初春「♪」ﾄｺﾄｺ

佐天(あ、初春だ)

佐天「うい」

佐天(あ……)

佐天(これで呼び止めて、目が合っちゃったら、初春の能力消し去っちゃうのか……)

佐天(普通に話してて目が全く合わないってのも不自然だしなぁ……)

佐天(でもそんな事言ってたら、一生初春と会話出来ないじゃない……)

佐天(それに、初春の能力って確か……)

佐天「……」

佐天(よく考えてみたら、なにも問題無いわね)

佐天「初春ー！」

初春「あ、佐天さん！」

初春「こんな所でなにしてるんですかー？」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

佐天「買い物の帰りだよー(どうせ気をつけてても、いずれ目が合っちゃうんだろうから……)」

初春「あ、そうだったんですかー」ｽﾀｯ

佐天「うん。初春はなにしてるの？(……最初っから思いっ切り見ちゃえ)」ｼﾞｰｯ

初春「！？　佐天さん、どうしたんですか！？　そんなに私の所を見つめちゃって……」ｶｧｯ

佐天「いやいや、なんでもないよ。今日も可愛いなって(……ごめんね、初春)」

初春「やめて下さいよ佐天さん～！　からかわないでください～！」

佐天「いやいや、可愛いっていうのは本当だよ？　その頭の花がね！　(もう冷めたタイ焼きしか食べれなくなるけど……)」

初春「ひ、ひどいですよ～！」

佐天「ってか前々から思ってたんだけどさー」ﾄｺﾄｺ

初春「はいー？」ﾄｺﾄｺ

佐天「窓の無いビルってあるじゃん？　あれ、一体なんなんだろうね？　なんか入れないみたいだしー」

初春「確かに、なんなんでしょうねー。もしかしたら、中には……」

佐天「中には？」

初春「とんでもない能力者がいるとか！」

佐天「あっはっは。そんなわけないじゃん！」

初春「あ、ビルの陰から見えてきましたね」ﾁﾗｯ

佐天「あ、本当だ。相変わらず不思議だ」ﾁﾗｯ

佐天「あれ？」

初春「あれ？」

佐天「なんか、今あのビル、変わったよね？」

初春「は、はい……！　上手く言い表せませんが……なんか不思議なオーラ的なものが消えた気がしますね！」

佐天「……」

佐天(ま、まさか……無機物にも通用するの……？)

「ちょっとそこの女の子二人、良いかな？」

佐天・初春「は、はい？」ｸﾙｯ

ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「今ちょっとインタビューをしてるんだけど、もし良かったら協力してもらっても良いかな？」

佐天「インタビューですか？」

ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「はい。この夏にしようと思ってる事を答えて貰うだけの、本当に簡単なインタビューなんだけど……」

初春「それくらいなら大丈夫ですよ！」

ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「ただ、そのー……」

佐天・初春「……？」

ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「街頭ビジョンのテスト放送も兼ねてるんで、学園都市中の街頭ビジョンに生放送で映し出されちゃうんだけど……良いかな？」

佐天「え、えぇ！？」

ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「ちょっと恥ずかしいよね……」

初春「やりましょう！　佐天さん！」

佐天「え、えぇ！？」

初春「学園都市中のみなさんに見て貰えるなんて、素敵じゃないですか！」

佐天「そ、そう……？」

初春「良いじゃないですか！」

佐天「今日は花火大会だから、みんな外出して街中にいるんじゃないかなー？　さすがに恥ずかしいよー……」

初春「尚更良いじゃないですか！」

ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「もし良かったら、協力してくれないかな？　みんな断られちゃって……」

初春「ご協力致します！」

佐天「（仕方ないか……）じゃあ、ご協力します」

ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「あ、ありがとうございます！」

　　ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「学園都市のみなさん、聞こえますかー？　ただいま、街頭ビジョン一斉テストを行っていまーす！」


上条「お？」

御坂「こら、余所見すんなって！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

上条「くっ……」ｿｹﾞﾌﾞ


　　ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「ただ風景を映し出すだけではあれなので、、中学生の女の子２人にインタビューをしてみようと思います！」


御坂「あ！」

御坂「佐天さんだ！」

上条（今度は自分が余所見してんじゃねぇーか……）


　　ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「今年の夏は、なにをしようと思ってますか？」

　　佐天「そうですね～海に行ったり～」

　　初春「お祭りとかも行きたいですね～！」

　　ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「良いですね～！」


御坂「今日なんて学園都市中の学生が外を出歩いてるだろうから……これで佐天さんと初春さんもすっかり有名人ね」

　　ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「じゃあ最後に、学園都市のみんなにメッセージを！」

　　佐天「え？　メッセージですか？」

　　初春「メ、メッセージ？」

　　ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「じゃあ……背の高い方の女の子！　アップするのでどうぞ！」ｸﾞｲｰﾝ

　　佐天「わ、私ですか！？　えぇっと……」


御坂「おぉ！　佐天さん、超ドアップ！」

観衆「あの子、可愛いなぁ～」ｶﾞﾔｶﾞﾔ

観衆「思わず見つめちゃうぜ～」ｶﾞﾔｶﾞﾔ


　　佐天「が、学園都市のみんな、夏を満喫しようね！（は、恥ずかしい……）」ｳｲﾝｸ☆

　　ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「おぉ、良いですね～！」

　　初春「佐天さん、アイドルみたいです！」

　　ﾃﾚﾋﾞﾘﾎﾟｰﾀｰ「では、これにて学園都市街頭ビジョン一斉テストを終わります！」


御坂「佐天さん、中々やるわねー」

上条（水着ではしゃいでる所中継してたお前が言えた事かよ……）

御坂「じゃあ、勝負の続きよ！」

上条「結局やるのかよ……」

御坂「当たり前でしょ！」ﾋﾟﾝｯ

上条「くっ」ｽｯ

御坂「これでも……」

上条「……」ﾊﾞｯ

御坂「食らい……」



ﾁｬﾘｰﾝ



御坂「」

上条「」

黒子「……」ﾃﾚﾎﾟｰﾄ

黒子「……」ｼｰﾝ

黒子「……」ﾃﾚﾎﾟｰﾄ

黒子「……」ｼｰﾝ

黒子「ど、どういう事ですの……」



木原「当てずに、直前で引けば……！」ｼｭｯ　ｼｭｯ

一方「……」

木原「な、なに！？」ｼｭｯ　ｼｭｯ

一方「……」


「なにやってんだあのおじさん……」ｺｿｺｿ

「シュールだな……」ｺｿｺｿ


木原「なんで効かねぇんだよ！？」ｼｭｯ　ｼｭｯ

一方「……俺が聞きてェよ」

初春「いや～最後の佐天さんのアップはアイドル級でしたよ～！」ﾁﾗｯ

佐天「そ、そうかなぁ～……」ﾁﾗｯ

初春「学園都市中のみなさんがメロメロになっちゃったんじゃないですか～？」ﾁﾗｯ

佐天「そ、そんな事ないでしょ～……」ﾁﾗｯ

佐天・初春「……」ﾋﾟﾀｯ

佐天・初春「……」ｺｸｯ

佐天・初春「……」ｸﾙｯ


重福「！」

重福「えっ……なんできづ……」ｱｾｱｾ

佐天「いや、そのさ、別について来られるのが嫌とかじゃないんだけど……」

初春「は、話しかけて頂いても、大丈夫ですよ！」

重福「え！？　まさかずっと見えて……」

佐天（あー……なるほど。どっかで私と目が合って、能力消えちゃったんだ）

重福（ど、どうしよう……尾行してた事がバレちゃってたなんて……）ｱｾｱｾ

佐天「せっかくだし、今から三人で、花火行こう！」ﾆｺｯ

重福「え……？」

初春「良いですね！　ほら！」ｸﾞｲｯ

重福「は、はい……！」ｶｧｯ


――窓の無いビル――


アレイスター「うっ……ｺﾞﾎﾞｯ……誰か……ｺﾞﾎﾞｯ……誰か……！」ｺﾞﾎﾞｺﾞﾎﾞｺﾞﾎﾞｺﾞﾎﾞｺﾞﾎﾞ



終

ハッピーエンド

おつ～