02:27.34 ID:5UVJrxj70
唯「いーなー、あずにゃんのクワガタさんほしかったなー」

和「唯…欲しいの?」

梓「あっ…(和先輩は渡してしまうんじゃ…)」

和「…でも、ダメよ唯。これは私が貰ったものだからね。私はルールには逆らえないの」

和「それに、せっかくのこの子の気持ち、無駄にはできないじゃない?」

唯「ちぇー」

梓「和先輩…」

78: 2010/07/03(土) 23:09:44.67 ID:5UVJrxj70
律「と、いうことは…」チラッ

澪「」

紬(澪ちゃん、可哀想に…)

唯「澪ちゃん、私のプレゼント、恥ずかしいけど…大事に使ってね///」テレテレ

澪「ど、どういう意味だよそれ(開けたくないなあ)」ガサガサ

カパッ

澪「」

紬「澪ちゃんが固まったわ」

律「…お、おいおい恥ずかしいって、下着でも入ってんのかぁー?」

律「って写しn…ひっ」

律「」

紬「りっちゃんも澪ちゃんみたいに固まっちゃったわ!」

さわ「りっちゃんのツッコミもないとか怖いんだけど…あっダメ///」ウィィィン

和「…唯、何入れたの?」

唯「私の夜のお供!自慢の逸品たちだよ!!」フンス

80: 2010/07/03(土) 23:15:20.20 ID:5UVJrxj70
唯「私ねー、これのためにいぃっぱいパソコンの勉強したんだぁ!」

梓「パソコン、ですか?」

唯「最初は写真の切り貼りだったんだけど、やっぱり無理があるもんね?」

唯「本当はあずにゃんに見せたかったんだ!ほらっ♪」ペラッ

梓「え……………え?」

唯「あずにゃんの写真だよっ!」


唯「あずにゃんといろんな虫を混ぜてみたんだっ!」


梓「」ゾクッ

82: 2010/07/03(土) 23:21:11.82 ID:5UVJrxj70
唯「これが複眼のあずにゃんで、…これなんかどうかな?口と触覚が可愛いんだよぉ///」

唯「ど、どれが一番か決められないよおぉ///」ハァハァハァハァ

憂「梓ちゃん可愛いもんね、お姉ちゃん!」

唯「あずにゃん、ねえあずにゃん見てよ!ほら!見て!」

梓(や、やだ…)フルフル

梓「そ、そうだ唯先輩!またギターで叩きますよ!痛いですよ!?」ビクビク

唯「あずにゃん…ギターなんてどこにもないよ?…かわいいなぁ」

梓「せっせんせい…先生も何か言ってください!」

さわ「あっあっ////」ウィィィン

さわ「だめよ梓ちゃん…今日はね、みんな気持ちよくなる夜なんだから」ウィィィンガシッ

梓「あんたそれでも教師かっ!」バシッ

83: 2010/07/03(土) 23:24:23.04 ID:5UVJrxj70
唯「照れてるあずにゃん可愛いよぅ、お持ち帰りして捕食したくなる可愛さだよぅ///」ニジリニジリ

和「ここは唯の家よ。唯ったら冗談も天才的なんだから」クスッ

梓「和先輩!助けてください!」ヒシッ

和「…梓、面白い昔話をしてあげる。私の家の浴槽にz」

梓「そんな話してる暇じゃないです!!!」

和「…こうなった唯は止められない、ってことよ。諦めて頂戴」ニコッ

和「そして、ごめんなさい。私は唯の味方なの」ガシッ

梓「うわああっ」パシッダダダダッ

84: 2010/07/03(土) 23:28:47.62 ID:5UVJrxj70
唯「あずにゃん…怖がらなくてもいいんだよ?」ジリジリ

紬「梓ちゃん!」

梓「ムギ先輩っ!!」

紬「今度は逃げられないわね♪」ニコッ

梓「くたばれぇっ!!」ダダダダガタッ

梓「か、壁!?」

唯「ふふふ…あずにゃーん…」ジリッ

梓「こ、こないでぇ」

唯「あずにゃん!私、学者になるよ!!」ジリッ

唯「今は写真合成しか出来ないけど…」

ガシッ

86: 2010/07/03(土) 23:34:37.05 ID:5UVJrxj70

唯「梓、結婚しよう。二人で一緒に本当の虫になろう!!」


唯「だから…ハァハァ、愛し合お?お互いの体勉強しよ?ハァハァ」グググ

梓「イヤアァァァ!!!誰かーーっ!!助けてっ!助けてぇーーーっ!!!」

紬「●REC」

和「とうとう唯も一生を捧げる相手を見つけたのね…少し、寂しいわ」ホロリ

唯「あずにゃん、硬い外羽根は?卵は沢山産みたい?あっもしかして多足類がいいとか!?」ビリビリ

憂「梓ちゃん、お幸せにっ♪」

さわ「こうしてクリスマスの夜は更けていく」


End

88: 2010/07/03(土) 23:36:11.25 ID:jFX5Nvpy0

89: 2010/07/03(土) 23:37:47.78 ID:5UVJrxj70
―――


律「…」

律(…梓は泣きながら逃げていった。下着姿で)

律(完全にトラウマになっただろうなあ…今度ケーキ奢ってやろう)

律(ずっと気絶したふりをして見捨てたヘタレな先輩を許してくれ)

憂「協力ありがとうございます律さん、もういいですよ♪」

律「」ビクッ


本当にEnd

98: 2010/07/03(土) 23:49:35.07 ID:5UVJrxj70
おまけ!


律「おーす澪!あけましておめでとうございます!ってなー♪」

澪「ああ、今年もよろしく。にしてもまだ律だけか…みんな遅いな?」

律「澪しゃんみたいに晴れ着に時間かけてるんじゃないかしらん?」

澪「なっ…、いいだろ、これぐらいしか機会ないんだから!」ペシッ

紬「新年から二人とも仲良しね♪」ホワホワ

律「ムギじゃーん、あけおめー!」

紬「あけおめー♪」

澪(よかった…私だけが晴れ着じゃない)

101: 2010/07/03(土) 23:53:22.12 ID:5UVJrxj70
―――


ワイワイ

梓「あ、先輩たち」

梓(この服、変じゃないかな…)ドキドキ

梓「あっあの!あけましておめでとうございます!!」

律「お、梓か、あけm…その格好って」

梓「はいっ!私晴れ着って着たことないから…」

梓「澪先輩がくれた服着てみました♪」

律「そっか、あはは…(う、うーん…梓にはちょっと…サイズも明らかに大きいし)」

紬「ダサッ」ボソッ

澪「よく似合ってるよ梓!やっぱり梓もオシャレするべきだよ!今度一緒に服買いに行こう?」

梓「えっと、はい(私、オシャレしてるんだぁ…)///」テレテレ

律「さて、あと一人だな、いつものことだが遅刻しすぎだろー」


 「おーーいみんなぁーーーー!!」

104: 2010/07/03(土) 23:59:41.44 ID:5UVJrxj70

澪「噂をすれば影がさす、だな。…どうした梓、なんで私の後ろに隠れるんだ?」

律(完全に怯えてる…うう、罪悪感が)

唯「みんなおはよー!!」ブンブン

紬「唯ちゃんおはよう♪」

唯「あずにゃんおはよー!」ダキッ

梓「」ビクッ

唯「愛してるよ…梓」ボソッ

梓「ふふふざけふざけたことを言わないでください!」ガタガタ

律(必氏で平静を装うのが痛々しい…)

105: 2010/07/04(日) 00:03:59.61 ID:VNQLJF/C0
紬「梓ちゃん、寒いのね…唯ちゃんもっとあっためてあげて♪」

唯「がってん!」ギューー

唯「あずにゃん、交尾して一緒に暖かくなろう…クリスマスみたいに」キリッ

梓「ひっ」ゾワワッ

律「唯、本気で怯えてるからそろそろ放してやれー」

唯「はーい♪…また後でね、梓」ボソッ

梓(怖かった…)ペタン

紬「愛ねぇ」ウットリ

律「いや、もう戻れないレベルで愛から離れてると思う」

澪(あれ、なんか置いてけぼり食らってる気がする)

106: 2010/07/04(日) 00:07:24.19 ID:VNQLJF/C0
―――


律「よーし、お賽銭入れたかー!手ぇ叩いたかー!」

唯「早く寝ろよー!」

律「…ってオイオイ」

律「では今年の抱負をお願いしましょー!」

律「武道館…とは今更言わないので、てきとーになー」

唯「はーい!…あずにゃんを虫にするあずにゃんを虫にするあz(ry」

梓「お願いですから黙ってください!!」

澪「そうだぞ、唯もたまには静かに振舞ってみたらどうだ?」

唯「わかったよぉー」ブーブー

唯「…ブツブツブツブツブツブツ」

律「時々虫って聞こえて逆に怖い」

107: 2010/07/04(日) 00:10:46.11 ID:VNQLJF/C0
律「…」

澪「…」

紬「…」

唯「ブツブツ」

梓「……(何、お願いしよっかな)」

梓(澪先輩とは、冬のうちに山に行って、冬眠中の虫探しを一緒にしたい
  夏にはみんなで蛍も見に行きたいな)

梓(律先輩とは…夏に虫捕り勝負したい。セミ、クワ、カブト…あ、また戦わせたい)

梓(ムギ先輩は…ひどいときがあるけど、ほとんど一対一で放したことが無いや。
  もっとムギ先輩のことが知りたいな)

梓(唯先輩は…まともになって欲しい。はじめの頃みたいになったら、きっと…)

108: 2010/07/04(日) 00:13:32.63 ID:VNQLJF/C0
梓「うーん…」

律「じゃあ行くかー!…梓?いつまでお願いしてんだー?」

澪「いいじゃないか、ゆっくり考えさせたら…ふふっ」

律「…そだな!」


梓「…あ、そっか」

梓(今年も、みんなと一緒に過ごせますように)



End

110: 2010/07/04(日) 00:16:43.60 ID:mObYH+FS0
( ;∀;)イイハナシダナー
  乙

引用元: 梓「昆虫系女子のクリスマス」