1: 2017/01/06(金) 23:37:52.44 ID:EFrvAWTyo


P「……そろそろかな」

凛「お待たせ、プロデューサー」

P「おう、着替え終わったか。お疲れ、凛。お腹空いただろ? ご飯食べに行くか」

凛「うん。ありがと」

アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)
2: 2017/01/06(金) 23:39:13.92 ID:EFrvAWTyo

――――


凛「ごめんね、毎回奢ってもらっちゃって」

P「何言ってんだ。これもプロデューサーの仕事だし、経費で…」

凛「落ちないでしょ。この前ちひろさんに怒られてたの、聞いてたからね」

P「うぐ…、まあ、仕事の関係とはいえ、大の大人が年下の女の子に出させるのはみっともないし」

凛「そんなの気にしなくていいのに。大体、私の方が稼いでるでしょ?」

P「そういう現実を突きつけられると心が痛いが…、とにかく、凛が負い目を感じる必要はないから」

凛「…わかった、そういうことにしとくね」

P「じゃ、そろそろ帰るか」

凛「そうだね」

3: 2017/01/06(金) 23:40:02.27 ID:EFrvAWTyo

次の日――

凛「おはよ、プロデューサー」

P「おう、おはよう」

凛「あの、さ」

P「んー? どうした?」

凛「昨日のことなんだけど」

P「昨日? あぁ、奢ったことか。だから気にしなくていいって」

凛「うん、そのことはもう気にしないことにしたよ」

4: 2017/01/06(金) 23:40:35.70 ID:EFrvAWTyo
凛「その代わり」

P「ん?」

凛「私からも、プロデューサーが仕事頑張ったご褒美をあげることにしたよ」

P「えっ?」

凛「そういうことだから。今日もお互い、頑張ろうね」

P「そういうことだから。って…、急に言われてもな…」

凛「ほら、撮影行くよ」

P「それ俺のセリフなんだけど…、まあいいや。行くか」

5: 2017/01/06(金) 23:41:14.92 ID:EFrvAWTyo

――――

カメラマン「目線こっちにお願いしますー」

凛「はい」

凛「…」チラッ

P「ここはこういう感じの構図のほうが、渋谷の魅力が…」

スタッフ「あー、なるほど! ありがとうございます」

凛(…ふふっ)

カメラマン「お! いいねその表情!」パシャパシャ

6: 2017/01/06(金) 23:41:58.27 ID:EFrvAWTyo

スタッフ「渋谷さんオッケーでーす! お疲れ様でした!」

凛「お疲れ様でした」

P「お疲れ、凛。ほら、飲み物」

凛「ありがと。プロデューサー」

P「今日はいつもより良かった気がするぞ。表情が柔らかかったし、カメラマンさんの意図が汲めてた」

凛「そうかも。よく見てるね」

P「お前の担当プロデューサーだしな」

凛「…プロデューサーも、さ」

P「ん?」

7: 2017/01/06(金) 23:42:42.17 ID:EFrvAWTyo
凛「私の魅力が最大限出せるような提案、してくれてたでしょ。構図だったり、ポーズだったり」

P「まあな。凛の魅力を一番知ってるのは俺だって自負してるし」

凛「ふふ、なにそれ。よくそんな恥ずかしいセリフ言えるね」

P「恥ずかしいとか言うな」

凛「でも、ありがと。そんなプロデューサーには、ご褒美あげないとね」

P「朝言ってたけど、そのご褒美って何くれるんだ?」

凛「…控室なら誰も来ないし、いいかな」

P「ちょ、ちょっと待って! 誰か来たらまずいような事なのか!?」

8: 2017/01/06(金) 23:43:54.09 ID:EFrvAWTyo
凛「いいからしゃがんで」

P「お、おう…」

凛「……」ナデ

P「えっ」

P(凛が俺の頭を撫でてきた…)

凛「男の人も、こうやって頭撫でられるの、好きなんだよね?」ナデナデ

P「え? いや、どうなんだろ」

凛「プロデューサー、今日もありがと。プロデューサーが一緒だったから、こうやって仕事できてるんだよ」ナデナデ

P(あ…、これ、ヤバイかも)

P(承認欲求が満たされてる上に安心感がすごい)

9: 2017/01/06(金) 23:44:52.76 ID:EFrvAWTyo
凛「私が今日調子良かったのも、プロデューサーが私のプロデュースを頑張ってくれてるのが見えたから」ナデナデ

凛「プロデューサーが頑張ってるんだから、私も頑張らないと、って思えるんだよ」ナデナデ

P「凛…」

凛「はい、今日はこれでおしまい。また明日、頑張ったらご褒美ね」

P「あ、ああ…」

P(少し名残惜しいと思ってしまう自分が情けない)

P(というか、やっぱり明日以降もあるんだな)

P(……これ続いたら、ダメになるなあ)

凛「じゃ、帰ろっか」

P「…そうだな」

10: 2017/01/06(金) 23:45:43.11 ID:EFrvAWTyo

――――

P(それ以来、凛の仕事に付き添ったり、凛が事務所にいるときは、仕事が終わるたびに撫でられている)

凛「今日もお疲れ様。今日はスケジュール調整だっけ? 仕事増えてきて、大変だと思うけど、頑張ったね」ナデナデ

P「それはお互い様だろ。実際に仕事をしてるのは凛なんだから」

凛「それはそうだけど。プロデューサーがいなかったら、私の仕事だって無いんだよ?」ナデナデ

P「むぅ、確かに…」

11: 2017/01/06(金) 23:47:55.19 ID:EFrvAWTyo
P(撫でられること自体には慣れてきたし、こうやって仕事をした見返りがあるのは満足感がある)

P(これが当たり前になってきたせいで、凛のご褒美が無い日はちょっと物足りない)

P(って、これってまずいんじゃ…)

凛「? どうしたの、プロデューサー」ナデナデ

P「あ、いや、なんでもない」

P(こんな優しい顔してる凛に『やめて欲しい』なんて言えないよなあ…)


12: 2017/01/06(金) 23:48:25.12 ID:EFrvAWTyo

別の日――

P「凛、お疲れ様」

凛「お疲れ様」

P「……なあ」

凛「わかってるよ。今日も頑張ったね、プロデューサー」ナデナデ

凛「プロデューサーが自分からご褒美欲しがるようになるなんてね。私に撫でられるの、好き?」ナデナデ

P「……」

13: 2017/01/06(金) 23:48:59.48 ID:EFrvAWTyo
凛「答えてくれないんだ。好きじゃないなら、やめるね」

P「う…、凛に撫でられるの、好きだ」

凛「ふふっ、私の前でくらい、素直になってね。プロデューサー」ナデナデ

P(凛に完全に手綱を握られている…)

P(プロデューサーとしてまずいと思っていても、凛のご褒美が、くすりみたいに、身体に刻み込まれてて…)

P(担当アイドルにこんなことされるなんて思ってもみなかったな…)

14: 2017/01/06(金) 23:50:10.61 ID:EFrvAWTyo

また別の日――

P「申し訳ございません…、こちらの不手際です。…はい、はい。申し訳ございませんでした。失礼致します」

P「……はぁぁ…」

凛「どうしたの? プロデューサー」

P「先方とこっちのスケジュールが確認不足で1日ズレててな…。確認したつもりだったんだけど、抜けてたみたいだ」

凛「それって大丈夫なの?」

P「ああ、早めに気づいたからまだ調整できる範囲だった。不幸中の幸いだな…」

凛「そっか。大変だったね。お疲れ様」

P「ああ、心配かけてごめんな」

凛「……ねえ、ちょっとこっち来て」

P「ん?」

15: 2017/01/06(金) 23:50:44.92 ID:EFrvAWTyo

P「応接室? なんか話したいことでもあるのか?」

凛「いいから、そこの椅子に座って」

P「? これでいいか…!?」ギュ

凛「……」ギュ

P(え? 何が起こってんの? 凛が俺に抱きついてる? なんで??)

凛「そういうこともあるよ。あんまり引きずらないで、切り替えていこ?」ナデナデ

P「あ、ああ…」

P(そういうことか…)

P(あったかい…。嫌なことがあった後にこういうことされたら、完全に堕ちるな…)

P(いや、もう堕ちてるか…)

16: 2017/01/06(金) 23:51:25.55 ID:EFrvAWTyo
凛「……」ギュ

P「……」ギュ

P(しばらく、無言でハグをしていた…)

P「…凛、ありがとう。もう大丈夫だ」

P(というか、これ以上はやばい)

凛「そう? つらかったらいつでも言ってね」

P「ああ…」

凛「さ、まだ仕事残ってるでしょ」

凛「終わったら、また、ご褒美あげるから。ふふ、頑張ってね」

ガチャ バタン

P「……」

P「仕事するか…」

17: 2017/01/06(金) 23:52:01.14 ID:EFrvAWTyo

――

P「よし、スケジュール調整もなんとかなったし、一段落だな…」

P「もう20時過ぎてるし、流石に凛は帰ったよな…」

凛「呼んだ? プロデューサー」ヒョコッ

P「うわっ! びっくりした…。まだ帰ってなかったのか?」

凛「まあね。だって、さっき約束したでしょ。『終わったら、またご褒美あげるからね』って」ニコ

P「……」

P(そう言いながら、凛が両手を広げている。まるで、その腕の中に、俺を誘うように…)

凛「ちひろさんももう帰ったし、プロデューサーの気が済むまで、ご褒美あげるよ」

P「ああ…」ギュ

P(今の俺には、抗う術なんてなくって、ただ、凛の思うままに、凛に身体を預けるしかなかった…)

凛「ふふっ、明日も頑張ろうね、プロデューサー」



おわり

18: 2017/01/06(金) 23:53:02.02 ID:EFrvAWTyo
ありがとうございました

りんのの書いてたのにいつの間にか乃々がPに入れ替わってた
凛にダメにされたい…

19: 2017/01/07(土) 00:06:28.19 ID:I7QvfYz6o
さぁ、りんののでも書こうか

20: 2017/01/07(土) 02:55:54.71 ID:I5QwLHPuo
かわわわわわ

引用元: 凛「プロデューサーへの、ご褒美」