1: 2014/02/11(火) 03:47:38.64 ID:Pc0/f7ie0
AM6:25
童「ん」
男「そんなの本当にいるんだな」
童「まあ」
男「で、何してるんだ」
童「別に」
男「もしかしてここが家だったのか」
童「そう」
男「瓦礫に座ってたら目立つだろう」
童「ん」
男「そんなの本当にいるんだな」
童「まあ」
男「で、何してるんだ」
童「別に」
男「もしかしてここが家だったのか」
童「そう」
男「瓦礫に座ってたら目立つだろう」
3: 2014/02/11(火) 03:49:26.57 ID:Pc0/f7ie0
童「見えないから」
男「見えない?」
童「あなた以外には見えていないから」
男「そうなのか」
童「そう」
男「……おっと、もう行かなきゃ」
童「ん」
男「じゃあな。早く次の家探せよ」
男「見えない?」
童「あなた以外には見えていないから」
男「そうなのか」
童「そう」
男「……おっと、もう行かなきゃ」
童「ん」
男「じゃあな。早く次の家探せよ」
5: 2014/02/11(火) 03:51:40.89 ID:Pc0/f7ie0
PM23:49
男「まだいたのか」
童「ん」ゴソゴソ
男「ん?何持ってるんだ?」
童「スマホ」
男「スマホ?」
童「そう」
男「スマホで何してるんだ?」
童「お部屋探し」
男「お部屋探し……」
男「まだいたのか」
童「ん」ゴソゴソ
男「ん?何持ってるんだ?」
童「スマホ」
男「スマホ?」
童「そう」
男「スマホで何してるんだ?」
童「お部屋探し」
男「お部屋探し……」
7: 2014/02/11(火) 03:55:28.81 ID:Pc0/f7ie0
男「良い部屋見つかったか?」
童「見つからない」
男「そうか」
童「今夜」
男「ん?」
童「今夜中に見つけないと」
男「見つけないと?」
童「寒い」
男「寒いのかよ。いや、寒いならもうとっくに寒いだろ」
童「ずっと寒い」
童「見つからない」
男「そうか」
童「今夜」
男「ん?」
童「今夜中に見つけないと」
男「見つけないと?」
童「寒い」
男「寒いのかよ。いや、寒いならもうとっくに寒いだろ」
童「ずっと寒い」
8: 2014/02/11(火) 03:58:12.83 ID:Pc0/f7ie0
男「俺の家、来るか?」
童「家?」
男「うん」
童「アパート」
男「分かるのか」
童「分からない」
男「分からないのか」
童「アパート顔」
男「なんだよそれ」
童「家?」
男「うん」
童「アパート」
男「分かるのか」
童「分からない」
男「分からないのか」
童「アパート顔」
男「なんだよそれ」
9: 2014/02/11(火) 03:59:42.88 ID:Pc0/f7ie0
AM00:04
男「ちょっと歩くけどいいか?」
童「ん」
男「じゃあ行こうか」
童「ん」
男「座敷童子って」
童「うん」
男「幸福を呼ぶって本当か?」
童「ほんとう」
男「そうか、凄いな」
童「でも」
男「ちょっと歩くけどいいか?」
童「ん」
男「じゃあ行こうか」
童「ん」
男「座敷童子って」
童「うん」
男「幸福を呼ぶって本当か?」
童「ほんとう」
男「そうか、凄いな」
童「でも」
10: 2014/02/11(火) 04:01:46.80 ID:Pc0/f7ie0
男「でも?」
童「なんでもない」
男「おい、そういうの怖いからやめてくれ」
童「わかった」
男「でも、なんだ?」
童「ずっとはいられない」
男「そうなのか」
童「ん」
男「そういうものなのか」
童「なんでもない」
男「おい、そういうの怖いからやめてくれ」
童「わかった」
男「でも、なんだ?」
童「ずっとはいられない」
男「そうなのか」
童「ん」
男「そういうものなのか」
11: 2014/02/11(火) 04:04:16.61 ID:Pc0/f7ie0
AM00:14
男「ここだ」
童「ん」
ガチャ キイ
男「ワンルームだけど、押入れは広いぞ」
童「押入れ?」
男「あれ、座敷童子は押入れじゃないのか?」
童「ここがいい」バフッ
男「ソファか」
童「固い」
男「安物で悪かったな」
童「いい」
男「ここだ」
童「ん」
ガチャ キイ
男「ワンルームだけど、押入れは広いぞ」
童「押入れ?」
男「あれ、座敷童子は押入れじゃないのか?」
童「ここがいい」バフッ
男「ソファか」
童「固い」
男「安物で悪かったな」
童「いい」
12: 2014/02/11(火) 04:06:40.18 ID:Pc0/f7ie0
AM05:20
ジリリリリリリリリ……
男「……」
男「ねっみ……」
童「おはよう」
男「お、おお。座敷童子か」
童「童でいい」
男「ドウ?そういう名前なのか?」
童「名前はない」
童「ただ」
童「座敷童子は長い」
ジリリリリリリリリ……
男「……」
男「ねっみ……」
童「おはよう」
男「お、おお。座敷童子か」
童「童でいい」
男「ドウ?そういう名前なのか?」
童「名前はない」
童「ただ」
童「座敷童子は長い」
14: 2014/02/11(火) 04:11:02.28 ID:Pc0/f7ie0
男「朝ごはん、食べるか?」
童「ん」
男「パンだけど」
童「意外とパン派」
男「いや、まあ。そうだな、意外だ」
男「というか食事するんだな」
童「しなくても平気」
男「そうなのか」
童「味が好きだから食べる」
童「ん」
男「パンだけど」
童「意外とパン派」
男「いや、まあ。そうだな、意外だ」
男「というか食事するんだな」
童「しなくても平気」
男「そうなのか」
童「味が好きだから食べる」
16: 2014/02/11(火) 04:15:00.76 ID:Pc0/f7ie0
男「いちごジャムでいいか?」
童「いい」
男「紅茶は?」
童「飲む」
男「童、お前結構遠慮ないな」
童「別に」
男「できたよ、お待たせ」
童「ありがとう。頂きます」
男「……」
童「なに?」
童「いい」
男「紅茶は?」
童「飲む」
男「童、お前結構遠慮ないな」
童「別に」
男「できたよ、お待たせ」
童「ありがとう。頂きます」
男「……」
童「なに?」
17: 2014/02/11(火) 04:18:00.50 ID:Pc0/f7ie0
男「あ、いや。『手を合わせて頂きます』なんて久しぶりに見た」
童「ん」
男「ばあちゃんがよくやってたよ」
男「俺はなんか、恥ずかしくてできなかったな」
童「食べていい?」
男「おう。俺も食べるぞ」
男「……頂きます」
童「できてる」
男「言うな」
童「ん」
男「ばあちゃんがよくやってたよ」
男「俺はなんか、恥ずかしくてできなかったな」
童「食べていい?」
男「おう。俺も食べるぞ」
男「……頂きます」
童「できてる」
男「言うな」
18: 2014/02/11(火) 04:20:28.02 ID:Pc0/f7ie0
男「おいしいか?」
童「おいしい」
男「そうか。パンも紅茶も安物だけどな」
童「十七年食べていなかった」
男「じゅっ……」
童「十七年」
男「なんでまた」
童「誰にでも見える訳じゃないから」
男「そうか……前の家の人は見えなかったのか」
童「そう」
男「つまみ食いとかしないのか」
童「行儀が悪い」
男「……そうだな」
童「おいしい」
男「そうか。パンも紅茶も安物だけどな」
童「十七年食べていなかった」
男「じゅっ……」
童「十七年」
男「なんでまた」
童「誰にでも見える訳じゃないから」
男「そうか……前の家の人は見えなかったのか」
童「そう」
男「つまみ食いとかしないのか」
童「行儀が悪い」
男「……そうだな」
19: 2014/02/11(火) 04:23:13.63 ID:Pc0/f7ie0
AM06:00
男「それじゃ、行ってくる」
童「気を付けて」
男「うん」
ガチャッ キイ
バタン
童「……」
男「それじゃ、行ってくる」
童「気を付けて」
男「うん」
ガチャッ キイ
バタン
童「……」
20: 2014/02/11(火) 04:24:27.71 ID:Pc0/f7ie0
PM22:17
ガチャッ キイ
男「ただいま」
シイーン
男「あれ?童?」
男「寝てるのか?」
童「後ろ」
男「うおっ」
童「おかえり」
男「びっくりするじゃないか」
童「駅から」
男「ん?」
ガチャッ キイ
男「ただいま」
シイーン
男「あれ?童?」
男「寝てるのか?」
童「後ろ」
男「うおっ」
童「おかえり」
男「びっくりするじゃないか」
童「駅から」
男「ん?」
21: 2014/02/11(火) 04:26:39.25 ID:Pc0/f7ie0
童「尾けていた」
男「全然気付かなかった」
男「いや、なんで尾けてるんだよ」
童「寂しかった」
男「おっ」
男「おう」
童「なに?」
男「いや」
男「そういう素直さってなんていうか、いいなって」
童「そう」
男「俺も昔はそうだったのかな」
童「今は違うの?」
男「そうだな」
男「全然気付かなかった」
男「いや、なんで尾けてるんだよ」
童「寂しかった」
男「おっ」
男「おう」
童「なに?」
男「いや」
男「そういう素直さってなんていうか、いいなって」
童「そう」
男「俺も昔はそうだったのかな」
童「今は違うの?」
男「そうだな」
22: 2014/02/11(火) 04:28:23.49 ID:Pc0/f7ie0
男「ああ、肉まん買ってきたんだよ」
童「そう」
男「食べるよな?」
童「食べる」
男「あんまんもあるんだ」
男「一つは俺のだけど、どっちがいい?」
童「……」
男「……」
童「……」
男「冷めるぞ」
童「そう」
男「食べるよな?」
童「食べる」
男「あんまんもあるんだ」
男「一つは俺のだけど、どっちがいい?」
童「……」
男「……」
童「……」
男「冷めるぞ」
24: 2014/02/11(火) 04:30:27.33 ID:Pc0/f7ie0
童「あなたが」
男「うん」
童「あなたがまず、肉まんとあんまんを半分に割って」
男「うん?」
童「その、半分に割れた肉まんとあんまんを食べて欲しい」
男「ん?あ、うん」
童「わたしはその残りでいい」
男「童」
童「ん」
男「いや、なんでもない」
童「そう」
男「うん」
童「あなたがまず、肉まんとあんまんを半分に割って」
男「うん?」
童「その、半分に割れた肉まんとあんまんを食べて欲しい」
男「ん?あ、うん」
童「わたしはその残りでいい」
男「童」
童「ん」
男「いや、なんでもない」
童「そう」
25: 2014/02/11(火) 04:32:22.89 ID:Pc0/f7ie0
PM23:22
男「童は風呂には入らないのか?」
童「入らない」
男「そうか。別に汚れてないもんな」
童「ん」
男「もしかして、汚れないのか?」
童「その気になれば汚れられる」
男「そうなのか」
童「そう」
男「ふーん。羨ましいな」
男「童は風呂には入らないのか?」
童「入らない」
男「そうか。別に汚れてないもんな」
童「ん」
男「もしかして、汚れないのか?」
童「その気になれば汚れられる」
男「そうなのか」
童「そう」
男「ふーん。羨ましいな」
26: 2014/02/11(火) 04:33:52.68 ID:Pc0/f7ie0
AM05:20
ジリリリリリリ
男「んっ……くぅー」
童「おはよう」
男「おはよう、童」
男「今日もパンでいいか?」
童「パンがいい」
男「そうか。今日はマーマレードにするか」
童「ん」
ジリリリリリリ
男「んっ……くぅー」
童「おはよう」
男「おはよう、童」
男「今日もパンでいいか?」
童「パンがいい」
男「そうか。今日はマーマレードにするか」
童「ん」
27: 2014/02/11(火) 04:36:50.31 ID:Pc0/f7ie0
男「しまった」
童「なに?」
男「今日は休みだった」
童「ん」
男「無駄に早起きしてしまった」
童「無駄なの?」
男「休みの日はゆっくり寝てたいんだよ」
童「そう」
男「……そういえば童、お前どこで寝てるんだ」
童「その辺で」
男「その辺?」
童「なに?」
男「今日は休みだった」
童「ん」
男「無駄に早起きしてしまった」
童「無駄なの?」
男「休みの日はゆっくり寝てたいんだよ」
童「そう」
男「……そういえば童、お前どこで寝てるんだ」
童「その辺で」
男「その辺?」
28: 2014/02/11(火) 04:39:03.08 ID:Pc0/f7ie0
童「床やソファ」
男「ああ。気付かなくてごめんな。布団がいいよな」
童「いい」
童「一度布団にも入ったけど」
男「俺の?」
童「ん」
童「いや」
童「なんでもない」
男「え、臭いとか?」
童「臭くはない」
童「狭かった」
男「ああ。気付かなくてごめんな。布団がいいよな」
童「いい」
童「一度布団にも入ったけど」
男「俺の?」
童「ん」
童「いや」
童「なんでもない」
男「え、臭いとか?」
童「臭くはない」
童「狭かった」
31: 2014/02/11(火) 04:41:48.46 ID:Pc0/f7ie0
PM13:38
男「ん……」
男「ああ、さすがに寝過ぎたな」
童「おはよう」
男「おはよう」
童「見て欲しい」
男「ん?スマホか」
童「犬」
男「犬の動画か」
童「昔、犬のいる家に居た」
男「そうなのか」
童「その犬以来。わたしが見えるのは」
男「犬、以来か」
男「ん……」
男「ああ、さすがに寝過ぎたな」
童「おはよう」
男「おはよう」
童「見て欲しい」
男「ん?スマホか」
童「犬」
男「犬の動画か」
童「昔、犬のいる家に居た」
男「そうなのか」
童「その犬以来。わたしが見えるのは」
男「犬、以来か」
32: 2014/02/11(火) 04:43:47.77 ID:Pc0/f7ie0
童「賢い犬だった」
童「名前はボレロ号」
男「格好良いな」
童「二百年も前になる」
男「童、お前何歳なんだ」
童「分からない。でも、子ども」
男「そうか。そうだな」
童「見て欲しい」
男「ん?」
童「犬の動画」
男「ああ、うん」
童「名前はボレロ号」
男「格好良いな」
童「二百年も前になる」
男「童、お前何歳なんだ」
童「分からない。でも、子ども」
男「そうか。そうだな」
童「見て欲しい」
男「ん?」
童「犬の動画」
男「ああ、うん」
34: 2014/02/11(火) 04:46:19.14 ID:Pc0/f7ie0
童「かわいい」
男「かわいいな」
童「……」
男「……」
童「この、はしゃぐのがかわいい」
男「犬、好きなんだな」
童「好き」
男「俺も犬派だ」
童「派?」
男「人間には犬派と猫派がいるんだよ」
童「そう」
童「わたしは猫も好き」
男「俺もだ」
男「かわいいな」
童「……」
男「……」
童「この、はしゃぐのがかわいい」
男「犬、好きなんだな」
童「好き」
男「俺も犬派だ」
童「派?」
男「人間には犬派と猫派がいるんだよ」
童「そう」
童「わたしは猫も好き」
男「俺もだ」
35: 2014/02/11(火) 04:47:50.53 ID:Pc0/f7ie0
PM16:00
男「……」
童「……」
男「……」
童「……」
男「なあ」
童「ん」
男「なんで俺にだけ見えるんだ」
童「分からない」
男「そうか」
童「でも」
男「……」
童「……」
男「……」
童「……」
男「なあ」
童「ん」
男「なんで俺にだけ見えるんだ」
童「分からない」
男「そうか」
童「でも」
36: 2014/02/11(火) 04:48:39.62 ID:Pc0/f7ie0
童「あなたの氏期が近い、とかそういう不吉なものではない」
男「お、そうなのか」
童「と、自負している」
男「自負か」
童「ボレロも二十二まで生きた」
男「そりゃすごいな」
童「あなたも長生きして欲しい」
男「そうだな。俺も元気で長生きしたいと思ってるよ」
男「お、そうなのか」
童「と、自負している」
男「自負か」
童「ボレロも二十二まで生きた」
男「そりゃすごいな」
童「あなたも長生きして欲しい」
男「そうだな。俺も元気で長生きしたいと思ってるよ」
38: 2014/02/11(火) 04:51:13.52 ID:Pc0/f7ie0
AM05:20
ジリリリリリリ……
男「……」
リリリリリリ……リン……
男「……」
童「起きないの?」
男「……ん」
男「10分……」
童「分かった。起こす」
男「ん……」
ジリリリリリリ……
男「……」
リリリリリリ……リン……
男「……」
童「起きないの?」
男「……ん」
男「10分……」
童「分かった。起こす」
男「ん……」
39: 2014/02/11(火) 04:52:49.12 ID:Pc0/f7ie0
童「おはよう」
男「……ああ。おはよ……」
童「いちごジャムでいい?」
男「うん」
男「ん?」
童「その気になれば」
男「朝食の用意もできるのか」
童「ん」
男「ありがとう」
童「どういたしまして」
男「……ああ。おはよ……」
童「いちごジャムでいい?」
男「うん」
男「ん?」
童「その気になれば」
男「朝食の用意もできるのか」
童「ん」
男「ありがとう」
童「どういたしまして」
40: 2014/02/11(火) 04:53:42.03 ID:Pc0/f7ie0
AM06:00
男「それじゃ、行ってくる」
童「気を付けて」
ガチャッ キイ
バタン
童「……」
男「それじゃ、行ってくる」
童「気を付けて」
ガチャッ キイ
バタン
童「……」
41: 2014/02/11(火) 04:57:31.30 ID:Pc0/f7ie0
PM23:02 駅のちかく
男「ふう」
男「今日もやたら寒いな……」
男「いるのか、童」
童「後ろ」
男「座敷童子は家にいるもんじゃないのか」
童「趣味はおでかけ」
男「それは嘘だろ」
童「インドア派」
男「俺もさ」
男「駅から家までの道って寂しかったんだよ」
男「ふう」
男「今日もやたら寒いな……」
男「いるのか、童」
童「後ろ」
男「座敷童子は家にいるもんじゃないのか」
童「趣味はおでかけ」
男「それは嘘だろ」
童「インドア派」
男「俺もさ」
男「駅から家までの道って寂しかったんだよ」
42: 2014/02/11(火) 04:59:02.14 ID:Pc0/f7ie0
男「毎日こんな時間で、静かで、歩く以外にすることないから、色々考えちゃうんだよな」
童「そう」
男「うん」
男「……」
童「……」
男「おしるこ、買って帰るか。缶だけど」
童「ん」
男「他のが良かったら言っていいんだぞ」
童「おしるこがいい」
男「そっか。俺はコーンポタージュにしようかな」
童「……」
男「なんだよ」
童「そう」
男「うん」
男「……」
童「……」
男「おしるこ、買って帰るか。缶だけど」
童「ん」
男「他のが良かったら言っていいんだぞ」
童「おしるこがいい」
男「そっか。俺はコーンポタージュにしようかな」
童「……」
男「なんだよ」
43: 2014/02/11(火) 05:00:02.76 ID:Pc0/f7ie0
AM0:07
男「電気消すぞ」
童「ん」
男「おやすみ」パチッ
童「おやすみ」
男「……」
童「……」
男「なあ」
童「ん」
男「電気消すぞ」
童「ん」
男「おやすみ」パチッ
童「おやすみ」
男「……」
童「……」
男「なあ」
童「ん」
44: 2014/02/11(火) 05:01:16.19 ID:Pc0/f7ie0
男「座敷童子は笑わないのか?」
童「笑う」
男「そうなのか」
童「そう」
男「ふーん……」
童「今、笑っている」
男「暗くて見えない」
童「にこ」
男「言ってるだけだろ……」
童「ん」
男「おやすみ」
童「おやすみ」
童「笑う」
男「そうなのか」
童「そう」
男「ふーん……」
童「今、笑っている」
男「暗くて見えない」
童「にこ」
男「言ってるだけだろ……」
童「ん」
男「おやすみ」
童「おやすみ」
45: 2014/02/11(火) 05:05:26.28 ID:Pc0/f7ie0
AM05:20
ジリリリリリリリリ
男「……んんっ」
男「ふぁ……おはよう」
童「……」
男「童?」
童「……」
男「朝だぞ」
童「ん……」
男「お、起きたか」
童「体が」
ジリリリリリリリリ
男「……んんっ」
男「ふぁ……おはよう」
童「……」
男「童?」
童「……」
男「朝だぞ」
童「ん……」
男「お、起きたか」
童「体が」
46: 2014/02/11(火) 05:07:05.98 ID:Pc0/f7ie0
童「体が重い」
男「……?」
男「具合が悪いのか?」
童「分からない」
童「体重も体調も意識したことがなかった」
童「思うように動かない」
童「寒い」
男「……何か食べるか?」
童「ありがとう。でも、いい」
男「そっか」
童「ごめんなさい」
男「いや、いいんだ。何か俺にできることはないかな」
男「……?」
男「具合が悪いのか?」
童「分からない」
童「体重も体調も意識したことがなかった」
童「思うように動かない」
童「寒い」
男「……何か食べるか?」
童「ありがとう。でも、いい」
男「そっか」
童「ごめんなさい」
男「いや、いいんだ。何か俺にできることはないかな」
47: 2014/02/11(火) 05:08:55.76 ID:Pc0/f7ie0
童「分からない」
男「病院に行ってもな……」
男「座敷童子専門の病院とかあるのか?」
童「聞いたことない」
男「だよな。とりあえず布団に入りなよ」
童「そうさせて欲しい。ごめんなさい」
男「よっと」
童「ありがとう」
男「驚いた。綿みたいに軽いな」
男「病院に行ってもな……」
男「座敷童子専門の病院とかあるのか?」
童「聞いたことない」
男「だよな。とりあえず布団に入りなよ」
童「そうさせて欲しい。ごめんなさい」
男「よっと」
童「ありがとう」
男「驚いた。綿みたいに軽いな」
48: 2014/02/11(火) 05:10:32.12 ID:Pc0/f7ie0
AM06:00
男「それじゃ、行ってくるけど」
童「大丈夫」
男「うん。ちゃんと寝てるんだぞ」
童「分かった」
男「行ってきます」
童「気を付けて」
ガチャッ キイ
バタン
童「……」
男「それじゃ、行ってくるけど」
童「大丈夫」
男「うん。ちゃんと寝てるんだぞ」
童「分かった」
男「行ってきます」
童「気を付けて」
ガチャッ キイ
バタン
童「……」
49: 2014/02/11(火) 05:16:21.91 ID:Pc0/f7ie0
AM06:04
ガチャッ キイ
バタン
男「ただいま」
童「忘れ物?」
男「やっぱり今日は一日家にいることにした」
童「家に?」
男「うん」
童「わたしのため?」
男「そうだよ」
童「そう」
童「ありがとう」
男「いや、こちらこそ」
ガチャッ キイ
バタン
男「ただいま」
童「忘れ物?」
男「やっぱり今日は一日家にいることにした」
童「家に?」
男「うん」
童「わたしのため?」
男「そうだよ」
童「そう」
童「ありがとう」
男「いや、こちらこそ」
51: 2014/02/11(火) 05:22:07.88 ID:Pc0/f7ie0
男「別に何が出来る訳でもないけど」
童「ごめんなさい」
童「いや、」
男「うん?」
童「いや」
童「薄々分かっていた」
童「わたしのおわりが近い」
男「……」
童「あなたが出かけていってからしばらくしたら」
童「消えてしまうのだろうと思っていた」
童「ごめんなさい」
童「いや、」
男「うん?」
童「いや」
童「薄々分かっていた」
童「わたしのおわりが近い」
男「……」
童「あなたが出かけていってからしばらくしたら」
童「消えてしまうのだろうと思っていた」
52: 2014/02/11(火) 05:23:59.31 ID:Pc0/f7ie0
童「……」
男「……」
童「あの夜も寒かった」
男「うん」
童「その気になれば暖かくもできるはずなのに」
童「ずっと寒かった」
男「あの夜は今年一番の寒さだったらしい」
童「そうなの?」
男「俺も寒かった」
男「……」
童「あの夜も寒かった」
男「うん」
童「その気になれば暖かくもできるはずなのに」
童「ずっと寒かった」
男「あの夜は今年一番の寒さだったらしい」
童「そうなの?」
男「俺も寒かった」
53: 2014/02/11(火) 05:28:21.62 ID:Pc0/f7ie0
PM11:20
男「雪が降ってきたな」
童「ん」
男「寒くないか?」
童「寒い」
男「だよな。やっぱり俺も寒い」
童「布団に入って」
男「狭いのに……」
童「いい」
男「雪が降ってきたな」
童「ん」
男「寒くないか?」
童「寒い」
男「だよな。やっぱり俺も寒い」
童「布団に入って」
男「狭いのに……」
童「いい」
54: 2014/02/11(火) 05:30:16.04 ID:Pc0/f7ie0
童「わたしがここにきて何日になる」
男「一週間も経ってない」
童「そう」
童「幸福だった?」
男「あはは、まあね」
童「……」
男「ん?」
童「あなたは笑わないのかと思っていた」
男「俺だって笑うよ」
童「そう」
男「でも、そうだな。ずいぶん久しぶりだ」
男「一週間も経ってない」
童「そう」
童「幸福だった?」
男「あはは、まあね」
童「……」
男「ん?」
童「あなたは笑わないのかと思っていた」
男「俺だって笑うよ」
童「そう」
男「でも、そうだな。ずいぶん久しぶりだ」
55: 2014/02/11(火) 05:31:19.61 ID:Pc0/f7ie0
PM15:34
童「おねがいがある」
男「うん」
童「頭を撫でて欲しい」
童「子どもだから」
男「……こうか?」
童「分からない」
童「でもたぶんそれでいい」
男「……」
童「それがいい」
童「おねがいがある」
男「うん」
童「頭を撫でて欲しい」
童「子どもだから」
男「……こうか?」
童「分からない」
童「でもたぶんそれでいい」
男「……」
童「それがいい」
57: 2014/02/11(火) 05:32:22.26 ID:Pc0/f7ie0
男「童」
童「……」
おわり。
童「……」
おわり。
引用元: 男「座敷童子?」
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