1: 2019/10/23(水) 21:13:57.508 ID:xu4pXuuV0.net
【第1話】 種族転生 ~魔界天使となったシャドウミストレス~



桃「だから私は言ってやったんだ…。シャミ子はいやらし魔族なのかな…?ってね…」

ミカン「ちょっ、やめたげなさいよ…気持ちはわかるけど…」

桃「あの体で純粋無垢は卑怯だよね…」

ミカン「わかる…。無自覚工口スとか最高に罪だわ…」
まちカドまぞく 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

3: 2019/10/23(水) 21:19:41.541 ID:xu4pXuuV0.net
桃「なんだか小腹が空いてきた気がする…」

ミカン「そうね…。こんな時…シャミ子がいてくれたら夜食でも作って貰えたんだけど…」

桃「そんなしょっちゅう呼び出して何かを作らせてたらシャミ子に悪いよ…」

ミカン「そうね…。あ、テーブルの上にシャミ子が作り置きしといてくれた夜食があるわよ…」

桃「シャミ子の料理は何でも美味しいから助かるね…」

ミカン「そうね…」

5: 2019/10/23(水) 21:24:28.719 ID:xu4pXuuV0.net

桃「へえ…おにぎりか…」

ミカン「私はシャミ子の作るおにぎりに目がないのよ…」

桃「どうして…?」

ミカン「そんなの簡単よ…。人のぬくもりっていうのかしら…?握ってくれた人の手の味…じゃなくて、愛情を味わってるっていうか…」

桃「うわぁ…」

ミカン「何よ…。文句があるっていうんなら桃の分のおにぎりも私に寄こしなさいよ…」

桃「ダメだよ…。ミカンにそんな事を言われたら何としても食べきらなきゃいけない使命感がわいてきたからね…」パクー ムシャムシャ

ミカン「何も一口で食べきらなくても…」

9: 2019/10/23(水) 21:28:16.786 ID:xu4pXuuV0.net

ミカン「おかずにはウインナーかあ…」

桃「私はそのまま食べてたけど…シャミ子のは炒めてくれてたりひと手間加えられてあるんだ…。そういうさり気ない手間っていうのかな…?シャミ子の優しさを感じるんだ…」

ミカン「わかるー…」パリィッ!

桃「炒める事によりウインナーの皮がパツンパツンになって弾けんばかりの歯ごたえを生むんだ…。シャミ子のウインナー…」

ミカン「シャミ子のソーセージ…」

桃「うん…」

ミカン「いいわね…」

13: 2019/10/23(水) 21:32:14.999 ID:xu4pXuuV0.net

桃「卵焼きってのは家庭ごとに味付けが違うらしい…」

ミカン「シャミ子の卵焼きは甘味のある味付けなのね…」

桃「うん…。ご飯のおかずっていうか箸休め的な感じなのかな…。ほんのり甘くて…どこか優しいんだ…。心安らぐ…そんな卵焼き…」

ミカン「シャミ子らしいわね…」バクゥッ

桃「ちょっ…!何で最後の1個を食べた…!?」

ミカン「だって3個しかなかったんだからしょうがないでしょ…。余らせたら悪いし…」

桃「それは私が最後に食べようと大事に…」

ミカン「悪かったわよ…」

17: 2019/10/23(水) 21:37:17.546 ID:xu4pXuuV0.net
ミカン「桃はシャミ子の作る料理で何が好きなの…?」

桃「うーん…。色々あり過ぎて迷うけど…唐揚げかな…」

ミカン「あら意外…」

桃「そうかな…?唐揚げは家で作るとなると大変だからね…。油が跳ねたりして汚れだって気になるし…唐揚げを作り終わった後の油の処理だってあるし…」

ミカン「あー…確かに独り暮らしだったらそういうの気になるかもね…」

桃「まあ私は自炊しないから関係ないけど…」

ミカン「おい…」

桃「そんな面倒な思いをしてシャミ子が作ってくれるんだ…。美味しくないわけがないんだよ…」

ミカン「そうね…」

18: 2019/10/23(水) 21:41:45.058 ID:xu4pXuuV0.net
桃「そういうミカンはどうなの…?」

ミカン「スマホで撮ってあるから見せたげるわ…。はい、これ…」


桃「うーん…海老ピラフかな…?」

ミカン「残念…!海老炒飯でした…♪」

桃「画像が小さくてわかんないよ…」

ミカン「まあ所詮はスマホだしね…」

桃「でも何で海老炒飯が一番なの…?」

ミカン「そうね…。彩りっていうのかしら…。わかりやすく言うならインスタ映え…かな…」

桃「シャミ子の料理は美味しいだけじゃなく綺麗だもんね…。わかるよ…」

21: 2019/10/23(水) 21:45:29.693 ID:xu4pXuuV0.net
桃「そんな料理上手なシャミ子だけど…私は宅配のピザを取って一緒に食べた事があるんだ…」

ミカン「珍しいわね…」

桃「色んな具が乗った豪華なものを注文しようとしたんだけど…シャミ子が値段を気にしちゃってさ…。結局マルガリータを注文する事になったんだ…」

ミカン「シャミ子のそういういじらしいところ…嫌いじゃないわ…」

桃「そうだね…。質素なピザだったけどシャミ子は美味しい美味しいって喜んでくれてね…。何だか私まで嬉しくなったんだ…」

23: 2019/10/23(水) 21:52:06.175 ID:xu4pXuuV0.net
ミカン「私にも似たようなエピソードがあってね…。シャミ子と一緒にお寿司を食べたのよ…」

桃「えっ…?シャミ子と一緒にお寿司…!?」

ミカン「お寿司といってもスーパーの半額のやつよ…?シャミ子が定価のものや沢山入ったものに拒否反応を起こしたから…」


桃「そうだね…。シャミ子は自分が支払わなくても相手に対して申し訳なく感じてしまう優しい子だから…」

ミカン「お寿司は1種類に対して2つずつ入っていたからシャミ子と一緒に1つずつ食べたんだけど…」

桃「何かあったの…?」

ミカン「仲良く半分ずつ食べてる満足感っていうのかな…?これが美味しいですから食べてみて下さい、とかシャミ子が笑顔で言ってくれたりするのが…こう、胸にキュンとくるのよ…」

桃「ぐぬぬ…」

ミカン「一緒の食事を共有してるっていうの…?そういう心と心の繋がりを感じたわけよ…」

桃「私だって…私だって…」

25: 2019/10/23(水) 21:58:46.778 ID:xu4pXuuV0.net
ミカン「こんな話ばかりしてたら何だかお腹が空いてきたわね…」

桃「だね…。シャミ子の作り置きの夜食は美味しかったけど…二人でわけて食べるには少々物足りない量だったし…」

ミカン「何か食べに行っちゃう…?」

桃「そうだね…。せっかくだしシャミ子も呼んでみんなでラーメンでも食べよう…。いつものお礼って事で奢ればいい…」

ミカン「そうと決まれば私がシャミ子に電話させてもらうわ…」

桃「いやいや…ミカンにそんな手間はかけさせられないから私が…」

ミカン「いやいや通話料金がかかるだろうし私がかけるわよ…」

桃「いやいやいや…ここは私が…」

ミカン「いやいやいやいや…私がシャミ子にかけるってば…」

桃「いやいやいやいやいや…」

ミカン「いやいやいやいやいやいや…」

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シャミ子「ラーメン美味しかったです!」


-完-

31: 2019/10/23(水) 22:40:43.909 ID:vOOqUlMUM.net
おつ

引用元: 【まちカド】???『汝、豊満なる乳房を持つ者…シャミ子よ…』 シャミ子「この声は!?」ゾクッ