801: 2018/05/17(木) 23:34:59.86 ID:BwQGAXzto
書きます


武内P「今週末の予定、ですか」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)
802: 2018/05/17(木) 23:38:45.07 ID:BwQGAXzto
未央「うん、空いてる?」

武内P「確認してみます……はい、土曜日の夜でしたら」

未央「オッケー。今度は、中華料理だっけ?」

武内P「はい……とても、楽しみです」フッ

未央「……良い、笑顔です――なーんてね!」

武内P「……」


凛「ねえ、卯月……何、あれ……!?」

卯月「わかりません……わかりません……!」

803: 2018/05/17(木) 23:40:41.11 ID:BwQGAXzto
未央「――お待たせ、二人共っ!」

凛「未央、説明して」

未央「へっ? 何が?」

卯月「さっきの、プロデューサーさんとのやり取りです!」

未央「あー、あれ?」


未央「週末の予定を確認してただけだよ?」


凛・卯月「!?」

804: 2018/05/17(木) 23:43:16.14 ID:BwQGAXzto
凛「週末の予定って……ねえ、本当なの、それ」

未央「えっ? しぶりんも、しまむーも見てたよね?」

卯月「みっ、見てましたけど……で、でもっ!」

未央「中華良いよねぇ、中華! たまに食べたくなるよね!」

凛「未央っ! 何考えてるの!?」

卯月「しゅ、週末、プロデューサーさんと行くんですか!?」


未央「行かないよ?」


凛・卯月「……」

凛・卯月「えっ?」

806: 2018/05/17(木) 23:50:10.80 ID:BwQGAXzto
凛「……ねえ、どういう事? なんで、予定を聞いたの?」

未央「えっ、知りたい? 知りたいの?」

卯月「しっ、知りたいです! 教えてください、未央ちゃん!」

未央「本当に? 本当に、知りたいって言うの?」

凛・卯月「……!」コクリ

未央「いやまぁ、大した話じゃないんだけどね?」


未央「プロデューサーが、うちの兄貴と弟と出かけるからさ」

未央「へへっ! 予定を聞いてくれって頼まれたんだ!」


凛・卯月「……」

凛・卯月「えっ?」

807: 2018/05/17(木) 23:53:34.85 ID:BwQGAXzto
凛「……どういう事? 四人で出かけるって事?」

未央「四人?」

卯月「プロデューサーさんと、お兄さんと、弟くんと、未央ちゃんの……」

未央「ブッブー! しまむー、はっずれー!」

凛「? どっちか片方とだけ、って事?」

卯月「どういう事なんですか、未央ちゃん!」


未央「私は、そのお出かけメンバーに含まれませーん! イエーイ!」


凛・卯月「……」

凛・卯月「えっ?」

808: 2018/05/17(木) 23:58:39.64 ID:BwQGAXzto
凛「えっ、ちょっと待って……何が何だか」

卯月「お兄さんと、弟くんと、プロデューサーさんの……三人?」

未央「三人」

凛「……未央は?」

未央「家でゴハンを食べますよ?」

卯月「あの、一緒に……行かないんですか?」

未央「行きたいよ?」

未央・卯月・凛「……」


卯月・凛「……さあ、レッスンに――」


未央「聞いてよ!! 最初の勢いで、根掘り葉掘り聞いてよ!」


卯月・凛「……」

809: 2018/05/18(金) 00:04:03.28 ID:b2BjbvAWo
凛「未央、とりあえずレッスンが終わってからにしよう」

未央「しぶりんさんよぉ! 今日はレッスン無いよねぇ!?」

卯月「あっ! そろそろお仕事の時間じゃないですか?」

未央「しまむーさんよぉ! 午後はフリーですね、って言ってたよねぇ!?」

卯月・凛「……」

未央「聞いて?」

卯月「い……嫌です……絶対悲しい気持ちになりますもん!」

凛「ねえ、話す必要があるとは思えないんだけど、未央?」


未央「あれはねぇ、私が辞めるって言った時からの話でさ」


卯月・凛「止まる気が無い!?」

810: 2018/05/18(金) 00:10:03.58 ID:b2BjbvAWo
未央「雨の中、傘も差さずにプロデューサーが来てくれてさ」

未央「だから、もう全身ずぶ濡れだったんだよね」

凛「……」

未央「そんな状態でさ、はい帰ってくださーい、って訳にいかないじゃん?」

未央「家に寄ってって、ってなるよね? ね?」

卯月「……」

未央「それでね、ちょっと目を離した隙にさ」


未央「……なんか、弟がプロデューサーの事‘兄貴’って呼ぶようになってた」


卯月・凛「!?」

811: 2018/05/18(金) 00:14:23.03 ID:b2BjbvAWo
凛「なんで!? ちょっと目を離した隙に、どうしてそうなるの!?」

未央「あはは、私にもわかりませーん! ぷいーん!」

卯月「未央ちゃん!? あの、しっかりしてください、未央ちゃん!」

未央「私が辞めるってー、言った時ー、家族全員心配してくれてー」

未央「弟もー、なんかプロデューサーに対して怒っててー」

未央「生意気だけど、ああ、私のために怒ってくれるんだなー、って思ってー」


未央「――たのに! 急展開がすぎるよ! ちょろすぎだよ、家の弟!」

ダンッ!


卯月・凛「……」

812: 2018/05/18(金) 00:20:44.14 ID:b2BjbvAWo
未央「はーい、未央ちゃん劇場始まりまーす!」

凛「い、いや……良いよ、やめて」

未央「――姉ちゃん。兄っ、プロデューサーさんを困らすなよな」

卯月「やめてください! やめてください!」

未央「――次に困らせたら、俺が代わりにアイドルになるから」

卯月・凛「なんで!?」


未央「――そうすれば、へへっ、一緒に居られ……いやっ、なんでもない!」


卯月・凛「とんでもない!」


凛「どうしてそうなったの!?」

未央「わかりませーん! ぷいーん!」

卯月「未央ちゃん、しっかり!」

813: 2018/05/18(金) 00:27:20.75 ID:b2BjbvAWo
凛「まあ、でも……その程度なら、まだ」

未央「それがさ、最近は私の化粧品がちょっと減ってるんだよね」

卯月「みっ、未央ちゃんの勘違いですよ! きっと!」

未央「あはは、そうかな?……本当に、そう思う?」

卯月・凛「……」

未央「ねえねえ? 勘違いかな? ねえねえねえねえ?」

卯月・凛「……!」コクリ

未央「そっか! 勘違いか!」


未央「はい、それじゃあ次は家の兄貴の話に移ります」


卯月・凛「!?」

814: 2018/05/18(金) 00:31:16.74 ID:b2BjbvAWo
凛「そっ、その前に場所を移さない!?」

卯月「はいっ! 凛ちゃん、ナイスアイディアです!」

未央「なんで?」

凛「ほっ、ほら! プロデューサーの仕事の邪魔になるし!」

未央「ヘッドホンしてるし、LIVEの映像確認してるから平気だよ」

卯月「っ! で、でもっ! とにかく、違う所に行きましょう!」

未央「なんで?」

卯月・凛「……」


未央「……聞いて?」


卯月・凛「……」

816: 2018/05/18(金) 00:39:00.84 ID:b2BjbvAWo
未央「……まあ、兄貴の方はそんなに詳しく知らないんだけどねっ!」

卯月・凛「……ほっ」

未央「聞いても、大事な思い出だから話したくないって言われちゃってさ☆」

卯月・凛「ほあっ!?」

未央「どう思う? ねえねえ、どう思う?」

凛「ど、どう、って……」

卯月「……!」ブルブル

凛「う、卯月? どうしたの? 震えてるけど――」


卯月「おっ、お先に失礼し――」

ガシッ!

未央「しまむー? どこ行くの?」

卯月「は、離し……ママ――ッ! 助けてママ――ッ!」


未央「私の兄弟は、どこへ行こうとしているの?」

817: 2018/05/18(金) 00:43:21.97 ID:b2BjbvAWo
  ・  ・  ・

未央「――まっ、そんな感じで、仲が良いみたいなんだよね!」

凛「……ふ、ふーん。まあ、悪くない……んじゃない、の」

卯月「は、はい……仲良しなのは、良い事ですよ……ね」

未央「そうだよねっ! 私達みたいにさっ!」ニコッ!

凛「う、うん……そうだね」…ニコ

卯月「は……はいっ!」…ニコ


未央「――それで、ここからが本題なんだけどね?」


卯月・凛「!?」

818: 2018/05/18(金) 00:49:48.41 ID:b2BjbvAWo
凛「もう良いって、未央! わかったから、もう十分だから!」

未央「なんかさ、兄弟間でルールが作られてるみたいでさ」

卯月「み、耳……! 耳を塞がなきゃ……!」

バッ!

未央「うん、それでね?」

グググッ…!

卯月「す、凄い力……!?」


未央「プロデューサーと会う時は、二人っきりじゃ駄目なんだってさ」

未央「あっはは! なんでだろうね?」


卯月・凛「……!?」

未央「なんで?」

卯月・凛「……」

未央「……」

819: 2018/05/18(金) 00:57:50.37 ID:b2BjbvAWo
未央「ねえ、しまむー。うちの兄弟、何を考えてるのかな?」

卯月「わ、私……一人っ子なので……わっ、わかりません!」

未央「ねえ、しぶりん。うちの兄弟、何を考えてるのかな?」

凛「わ、私も……ハナコは犬だし……その、メスだし」

未央「メス顔?」

卯月・凛「言ってない言ってない!」

未央「……」

卯月・凛「……」


未央「――まっ! そんなわけで、三人で出かけてるみたいなんだ!」


卯月・凛「……」

820: 2018/05/18(金) 01:03:51.92 ID:b2BjbvAWo
凛「……ふーん……そう、なんだ」

未央「私も行きたいって言っても、断られちゃってさー!」

卯月「アイドルだからって……プロデューサーさんに、ですよね?」

未央「どっちだと思う?」

ガシッ!

卯月「えっ!? あの、なんで手を掴んで……!?」

未央「しまむー、どっちが断ってると思う?」

卯月「あっ、が……頑張ります! 頑張ります!」

凛「っ! 卯月、落ち着いて! 頑張っても何にも解決しないから!」

卯月「頑張ります! 頑張ります! 島村卯月、頑張りますっ!」

凛「未央っ! 手を離してっ!」

未央「……」

…パッ


未央・卯月・凛「……」

822: 2018/05/18(金) 01:13:01.60 ID:b2BjbvAWo
未央「……まあ、そんな感じ」

凛「ねえ……どうして未央が予定を聞いてるの」

未央「……自分で聞くのは、迷惑かもだし照れくさいって言ってた」

卯月「えうぅ……ママ……ママぁ……!」グスグス!

凛「……ねえ、未央」

未央「何? しぶりん」


凛「プロデューサーって、週末の予定……空いてるのかな?」


未央「? さっき、土曜日の夜は空いてるって……」


凛「未央、もう一度聞くよ」

凛「プロデューサーの週末の予定、空いてるの?」


未央「しぶりん……何を言って――」

未央「――っ!?」

824: 2018/05/18(金) 01:20:50.51 ID:b2BjbvAWo
凛「確認するよ? 予定調整は、未央がしてるんだよね?」

未央「うん……うんっ!」

凛「つまり、まだ週末の予定は伝わってないんだよね?」

未央「そう……そうだよ、しぶりん!」

凛「……最後にもう一度だけ聞くけどさ」


凛「プロデューサーの、週末の予定は?」


未央「――確認してみないと、わからないなぁ!」

凛「そうだよね。‘ちゃんと’確認しないと」


卯月「……?」

卯月「はい?」

825: 2018/05/18(金) 01:27:53.30 ID:b2BjbvAWo
凛「とりあえず、私から聞くよ」

未央「オッケー! 任せたよ、しぶりん!」

卯月「へっ? あの、どういう事ですか?」

凛「大丈夫、卯月は心配しなくていいから」

卯月「は……はい……?」

未央「しぶりん! 健闘を祈る!」

凛「……うん」


凛「行くよ――蒼い風が、駆け抜けるように」


凛「……」

未央・卯月「……」

凛「……」

未央・卯月・凛「……」

未央「あの……行かないの?」


凛「……」

826: 2018/05/18(金) 01:33:07.30 ID:b2BjbvAWo
凛「……うん、行くから……ちょっと待って」

卯月「凛ちゃん?」

未央「あの……もしかしてだけど、しぶりん……」

凛「何? 週末空いてるか聞くだけでしょ? だから? それが?」

未央「……ビビってる?」

凛「えっ? どうしてそう思うの? なんで? は? 意味がわからない」

未央「完全にビビってるじゃん! どうした!? しぶりん、どうした!?」

凛「別に? ただ、ちょっと思ったんだけど」


凛「週末空いてるか聞くって……なんか、意味深じゃない?」


未央「ヘタレ!!!!!!!!!」

827: 2018/05/18(金) 01:41:33.79 ID:b2BjbvAWo
未央「今更何言って……しぶりん!?」

凛「だ、だってしょうがないでしょ!」

凛「聞いたら迷惑かもだし、その……なんだか照れくさいな、って」

未央「その言い訳、家の兄弟と一緒だからね!?」

卯月「えっと……凛ちゃん、可愛いですっ♪」

凛「も、もう! からかわないで!」

未央「~~っ! しまむー! しまむーは、聞けるよね!?」

未央「聞いた上で、いい感じにこう……予定をスッと入れたり!」

卯月「ふえっ!? ど、どうしてですか!?」

卯月「私の予定とプロデューサーさんの予定に、どんな関係が……?」


未央「……!?」

828: 2018/05/18(金) 01:48:00.62 ID:b2BjbvAWo
未央「……プロデューサー! プロデューサー!」

武内P「っ!? は、はい!」

未央「週末の予定、ちょっとキャンセルで!」

武内P「えっ?」

未央「しぶりんとしまむー、ヤバいよ!? 良いの!?」

武内P「や、ヤバい……ですか?」

未央「家の兄弟と遊んでる場合じゃないよ! マジで!」

武内P「あの……そう、なのですか?」


凛・卯月「……?」


未央「ほら! ヤバさがわかってないもん!」

829: 2018/05/18(金) 01:56:06.13 ID:b2BjbvAWo
未央「今週末は、二人のために使って! 良い!?」

武内P「は……はい!」

凛「えっ? プロデューサー……良いの?」

卯月「どこかに連れて行って……貰えるんですか?」

武内P「はい……本田さんが、ここまで仰るのでしたら」

武内P「本当に必要なことなのだと、そう、思います」

凛・卯月「……!」パアァ!

未央「家の兄貴達も、仕事関係だって言えば納得するから」

武内P「そう……ですね」


武内P「本田さんの、ご家庭での様子を聞くのも……楽しみだったのですが」


未央「――ふえっ?」

未央「プロデューサー? ねえ、それって……ど、どういう意味?///」

武内P「? そのままの意味ですが……」

未央「……あ、はい///」

831: 2018/05/18(金) 02:06:49.60 ID:b2BjbvAWo
未央「そ、そっか……私の話とか、してるんだ」

武内P「はい。共通の、話題ですので」

未央「ふっ……ふーん……へー」

武内P「とても、楽しいご家庭だと、聞いています」

未央「じゃ、じゃあさ! 私からも、話してあげるよ!」

武内P「本田さんからも、ですか?」

未央「うんっ! 週末に! ゆっくり、ね!」

武内P「……はい、わかりました」


武内P「来週末の予定を確認してみます」


未央「……うんっ///」

未央「……」


未央「今週末の予定に私も入れてよ!」



おわり

引用元: 武内P「あだ名を考えてきました」