6: 2011/08/27(土) 12:23:08.93 ID:+8q4frWg0
岡部「助手…俺はお前のことが…」

紅莉栖「え、なに、ちょ、急にどうしたのよ岡部!?」

岡部「嫌、か…?」

紅莉栖「あ、い、嫌とかそういうのじゃ、なくて…い、いきなりそんな風に迫られたらビックリするわよこのHENTAI!」

岡部「お前がどう言おうと…俺は止めるつもりはなぞ、クリスティーナ」

紅莉栖「おかべ・・・ちょ・・・やぁ//」




―――――


紅莉栖「おか、べぇ…んふぅ、ちょ、だめぇ……」  zzz…

紅莉栖「やだ、もう……」 zzz……

紅莉栖「ごう、いん…なん、 ……ムニャムニャ…… だからぁ……」 zzz……



岡部(ラボのソファでとんでもない寝言を言い出したぞ、このメリケン処O!?)
第1話 始まりと終わりのプロローグ
7: 2011/08/27(土) 12:28:19.36 ID:+8q4frWg0
岡部(まずは落ち着いて状況を整理しよう)

岡部(新しい未来ガジェット研究のアイデアを出すために、俺と助手はラボに遅くまで残っていた)

岡部(ダルとまゆりはすでに帰宅済み)

岡部(途中で煮詰まったのでコンビニでドクペでも買ってきて気分転換でもしようと思い、俺はラボを出た)


紅莉栖「zzz……zzz……」


岡部「そして帰ってきたら…ソファにこの有様、か……どう見ても根を詰めすぎたな」

8: 2011/08/27(土) 12:33:40.83 ID:+8q4frWg0
岡部「おい、助手」

紅莉栖「ん、んぅ……zzz……」

岡部「もう遅い時間だ、近くまで送っていくからさっさと起きろ」

紅莉栖「……zzz」

岡部「ええぃ! さっさと起きろ、クリスティーナ! そこを占拠されては俺の寝るスペースが確保できんだろう!」

紅莉栖「……zzz」

岡部「一向に起きる気配が無いな…まぁ、それほど疲れていた、というワケあ」

12: 2011/08/27(土) 12:38:53.00 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「……zzz」

岡部「…おい、起きろ」

紅莉栖「…zzz」

岡部「起きんか、メリケン処O」

紅莉栖「…zzz」

岡部「蘇りし者(ザ・ゾンビ)」

紅莉栖「…zzz」

岡部「クリスティーナ」

紅莉栖「…zzz」

岡部「助手」

紅莉栖「…zzz」

岡部「…起きろ、紅莉栖」

紅莉栖「…zzz」


紅莉栖「……お…か、べ……」

岡部「!?」

13: 2011/08/27(土) 12:45:52.10 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「だ、め……くふぅ…この、HENTAI……zzz……」

岡部「なんだ…ただの寝言ではないか」


岡部(それにしてもこの助手、一体どんな夢を見ているんだろうか)

紅莉栖「…zzz」

岡部(見れば見るほど、幸せそうに眠っているな)

紅莉栖「…zzz」

岡部(細い体に、小さな顔)

紅莉栖「…zzz」

岡部(綺麗、だな……)


岡部「!?」

岡部「ふ、ふふ、フゥーハハハハ! 
   この鳳凰院凶真、危うく助手の無意識なる色仕掛け(サイレント・テンプテーション)の罠に嵌まるところだった!」

14: 2011/08/27(土) 12:54:26.80 ID:+8q4frWg0
スチャッ


岡部「俺だ。つい今し方、クリスティーナから発せられる正法に身を焦がされるところだった…!」

岡部「ああ、分かっている。色香に惑わされるようでは狂気のマッドサイエンティスト失格だからな」

岡部「それに“機関”の奴らの目もある。ああ、上手くやってみせるさ」

岡部「そうさ、すべては運命石の扉(シュタインズ・ゲート)の選択のままに…」

岡部「エル・プサイ・コングルゥ」


岡部(なんとか平静は取り戻せたな…)


紅莉栖「…zzz」

岡部「くっ、人の気なぞ知らずに気持ちよさそうに眠りこけおって!」

15: 2011/08/27(土) 12:58:16.54 ID:+8q4frWg0

紅莉栖「……zzz」

岡部(しかして、こいつは何時まで眠り続けるのだろうか?)

紅莉栖「……zzz」

岡部(まさか夜通しというワケではあるまい)

紅莉栖「……zzz」

岡部(いや、待てよ。 もしも助手が本当に夜通し眠り続けたとしたら…)

紅莉栖「……zzz」

岡部「俺は、紅莉栖と一晩中ずっと一緒に居ることになるのか!?」

18: 2011/08/27(土) 13:00:14.04 ID:+8q4frWg0

紅莉栖「おかべ、ぇ……」

岡部「な、なんだ!?」

紅莉栖「りん、たろ……」

岡部「くぅっ! こいつ、思ったよりもハッキリ寝言を言うタイプの人間だったのは予想外だ!」

紅莉栖「……んふぅ…zzz」

岡部「ぬわぁぁぁぁ! な、なんだ、その庇護欲をそそる寝つきの顔は!?」


岡部「くそっ、この鳳凰院凶真とあろう者が、たかが小娘一人に狼狽するとは情けない…」

岡部「……ちょっと夜風に当たり直してくるか」

21: 2011/08/27(土) 13:09:58.30 ID:+8q4frWg0
岡部「……いくら夏とはいえ、そのままの格好で寝ると体を冷やすだろう」

紅莉栖「……zzz」

岡部「お前は大事な未来ガジェット研究所のブレインにして、かけがえの無い大切なラボメン!」

紅莉栖「……zzz」

岡部「よって、そのラボメンを気遣うのはリーダーとして当然の行為!」

紅莉栖「……zzz」

岡部「なので助手に俺の白衣をかけても何ら不自然ではない!」

紅莉栖「……zzz」


ファサッ

岡部「フゥーハハハハ! この鳳凰院凶真、狂気のムァッッドスワァイエンティストとしての矜持を果たした!」

紅莉栖「……zzz」

岡部「…風邪、ひくなよ」

23: 2011/08/27(土) 13:15:42.89 ID:+8q4frWg0
岡部「…コンビニで適当に雑誌でも読んでくるとするか」

紅莉栖「……zzz」

岡部「助手よ、ほんのひと時の安らぎ…せいぜい謳歌するがいい、フゥーハハハハ!」

紅莉栖「……zzz」


バタン


~約15分後~


紅莉栖「んっふぅ……くぁぁぁ…!」

紅莉栖「なんか普段よりも深く眠れたわ…」

紅莉栖「眠りのクオリティがいつもこのくらい高いと良いんだけれど、それは流石に過ぎた考えね」


紅莉栖「……あれ? ここ、ひょっとしてラボ? え、なんで?」

26: 2011/08/27(土) 13:21:16.83 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「待て、落ち着け。こういう時こそ状況の整理と把握が必要になるわ」

紅莉栖「確か…新しい未来ガジェット研究のアイデアを出すために、私と岡部はラボに遅くまで残っていた筈よね」

紅莉栖「まゆりと橋田は11時前には帰宅していたわ」

紅莉栖「えぇと、そこから大体3時間くらい作業に没頭していて…」

紅莉栖「途中で煮詰まっちゃったから、『ドクペでも買ってくる』って言って岡部が出て行って…」


紅莉栖「……そこから記憶が曖昧になってる」

27: 2011/08/27(土) 13:26:10.21 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「え、えっと…なんか、岡部がいきなり帰ってきてドアを思い切り開けて…」

紅莉栖「『お前の事が好きだ』、とか、なんか…いきなり、言ってくれて……」

紅莉栖「えっと、えっと、で、私は狼狽して、お茶濁した返事を繰り返していたら…」

紅莉栖「あ、あのHENTAI童O! いきなり私の唇を!」


紅莉栖「………え?」

32: 2011/08/27(土) 13:32:01.98 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「え、嘘…私、ファーストキス、岡部にあげちゃった…?」

紅莉栖「~~~~~~~!!」///


紅莉栖「…あ、そうだ、きっとこれは夢ね。明晰夢ってホント便利な脳のシステムよね」

紅莉栖「うん、そうよ。分かってるわ。同じ感じの夢、もう何回見たか分からないし…」

紅莉栖「はぁ…また夢かぁ……」


ギュムッ


紅莉栖「ほっぺが痛い…夢、じゃない……」

33: 2011/08/27(土) 13:38:23.51 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「嘘…だって、夢じゃないなら……!」

紅莉栖「わ、私の唇を奪って、だ、抱きしめてきて、そのまま…ソファにもつれ込んで…」

紅莉栖「その、えOちな事とかしちゃってる気がする!?」

紅莉栖「あ、でも、いや…流石にそこまでは出来すぎよね…。 
    妄想が具現化するなんて、いくらなんでもあまりに非科学的だわ…」


ファサッ


紅莉栖「え、これってひょっとして…岡部の白衣!?」

紅莉栖「な、なな…なんで寝ている私にあいつの白衣がかけられているのよー!?」

37: 2011/08/27(土) 13:43:01.83 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「ちょっともう、どうしよう…」

紅莉栖「アイツの顔、まともに見れなくなっちゃったじゃない…」


バタン


岡部「帰ったぞ、クリスティーナ」

紅莉栖「!」

岡部「んぅ? なんだ、まだ寝ているのか」

紅莉栖「す、すー。 すー、すー。 すーすー。」

岡部「無理も無い、か。 今晩はあれだけ頑張ったのだからな…」

紅莉栖「!」 ゲッホゲホッゲホ

岡部「む!? やはり風邪でも引いてしまったか!?」

39: 2011/08/27(土) 13:50:33.37 ID:+8q4frWg0
岡部「おい、助手。 大丈夫か?」

助手「すーすー…すーすー…」

岡部「むぅ、先ほどよりも何となく息が荒い気がするな」

助手(誰のせいと思ってるのよ、このバカ…!)

岡部「なんとなく頬も紅潮している、か。 確認を取るしかないな」


岡部「…起こしたら済まない」

ピトッ

助手「!?」

岡部「ふむ…妙に熱い。微熱交じりで寝咳もある。夏風邪の兆候だな」

助手(岡部の手、あったかい…気持ちいい……)

岡部「フゥーハハハハ! この鳳凰院凶真にかかれば風邪の診断などブラックジャックが盲腸のオペを行なうより容易い事だ!」

助手(中二病、乙…)

42: 2011/08/27(土) 13:54:50.85 ID:+8q4frWg0
岡部「…まだ寝ているのか?」

助手「すー、すー、すー」

岡部「ふん、腹立たしいくらい可愛い寝顔だな」

助手(どっかの誰かさんのおかげで起きるタイミング逃しちゃったじゃないの)

助手(ん?)

助手(岡部、今、可愛いって…)


岡部「なんだ、そのニマっとした顔は。不気味な事この上無いぞ」

45: 2011/08/27(土) 14:00:12.20 ID:+8q4frWg0
岡部「俺は存外恥ずかしがりやなんだ」

紅莉栖(?)

岡部「あだ名を付けるのも、そういう悪い面が出てしまう結果なんだと我ながら思うよ」


岡部「…紅莉栖」

紅莉栖「!?」

岡部「いつかそういう風に、お前に向かって呼べたらいいな」


紅莉栖「……だったら、今ちゃんと呼んでくれてもいいじゃない」

岡部「!?」

47: 2011/08/27(土) 14:09:28.49 ID:+8q4frWg0
岡部「な、おま、何時の間に起きていたんだ!?」

紅莉栖「うっさい! あんたがコンビニから帰ってきたときにはもう起きてた!
    そんな事にも気づかないなんて鈍感ね、馬鹿なの、氏ぬの!?」

岡部「やかましいぞ、セレセブ! 狸寝入りを決め込んだ貴様の方にこそ問題があるのだろうが!」

紅莉栖「そんな申し出、今となっては後の祭りもいいところね。
    結果としては私はアンタの恥ずかしーい独り言をこうして聞けたワケだし」

岡部「くっ……助手のくせにラボメンリーダーより優位に立とうとする、その野心だけは賞賛しよう…」

紅莉栖「いきなり野心家キャラを植え付けるな! 優位も何も岡部が勝手に独白していただけだったろうが!」

49: 2011/08/27(土) 14:14:58.18 ID:+8q4frWg0
岡部「俺が、コンビニから帰ってきたときにはすでに起きていたのか…」

紅莉栖「ええ、そうね」

岡部「だったらもっと早く目を覚ましてもよかろうが!」

紅莉栖「だ、だって…その……」

岡部「いきなり急にモジモジし始めたぞ、このセレセブ」

紅莉栖「セレセブじゃないって言ってるでしょ! もっと空気嫁、このデリカシーゼロ中二病患者!」

岡部「フゥーハハハハ! この鳳凰院凶真、気持ちを察する能力なぞ当の昔に捨て去っている!…そう、“あの時”にな」

紅莉栖「はいはい、また設定ですね。分かります」

52: 2011/08/27(土) 14:20:01.37 ID:+8q4frWg0
岡部「ん?」

紅莉栖「何よ?」

岡部「クリスティーナ、お前は俺がコンビニから帰ってきたときには既に起きていたんだな?」

紅莉栖「同じことを何度も言わせるな。私は起きていたわ、起きるタイミングを見失っていただけで」

岡部「そうか…」


岡部(と、なると……)

>>6
>紅莉栖「おか、べぇ…んふぅ、ちょ、だめぇ……」  zzz…

>紅莉栖「やだ、もう……」 zzz……

>紅莉栖「ごう、いん…なん、 ……ムニャムニャ…… だからぁ……」 zzz……


岡部(こいつ、まさかあんな事を意図的に発していたというのか!?)

57: 2011/08/27(土) 14:32:21.22 ID:+8q4frWg0
岡部「クリスティーナ…いや、HENTAIメリケン処O」

紅莉栖「おいちょっと待て、聞き捨てならん呼び名が聞こえてきたんだが」

岡部「なんだ、その、あまりヴァージンをコンプレックスに感じる事は無いぞ」

紅莉栖「は?」

岡部「お前は、その、顔立ちも悪くないし、…やや寸胴だがスタイルもまぁまぁだ」

紅莉栖「何なの? いきなりセクハラ? 訴えたら余裕で勝訴確定ね」

岡部「人の話を聞けぃ、助手!」

紅莉栖「もぅ…何なのよ」

岡部「だから、その、だな。お前は男の目から見ても、ま、まぁまぁ魅力的だ。
   せめて適当に捨てるのではなく、お前が望むべきときに望ましい形で捧げるのが妥当だと俺は思う」

紅莉栖「なんで私はいきなり岡部からヴァージンについて諭されなければならんのだ!」

紅莉栖「ん? …み、魅力的?」

岡部「えぇい! 俺の客観的意見を述べたまでだ、他意は無いに決まっておろうが!」

紅莉栖「あ、ありがと…」

59: 2011/08/27(土) 14:39:43.92 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「そ、それに、それにね……」

岡部「なんだ?」

紅莉栖「私、もう、その、ヴァ、ヴァージンじゃ…ないし……」

岡部「なっ!」

紅莉栖「う、うん…」

岡部「ど、どこの誰だ!? お、おい、紅莉栖、何時の間にそんな相手が出来ていたんだ!?」

紅莉栖「岡部、なんでそんなに狼狽してるんだ!?」

岡部「くぉぉれがぁ! 狼狽せずに、いられるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

紅莉栖「お、落ち着け。 ちゃんと相手が誰なのか教えるから!」

岡部(…おい、なんで俺は泣きそうになっているんだ?)


紅莉栖「私のね、初めての、相手はね……」

岡部「………」 ゴクリ

紅莉栖「お、かべ、りん…たろう…」

岡部「ほぅ、岡部倫太郎か。 なかなか間の抜けた名前をしているな」

岡部「………ん?」

60: 2011/08/27(土) 14:43:39.65 ID:+8q4frWg0
岡部「おかべ?」

紅莉栖「……」 コクリ

岡部「りんたろう?」

紅莉栖「……」 コクリ

岡部「Who?」

紅莉栖「……you」

岡部「俺?」

紅莉栖「も、もう、何度も…言わせるなっ……!」

65: 2011/08/27(土) 14:52:36.04 ID:+8q4frWg0
スチャッ

岡部「俺だ! 間違いなく“奴ら”からの攻撃を受けている! 攻撃方法は不確定!」

岡部「リーディングシュタイナーも発動していないところをみると、世界線を移動したわけでもないらしい…」

岡部「なに? ああ、そこは大丈夫だ。やれやれ…現実は世知辛い」

岡部「これも全て、運命石の扉(シュタインズ・ゲート)の選択のままに」

岡部「エル・プサイ・コングルゥ…」



岡部「それで、何の話だったか。 相対性理論における絶対的時間の非存在性についてだったな」

紅莉栖「違う」

岡部「では超ひも理論におけるホワイトホールの存在意義に対しての論議だったか」

紅莉栖「違う」

岡部「では何だと言うのだ」

紅莉栖「岡部が、その、無理やり、私のヴァージン奪っちゃった話…って! 何言わせるのよ!」

岡部「お前は何を言っているんだ! クリスティーナぁ!?」

68: 2011/08/27(土) 15:00:21.96 ID:+8q4frWg0
岡部「助手よ、それは一体いつの話だ?」

紅莉栖「つ、ついさっきもいいところじゃない」

岡部「…どこで?」

紅莉栖「い、今、私が座っているソファで…」

岡部「…俺が?」

紅莉栖「………………うん」


岡部「助手よ、非常に言いにくいことが一つある」

紅莉栖「な、何よ!? ここまで来て『実は童Oじゃありませんでしたー』なんて言うんじゃ!?」

岡部「いや、そうではなくて」

紅莉栖「あ、でも…確かになんか手馴れてる感じがしたし…。なんか手つきもいやらしかったし…」

岡部「天才HENTAI少女、貴様は馬耳東風という単語を今すぐ辞書で引くべきだ」

72: 2011/08/27(土) 15:07:11.02 ID:+8q4frWg0
岡部「クリスティーナ、それは夢だ」

紅莉栖「……へ?」

岡部「お前はラボの研究に没頭しすぎて疲れていた。
   俺がコンビニに行っている間にソファに横になって、そのまま眠ってしまったんだ」

紅莉栖「え、でも…あんたコンビニから今さっき帰ってきたんじゃ…」

岡部「俺はコンビニには二度行っている。一度目に帰ってきた際は、お前が気持ちよさそうに寝ていた。
   邪魔するのも悪いと思って二度目のコンビニへ向かったんだ」

紅莉栖「………」

岡部「そして二度目に帰ってきたときは…俺の高尚なる独り言を聞かれてしまったわけだ」

紅莉栖「交渉というにはあまりにも足りない部分が多かったがな」

岡部「うるさいぞ、セレセブ!」

74: 2011/08/27(土) 15:11:38.17 ID:+8q4frWg0
岡部「それに、だな……」

紅莉栖「そ、それに…!?」

岡部「実はだな、俺は聞いているんだ。クリスティーナ」

紅莉栖「な、何をよ!」

岡部「お前の情欲に塗れた寝言をな…フゥーハハハハ!」

紅莉栖「なっ!?」

岡部「まさかあーんな事や、こーんな事まで言ってしまうとはなぁ! この天才HENTAI処Oめが!」

紅莉栖「ぐ、具体的! 具体的なことを言ってくれないと論証にならない!」


岡部「『ごう、いん…なん、 ……ムニャムニャ…… だからぁ……』」

紅莉栖「くぅっ! た、確かにそんなことを言ってたような気がするっ!」

78: 2011/08/27(土) 15:17:43.41 ID:+8q4frWg0
岡部「以上、QEDだっ!」

紅莉栖「そ、それじゃあ私は…」

岡部「安心しろ。貴様はこれからもしばらくはメリケン処Oの名を馳せる事になるだろう」

紅莉栖「わ、私はアンタに寝言をほとんど聞かれていたっていう事か」

岡部「そういう事になる」

紅莉栖「欝だ氏のう…」

岡部「ふん、まぁ気にするな。今回の件は遅くまで助手をこき使ってしまった俺にも責任がある」

紅莉栖「……」

岡部「それに眠気は三大欲求の引き金になるとも聞く。
   今回はたまたま変な方向に欲が開いてしまっただけだろう」

紅莉栖「いいわよ、そんなフォロー…。それにラボに残ってたのは自分の意思なんだし」

岡部「んぅー? なんだ、助手は俺と一緒に遅くまで残りたかったーなどと思っていたのか?」

紅莉栖「うっさい! そ、そんなワケあるか!」

80: 2011/08/27(土) 15:27:16.89 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「ああ、もう! 岡部、のど渇いたから飲み物貰うわね」

岡部「どうした、助手ぅ~。 何をそんなに狼狽しているんだぁ?」

紅莉栖「くっ…なぜか普段の数倍は鬱陶しく感じる……」

岡部「ほら、ドクペだ。キンキンに冷えているから寝起きの頭には丁度いいだろう」

紅莉栖「え、でもこれ、アンタが飲む分だったんじゃ?」

岡部「フゥーハハハハ! これは元々クリスティーナの間抜けな寝面にくっつけて驚かすための小道具だからな!
   狸寝入りとは命拾いしたな、助手!」

紅莉栖「あっそ、それじゃあ遠慮なく貰うわね」

岡部「この鳳凰院凶真に感謝してその知的飲料水を流し込むがいい、フゥーハハハハ!」

紅莉栖「はいはい、中二病中二病」



紅莉栖「………ありがと」

岡部「……本当に感謝する奴があるか、まったく」

82: 2011/08/27(土) 15:35:42.05 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「ふぅー。ホント癖になる味ね、この飲み物」

岡部「落ち着いたか?」

紅莉栖「おかげさまで」

岡部「そろそろ明け方前だ、流石にホテルに帰る頃合だろう」

紅莉栖「そうねぇ、なんか今日は妙にぐっすり眠れそうな気がするわ」

岡部「……近くまで送ってやる」

紅莉栖「え?」

岡部「勘違いをするな、夜明け前といってもまだまだ夜は深い。
   もしもお前を一人で帰して何かあったら困るからな」

紅莉栖「はいはい、どうせラボの働き口が減ったら困るからでしょ?」

岡部「違う。お前は大切な仲間だ、もう二度と失いたくない…!
   何かがあっては遅すぎるから、念には念の保険をかけるに越したことは無い」

紅莉栖「ちょ、いきなり真面目な顔で、そ、そんなこと言わないでよ……」

85: 2011/08/27(土) 15:42:00.98 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「アンタがそこまで言うなら、エスコートされるのもやぶさかじゃないわ」

岡部「ふぅん、素直じゃない奴め。『鳳凰院凶真に送ってもらえて光栄です』と一言告げればいいものをぅ!」

紅莉栖「また中二病? ほんと次世代のノーベル賞は中二病の特効薬を作ることに目を向けるべきね」


紅莉栖「でもね」

岡部「?」

紅莉栖「岡部に送ってもらうのは、なんだか嬉しい気がする」

岡部「…そ、そうだろう! 何せ俺は狂気のムァッッドスワァイエンティストだからな! フゥーハハハハ!」

紅莉栖「言っとくけれど他意は無いからね! 変な間違いしたら海馬に電極ぶっ刺してやる!」

岡部「勿論、紳士的なエスコートは“前世”で取得済みだから安心しろ」

紅莉栖「今の言葉のどこに安心できる要素があったのよ…」

87: 2011/08/27(土) 15:49:08.41 ID:+8q4frWg0
岡部「では、クリスティーナ。貴様を送り届けてやる」

紅莉栖「はいはい、ありがと」

岡部「……」


ギュッ


紅莉栖「ふぇっ!?」

岡部「外は暗い、ラボの階段は急、お前を送るためにはそれこそ手放さずにエスコートせざるを得ない。
   だからこそ、こうして手を繋ぐのは必然とも言えるだろう! フゥーハハハハ!」

紅莉栖「う、うん……」

岡部「…手、痛くないか?」

紅莉栖「うん、大丈夫…」


紅莉栖「ねぇ、岡部」

岡部「なんだ?」

紅莉栖「意外と手、大きいんだね。ちょっとだけ、驚いちゃった…」

89: 2011/08/27(土) 15:54:12.69 ID:+8q4frWg0
――帰り道――


紅莉栖「手、汗ばんできちゃった…」

岡部「知っている」

紅莉栖「い、言っとくけど、ちゃんとエスコートするなら手を離しちゃ駄目だからね」

岡部「離すつもりはない」

紅莉栖「そ、そぅ……」


紅莉栖「この辺でいいわ、送ってくれて、その、…ありがと」

岡部「気にするな」

紅莉栖「それじゃ、また明日ね。ラボには昼過ぎに向かうわ」

岡部「ああ、分かった」

紅莉栖「それとね…今日のことは内緒にしといて」

岡部「くっくっく、それは約束できないなぁ! クリスティーナ!」

紅莉栖「もぅ! ちゃんと黙っててよね!」

94: 2011/08/27(土) 15:57:09.16 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「じゃあ、私はこっちだから」

岡部「ああ」

紅莉栖「岡部、今日残した分は次回に取り次ぎなんだからね!」

岡部「無論だ!」


岡部「おい」

紅莉栖「?」

岡部「おやすみ、紅莉栖」

紅莉栖「…うん、おやすみ。岡部」

98: 2011/08/27(土) 16:01:20.54 ID:+8q4frWg0
~エピローグ~

ダル「なぁなぁ、オカリン」

岡部「なんだ、ダル」

ダル「なんで牧瀬氏あんなに眠そうなん? もしかして昨日の晩、何かあった?」

岡部「阿呆な妄想はそこまでだHENTAI。別に何も無かった」

まゆり「でもね、でもねー。今日のクリスちゃん、なんだかとっても上機嫌なのです」

岡部「ああ、確かに上機嫌だな…我がラボの頭脳担当が絶好調なのは喜ばしいことではないか!」


紅莉栖「くぅ…やっぱ眠い。 悪いけど、ちょっと寝かせて。このソファ借りるわよ」

まゆり「おやすみ~、クリスちゃん☆」

100: 2011/08/27(土) 16:05:59.90 ID:+8q4frWg0
紅莉栖「……zzz」

紅莉栖「……zzz」

ダル「嘘みたいだろ…眠ってるんだぜ、これ…」

岡部「当たり前の事をドヤ顔で言うな」

まゆり「すごいね~。 ソファに横になってすぐ寝ちゃったよ~」

岡部「むぅ…やはり昨日の事が負荷になっているのか?」

ダル「オカリン、それは流石になんか意味深すぎるだろjk」

岡部「他意など無い」


紅莉栖「おか、べぇ…んふぅ、ちょ、やぁ//」  zzz…

紅莉栖「やだ、もう……」 zzz……

紅莉栖「ごう、いん…なん、 ……ムニャムニャ…… だからぁ……」 zzz……


まゆり「オカリン? ちょっと話があるんだ~☆」

岡部「誤解だ、これは誤解なんだぁぁぁぁーーーーーー!!」


―END―

102: 2011/08/27(土) 16:07:57.44 ID:Qn93PBCQ0
乙です

103: 2011/08/27(土) 16:08:17.10 ID:Im5KeksA0

引用元: 紅莉栖「おかべ・・・ちょ・・・やぁ//」