836: 2018/05/18(金) 23:32:27.22 ID:b2BjbvAWo
書きます


武内P「男手が欲しい、ですか」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)
837: 2018/05/18(金) 23:36:48.93 ID:b2BjbvAWo
凛「うん。お父さんだけじゃ、手が足りないみたいで」

武内P「力仕事、でしょうか?」

凛「そうだね。結構大きな鉢もあるみたい」

武内P「……」

凛「それでさ、力仕事が得意な人のツテとか……無い?」


武内P「その……私で、よろしければ」


凛「……」

凛「プロデューサーが?」

838: 2018/05/18(金) 23:40:03.02 ID:b2BjbvAWo
  ・  ・  ・

凛「――って、なってね?」ニマニマ


未央「しまむー、今日はこの後予定ある?」

卯月「あっ、ちょっと買いたい物があったんです!」

未央「おっ、何々?」

卯月「えっとですね」


凛「ふうううぅぅぅん!」ジタバタ!


未央・卯月「……」

839: 2018/05/18(金) 23:43:49.32 ID:b2BjbvAWo
未央「……ねえ、しぶりん」

凛「何? どうしたの、残念なものを見る目してるけど」

卯月「……あのですね、凛ちゃん」

凛「ちょっと、卯月までどうしたの?」


未央・卯月「その話、何回目!?」


凛「……」

凛「…………何回目?」


未央「私達だけでも、もう二桁は聞いてるからね!?」

卯月「最初から最後まで、かなり正確に覚えちゃいましたもん!」


凛「そう?……なんか、うん、照れるね///」


未央・卯月「……!」

840: 2018/05/18(金) 23:47:18.25 ID:b2BjbvAWo
凛「でもさ、印象に残った事って、何度も話したくならない?」

未央「聞かされる方の身にもなっておくれ!」

凛「……楽しい、かな」

卯月「考えた結果の結論がそれですか、凛ちゃん!?」

凛「うん」


凛「今でも……ハッキリ思い出せるよ」

凛「あの時の――」


未央「はいはい、ストップストップ!」

卯月「いつも、そうやって流れで話し始めるんですから、もう!」


凛「……」

842: 2018/05/18(金) 23:51:45.41 ID:b2BjbvAWo
凛「……ちょっと位良いでしょ、別に」

未央「ちょっとじゃないんだって! わかって!?」

凛「……納得出来ない」

卯月「このやり取りも、五回目位でしましたからね!?」


凛「うん。八回目でもしたと思う」


未央「話した時の事まで覚えてるじゃん!」

卯月「いい思い出なのは! いい思い出なのは十分伝わりましたから!」


凛「そう? まだ、全部伝えてない気がするんだけど」

凛「だから、また最初から――」


未央・卯月「やめてぇ!」

843: 2018/05/18(金) 23:56:21.64 ID:b2BjbvAWo
未央「力仕事してる姿に、キュンとしたって話でしょ!?」

凛「ちょっと……キュンとか、そんなんじゃないから」テレテレ

卯月「袖まくりした時に見えた腕に、ドキッとしたんですよね!?」

凛「ドキッとなんて……別に、してないってば」テレテレ

未央「――あれ? なんだろ、この感じ――……とか言ってたじゃん!」

凛「言ってないよ、そんなの」

卯月「言ってました! この耳で聞きましたから!」


凛「――あれ? なんだろう、この感じ――だから」


未央・卯月「誤差!」

844: 2018/05/19(土) 00:00:02.47 ID:iznu4Skao
未央「お母さんに、その時からかわれたんだよね!」

凛「そうなんだよね。別に、そんなんじゃないのに」テレテレ

卯月「お父さんとちょっと似てるわね、って言われたんですよね!?」

凛「私は、プロデューサーの方が……って、何言わせるの!///」テレテレ


凛「……初めてに言っておくけどね」

凛「プロデューサーは、その……そんなんじゃないから///」


未央「じゃあ、どんなんなのさ!?」

卯月「わかりません……! 私、もうわかりません……!」

846: 2018/05/19(土) 00:04:51.80 ID:iznu4Skao
未央「そりゃね!? 最初に聞いた時は盛り上がったよ!」

卯月「私達だって、アイドルの前に女の子ですもん!」

未央「だけどさ、二回目、三回目って聞いてってさ!?」

卯月「凛ちゃん、この話を全部で何回したんですか!?」

凛「何回って……どうだろ」


凛「多分、三桁いくかいかないか位じゃない?」


未央・卯月「狂気!」

凛「えっ?……そんなに、嬉しそうに話してた?」

未央・卯月「……」


未央・卯月「ノー、狂喜! イエス、狂気!」

848: 2018/05/19(土) 00:11:04.67 ID:iznu4Skao
未央「あのさ、しぶりん! 自分が何してるかわかってる!?」

凛「何って……何だろ? おすそ分け……かな?」

卯月「幸せを分けて回ってるつもりだったんですか!?」

凛「幸せって……ちょっと、やめてよ///」


凛「あっ、プロデューサーとお父さんが一緒に飲みに行ったみたいでさ」

凛「それで、お父さんもプロデューサーを気に入ったみたいなんだよね」

凛「ねえ、どんな話をしたと思う?」

凛「二人共あんまり喋る方じゃないから、想像がつかなくて」


未央「本人に聞いて!?」

卯月「しかも、この話ももう五回目ですからね!?」

849: 2018/05/19(土) 00:16:06.63 ID:iznu4Skao
凛「……なんだか、二人共冷たくない?」

未央「逆だよ! 物凄くあったかい反応してるからね!?」

凛「そんな事無い。文香は、何度も聞いてくれてる」

卯月「何度もって……あの、何回話したんですか?」


凛「……」

凛「……四十回ちょっと?」


未央「えぐい! それはえぐいよ、しぶりん!」


凛「……あ、五十回いってるかも」


卯月「最大の被害者じゃないですかぁ!」

850: 2018/05/19(土) 00:22:11.94 ID:iznu4Skao
凛「こう、本を読みながら、ずっと聞いてくれるんだよ」

未央「……しぶりん、それ、聞いてn」

卯月「しーっ! 未央ちゃん、しーっ、です!」ヒソヒソ

未央「あ、うん、そうだね」

凛「そういえば、文香は最近――」


凛「力仕事をする姿も、素敵なのですね」

凛「――とか、言うようになったんだよ」


未央「……いやあの、しぶりん?」

卯月「凛ちゃん? あの……良いんですか?」


凛「? 何が?」


未央・卯月「何が!?」 

851: 2018/05/19(土) 00:29:17.51 ID:iznu4Skao
未央「えっとね? しぶりんが、プロデューサーの話をするでしょ?」

凛「うん」

卯月「格好良かったとか、そういう話ですよね?」

凛「……ま、まあ? 悪くは……うん、無かったかな」

未央「それだけ話されたらさ……見てみたくなるとは、思わない?」

凛「何言ってるの? 見てみたく?」

卯月「……目をキラキラさせて語られるモノって、気になりませんか?」


凛「それは……うん、なるかも」

凛「……」

凛「文香が、力仕事をしてるプロデューサーを見たくなるって事!?」


未央・卯月「……」コクリ


凛「……!?」

852: 2018/05/19(土) 00:36:12.98 ID:iznu4Skao
凛「そんな……そんなつもりじゃなかったのに!」

未央「そうだよね、おすそ分け気分だったんだもんね」

凛「で、でも! 力仕事の機会なんて、ある!?」

卯月「本を運ぶの……特に、古書店なんかはあると思います」

凛「どうしよう……!?」


凛「このままじゃ、文香がプロデューサーにメロメロになっちゃう!」


未央「落ち着いてしぶりん! 聞いてるこっちが恥ずかしくなる!」


凛「落ち着いてなんかられない! キュンキュンするんだよ!?」


卯月「お願いです、凛ちゃん! あのっ、本当に落ち着いてください!」

853: 2018/05/19(土) 00:43:06.06 ID:iznu4Skao
凛「無理! だって、本当に格好良かったんだから!」

凛「見て、ホラ!/// ちょっと気を抜くと、顔が真っ赤になるんだから!///」

未央「待って待って!/// いや、ホント……待ってって!///」

卯月「えうぅ/// 照れが移って……な、なな……///」


卯月「――生!」


未央「――ハム!」


未央・卯月・凛「メローン!!」


未央・卯月・凛「……」

未央「しまむー、ナイス! おかげで、ちょっと冷静になれた!」

凛「……うん。ごめん、取り乱しちゃって」

卯月「島村卯月、頑張りました♪」

854: 2018/05/19(土) 00:52:23.38 ID:iznu4Skao
未央「……まあ、そんな感じでさ。しぶりんみたいに……ね?」

卯月「その……好きになっちゃう人が出るかもしれませんよ?」

凛「ちょっ、ちょっと待って! 別に、そんなんじゃないから!」

未央・卯月「……」

凛「何?」

未央「えっと……じゃあ、ふーみんがさ」

卯月「もしもですよ? プロデューサーさんの事を好きになっちゃったら?」


凛「足で撹乱して、ボディー狙いかな」

凛「……うん、大丈夫そう」


未央・卯月「何が!?」

855: 2018/05/19(土) 00:59:16.45 ID:iznu4Skao
未央「いやあの、しぶりん? 大丈夫って、何が?」

凛「安心して。大丈夫だから」

卯月「だから、何が大丈夫なんですか!?」

凛「あっ、卯月のステップを教えて貰ったら、回避もバッチリだと思う」

卯月「回避!? あの、回避って何をするつもりなんですか!?」

未央「しまむー! 聞いちゃ駄目!」


凛「私、家の手伝いもするから、案外力あるんだよ?」


未央・卯月「……!」ゴクリ

856: 2018/05/19(土) 01:06:13.48 ID:iznu4Skao
未央「……とっ、とにかく! そんなわけでさ!」

卯月「はっ、はい! もう、あんまり話すのは良くないと思います!」

凛「……うん。確かに、二人の言う通りかも」

凛「プロデューサーを困らせちゃうかもしれないから」

未央「そうそう! 思い出は、大事に胸にしまっておかなきゃ!」

卯月「あっ、それ素敵ですね! それが良いですよ、凛ちゃん!」

凛「はいはい、もうわかったから」


凛「未央と卯月も、力仕事してる姿見たくなっちゃうかもしれないしね」


未央・卯月「えっ? とっくに見たくなってるけど?」


凛「えっ?」

未央・卯月「あっ」

857: 2018/05/19(土) 01:12:35.84 ID:iznu4Skao
凛「……ねえ、今の、本当?」

…ユラァ


未央「いっ、いや……何て言うかさ! ねっ、しまむー!?」

卯月「がっ……頑張りまステップ! 頑張りまステップ!」ガクガク!

未央「ちょっと!? 一人で回避を始めないで!?」

卯月「頑張りまステップ! 頑張りまステップ!」ガクガク!

未央「足が震えてるだけじゃん! 何の効果も無いからそれ!」


凛「……ふーん。先に、未央からかな」


未央「効果抜群なの!? わ、私もステップを……」

未央「やっ……辞めまステップ! 辞めまステップ!」ガクガク!

卯月「頑張りまステップ! 頑張りまステップ!」ガクガク!


凛「……行くよ」

凛「蒼い風が――駆け抜けるように」

858: 2018/05/19(土) 01:20:13.79 ID:iznu4Skao
   ・  ・  ・

武内P「――私に、個人的な頼み、ですか」

文香「……はい。聞いて……いただけますでしょうか?」

武内P「そう、ですね。私に、出来る範囲の事でしたら」

文香「……!」パァッ!


文香「叔父が経営している古書店の、本の整理……なのですが」

文香「私もお手伝いしているのですが……力仕事が、とても多いのです」

文香「女性では……やはり難しいとは、思うのですが……」

文香「……何か、いい考えは……ありますか?」


武内P「……なるほど。つまり――」


武内P「男手が欲しい、ですか」



おわり

引用元: 武内P「あだ名を考えてきました」