753:◆cLaieAbL7Q2011/04/04(月) 12:37:12.59 ID:GyCH9Vlk0

男「なんでまだいるの?」スライム女「いけない?」

スライム娘「~♪」ペタペタ

男「…ウザいから顔ペタペタしないでくれる?」

スライム娘「嫌です!せっかくヌメヌメしなくなったんですよ?」

男「確かにヌメヌメはしてないけどさ…」

男「まだビチャビチャしてるのわかってる?」

スライム娘「わかってますけど…成長したんだから褒めて下さい!」

スライム女「そうよ~、女の子は褒められてキレイになるのよ?」

男「オレにそんなもの求めるな!そしてなんでお前らは今日もいるの!?」

男「昨日も来てたよね!?って言うかここ3日いつも来てるよね!?」

スライム娘「まぁまぁ、落ち着いて下さい」

男「お前はこっちの世界が体に悪いからって戻ったんじゃないの?」

スライム娘「頑張ってます!」

男「頑張る方向間違ってるから!」


スライム娘「…なんか怯えてます」
モンスター娘のいる日常(3) (RYU COMICS)
756: 2011/04/04(月) 12:42:36.79 ID:GyCH9Vlk0

スライム女「そうそう、その事で今日は来たのよ」

男「あ?」

スライム女「やっぱりこっちの世界は体によろしく無いのよね…」

スライム女「って事で間をとって、男さんを連れていってしまおうかなぁ…と」

男「何処の間を取ったの!?」

スライム女「私と娘ちゃんの間かしら」

男「そこにオレを入れてくれよ!ヤダよファンタジーの世界なんていきたくねぇよぉ」

スライム女「意外と楽しいところよ?何もないけど」

スライム娘「みんな優しいですよ!何も無いけど」

758: 2011/04/04(月) 12:46:23.09 ID:GyCH9Vlk0
男「なんで何も無いところにわざわざ行かなきゃいけないんだよ…」

スライム娘「ダメ…ですか?」

男「う…だ、ダメだ!」

スライム女「それじゃぁ、とっておきの事を教えて上げるわ…」

男「とっておき?」

スライム女「えぇ…あっちの世界は基本的にみんな裸よ」

男「……」

スライム女「行きたくなった?」

男「余計いきたく無くなったよ!っていうかわかってたよ、お前らの格好見ればだいたい…」

スライム娘「…残念です」

759: 2011/04/04(月) 12:51:23.46 ID:GyCH9Vlk0
スライム娘「本当は合意のうえで連れて行きたかったんですけど…」

男「…え?無理矢理連れていく気なの?」

スライム娘「愛ゆえに!」

男「それ別に何しても良いって免罪符じゃないからね?」

スライム女「まぁまぁ騙されたと思って少し目を閉じて?」

男「近い近い…」

スライム女「良いから閉じなさい、目を開けたままの方が好きって言うならそれでも良いけど…」

スライム女「悪い様にはしないから…ね?」

男「わ…わかったよ」パチリ

スライム女「この子ホントは頭悪いんじゃないかしら…」

男「え?……」

760: 2011/04/04(月) 12:58:10.37 ID:GyCH9Vlk0
男「……はっ…ここは何処だ」

男「………ふぅ…」

男「異常事態かと思ったらただゲームのセカイに入り込んだだけだったぜ」

男「………あれ?異常事態じゃね?」

アタフタアタフタ

男「そうだ、あの変態スライムども」

男「スライム女~、スライム娘~~!何処だ?」

男「か、隠れてるだけなんだろ?」

男「なぁ…おい!」

男「まさか…はぐれた?」

763: 2011/04/04(月) 13:09:04.83 ID:GyCH9Vlk0
「どうした青年困りごとか?」

男「あ、実は道にまよ…って…」

ケイローン「ん?青年はまさか人間か?」

男「え…とあの…間違えましたー!」

トウソウチュー

男「なんだあれ…上は人間だったけど脚が…馬?」

ケイローン「まぁ、そういう一族だからな」

男「なんだよあれ…手足が六本って昆虫かよってはなしですよね…」

ケイローン「青年が私を馬鹿にしていることはわかった」

男「……え?」

768: 2011/04/04(月) 13:13:50.03 ID:GyCH9Vlk0
ケイローン「草原の賢者とよばれる私が今一度聞く」

ケイローン「青年は人間か?」

男「あぁ…オレは氏ぬかもしれない…」

ケイローン「………」

男「はい…人間です」

ケイローン「なぜこちら側に人間が?」

男「その…道に迷って」

ケイローン「それは有り得ない、案内者は誰だ?」

男「……」

ケイローン「言わなければ案内することも道を教える事も出来ない」

ケイローン「心配するな。教えたからどうこうなる事も青年が人間だから頃すような事も無い」

男「スライム女…」

770: 2011/04/04(月) 13:19:53.02 ID:GyCH9Vlk0
ケイローン「なるほど…あいつならやりかねないな…」

ケイローン「とりあえずだ青年、わたしの村に来ると良い」

ケイローン「折角の客人なのだから、それなりのもてなしはしよう、必要ならば案内もだそう」

男「え…あ、ありがとございます」

ケイローン「まぁそこまで畏る事でも無い」

男「昆虫とか言ってごめんなさい」

ケイローン「…敵として迎える入れてもいいんだが?」

男「ホントすみませんでした!」

773: 2011/04/04(月) 13:27:24.43 ID:GyCH9Vlk0
ケイローンの村

ケイローン「客人を連れてきたぞ」

ケンタウロスA「あれ人間じゃね?」
ケンタウロスB「え?マジマジ?めっちゃ受けるんだけど」
ケンタウロスC「うわwwwwwマジ弱そうwwwwww」
ケンタウロスA「わかるわぁー後ろ脚で蹴ったら一発だべ」

男「なんだこのDQNは…」

ケイローン「その…すまん、ウチの村の若い男共は血の気が多くてな…」

男(ケイローンは仲間をよんだ、ケンタウロスABCが現れたって感じだな…)

ケイローン「立ち話もなんだ、私のウチに来るといい。すこし話も聞きたいしな」

774: 2011/04/04(月) 13:40:50.89 ID:GyCH9Vlk0
ハウス

ケイローン「……それで気付いたらここに居たと」

男「はい」

ケイローン「まぁ一度に二人も連れて世界を渡ればそうなるだろうな」

男「その、スライム娘達が住んでる所ってどっちの方なんですか?」

ケイローン「それなら、私達も用事があるからな。そいつらに案内させよう」

男「あ、ありがとうございます」

ケイローン「出発は明日になってしまうけどいいかな?」

男「あ、はい」

ケイローン「ならばそれまで村を見てみると良い、半人半獣の物が集まる村だから、人間の君は少し怖いかも知らないが」

778: 2011/04/04(月) 13:51:41.47 ID:GyCH9Vlk0
ケンタウロスA「お、出てきた。お前マジ人間なの?」

男「あ、あぁそうだけど」

ケンタウロスB「まじうけるしーちっと話聞かせろよー」

ケンタウロスC「やっべwwwww人間となwwwwwなにも出来なそうwwwwww」

ケンタウロスA「おめー笑ってんなよww
w」

男「なんだこいつら…」

ケンタウロス娘「はいはい、あんたらあんまり囲まない!怖がってんだろうが」

ケンタウロスA「だって人間とか珍しくね?色々話ししてぇじゃん」

ケンタウロス娘「まぁ、気持ちはわかるけどよぉ」

781: 2011/04/04(月) 13:59:43.07 ID:GyCH9Vlk0
男「ごめん、ちょっと一人にさせて貰えるかな?色々有りすぎて頭痛い」

ケンタウロス娘「あ、うん。そうだね、後で話し聞かせてくれよ」

男「あぁ、後でなら」

787: 2011/04/04(月) 14:05:36.02 ID:GyCH9Vlk0
村の外

男「そっか。やっぱり人間は珍しいんだもんな、囲まれるわそりゃ…」

男「あの変態スライム共もやっぱり人前に出したらあぁなんのかな」

男「……無理矢理追い出さなくてよかったな、面倒な奴らだけどあんな目に会うのは流石にな」

ケイローン「やはり居心地が悪いか?」

男「そうですねぇ…なんか珍獣の気持ちがすごいわかりました」

ケイローン「青年の世界に行けば私達の方が珍獣になるのだけどな」

男「珍獣っていうか、化け物扱いですね…」

ケイローン「まぁそうだろうな」

792: 2011/04/04(月) 14:14:07.73 ID:GyCH9Vlk0
ケイローン「実を言うと過去にも何度か人間がきた事は有るんだ」

男「そうなんですか…」

ケイローン「みんな三日ももたず発狂して、1週間も経たずにしんでいったよ」

男「え?なんで?」

ケイローン「周りはみんな好奇の目を向けてくる、自分とは違う生き物、逃げ出しても食糧を自力で取ることも出来ない」

男「あぁ…そりゃ氏ぬわ」

ケイローン「空気も青年の世界とは違うからな、こちらの空気を吸い続けると思考能力も落ちて行くらしい」

男「……」

ケイローン「疑心暗鬼の末に…って事になった人間もいたな」

男「怖がらせたいんですか?」

797: 2011/04/04(月) 14:20:13.33 ID:GyCH9Vlk0

ケイローン「そうなるな」

男「…なんでですか」

ケイローン「風の噂でな、最近スライムの女共が人間の男に御執心だと聞いてな」

男「こっちの世界にも噂ってあるんですね…」

ケイローン「知能があって喋れれば噂話しくらいするさ」


801: 2011/04/04(月) 14:27:47.44 ID:GyCH9Vlk0
ケイローン「悪いことは言わない、スライム共の事は諦めた方が良い」

男「別にオレが御執心なわけじゃないし」

ケイローン「すこし好奇の目を向けられただけで青年は心を病み始めている」

ケイローン「それがこの先ずっと続くとしても…耐えられるかい?」

男「……」

ケイローン「あちらの世界はスライム共に悪いのは聞いてるんだろ?」

男「…うん」

ケイローン「ならわかるだろう?両方が一緒に生きられる世界はどちらにも無いんだよ」

男「はぁ」

ケイローン「少し考えてみると良い」

804: 2011/04/04(月) 14:34:55.77 ID:GyCH9Vlk0

男「…それでも」

ケイローン「ん?」

男「あいつは言ったんですよ」

男「ハッピーエンドが無いなら、私がそれを作る。って」

ケイローン「うむ…」

男「だからそれを少し信じてみても良いかなって思います」

ケイローン「人間とは存外ロマンチストなのか?」

男「無いなら作れば良いで成長したのが人間ですから」

男「だから、無理ならそれを作りますよ。別にずっと一緒にいるだけが恋愛じゃ無いですし」

806: 2011/04/04(月) 14:40:21.21 ID:GyCH9Vlk0
ケイローン「だ、そうだ」

男「ん?」

スライム娘「…///」

スライム女「な…なかなか恥ずかしいことをサラッというじゃない…」

男「なんでお前らが!?」

スライム女「馬鹿じゃないんだから、何処らへんで落し物したかくらいわかるわよ」

男「っていうかお前!オレは行かないっていったよね!?なんで無理矢理連れてきたの!?」

スライム女「あら?だから騙されたとおもってって言ったじゃない」

男「それはそういう使い方する言葉じゃないから!ホントに騙してどうすんだよ!」

スライム女「おかげで面白い事が聞けたわ…」

807: 2011/04/04(月) 14:45:52.08 ID:GyCH9Vlk0
スライム娘「あれはプロポーズで良いんですか!?」

スライム女「あら?あれは私へのよね?」

男「どっちも違う!あれは例え話しであってだな…その…」

男「始める前から諦めるのはいかがなものかと思って言っただけで…」

スライム女「なに赤くなってんのよ童O(仮)のくせに」

男「だぁ~かぁ~らぁ…」

スライム娘「男さん…私頑張りますね!」

男「なっ……まぁ、うん」

男「そうだな…」

スライム娘「だから暫くは通い妻で頑張ります!」

スライム女「一人じゃ行けないくせになにいってんのよ」

808: 2011/04/04(月) 14:49:35.74 ID:GyCH9Vlk0
スライム娘「が、頑張るから大丈夫です!」

男「話が纏まったところで…そろそろ帰りたいんだが…」

スライム女「あら…なんで?来たばかりじゃない」

ケンタウロスABC娘「じーーー……」

男「あの視線が滅茶苦茶気になるんだ…」

スライム女「でもダメ、今日一日ぐらい頑張りなさい」

男「なんでだよ…」

スライム娘「見せたいものがあるんです」

男「見せたいもの?」

811: 2011/04/04(月) 15:03:47.30 ID:GyCH9Vlk0
スライム達の湖

スライム女「ここが私達の村よ」

男「キレイな湖だな…」

ケンタウロスABC娘「あぁ、そうだな」

男「なんでお前らまだいんの!?」

ケンタウロスABC娘「だってまだ話し聞いてないし」

男「もいやだ…こいつら…」

スライム娘「こっちに来て下さい男さん」

男「え?こっちって…そこ湖の上なんだけど」

スライム女「良いから行って来なさい!」ドン

男「うわっ」バーチャン

スライム娘「行きますよ男さん」

フワフワー

男「水が、シャボン玉みたいに…」

814: 2011/04/04(月) 15:12:30.02 ID:GyCH9Vlk0
スライム娘「水をいっぱいとりこんで体を伸ばしてるだけなんですけどね」

男「なるほどな…水の精霊とかいわれるようになるわけだ…」

スライム娘「私はまだまだですけどね」

男「これでもまだまだなのか…」

スライム娘「私、この景色を見せたかったんです」

男「あぁ…きれいだ」

スライム娘「コレが私の住んでいる世界です」

スライム娘「なにも無いところですけど、やっぱり男さんには私の事も私の世界の事も知って欲しかったから」

スライム娘「いっぱい練習しました」

男「ん」

スライム娘「だから…今度は私が男さんの事を教えてもらう番です!」ギュ

816: 2011/04/04(月) 15:17:07.64 ID:GyCH9Vlk0
男「だが断る」

スライム娘「そう言うと思ってました」

スライム娘「だから、男さんに、教えて貰うんじゃなくてわたしが探すんです」

男「……」

スライム娘「そのために来れからも…覚悟しといてくださいね?」

男「そうだな…」


スライム女「なーんか、なっとく行かないけどね。私の方が接触多いのに私の負けみたいな雰囲気」

ケンタウロスA「ババァだからじゃね?」
ケンタウロスB「わかるーマジうけんだけど」
ケンタウロスB「若さにしっとwwwww」
ケンタウロス娘「あんたらはちょっと黙ってな!」

817: 2011/04/04(月) 15:22:28.61 ID:GyCH9Vlk0
翌日男の家

男「………だからさ」

スライム女「ん?」

スライム娘「なんですか?」

男「なんで今日もいんだよ!?」

男「空気が悪いからもどったんでしょ!?なんでふつうに今日もいるわけ!?」

スライム娘「気にしたら負けです」

スライム女「男に会いたくて」クネクネ

男「たまにはオレのプライベートが欲しい…」

818: 2011/04/04(月) 15:26:21.42 ID:GyCH9Vlk0
スライム女「でも私、今日はすぐ帰るから」

男「そうなのか?」

スライム女「えぇ、敵に塩を送る事になるけどね」

男「?」

スライム娘「今日は私だけです!だから…覚悟しておいてくださいね?」

スライム女「娘ちゃんもとうとう大人になる日が来たのね…」ホロリ

男「ホ口リじゃえねぇよ!襲わせないよ!?」

スライム娘「男さん…」

男「ん?」

スライム娘「大好きです」ニコ

男「…はぁ。ありがと…」

FIN

819: 2011/04/04(月) 15:27:54.12 ID:mh9wOcv0O
乙カレー

883: 2011/04/04(月) 20:24:50.62 ID:vzOwId6A0
男「……質問いいか?」

スライム女「またその始まり方なの?」

男「お前らが今日いる事には何も突っ込まないでおく」

男「でもな…これは突っ込ませくれ…」

ケイローン「なんだね青年」

男「なんでオレのうえにこいつが乗ってんの?マジで重いんだけど!!」

ケイローン「さすがのわたしもそれは傷つく…」

男「だからどけよ!!」

ケイローン「いや、青年はこうやって起こされるのが好きだと聞いたからな」

男「もう起きたよ!ってかお前のった瞬間に起きたよ!」

ケイローン「カエルが潰れるような声だったな」

884: 2011/04/04(月) 20:32:30.08 ID:vzOwId6A0
男「おっさん…自分の体重を考えて行動しよう?な?」

ケイローン「考えた結果喜ぶと思ってたのだが…」

男「だから人の上でのんびり喋んな!」

ケイローン「わがままだな…青年」ヨッコイショ

スライム女「大丈夫?」

男「あぁ多分…」

ケイローン「人間とは意外と脆いのだね…」

男「お前が言うとすごいムカつく…」

スライム娘「私の事を布団にいれてくれないからです」

男「首謀者はお前か…」

887: 2011/04/04(月) 20:39:47.15 ID:vzOwId6A0
スライム女「なんかあなたに頼みごとがあるらしいから連れて来たのよ」

男「頼みごと?オレに?」

ケイローン「そうなのだよ…少し席を外して貰えるかな?」

スライム娘「いやです」

スライム女「断るわ」

ケイローン「……」

男「いいからあっち行ってろ…」

スライム女娘「…むぅ」

ケイローン「すまない…」

890: 2011/04/04(月) 20:48:58.63 ID:vzOwId6A0
男「それで頼みって?オレなんか何も出来ないと思けど…」

ケイローン「いや…そんなに難しい事では無い」

ケイローン「この卵を温めて、孵して欲しいんだ」ハイ

男「卵を?結構でかいな…」

ケイローン「まぁ詳しい事を説明すると長いんだが…簡単にいってしまえば、あちらの世界は生まれたての者には刺激が強いので、こちらの世界で卵を孵してあちらの世界に持って行くんだ」

ケイローン「普通ならば人目のつかない所で我々がやるのだが…」

ケイローン「キミに任せるのも面白いかもと思ってな」

男「なるほど…それであっちの世界ではコウノトリが子供を運んでくるのか」

ケイローン「卵はいつの間にか生命の木の根元に置かれていて、それを見つけたらこちらの世界に持ってくる」

ケイローン「これは彼方の世界でも一部しか知らないことだがね」

894: 2011/04/04(月) 20:54:40.68 ID:vzOwId6A0
ケイローン「それで…だな」

男「暫くあいつらにこっちくんなって言っておけば良いんですね」

ケイローン「すまん、怖くて」

男「いや…わかりますよ…」

男「取り合えずしばらく卵は押入れの中に隠しておくか」

ケイローン「何が出てくるかは、生まれてからのお楽しみだ」

男「そっか…何時の間にかあるんだもんな」

ケイローン「獰猛な者じゃ無いといいな」

男「…獰猛な生き物だとどうなるの?」

ケイローン「………」

男「どうなるの?」

ケイローン「いや…楽しみだな。恐らくあと1週間もすれば彼方の世界で引き取れると思うからよろしくたのんだよ!」

男「え?おい!?」

898: 2011/04/04(月) 20:58:19.38 ID:vzOwId6A0

男「行っちまったよ…もういいぞ」

スライム娘「あれ?ケイローンさんは?」

男「逃げ…帰ったよ」

スライム女「ふーん?それでどんな話しだったの?」

男「秘密だ、だから言えない」

スライム女「まさか…確かにケイローンにも穴は有るけど…」

スライム娘「え!?うそ!!?」

男「違うからね!?」

901: 2011/04/04(月) 21:03:47.39 ID:vzOwId6A0
男「それと、お前ら暫くは出入り禁止な」

スライム娘「なんでですか!」

男「暫く実家に帰るからな、来ても意味無いだろ」

スライム女「ふ~ん?ホント?」

男「どっちにしろ出入りは禁止だ。もし来たら一生口聞かないからな!」

スライム女「子供…?」

男「暫くやる事があるのは本当だからな」

スライム娘「隠し事はよく無いです…」

男「…う、そうなんだけどさ…でも言っちゃダメな事もあるだろ…?」

スライム娘「男さんのばか…」

男「用事が済んだら相手してやるから…だから今日はもう帰れな?お願いだから」

902: 2011/04/04(月) 21:09:45.67 ID:vzOwId6A0

男「さてと…あいつらも帰ったし」

ドスン

男「…駝鳥の卵より一回り位大きいな…」

男「さてとあいつが置いていった石板を…石板とかマジ邪魔なんだが…」

男「何々…卵を孵すにあたって…愛情をもって温める、時には優しい言葉も」

男「人間と似たようなもんだな」

男「温めるって人肌で良いのかな?」


905: 2011/04/04(月) 21:13:50.12 ID:vzOwId6A0
男「でもあいつらが文明の利器とかを使うと思えないし多分人肌だよな」

男「早く生まれてこいよ~」ピタッ

男「ピタッ?……まさかな…」グイグイ

男「離れねぇ…マジでかこれ!?」

男「え?何これ!?オレこれからこの卵抱えて生活するの?」

男「食糧の買い置きとか殆どないんだけど……」

男「……さっさと生まれてこいよ…」

909: 2011/04/04(月) 21:27:11.82 ID:vzOwId6A0
温め生活一日目

片手が使えないのでパンを食べたジャムを塗るのにも苦労した

生まれて来るまでまだまだかかりそう


温め生活二日目

今日もパン、もうパンはない
米が食べたい

時々中で動いているみたい生まれて来るまでもう少しかな?

温め生活三日目

面倒だから何も食べない、タマゴにかける言葉が出て来なくなってきた、自分の語彙量が、悲しくなった

中で動いている、もうすぐ生まれそう

温め生活四日目
気づいたら生まれていた…

917: 2011/04/04(月) 21:39:14.74 ID:vzOwId6A0
男「なんだこれ…」

フィギュア?「……」

男「フィギュア?石で出来た女の子像?」

ケイローン「これは…ガーゴイル?」

男「いつの間にいたの!?」

ケイローン「いや…生まれるころかな?と思って来てみたんだが…倒れていたから放置して置いた」

ケイローン「それよりも、これはガーゴイルで良いのかな?」

男「オレに聞かないでもらえますか…」

ケイローン「私はこんな容姿をしたガーゴイルを見たことがない」

男「オレはガーゴイルとか言うのをみた事が無いです」

922: 2011/04/04(月) 21:46:11.22 ID:vzOwId6A0
ケイローン「普通、ガーゴイルと言うのは蝙蝠やドラゴンのような格好をしているんだが…」

男「ドラゴンの翼と尻尾の生えた女の子ですね…」

ケイローン「……君は何を考えながら卵を温めていたんだ…」

男「関係なく無いですか?」

ケイローン「いや、卵は少なからず温めた者の影響を受けるからね。その為に繋がるわけだし」

男「…?」

ケイローン「こちらの世界なら優秀な雄がその能力をついだ子供を作るだろう?それと一緒で優秀なもの、まぁ私のような」

男「…?はい」

ケイローン「が、力を与えながら卵を孵化する事でより優秀な卵をを孵すのだよ」

男「…なんとなくわかったようなわからないような…」

924: 2011/04/04(月) 21:54:28.30 ID:vzOwId6A0
ケイローン「そこでもう一回聞く、何を考えて卵を暖めていたらこうなるんだ?」

男「……女の子?」

ケイローン「なるほど…だから君は童O(仮)なのか…」

男「おい!?それ誰から聞いた!いや、わかるけど!想像つくけど!!」

ケイローン「あまり大きな声を出すな…この子が泣いちゃうだろう」

ガーゴイル「………」

男「滅茶苦茶無表情でなにも喋らないんですけど…」

ケイローン「まぁ…ガーゴイルだからねぇ…」

男「何すれば良いんですか?」

ケイローン「三時間置きにご飯をあげてれば良いんじゃないかな?それと時々喋りかけてあげて」

ケイローン「一応三日はお願いするよ、そうじゃないとあっちに行ってから体がモタ無いからね」

男「ご飯って?」

ケイローン「生肉…かな?」

927: 2011/04/04(月) 21:57:56.89 ID:vzOwId6A0
男「それじゃちょっと買い物に行って来るので、少しだけみていてください」

ケイローン「うむ、わかった」

ガチャバタン

ケイローン「…わたしがケイローンだ」

ガーゴイル「……」

ケイローン「ガン無視はつらいな」

ケイローン「おじちゃんと遊ぼうか?」

ガーゴイル「……」フルフル

ケイローン「拒否された…」

930: 2011/04/04(月) 22:04:30.92 ID:vzOwId6A0
男「ただいま、肉って牛肉でいいかな?ちょっと奮発してみたんだけど」

ケイローン「……いいんじゃないか?」

男「なんでそんなに凹んでんの?」

ケイローン「いやな…ずっと無視されてたから…青年はなんでそんなに元気なんだ」

男「何だかんだいっても、やっぱり嬉しかったからかな、オレが孵したんだーって」

ケイローン「……いつまで持つかな…」

男「とりあえず一口大に切って…こんなもんか…」

男「ほら、ご飯だぞ」

ガーゴイル「……」ピク

ガーゴイル「……」ハムハム

男「……可愛いな…無表情だけど」

ガーゴイル「……」ジー

男「あ、はいはい次ね。ハイ」

ガーゴイル「……」モキュモキュ

ケイローン「……食い気…か」

932: 2011/04/04(月) 22:09:11.57 ID:vzOwId6A0

男「もっと食べる?」

ガーゴイル「…ゲプ」フルフル

男「それじゃあ、ご馳走さまだね」

ガーゴイル「…ごちそう…さま?」

男「そうだよ、食べ終わったらご馳走さまって言うんだよ」

ガーゴイル「…ごちそうさま」

男「うん、エライエライ」

ケイローン「……私だってご馳走様くらい…」

男「気持ち悪いから端っこで凹むのやめてくれるか?」

ケイローン「…くそ…女の子の事しか考えていなかったくせに…」

男「いや、あれは…何考えたらこうなるのかな?って思った事を言っただけで…」

935: 2011/04/04(月) 22:16:10.00 ID:vzOwId6A0

ケイローン「…」スッ

ケイローン「帰る、三日後に迎えに来るから…」

男「まだ凹んでんの?」

ケイローン「凹んでないやい!」バタン

男「…あの叔父ちゃんはね、意外とデリケートみたい」

ガーゴイル「デリケート?」

男「だから優しくしてあげてね?」

ガーゴイル「…でもね、あの叔父ちゃん少しウルサイの…」

男「ガーゴイルちゃんと仲良くなりたくて頑張ってたんだよ」

ガーゴイル「…でもニコッってすると凄く怖い」

男「それは本人には言わないで置こうね…」

ケイローン「聞こえてるけどね…」

男「まだいたの!?」

ケイローン「ちなみに人間でいう五歳くらいまでの知識はもう教えてあるから、その子に話す気があれば、ある程度の会話わ出来るはずだ」

940: 2011/04/04(月) 22:21:49.85 ID:vzOwId6A0
男「そんな事出来るの?」

ケイローン「いちおうこれでも草原の賢者だから…子供に相手もされないのに賢者…笑っちゃうよね」

男「その…ゴメンな?」

ケイローン「謝られるともっと辛い…」バタン

男「今度こそ行ったか?」

ガーゴイル「いったか?」

ケイローン「行ってない」ヌッ

ガーゴイル「……」キラキラ

ケイローン「喜んでくれてる!」

男「嬉しそうだな…」

ガーゴイル「叔父ちゃんうごきがへん!」

ケイローン「……」ズーン

男「また凹んだよ…」

946: 2011/04/04(月) 22:28:31.15 ID:vzOwId6A0
三日後

男「ガーゴイルちゃんとも今日でお別れか」

ガーゴイル「…お別れ?」

男「あぁ、ガーゴイルちゃんは今日本当の世界に帰るんだよ」

ガーゴイル「…?」

男「あの叔父ちゃんのいる世界に行くんだ」

ガーゴイル「……や」フルフル

ケイローン「準備は出来たか?」

男「寂しいけどオレはな」

ケイローン「さっきも説明したが、あっちに戻ったらこの子は記憶を消すことになる、その後ガーゴイルの村に運ばれ」

男「あぁわかってるさ」

ガーゴイル「……や、もっと一緒にいる」

男「大丈夫だよ、絶対遊びに行くから」

ガーゴイル「…忘れない?」

男「あぁ、忘れない」

950: 2011/04/04(月) 22:33:49.60 ID:vzOwId6A0
ガーゴイル「じゃあ、ガーゴイルも忘れない…」

男「ありがと」

ガーゴイル「だから、またね?」

ケイローン「……この子が人の形になった理由なんとなくわかった気がする」

男「え?」

ケイローン「お前が人間だからなんだろうな」

男「そんな理由?」

ケイローン「人間は不思議生き物だな」

男「お前らに言われたくねぇよ…」

ケイローン「では…行くぞ」

ガーゴイル「……またね、パパ」バイバイ

男「あぁ、またな」

955: 2011/04/04(月) 22:40:36.15 ID:vzOwId6A0

男「はぁ…やっぱり寂しいな…」

スライム女「あら…私達がいない間になにがあったの?」

スライム娘「なんか哀愁が漂ってます…」

男「大人になったって事かな…」

スライム娘「え!?なななな」

スライム女「やっぱりそういう理由だったの!?」

男「いや…多分お前らの想像とは違うが…」

スライム娘「そんなの許しません!!」

男「お前も少しは大人になれよ…」

スライム娘「そ、そんな…オトナにしてやるだなんて////」

男「いってねぇよ!!」

FIN

956: 2011/04/04(月) 22:43:37.16 ID:HOcM5NNh0
つづく

957: 2011/04/04(月) 22:43:38.94 ID:A7UChs0O0
激しく乙

引用元: スライム娘「あの…あまり触らないでもらえます?」男「え?」