8:◆cLaieAbL7Q 2011/05/21(土) 08:52:48.36 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「ね、あんたならこれなんだかわかる?」

男「・・・しらねぇよモンスターの事なんか、さっさと殺せ」

アルラウネ「ころさないって」

男「・・・」

アルラウネ「ん、ニンゲンの体はあったかいな」 ギュゥ

男「・・・おしべなら花粉じゃねえの」

アルラウネ「かふん?」

男「そいつが雌しべに付くと実が生って、種ができるんだよ」

アルラウネ「ふぅん、ニンゲンにもおしべがあるのか?」

男「・・・まぁ、似たようなのなら」

アルラウネ「みせて」

男「断る」

アルラウネ「どこにあるの」

男「知らん」

アルラウネ「わたし受粉してみたいよ」
モンスター娘のいる日常(3) (RYU COMICS)
10: 2011/05/21(土) 09:01:29.06 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「私にまけたんだから、巣につれてかえるよ」

男「好きにしろ」

アルラウネ「ふっふーん」 ズルズル

男「イテテ、ああ、もう自分で歩く」




アルラウネ「とうちゃーっく」

男「一ついいか」

アルラウネ「ん?」

男「これは巣じゃなくてただの林だ」

アルラウネ「ん、ニンゲンとちがって屋根とかいらないもん」

男「そうかよ」

11: 2011/05/21(土) 09:11:42.63 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「ニンゲンは、何をたべるんだ?」

男「離してくれたら適当にそのへんで狩りをして食うが」

アルラウネ「にげるんでしょ?」

男「まぁな」

アルラウネ「くだものは、ある」

男「バナナか、いただこう」



男「もっちゃもっちゃ」

アルラウネ「どうだ?うまいか?」

男「ああ」

アルラウネ「そうか、ニンゲンをかうのははじめてだから」

男「もっちゃもっちゃ」

アルラウネ「だいじに、そだてるから」

男「・・・もう大きくなりようがねえよ、これで育ちきりだ」

12: 2011/05/21(土) 09:17:34.66 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「もう、寝ようとおもう」

男「そうか」

アルラウネ「だっこして」

男「ん、これでいいか」 ギュッ

アルラウネ「うふふ~、あったかいな。おまえは」 ギュゥ



アルラウネ「さわ、さわ」

男「・・・」

アルラウネ「さわ、さわ」

男「おい」

アルラウネ「さわ・・・ん、なに?」

男「何をしている」

アルラウネ「ニンゲンのおしべをさがしてる」

男「アホなことしてないで寝ろ」

アルラウネ「ん」 ギュッ

14: 2011/05/21(土) 09:26:36.67 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「おきろ、おきろ」 ユサユサ

男「・・・ん、おおなんだ」

アルラウネ「さんぽに、いこう」

男「まだお日様も半分しか顔出してないんだが」

アルラウネ「いこう、さんぽに」

男「分かったよ、ったく」



アルラウネ「朝のさんぽはきもちいいな」 ウーン

男「ふぁぁ・・・俺ももうちょっと寝たかったけどな」

アルラウネ「葉っぱのすみずみにまで、えいようが足りていく気がする」

男「そうかい、ところで触手まきつけるのは首じゃなくて腰とかにならんか」

アルラウネ「いいぞ」 シュルル

15: 2011/05/21(土) 09:33:32.78 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「お前の巣は、どっちにあったんだ?」

男「ない」

アルラウネ「ないのか」

男「モンスターの襲撃で村ごと焼かれたんだよ」

アルラウネ「・・・」

男「・・・なんでそんな顔すんだよ」

アルラウネ「すまん」

男「まぁとにかく宿なし、根無し草ってわけだ
   根っこが無くて歩きまわってるお前さんと一緒だなハハハ!」

アルラウネ「?」

男「チッ、ジョークの分からん奴だ」

アルラウネ「ねっこなら、あるけど」

男「そうかよ」

17: 2011/05/21(土) 09:55:42.23 ID:TVMZWzjO0
ザァァァァァァ

アルラウネ「雨だ、雨だ」

男「・・・」

アルラウネ「めぐみの雨だ」

男「・・・」

アルラウネ「ん?どうした震えてるぞ」

男「お前たちと違って人間は雨にふられると冷えるんだよ」

アルラウネ「・・・困るのか?」

男「ああ」

アルラウネ「あっちに、がらんどうがある」

男「分かった」





おかしい根身のジョークだったのに

18: 2011/05/21(土) 10:03:33.24 ID:TVMZWzjO0
―――アルラウネの林 がらんどう


アルラウネ「そっち、もうちょっと詰めて」 ギュッギュッ

男「お前は外でもいいんじゃないか」

アルラウネ「せっかくだから」 グイグイ

男「なにが折角だよ・・・ん、こんなもんで」

アルラウネ「よしよし、なんとか、収まった」



ザァァァァァァ・・・

男「ずいぶんと降るな」

アルラウネ「んん・・・三日はふる感じがする」

男「聞きたくない情報ありがとうよ」

アルラウネ「お礼、いわれるほどじゃないよ」

男「・・・チッ」

19: 2011/05/21(土) 10:11:55.31 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「だっこ」

男「ん・・・」 ギュッ

アルラウネ「んふふ・・・きもちいい」

男「モンスターを後ろ抱きするなんてゾっとする」

アルラウネ「そう?」

男「・・・」



アルラウネ「なんで、斬らなかった?」

男「何のことだ」

アルラウネ「わたしを退治しにきたんだろう?」

男「ああ」

アルラウネ「剣をとちゅうでとめた」

男「どうだったかな、覚えてない」

アルラウネ「どうして?」

男「・・・」

20: 2011/05/21(土) 10:24:59.86 ID:TVMZWzjO0
ザァァァァァァ・・・

男「・・・俺には妹がいたんだ」

アルラウネ「いもうと?」

男「ん・・・なんて言ったらいいか、
   同じ花からできた種だけど、時期の違う株みたいな」

アルラウネ「ふぅん」

男「よくできた妹でな、まだ子供だったのに
   辛い顔一つせずに家事をこなしてたよ」

アルラウネ「うんうん」

男「甘えたいし遊びたい盛りだったろうにな」

アルラウネ「うん」

男「俺が出稼ぎに行ってる間に、村ごと焼かれちまったけどよ」

アルラウネ「・・・」

男「お前に剣を振り下ろす瞬間、妹の顔がだぶったのかもしれない」

アルラウネ「ん、似てるのか?」

男「いいや、全然。全然似てねえよ」

21: 2011/05/21(土) 10:28:42.46 ID:TVMZWzjO0
幼女とマイナスイオンバリバリの雨のふる静かな森であまやどりしたい

24: 2011/05/21(土) 10:50:50.45 ID:TVMZWzjO0
―――アルラウネの林 がらんどう 朝


アルラウネ「おいニンゲン、なんだか、いつもよりあったかい」

男「ハァ・・・ハァ・・・」

アルラウネ「・・・くるしい?」

男「いや・・・大丈夫だ・・・」

アルラウネ「・・・わたしは気持ちいいけど」 ギュゥ

男「ちょっと、今だけ…」 ギュッ

アルラウネ「んふふ・・・お前の、心臓のおとが聞こえる」 スリスリ

男「ああ・・・」

アルラウネ「お前はわたしのペットだから、
        ずっとずっといっしょにいるんだぞ」

男「・・・ん、分かってるさ・・・ゲホッ」

26: 2011/05/21(土) 10:58:02.17 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「・・・お前がくるまで、ずっとひとりぼっちだった
        動物はみんな、私たちをこわがる」

男「・・・そうか」

アルラウネ「しょくぶつが変化したから、なかまとかいないんだ」

男「・・・ああ」

アルラウネ「こんな、優しい気持ちになれるだなんて知らなかった」 ギュゥ

男「・・・」

アルラウネ「雨がやんだら、沼にいこう」

男「・・・」

アルラウネ「とってもジメジメしてるけど、
        今のきせつはたべものがいっぱいあるんだ」

アルラウネ「ん、ねむったのか?」

アルラウネ「まだ、話したいよ」 ユサユサ

28: 2011/05/21(土) 11:12:03.14 ID:TVMZWzjO0
ドサッ

男「ハァッ・・・ハァッ・・・」

アルラウネ「お、おい・・・」

男「ハァッ・・・妹、ごめんな。ごめん・・・ハァッ」

アルラウネ「なんだこれは・・・どうすればいいのだ・・・」 オロオロ

男「ゲホッゲホッ・・・兄ちゃんが・・・守ってやれなくて・・・ハァッ」

アルラウネ「なにをいっているのだ・・・
        顔はまっかだし体はふるえてるし・・・」

男「・・・ゲホッ」

アルラウネ「そうだ、あそこに連れていこう・・・
        わたしの葉っぱにくるんで・・・」

男「ハァッ・・・ハァッ・・・」



ズズズズッ・・・

31: 2011/05/21(土) 11:31:57.51 ID:TVMZWzjO0
―――ケンタウロス達の集落

アルラウネ「・・・」 ズズズズ

ケンタウロス♂「おい、林の引きこもり草が何の用だ」

ケンタウロス♀「ちょっとー、アルラウネちゃん怖がってるじゃない」

アルラウネ「・・・あんたたちの賢者にあわせて」

ケンタウロス♂「会わせると思ったのか?
          第一お前・・・人間臭いぞ」

ケンタウロス♀「その草の中のさぁ。人間?
          なんだかまだ生きてない?」

アルラウネ「これは・・・その、わたしの、友達だ」

ケンタウロス♂「友達?人間が?ハハハッ!
          下等な変化にもジョークが言えるらしいな!」

ケンタウロス♀「ねぇそんなの捨てちゃいなよ」 グイッ

ゴロン

男「・・・ぐぁッ・・・ハァッ・・・ハァッ・・・」

ケンタウロス♂「なんだ、ずいぶんと小汚い男だな」

アルラウネ「貴様ッ!」 ヒュンッ

35: 2011/05/21(土) 11:51:32.05 ID:TVMZWzjO0
パシッ

ケンタウロス♂「俺たちと事を構えるつもりか?」

ケンタウロス♀「ちょっとー、やめなって
          ほら、あんたもはやく謝ってそれ持って帰りな」

アルラウネ「しめあげてでも、ききだすよっ・・・!」 ギュンッ

ケンタウロス♂「フン、この戦斧でたたき潰して飼い葉にしてやろう」 ググ・・・




「はい、そこまで」

ケンタウロス♂「・・・ケイローン様!」

ケンタウロス♀「うわっ・・・私しーらない」 タタタッ

アルラウネ「どいててよ、お爺ちゃん・・・」

ケイローン「まったく、騒ぎを聞きつけてやってきてみれば
        お前は本当に血気盛んじゃの」

ケンタウロス♂「・・・面目次第もございません」

アルラウネ「こいつが頭さげてる・・・」

ケンタウロス♂「賢者ケイローン様だ、貴様も頭を垂れろ」

37: 2011/05/21(土) 12:27:09.18 ID:TVMZWzjO0
―――ケイローンの家

ケイローン「村の若いのが手荒なことをして悪かったな」

アルラウネ「いい、それより」

男「ハァッ・・・ハァッ・・・」

ケイローン「うん、これはな風邪だな」

アルラウネ「かぜ?」

ケイローン「うむ、お前さんこやつを野ざらしで連れ回してなかったか?」

アルラウネ「・・・してた」

ケイローン「人間は我々と違って、
       野ざらしで生きていけるほど丈夫ではないのだよ」

アルラウネ「・・・それじゃ、わたしのせいだ。助かるのか?」

ケイローン「肺炎になりかかっとるが、まぁ訳ないよ」

アルラウネ「そうか」 ホッ

ケイローン「そこに万能薬もあるしの」

アルラウネ「・・・?どこだ?」

39: 2011/05/21(土) 12:43:15.41 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「へ?わたしか?」

ケイローン「うん」

アルラウネ「そんないいの、もってないけど・・・」

ケイローン「お前達アルラウネは
        霊根マンドレイクの変化だからの」

アルラウネ「ニンジンか、なにかかと思ってた」

ケイローン「その体内には万病を癒す力がこもっておるのだよ」

アルラウネ「そうか、じゃとりあえず
        このねっこをすり潰そう」 ヒョイ

ケイローン「おいおい!別にすりつぶさずとか体液ならなんでも構わんよ!」

アルラウネ「たいえき・・・」

ケイローン「うむ、血だろうと唾液だろうと全て効果がある」

アルラウネ「わかった、すこし、この部屋をかりる」

42: 2011/05/21(土) 12:53:33.32 ID:TVMZWzjO0
「おい、ニンゲン、のめるか」

ふにょ

男(なんだか・・・酷く懐かしい感じがする)

ふにふに

「だめか・・・やはりすり潰して・・・」

男「・・・んっ・・・ちゅっ、ちゅう」

「ひゃっ、はっ、ん・・・・ん、そうだ。のめ」

男(甘い・・・体中に篭っていた熱と寒気を冷まし穏やかにしてくれる・・・)

男「ちゅっ・・・ちゅちゅ」

「お、おい。そんなに吸ったら・・・んっ、いたいよ」

男「ちゅ・・・ぷはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「・・・もう顔色が、よくなってる」

男「・・・ん、ここは」



世界はよくある剣と魔法の、フェンタジーRPGの世界です。
ただしモンスター娘ちゃんがいっぱいいる感じで。

43: 2011/05/21(土) 13:05:09.37 ID:TVMZWzjO0
一方その頃


ケンタウロス♂「ケイローン様、どうしてドアの前に・・・?」

ケイローン「うむ、まぁ、なんというか色々あっての」

ケンタウロス♂「まさかあの小娘が何かなさいましたか?
           もしそうならたたき出してきますが・・・」

ケイローン「いやいや、そうではないよ。
       ・・・そうだ、久しぶりに勉強会をしてやろう、おいで」

ケンタウロス♂「いえ、私には村の警備が・・・」

ケイローン「いいからいいから。おい、そこのケンタウロス♀もきなさい」

ケンタウロス♀「ひえっ・・・はぁ~勉強かぁツイてないよ・・・」

47: 2011/05/21(土) 13:31:40.81 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「目が、さめたか」 ニコッ

男「・・・あ、ああ。お前が看病してくれたのか」

アルラウネ「きゅうに倒れるから、
        枯れてしまったのかとおもった」

男「ん・・・さっき俺に飲ませてくれたのは」

アルラウネ「わたしの乳」

男「なっ・・・あ、そ、そうか。ごめん!」

アルラウネ「わたしの体液はばんのうやくらしい
        ん・・・どうした?顔があかい。もうちょっとのむか?」 グイッ

男「い、いい、いらない。大丈夫だ!」

アルラウネ「なんにしても、元気になってよかった、よかった」 ギュッ


―――

ケイローン「お前たちはあの娘が何の変化か知っとるかの?」

ケンタウロス♂「はて・・・なんでしょう、人参かなにかでしょうか。
          ・・・ケイローン様、どうして笑っておられるのです」

ケンタウロス♀「うんうん、美味しそうな葉っぱしてたもんね」

48: 2011/05/21(土) 13:40:15.79 ID:TVMZWzjO0
男「ん・・・泣いているのか?」

アルラウネ「なく・・・?おかしなことを言うな、ニンゲン」

男「男だ」

アルラウネ「ん?」

男「俺の名前だよ、そう呼んで欲しい」

アルラウネ「ん、わかった」

男「なぜかな・・・お前が泣くと心が痛いよ」 ギュッ

アルラウネ「ふふ、あったかいなー。お前は」

―――

ケイローン「マンドレイクだよ」

ケンタウロス♂「なんと・・・霊根マンドレイクですか」

ケンタウロス♀「おおっ・・・不老不氏の秘薬の元、
          いいなぁ永遠の若さ。」

ケイローン「マンドレイクが人の血を帯びて変化したのが、
        あの娘、アルラウネなのだよ」


50: 2011/05/21(土) 13:55:14.55 ID:TVMZWzjO0
ケンタウロス♂「なるほど」

ケイローン「人が血を流す理由は色々あるが、
       魔物に襲われ殺されたり、また同族で頃し合ったり、果てには自分を頃す者すらいる」

ケンタウロス♀「はー勿体無いですね」

ケイローン「こうして流れた血とそれにこもった想いが、
        マンドレイクをアルラウネに進化させるという話だ」

ケンタウロス♂「ははぁ、通りで人間臭いわけですな」

ケイローン「想いと血は受け継がれ、形や性格、
       そしてかすかな行動原理となって生き続ける、とまぁこんなところかの」

ケンタウロス♂「いや勉強になりました、では私はここで!」

ケンタウロス♀「あ!ずるい私も!」

パカパカパカッ

ケイローン「あ、これ待ちなさい・・・行ってしもうた
       ・・・まったく若いモンは話を聞かんの」

53: 2011/05/21(土) 14:14:26.23 ID:TVMZWzjO0

ケイローン「あの娘に託された想いか…あれだけあの少年を大事にしておるのだから、恐らくは―――」

―――


アルラウネ「ケイローンに部屋をかりた、
        今日はゆっくりやすめ」

男「ああ、分かった。お前はどうするんだ?」

アルラウネ「そうだな、わたしは、わたしの林にかえるよ」

男「そうか」

アルラウネ「ん、そうだ・・・お前を、ペットから解放する」

男「ん、ありがとう・・・アルラウネ」

アルラウネ「ん?」

男「次、会うときは友達だな」

アルラウネ「・・・ああ」

男「ふぁぁ、ずいぶんと眠い・・・それじゃ、また明日」

アルラウネ「・・・」 なでなで

58: 2011/05/21(土) 14:30:19.15 ID:TVMZWzjO0
―――翌朝

男「うぅーん・・・うぅーん、重い・・・重い」

ケイローン「おはよう、少年」 ズッシリ

男「ん・・・うわっ!なんだお前!なんで俺の上に座ってるんだ!」

ケイローン「人間はこうされると喜ぶと聞いたんだが、
       どうにもみんなそういう反応するな」

男「・・・半分馬のおっさんに乗っかかられて嬉しい奴がいるもんか
   、誰だいあんた」

ケイローン「私はケイローン、この家の家主だよ」

男「家主、そうか。一晩世話になった」

ケイローン「構わんよ、どうせ暇してるのだ」

男「この礼はいずれ必ずさせてもらう、失礼するぜ」

ケイローン「まぁ待ちなさい」 ズッシリ

男「うおっ・・・重いんだよ」




モン娘さんチーッス、ケイえもんの使い勝手は異常

59: 2011/05/21(土) 14:37:36.44 ID:TVMZWzjO0
ケイローン「どこに行く気かね」

男「あいつが待ってるんだよ、林で」

ケイローン「彼女が来てくれと言ったかね」

男「それは・・・言ってないが」

ケイローン「アルラウネはとても情が深い種族じゃ、
        今度は離してくれんかもしれんよ」

男「いいさ」

ケイローン「今なら人里に帰る事もできる」

男「・・・なんていうかな」

ケイローン「うん?」

男「あいつに言ったことあるんだよ、
   俺は根無し草だ、動く草のお前と一緒だなって」

ケイローン「このような時代だからの、根無し草も多くいる」

男「だけど、あいつには根っこがあるんだと、
  離してくれないならあいつには俺の根っこになってもらうとするさ」 ニカッ

ケイローン「ふむ・・・そうか。
       なら言うことはない、達者でな」

60: 2011/05/21(土) 14:42:25.28 ID:TVMZWzjO0
―――アルラウネの林 がらんどう内部


アルラウネ「あーあ、にがしちゃった」

アルラウネ「しょうがない、しょうがない、
       わたしじゃ飼えないし」

アルラウネ「ん、ここも1人だと・・・ひろい、ね」

アルラウネ(あいつに吸われたところが・・・なんだかあついよ)

64: 2011/05/21(土) 15:03:39.27 ID:TVMZWzjO0
アルラウネ「・・・な、なんだ、もどってきたのか」

男「ああ、友達に会いに来た」

アルラウネ「・・・」

男「縛ってもいいぜ」

アルラウネ「そ、そうか!あ、でも、いい」

男「んっと、大事な話がある」

アルラウネ「・・・ん、なんだ」

男「俺の根っこになってくれ」

アルラウネ「ん?なにをいってる」

男(いかん・・・はしょりすぎた)

アルラウネ「男・・・用がないならかえれ、
        でないとわたしは・・・」

男「ああもう面倒だ!」 グイッ

ちゅっ

アルラウネ「んっ!?ん・・・んん」

男「ちゅっ・・・これが俺の気持ち」 ギュッ

74: 2011/05/21(土) 15:47:08.82 ID:TVMZWzjO0
―――アルラウネの林 沼

アルラウネ「ここでわたしは、発芽したんだ」

男「結構涼しいな、ここは」

アルラウネ「夏は、ここにかぎるよ

男「・・・ん、誰かの墓があるな」

アルラウネ「そのひとが私に血をくれたんだと、おもう」

男「そうか。今度きたら花でも添えてやろうかアルラウネ」

アルラウネ「ん、わかった」

男「まだ、案内したいところあるんだろ?」

アルラウネ「ああ、こっち」

『大事にしてあげてね、お兄ちゃん』

兄「ん?」

アルラウネ「どうした、変なかおになってる」

兄「いや、なんでもない」

兄(まさかな、こんなところに
     妹の墓があるはずもない)

77: 2011/05/21(土) 16:01:00.39 ID:TVMZWzjO0
―――ケンタウロス達の集落 3年後

ケイローン「人間は繁殖力のある種族とは思っていたが、
         まさか異種間での」

男「ははは、頑張ったので」

アルラウネ「われながら、びっくりした」

アルル「うまだ!」

ラウネ「うまー!」

ケンタウロス♂「よ、よせっ。
         こらっ尻尾を引っ張るんじゃない」

ケンタウロス♀「あらいいじゃない。あんた結構似合ってるよあはははっ」

ケイローン「うむ、これも修行だからの」

ケンタウロス♂「ふ、不幸だ・・・」

ケイローン「それで、生活は順調か?」

男「沼のほとりに家を建ててね、
   今じゃ親子8人で仲良く住んでますよ、なアルラウネ」

アルラウネ「ええ・・・あなた」 ポッ

ケイローン「そうかそうか。なんだか今日はやけにあついのぅ」

79: 2011/05/21(土) 16:12:12.43 ID:TVMZWzjO0
ケイローン「ん、8人?」

男「頑張ったので」

アルラウネ「うん」

ケイローン「まぁこのへんをアルラウネだらけにせんように」

ケンタウロス♀「ほーらお、馬さんに乗せてあげようねー」

アルル・ラウネ「イヤッホオオオウ!」

ケンタウロス♂「な、なんで俺がこんな目に
           クソッ落ちるなよ、ガキども!」

パカラッパカラッ

アルラウネ「おちないように、ね」 葉っぱフリフリ

ケイローン「もう、しっかりと根を張ったようだな」

男「おかげさまで、あの林にしっかりと」

パカラッパカラッ

アルラウネ「ん、帰ってきた」

男「こいつと、あいつらがいるんだ。枯れる未来なんてないでしょう!」 ギュッ

アルラウネ「きゃっ・・・もう、あなたったら」      おしまい

82: 2011/05/21(土) 16:15:43.48 ID:TVMZWzjO0
終わった!完!

しょっぱいSSだったけど支援くれてありがとう
途中で心何度か折れたけど支援の2文字で頑張れました

84: 2011/05/21(土) 16:23:07.97 ID:I2qHtgJrO
ほっこりしたよ、>>1乙

引用元: アルラウネ「あれぇ、おしべからヘンなのが出てきちゃったぁ」