1: 2017/02/23(木) 14:08:24.65 ID:AtTGGffH0

2: 2017/02/23(木) 14:08:59.65 ID:AtTGGffH0


吹雪「司令官って控えめに言ってドMですよね」

提督「控えてないよね?」

吹雪「あ、失礼しました」

吹雪「超被虐体質ですよね?」

提督「もっと酷い」

吹雪「む、わがままですね」

吹雪「ドMのくせに」

提督「いやいや」

吹雪「え、違うんですか?」

提督「違うよ!」

吹雪「じゃあ、なんで摩耶さんとケッコンカッコカリしたんですか?」

吹雪「摩耶さんドSですよね」

提督「え?」

吹雪「え?」

提督「違うでしょ」

吹雪「えぇ…感覚がズレてますよ」

提督「えー、そうか?」

提督「ただのツンデレだろ」

吹雪「デレの部分見たこと無いんですけど…」



3: 2017/02/23(木) 14:09:56.95 ID:AtTGGffH0


コンコン―――


提督「はい」

摩耶『摩耶様だ』

吹雪「噂をすればですね…」

提督「どうぞ」


ガチャ―――


摩耶「よぉ」

吹雪「おつかれさまです」

摩耶「おぅ、吹雪」

摩耶「秘書官お疲れ」

提督「それでなんの用か?」

摩耶「なんの用か?じゃねぇんだよ」

摩耶「まーだ終わってないのか」

提督「ちょっと書類関係が溜まっててな」

摩耶「はぁー、これだから提督は」

提督「急いでやっている」

摩耶「付き合わされる秘書官の身にもなってみろってんだ」

摩耶「なぁ?」

吹雪「いえ、私は全然」

摩耶「あー、ダメダメ」

摩耶「ここでビシッとそうですね無能で困りますぐらいって言わねぇと」

摩耶「このアホは甘えるからな」

吹雪「はは…」

提督「アホって言うな上官に向かって」

摩耶「そうだった一応上官だったな」

提督「一応ってな…」

摩耶「定時過ぎてんのに仕事終わらないのがいけねぇよな」

提督「まぁ、そうなんだけど」

摩耶「ったく、もう少ししたら手伝ってやれるから」

摩耶「それまでにできるだけ仕事片づけておけよ」

摩耶「んじゃ、また」



4: 2017/02/23(木) 14:10:54.58 ID:AtTGGffH0


バタン―――


吹雪「…行きましたね」

提督「な?終始デレっぱなしだったろ」

吹雪「は?」

吹雪「訓練され過ぎですよ」

提督「そうか?」

吹雪「はぁ…アホとまで言われておいて」

吹雪「情けなくないんですか司令官」

提督「うーん…あんまり」

吹雪「ダメですね…これは」

提督「大体さ、どの辺がドSだったよ?」

吹雪「逆にどの辺がデレてたか聞きたいぐらいですよ」

提督「んじゃ、さっきの振り返りな」


5: 2017/02/23(木) 14:11:36.71 ID:AtTGGffH0


提督「まずなんで摩耶が来たか」

吹雪「無能アホ司令官を揶揄するためですよね?」

提督「サラっと凄い罵倒したな」

吹雪「違うんですか?」

提督「違うな」

提督「定時に帰ってこない自分を心配して見に来てくれた」

吹雪「は?」

吹雪「妄想も大概にしてくださいよ」

提督「いやいや」

吹雪「いやいやいや」

提督「分からん奴だな」

吹雪「そりゃそうですよ」



6: 2017/02/23(木) 14:12:21.78 ID:AtTGGffH0


吹雪「じゃあ、一連のアホ発言まではなんなんですか?」

提督「あれは早く帰ってきてよバカァ(ハート)だろ」

吹雪「ないです」

提督「いやいや」

吹雪「いやいやいや」

提督「むぅ…分からん奴だな」

吹雪「だって全然納得できてないですからね」

提督「うーん…できないか」

吹雪「他にも一応上官とか言ってたじゃないですか」

吹雪「上官として意識されてないんですよ?」

提督「ケッコンカッコカリの仲だからな」

提督「妻目線なんじゃない?」

吹雪「そう捉えますか…病気ですねこれはもう」

提督「いやいや」

吹雪「それにはもうノリません」

提督「はい…」



7: 2017/02/23(木) 14:13:05.04 ID:AtTGGffH0


吹雪「まぁ、多少デレと感じたのは最後くらいですかね」

吹雪「なんだかんだ言って手伝いに来てくれるとこに優しさは感じましたけど」

吹雪「終始デレてたなんてことは無いと思いますよ司令官」

提督「そうかなぁ…」

吹雪「そうですよ」

吹雪「さ、司令官が調教されてきていることが分かったところで」

吹雪「さっさと仕事片づけちゃいましょう」

吹雪「摩耶さんに責められてしまいますよ」

提督「…仕事を片づけることだけは同意しよう」

吹雪「あ…でもドMなら責められた方が嬉しいのか」

提督「お前なぁ…」



8: 2017/02/23(木) 14:13:32.68 ID:AtTGGffH0


しばらくして―――


摩耶「終わったかー?」

提督「まだ」

摩耶「チッ」

摩耶「あとどんくらい残ってんだよ?」

提督「このくらい」

摩耶「全然じゃねぇか!」

提督「手伝って下さい」

摩耶「はぁ…しょうがねーな」

摩耶「吹雪も早く帰りたいだろうしな」

吹雪「すいません…」

摩耶「いいってことよ」

摩耶「わりぃのはこのアホなんだから」

提督「はいはい」

摩耶「返事してないでさっさとやれ」

提督「………」

摩耶「無視すんな」

提督「はい」

吹雪(どっちなんですか…)



9: 2017/02/23(木) 14:14:01.21 ID:AtTGGffH0


時は流れ―――


提督「ふぅ…終わった」

吹雪「おつかれさまです」

吹雪「摩耶さんもありがとうございました」

摩耶「あぁ、良いってことよ」

提督「みんなありがとう、ごくろうさま」

摩耶「まったくだぜ、もっと感謝しろよな」

提督「それはもう」

摩耶「じゃあ、帰ったら…」

提督「ん?」

提督「あぁ、分かった」

摩耶「へっへー、約束だぜ」

吹雪「?」

摩耶「じゃあ、アタシは先出て行ってるぜ」

提督「あぁ」



10: 2017/02/23(木) 14:14:34.79 ID:AtTGGffH0


バタン―――


提督「さて、やっと終わったな」

提督「吹雪も遅くまでごめんな」

吹雪「あぁ、いえ」

吹雪「それよりさっきのは?」

提督「え」

提督「さぁな」ニコニコ

吹雪「なんで嬉しそうなんですか」

吹雪「はっ…まさか」

提督「あ、分かる?」

吹雪「分かりたくないです」

提督「そっかー」

吹雪(あの喜々とした摩耶さん…)

吹雪(司令官は部屋に帰ったら摩耶さんからご褒美を…)

吹雪「ほどほどにしてくださいよ」

提督「あぁ」




11: 2017/02/23(木) 14:15:36.63 ID:AtTGGffH0


~提督の自室~


提督「ただいま」

摩耶「…おせぇよ」

提督「いやー、ごめん」

摩耶「せっかく夕飯作ってたのに冷めたじゃねぇか…」

提督「本当にごめんよ」

摩耶「……手」

提督「て?」

摩耶「手を頭にのせろ」

提督「あぁ」

提督「こうか?」ぽん

摩耶「ちがう…アタシのだよ」

提督「そっちか」ぽん

摩耶「ん…」

提督「お次は?」

摩耶「…言わせんな」

提督「はい」ナデナデ

摩耶「んっ」

提督「寂しかったのか?」ナデナデ

摩耶「…うん」

提督「ごめんよ」

摩耶「…悪いと思ってんなら続けろ」

提督「おう」ナデナデ

摩耶「へへ」

提督「甘えん坊」

摩耶「悪いか?」

提督「いや、むしろ良い」ナデナデ

摩耶「ふんっ」

提督「そういえば」

提督「吹雪がドSだと思っているみたいだぞ」

摩耶「あ?どこが」

提督「だよな」

摩耶「どっちかっていうとアイツの方がそうだろ」

提督「だな」ナデナデ

摩耶「…ん、もういいよ提督」

提督「お、そうか」サッ



12: 2017/02/23(木) 14:16:44.07 ID:AtTGGffH0


摩耶「さて、メシにすっか」

提督「そうしよう、腹減った」

摩耶「そう思ってたくさん作ってあるからな」

提督「それはそれは」

摩耶「冷めちまってるけど、どうする温めるか?」

提督「いや、そのままでいいよ」

摩耶「そうか」

摩耶「メシついでくるから座ってろ」

提督「はーい」ストン

摩耶「ほい、提督」

提督「ありがとう」

摩耶「食べるか」

提督「いただきます」

摩耶「おう、食え」ストン

提督「…なぁ」

摩耶「どうかしたか?」

提督「食べにくい」

摩耶「なんで?」

提督「隣に座られて狭いのと近くで見られすぎて」

摩耶「…嫌か?」

提督「嫌じゃないけど、食べにくい」

摩耶「食べにくいねぇ…仕方ねぇなぁ」

摩耶「箸よこせ」

提督「なんで?」

摩耶「食べさせてやる」

提督「いいよ、恥ずかしい」

摩耶「食べにくいんだろ、遠慮すんなって」

提督「対面に座れば解決だけど」



13: 2017/02/23(木) 14:17:40.26 ID:AtTGGffH0


摩耶「提督ぅ」

摩耶「アタシが対面に座ると離れるだろ?」

摩耶「食べさせにくいじゃねぇか」

提督「あー…そうだな」

摩耶「だろ」

提督「うん」

提督「………あれ?」

摩耶「まぁ難しいこと考えるなって」

摩耶「ほれ、あーん」

提督「あー」

摩耶「どうだ?うまいか?」

提督「んぐ…うまい」

摩耶「へっへー、そうだろー」

摩耶「まだ沢山あるからな」

提督「なぁ、やっぱり自分で食べ――摩耶「あーん」

提督「んぐ…」

提督(有無をも言わせぬあーん攻撃に俺は…屈するしかなかった)



14: 2017/02/23(木) 14:19:01.56 ID:AtTGGffH0


摩耶「あー、口の周りについたぜ」

摩耶「しょうがねぇ奴だな提督は」

摩耶「ほら、拭いてやるからコッチ向きな」

提督「ん」クルッ


ペロッ―――


提督「へ?」

摩耶「んー、やっぱ冷めてると味違うな…」

提督「な、なにをした?」

摩耶「あ?舐めたけど?」

提督「なんで」

摩耶「提督ぅ」

摩耶「アタシとキスするだろ?」

提督「え、そりゃまぁ…」

摩耶「それと変わらねぇじゃん」

摩耶「たまたま口周り食べ物があっただけ」

摩耶「な?」

提督「そうか…そうだな」

摩耶「まったく何驚いているんだか…」

提督「ごめんごめん」

提督「………あれ?」




15: 2017/02/23(木) 14:19:29.11 ID:AtTGGffH0



提督「ごちそうさまでした」

摩耶「おう」

提督「いやー、食った」

摩耶「皿とか洗っておくから風呂に入ってくるといいぜ」

提督「そうさせてもらおう」




16: 2017/02/23(木) 14:20:23.42 ID:AtTGGffH0


入浴後―――


提督「ふぅー、いい湯だった」

提督「さて…寝るか」

提督「…ん?俺の布団が膨らんでいる」

提督「えい」バサッ

摩耶「よぉ」

提督「あれ?自室に帰らないの?」

摩耶「今日はもう遅いしな」

摩耶「最近物騒だし帰る途中に襲われたら大変だろ?」

提督「え?でも鎮守府内じゃん」

摩耶「提督ぅ」

摩耶「そういう思い込みはやめた方がいいぜ」

提督「いや、安全じゃ無かったら大変だし」

摩耶「うるせぇ!」ドカッ

提督「いてっ」

摩耶「アタシと寝たくないってのか?」

提督「…いいえ」

摩耶「だろー」

摩耶「摩耶様はやっわらかいぞ~」

提督「……ゴクリ」

摩耶「おいで」

提督「はい」

摩耶「最初から素直にしときゃいいんだよ」

提督「すいません」

摩耶「罰として枕な」

提督「はい」

摩耶「じゃ、おやすみ」

提督「おやすみなさい…ってぎゃあ」

摩耶「どうした?」

提督「いや、急に抱き着かれたもので」

摩耶「提督は今抱き枕だからな」ギュー

提督「枕って腕枕とかじゃなくて?」

摩耶「アタシは枕としか言ってないぜ?」

提督「ソウデシタネ」

摩耶「分かったか?んじゃ、寝るぜ」

提督「ハイ」



17: 2017/02/23(木) 14:20:54.07 ID:AtTGGffH0



摩耶「すぅ…すぅ…」

提督「………」

摩耶「すぅ…すぅ…」

提督「………」

摩耶「すぅ…すぅ…」

提督(寝れないッ…!!)




18: 2017/02/23(木) 14:21:25.67 ID:AtTGGffH0


翌日―――


吹雪「おはようございます司令官」

提督「あー…おはよ」

吹雪「うわぁー酷いクマですね…」

吹雪「ほどほどにって言ったのに」

提督「へ?あぁ、うん…」

吹雪(やっぱり司令官はあのあと摩耶さんにご褒美を頂いたようですね)

吹雪「どうだったんですか?」

提督「…柔らかかった」

吹雪「え?」

提督「…柔らかかった」ニヤァ

吹雪「一体どんなプレイを…」







おわり





19: 2017/02/23(木) 14:22:07.00 ID:AtTGGffH0


だ ま さ れ た な !

巧妙なトリックを使い前半は摩耶様がデレてないように書きました。
嘘です。
二人っきりになると人前の時と変わる様子を書いてみたかっただけでした。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。



23: 2017/02/23(木) 16:43:50.09 ID:L+2jZ7bh0
乙です

デレもいいけどいじりたくもあるよね

引用元: 【艦これSS】摩耶「おっせぇなぁ…」